第三話 服や旅に必要な物を買おう!
まずは服を買おうと私は街の中を探索した。
八百屋みたいなお店とか屋台とか色々ある風景はまさに異世界!
私はある一軒の服屋さんを見つけた。
値札が付いていて、シャツにスカート、もしくはズボン合わせて銀貨1枚とか3枚とか、中々安い店だ(絵文字みたいな文字だったけど問題なく読めた!まさに王道!)。
「ん?」
店の奥で気になるのを見つけた。
まるで和風ダンスを踊る時に着衣しそうなデザインの和服だった。
片側は黒でもう片側は深い紺色な2色の配色に、裾は膝までの長さで黒いズボンと長袖のシャツ付き。
おまけに白い足袋と厚底タイプの草履まである。
この一角だけこんなデザインの服が並んでいる。
私はお店のお姉さんに聞いてみた(私がいる事に気づかずビックリしてた)。
「ああ、これはヒノマル国の衣装だよ。うちは色んな国の衣装を取り扱っているのさ!
特にこのヒノマル国の衣装は大人気なんだけど、出回るのはもっと大きな国ばかりでね~手に入れるの苦労したよ!」
ヒノマル国・・何だその名前。
日本から取りました~みたいなネーミングだ。
「ずっと昔にヒノマル国に召喚された聖女様が身に着けていた衣装がモデルだって噂だよ!
何でも国の名前もその聖女様が付けられたとか何とか」
はいドンピシャー!
その聖女様きっと日本人ですー!!
てか聞いてないのに教えてくれてありがとうお姉さん・・。
でもこの衣装、何か気に入っちゃったな。
忍者という職業に合わせて、和なスタイル・・良いんじゃない?
大人気という衣装なら、着てても違和感ないだろうし。
「あのこれ、靴も全部合わせていくらですか?」
「ん?お嬢ちゃんには買うのちょっと無理じゃないかな~?金貨7枚だよ」
高っ!
たしかに貯金あるといっても難しいな・・。
他にも色々買いたいし・・。
「でもそうさね・・・・お嬢ちゃんの着ているその服となら交換しても良いよ!」
「え、これですか?!」
「ああ、私もこの仕事は長いけどこんな良い生地は中々お目にかかれないからね!何よりも丈夫そうだ!」
まあ制服の生地は大概丈夫だ。
しかし何て都合のいい展開!!
私はご都合主義というとんでもないスキルもあるんじゃないだろうか?
私は喜んでセーラー服と交換した。
はっきり言ってこの先どうなるか分からないんだし、セーラー服には未練はない。
ついでに履いていた靴下とスニーカーも渡す。
奥で着替えさせてもらった。
私が選んだのは最初に見た深い紺色のやつである。
黒いズボンを履いて、黒い長袖シャツの上に着物を羽織って帯をぎゅっと締める。
今まで和服なんて七五三くらいしか経験はないし、お祭りの浴衣だっておばーちゃんに着せてもらっていたのだが、すんなりと着れた。
足袋や草履だって、全然違和感がない。
むしろこっちの方が歩きやすいような?
これも忍者だからだろうか?
お店のお姉さんに偉く感謝されながら私は店を出た。
今の所、こんな和服を着てるのは私だけだけど、影が薄い事もあって誰も私をじろじろ見たりしなかった。
「次は・・食器類かな?」
補佐丸は言っていた。
水や食料は忍術で何とかなると。
それは後で試すとして、国を出た後の事を考えて私は色々店を探して必要なのを購入した。
もしかしたらしばらく野宿もあり得るからね。
馬車で国を出ると言う手もあるけど、これから色々買うんだし、運賃がかかるだろうから使いたくはない。
それに国を出たら、すぐに忍術を色々試したいし。
あんだけのチートなステータス値だ、きっと私は凄く強いに決まっている!
それがお約束だもの!!
「お・・おもい・・・・・」
スクールバッグの中はパンパンになった。
置き勉タイプで、教科書の殆どは学校にあるとはいえ、食器類を購入したら(百円ショップ的な店があったのでラッキーと思って色々買った)もう鞄の中は一杯だ。
元々入っていたペンケースとノート3冊、体育があったので上下のジャージ・・これは何かあった時に使えそうだから売りたくはない。
「アイテムボックスとかあればなぁ・・・」
現実にあったら絶対欲しいスキル上位に入るだろう、アイテムボックス。
あれがあれば、荷物の心配しなくて済むのに・・。
『それなら、忍法 空間収納術と唱えれば解決するでござるよ』
おお補佐丸、何その空間収納術って?
ちなみに頭の中で思っただけでも補佐丸と会話可能である。
『空間収納術とは無限に広がる空間に荷物でも何でも仕舞える術でござる』
・・・・・・つまりアイテムボックスじゃん!!!?
何それすごい便利!
忍術じゃない感ばりばりだけどさっそく使おう!
レッツ忍術!!
「忍法・・空間収納術!」
一応辺りを見回してから、唱えてみる。
そしたら目の前に半透明な、何というか・・江戸時代に出てきそうな箱が出てきた。
あれだよ、小判とかざくざく入ってそうな箱。
何これ?これに入れろって事?
私は半信半疑で箱にバッグを入れてみる とバッグはそのまま消えてしまった。
『これで主殿の荷物は無限空間に収納されたでござる。
無限空間に収納された荷物は、主殿の好きな時に取り出し可能でござる。
新しい荷物を入れたい時は、また術を唱える必要があるでござる』
おーなるほどっ
最初は何これと思ったけど、まんまアイテムボックスだ。
これは大いに役立ちそう。
「ちなみにこういう何でも仕舞えるスキルって誰でも持ってるもの?」
『お答えするでござる。通常はアイテムボックスという名のスキルで、生まれつきに持っている者と持っていない者に分かれているでござる。
容量も人様々で、このスキルを持っている者は幸運と言われているでござる』
やはりアイテムボックスそのまんまの名前か。
でも持っている人もいるなら、他に誰かいても使えるな。
私は安心して買い物を続けた。
「さて・・・色々買えたし・・・この国をいよいよ出るぞ!」
銀貨1枚で購入した革鞄を背中に背負っていざ出陣!
しかし一つ難問があった。
目の前にあるのは高い高い城壁。
出口に繋がる門はちゃんとあるけど、兵士が何人もいる。
おまけに出ていく人達を1人1人チェックしている。
何か色々質問したりして、とっても・・・面倒くさそうだ。
「あんな所でつかまりたくないなぁ・・・」
色々質問されて、自分が異世界人だとばれたらきっと面倒くさい事になる。
私は影が薄いとはいえ、兵士から見えない場所に移動した。
「うーん」
高い城壁を乗り越えれば、すべて解決できるんだけど。
・・・・・・ん?乗り越える?
あのステータス値なら、ジャンプしてこんな壁くらい乗り越えられるんじゃない?
いくら体育のマット運動で前転してマットの上から盛大に転がり落ちた私でも!
14歳で未だに逆上がりができない私でも!!
補佐丸!
今の私ならこの城壁、乗り越えられるかな?
『お答えするでござる。今の主殿ならこんな壁、楽々に飛び越えられるでござる!』
よし!
補佐丸のお墨付きだ!!
何か補佐丸も張り切ったような声だ。
私はぐっと足に力を込めて思いっきりジャンプをした。
「・・・・・・・・・わぁ・・・・・」
目の前に広がる
国の外の、雄大な大地。
城壁の高さなんて軽々超えてしまった。
まるで空を飛んでいるかのような・・・・・。
凄く気持ちいい。
『主殿、そろそろ下を見ないと着地に失敗するでござる』
おおっと!そうだったそうだった。
段々と体が降下していくので、私は下を見下ろした。
このまま勢いよく地面に下りたらでかい穴が開きそう・・・音も響きそうだし。
あ、あの木を使って上手く着地しよう!
頭の中でシミュレーションをする。
そしたら体がスムーズに動いた。
木の一番太い枝に捕まって、ぐるんと回転して地面へと音もなく着地。
何かオリンピック選手になった気持ちだ。
あのチートなステータス値は幻じゃなかった!!
さらば王国
さらば藍原舞花
一応クラスメイトだから命運を祈る。
「さて、行くか!」
私はこれから先、どんな事が待っているのか胸が高鳴った。
できれば面白い事ばかりであってほしい。
命にかかわるような危険な事はまっぴらごめんです!
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「ついに旅の始まりね~!ここからが見物だわ~。
イクミ、頑張ってね~~」
イクミの貯金額は16万近くです。