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第三十四話 オーウェンさんとそのパーティーメンバー

ブクマ100超えしました!!

皆さんありがとうございます!!!


オーウェンさんはこの街の病院で入院中だった。

綺麗な病院だった。

ナースさん達は獣人も多かった。

ただナースさん達のスカート丈が妙に短いのが気になる・・。

何故あんなに短い?

しかも網タイツでハイヒールって・・誰の趣味だ?

あ、患者がナースさんのお尻触ろうとしてる!

止めなきゃ・・と思った矢先。


ヒュッ!

ドゴ!!!


ナースさんのヒールが患者さんの背後の壁にめり込み、ヒビが入った。

患者さんの顔すれすれの見事なキック。


「もうっおいたしちゃいけませんよ?」


にっこり笑うナースさん。

こくこく青ざめた顔で頷く患者さん。


「あー、ありゃどっかの冒険者だな?この病院のナースを知らねぇって事は」

「ナース達に不埒な真似しようものなら入院が長引く、とこの国では常識だからな」


ライリーさんとキーランさんの言葉に、この病院のナースさん達は最強なのだと察した。


「ルルもあんなすごいキックしてみたーい!」


ルルはナースさんの蹴り技に感動したみたいだ。


「ルルならきっとできるだろう」

「毎日練習すれば、魔物なんか一発で倒せるだろうな」


ヒューゴとパテルさんがそれを応援する・・。

何でこういう時この二人気が合うんだ?

ああ、ルルが戦闘オタクになったらどうしよう。




「オーウェン、入るぞ」


一室の前で止まり、キーランさんがノックすると中からどうぞと声が返ってきた。

中に入ると、ウサ耳が生えた白い髪の超絶美少女と緑髪の超巨乳で超美人さんとベッドにはライリーさんによく似た赤髪の超イケメンさんがいた。

な、何だこの顔面偏差値が異常に高い人達は!?


「ライリーさん、キーランさんこんにちは」

「お義父様、お義母様。こんにちは」

「ちょっと!気安くお義父さんお義母さんだなんて呼ばないでよ!」

「あら、でもいずれそうなるのですから」

「誰が決めたのよ!」

「おーい、クルミにミレイ。その辺にしとけよー」


いきなり言い争いを始めた二人に慣れた様子でライリーさん達が止める。

何なんだいったい?


「随分騒がしい奴らだな」

「けんか、よくないよー」

「ああ・・せっかく面白いものが見れそうだったのに・・」


パテルさん、何でそんな残念そうな顔するの?


「え、Sランクのヒューゴ様・・?」

「嘘・・本物?」

「ヒューゴさんだとっ」


ウサ耳美少女と超美人さんと超イケメンさんがこちらに注目する。

女性二人はヒューゴとパテルさんを見て頬を赤らめた。

イケメンさんはヒューゴの姿にぽかんと口を開けてる。

このイケメンさんがオーウェンさんだろうな。

ライリーさんにそっくりだし、同じ赤い髪だし。

体中の包帯が痛々しい・・。


「オーウェン。お前が会いたがっていたイクミもいるんだぞ」


ライリーさんは私の背中をぽんと押した。

今の今まで私に気づいてなかった3人は、私の存在にめちゃ驚いた顔をした。


「い、いつの間に・・!」


最初からいたけどね。

まあ影が薄いんだから仕方ないか。


オーウェンさんは【紅の疾風】というパーティーのリーダーだった。

ウサ耳の美少女はオーウェンさんの幼馴染のクルミさん。

パーティーの斥候さんだ。

超美人さんはハーフエルフで、パーティーの魔法使いさんだ。

オーウェンさん、両手に花状態なパーティーだな。

さっきの喧嘩からして、女性二人はオーウェンさんに好意持ってるみたいだし。

ハーレム物の主人公ポジか!!

まあ、超イケメンさんだからモテるのも納得だけど。


「先ほどはすいませんでした。俺はオーウェンと言います。父と母から貴方の事は聞いています。この度は本当にありがとうございました」


オーウェンさんはとても礼儀正しい人だった。

あ、キーランさんそっくりの黒いふさふさ尻尾生えてる・・触ってみたいかも。

私はベッドの横の椅子に腰を下した。

ベッドにはテーブルもあったけど、テーブルの上には2種類のお菓子が置いてあった。

きっと女性陣が用意したんだろうなぁ・・。

見るからに可愛らしいお菓子と、見るからに豪華そうなお菓子。

うーん・・お菓子からも二人が争ってるのがよく分かる。


「あ、これお見舞いです。ブランネジュ国のエップルパイです」


私は持っていた箱をオーウェンさんに渡した。

ブランネジュ国で購入したパイ。

お見舞い品として、ライリーさん達から渡してもらおうと思っていたのだけど、こうして直接本人に渡せてよかった。


「エップルパイ!俺の大好物です!!ありがとうございます!!」


オーウェンさんは嬉しそうに箱を受け取ると、中を開けて切り分けてあるパイに早速かぶりついた。


「オーウェンっ行儀が悪いぞ!まったく・・こういうところがライリーにそっくりだな」

「いやー、それほどでも」

「褒めてない」


うわあ!有名な春日部が舞台の漫画みたいなやり取り見ちゃった!

異世界でこんなコントが見れるとは・・!!


・・・・うわ、クルミさんとミレイさんが凄い顔してる・・。

そういえばあのお菓子・・手をつけてる感じじゃなかったなぁ。

怖い・・何か怖い。


「ルルもールルもたべたい~」

「こらこら、病室で騒いだら駄目だろう?」

「変わりにこれでも食べていろ」

「わーい!」


別の椅子に座っていたルルのお強請り。

パテルさんが窘めるように頭を撫でている。

ヒューゴがアイテムボックスからエップルのマフィンを変わりにあげていた。


「ごめんなさい。騒がしくしちゃって」

「いえいえ。ずっとクルミとミレイの喧嘩しか聞いてなかったから、むしろ楽しいです」


オーウェンさんはちょっと遠い目をしていた。

あの二人の喧嘩、日常茶飯事なんだろうなぁ・・。

あ、二人とも気まずそうに眼を逸らした。


「怪我の具合はどうですか?」

「はい、もうすぐ退院できると医者が言ってました」

「それは良かったです!」

「ありがとうございます」


よくよく見たら、女性二人も腕とかに包帯を巻いていた。

例の魔物に襲われたときの傷らしい。


「いったいどんな魔物だったんだ?」


ヒューゴの問いに、オーウェンさんは眉をしかめた。


「・・・・サヴェッジドラゴンです」


空気が、変わった。

クルミさんもミレイさんも顔色が変わる。


「・・サヴェッジドラゴン・・・あれを相手によく生き延びれたな」


ヒューゴがそんな事言うなんて・・。

そんなに強いの?


『サヴェッジドラゴンはSランクの魔物の中でも特に危険視されている魔物でござる。理性の欠片もなく、本能のみで暴れ回り多種族の魔物も食い荒らすとんでもない魔物でござる』


うわあ、恐ろしい・・!!

そんな魔物と戦ったんだ・・・。



「あれはもう・・バケモノだわ・・」

「ええ・・オーウェン様がいなかったら、私達はもうこの世にいなかったでしょうね・・」


オーウェンさんが二人を庇いつつ、機転を利かせた戦法によって何とか逃げ切る事ができたという。

オーウェンさん、凄いなぁ。

でもサヴェッジドラゴン・・・Sランクの魔物にはまだ出くわしてないけど、どんだけ強いんだろうなぁ・・。


「奴には歯が立ちませんでした・・。不甲斐ないです」

「そんな!オーウェンがいたから私達は助かったのよ!」

「そうです!オーウェン様のお陰ですわっ」


悔しそうなオーウェンさんを二人が慰めるけど、きっと冒険者としてのプライドの問題なんだろうな・・。


「オーウェン、命があるだけでも幸運だ。お前はよくやったさ」

「そうだ。自分を責めるなオーウェン」


ライリーさんとキーランさんもオーウェンさんを慰める。


「オーウェンといったな。そうやって自分を責めて何になる?」


ヒューゴの言葉にオーウェンさんが俯かせていた顔を上げる。


「俺はお前が正しい判断をしたからこそ、こうして生き延びる事ができたんだと思っている。正しい判断を見極める事も強さの一つだ。

悔しいと思うなら、その思いを糧にもっと自分を鍛えればいいだけの事。

今ここで自信を責め続けても何も変わりはしないぞ」

「ヒューゴさん・・・」


ヒューゴなりに、オーウェンさんを励ましてるのかな?


「・・ありがとうございます」


オーウェンさんがようやく笑ってくれた。

どうやらヒューゴの言葉がちゃんと届いたらしい。

良かった。

私は無限空間からオーウェンさんの剣を出した。


「その剣は・・・!」

「ライリーさんとキーランさんからお預かりして、鍛冶師のアーニーさんに直してもらったオーウェンさんの剣です。鞘はアーニーさんからの贈り物です」


剣を受け取るオーウェンさん。

鞘から剣を抜き、剣を掲げるように見つけた。


「・・・直ってる・・俺の剣が・・直ってる」

「アーニーさんから伝言です。大事な相棒に無理をさせてはいけないと」

「相棒・・・・」


オーウェンさんは赤い刀身を見つめる。


「・・・そうだな・・ここで悔やんでても仕方ない・・。俺が未熟だったから相棒があんな事になったんだ。もっと修行しないとな」


オーウェンさんの目が変わった。

良い目になった気がする。

オーウェンさんって偉いなぁ。

Sクラスの魔物と対峙して大怪我して、ここでトラウマになって挫くパターンも多いだろうに、それをちゃんと乗り越えようとしてるんだから。


「オーウェンさん、私が何か言える立場じゃないけどオーウェンさんは本当に凄く頑張ったんだと思います。

だから、こうして生き延びれてお会いする事ができたんです。

オーウェンさんは凄い人です。

私は、オーウェンさんにこうして出会えた事、嬉しく思ってます」


同じ立場だったら、きっと私は挫いてる。

いや、恐怖のあまり引きこもっちゃうかもしれない。

前に進もうとしてるオーウェンさんは本当に凄いと思った。


「イクミ、さん・・・」


イクミは気づかなかった。

オーウェンの顔が赤く染まったのを。


ライリーとキーランはおやおやとにんまり。

クルミとミレイはショックを受けた顔。

ヒューゴとパテルの顔に影が差す。


イクミとルルだけが何も気づかなかった。


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