第三十話 従魔契約
誤字脱字報告、ありがとうございます!
従魔って、テイマーのあれ?
・・・・・いやいやいやいや!
「な、何言い出してるですか一体!?」
「そうだっ貴様何を考えている!!?」
ヒューゴが私とパテルさんの間に入り込み、手を払いのけた。
パテルさんは立ち上がってにこにこした顔だった。
「我は冥界での暮らしが退屈でこの地に来た。そしてイクミと共に行動すれば面白い生活を送れると判断した。だから従魔契約を求めた。それじゃ駄目か?」
いや駄目かって・・。
面白さを求めて契約って、そんなのあり?
「従魔契約をそんなふざけた理由でたやすくして良い訳がないだろうっ」
あ、やっぱり。
「契約など、大概そんなものだ。我は是非ともイクミと契約をしたい。それに・・」
「それに?」
「から揚げと塩おむすび、あの味を知ったからにはもう離れがたい!」
食目的かーい!
むしろそっちが前提だろ・・・っ
「くっ・・・同意したくないが・・・その気持ち・・分かってしまうのが悔しい・・!
おおいヒューゴくぅん!!
分かっちゃうのかい!
「確かに・・・あの料理は一度食ったら忘れられねぇ・・・」
アーニーさんまで・・。
「から揚げとおむすび、おいしいから大好き~」
ルルちゃんは許す!
「それに我は強い。我を従魔とすればそれなりに役に立つと思うぞ?」
うーん・・確かに。
でも今の所、魔物退治には困ってないしなぁ。
「でも漆黒の一角獣さんを従魔にしたら・・凄く目立ちそうだし」
「確かに、彼方此方の国で大騒ぎになるだろうぜ」
「多くの王族達が、自分達の国に引きこもうと動き出す事は目に見えてますね」
うわあ絶対嫌だあああああっ
王族とか、めんどくさそうっ
そういうのは遠慮願いたい・・!
「ならこの姿でいれば問題はないだろう。それに角も翼も隠せるから普通の馬としても誤魔化せるぞ」
あ、なるほど。
・・・でも、こんなヒューゴに負けないイケメンさん、また違う意味で目立つだろうなぁ・・・。
「お前達は徒歩で旅をしているだろう?我が【分身】のスキルを使い、お前達の足になってやろう。移動速度がぐんと上がるぞ」
んっそれは魅力かも。
「移動速度が上がると、今回みたいな依頼には最適かも・・」
「しかし師匠・・・・」
ヒューゴ、凄く嫌そう。
相性悪そうだ。
ん~どうしたものか・・・・。
「頼む・・我を是非そなたの従魔に・・・・・・」
いつの間にかヒューゴを押しのけて、至近距離でパテルさんがいた。
イケメン顔がもの凄いアップ・・!
こ、これはヒューゴが弟子入り志願した時と同じ状況・・・!!?
う・・ヒューゴで慣れてきたとはいえ、イケメンさんにはまだまだ免疫が・・・!!
「貴様・・師匠から離れろ・・・!」
ヒューゴがニエンテの切っ先をパテルさんの首元に。
うわああ、ヒューゴ顔が怖い・・!
「決めるのはイクミだ。お前がどうこう言う権利はないだろう?」
そう言って、またパテルさんは私をじっと見つめた。
「イクミ・・・・」
低い声で囁かれる。
あまぁい、低音ヴォイス・・・・!!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
私のバカああああ!
ついこくんと頷いてしまったあああ!
その瞬間だった。
パテルさんと私は光に包まれた。
な、何事!?
『従魔契約の儀でござる。今この瞬間、主殿はこの者と契約を交わしたのでござる』
ほわ!?
今!?
『この者が契約を求め、主殿はそれを了承したからでござる』
まじですかああああ!!!
「はははは!これで契約は交わされた!もうお前にどうこうできないぞ!」
「師匠ー!どうか今すぐ契約解除をーーーー!」
「ばかめ!契約解除は互いの意思がなければ不可能だ!」
「くそおおおおお!!!!」
光が収まった後、パテルさんはヒューゴに向かって高らかに笑い、ヒューゴは悔しそうに項垂れた。
念の為、私のステータスを確認してみる。
【名前】クサカベ イクミ
【年齢】14歳
【種族】異世界の人間
【職業】忍者
【レベル】∞
【魔力】∞
【攻撃力】∞
【守備力】∞
【俊敏性】∞
【運】∞
【従魔】漆黒の一角獣
【スキル】補佐役 万能忍術
従魔という項目が増えていた。
うわあ、本当に私に従魔が・・・しかも伝説級の魔獣さんを・・・。
もう私本当にどっかの主人公みたい・・。
「漆黒の一角獣が従魔に・・・天変地異の前触れかこりゃあ」
「おうまさんっおうまさん!」
こうして私達に新たな仲間ができたのだった。
ああ、どうか波乱とか起きません様に・・・!




