第五十三話 魔石堀に初挑戦!
「オデットよ、はしたないぞ」
「ごめんなさいお兄様・・でも私イクミ様に早くお会いしたくて・・」
「今日の勉学は?」
「それは全て終えましたわ!」
「そうか!偉いぞオデットっ」
「うふふふふふ」
妹の頭を撫でる兄。
一見微笑ましいんだけどね・・。
「妹に甘すぎやしないかあの王は・・」
ヒューゴも呆れた様子。
オディールさんも額に手当ててため息ついてる。
やれやれこんな漫画みたいな展開が起こるとは・・。
ん?
うわああああ!
「綺麗・・・」
目の前に広がるのはまるで宝石箱の中にいるかのようだった。
大きな洞窟に色んな色がキラキラと輝いている。
これ全部、魔石や宝石なのかぁ!
「これは、見事だな・・・」
「きれーきれー!」
「魔力で満ち溢れている・・・」
ルルははしゃいじゃってる。
うん、これはテンション上がるわ。
「ここだけでなく各地に採掘現場があるのだ」
「勿論我が国の者しか立ち入れません」
強い結界やらでこの場所は絶対分からないようになってるんだって。
そりゃそうだ。
こんな場所、ものすごい取り合いになりかねない。
下手したら戦争なんて事も・・。
おそろし!
作業着姿の竜人族の人達は、丁寧に土を掘って石を傷つけぬよう慎重な作業をしていた。
少しでも傷がついたら価値がぐんと下がるというから、皆すごく真剣な顔だ。
「おいしそう・・・」
え?
ルルちゃん?
さっき綺麗って騒いでたのに今度は涎たらしてる。
はっ!
そういえば前に魔石食べちゃった事あったな・・!!
「ルル・・ここにあるものは勝手に食べたら駄目だ」
ヒューゴもそれを思い出したのか、ぽんとルルの頭をたしなめるように手を置く。
「うー・・・がまんする・・・」
はー良かった・・!
でもルルから目を離さないようにしなきゃ・・・!
すんごい価値のある石を食べちゃったら私ぶっ倒れる自信ある。
ま、まあ今物凄い数の金貨あるから弁償という手もあるけど・・それでもね・・。
「ほほう、スライムの少女は魔石も喰らうのですかな?」
「珍しいですね」
「見てみたいですわ!」
・・・ジークさん達興味津々でルルに注目。
注目されたルルは嬉しそうにぴょんぴょんしてる。
うん、絶対目を離さないぞ!
「よろしければ、採掘体験なさいますか?」
この現場で一番偉い竜人族の人のまさかの提案キター!!!
え、いいの?
「おお、それはいいな」
「すばらしい提案ですわ!!」
「身の安全は私にお任せください」
ジークさん達、ぜひぜひと進めてくる。
「我々が採掘した魔石類は我々のものにしても?」
「勿論だ」
「当然の権利ですわ」
「おお・・!新しい魔道具が作れるぞ・・!師匠!是非とも参加しましょう!」
ヒューゴがいつになく興奮してる。
貴重な魔石がただで手に入るチャンスに嬉しそうだ。
でも確かに、運がよければ良い魔石が手に入るかもだもんね。
あと宝石もね。
うん、何かそう考えると私もわくわくしてきた!
「あ。でもルル・・・」
採掘中うっかり目を離しちゃいそうだ・・。
「我が主、私は見てるだけにしておきます。ルルの事は私にお任せください。拾い食いせぬよう目を光らせておきます」
拾い食いって・・。
まあでもパテルさんがそう言ってくれるなら任せちゃおうかな?
そんなこんなで、私達は採掘初挑戦となった。
「ここら辺りを自由に掘ってください。ただし力任せは厳禁です。魔石は魔石から溢れる魔力を上手く感知するのがコツです」
ほうほう。
お借りしたツルハシを持って私は辺りを見渡す。
ヒューゴは魔石の魔力を感知しようと集中してる。
ルルは・・・穴掘りしてる。
どっちかっていうと砂遊びしてるみたい。
私はどこを掘ろうか?
・・・何となくここら辺りがいいかな?
ツルハシを掲げてせーの・・・!
ざく!
「え?」
ツルハシが土の壁に突き刺さった瞬間、そこから物凄い光が溢れ出た。
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