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第二話 職業 忍者って・・・


「う~ん・・・異世界で忍者属性とは・・いや、確かにそういうファンタジー小説もあったけどさ・・実際に自分がそうだと、何というか・・すっごい微妙」


これはあれか?

私が日頃から影が薄いから、異世界に来たらこんな職業になったのか?

ああ、忍者だから巻物なのかな?

ステータス値が書かれた、宙に浮かんだままの巻物・・これは他の人には見えないんだろうか?


『お答えするでござる。状態情報の内容は主殿にしか分からないでござる』


あ、ありがとう説明してくれて。

忍者だから、こんなござる口調で説明してくれるのかな・・。

私は色々気になる事を補佐役に聞いてみた。


「補佐役って鑑定スキルとはまた違うの?」

『お答えするでござる。通常の鑑定スキルはただ相手のステータス値、薬草等の情報を目の前に掲示するだけでござる。

拙者はそんなつまらぬスキルとは違い、主殿の知りたい事や悩み等全て答えるでござる。要は主殿のサポートをするでござる』


あ、やっぱりサポート役なんだ。

ん~何かこんな風に喋ってくれると、補佐役って堅苦しい呼び方で呼びたくないなぁ・・。


「ねえ、色々教えてくれるんだから補佐役なんて呼び方じゃ硬いから、そうだな・・・忍者っぽく補佐丸って呼んでいい?」

『・・・・・・・・・・・・・・・承知したでござる!拙者今から、補佐丸と名乗るでござる!』


おお、何か嬉しそうだ。

良かった良かった。


「んじゃ補佐丸、この状態情報確認っていうのは他の人のステータスも見れるの?」

『可能でござる。名前を知らぬ者の場合は其の者を視界に収めねばならぬでござるが、名前を知っている者なら大丈夫でござる。これは鑑定スキルを持つ者なら皆そうでござる』

「ふむふむ、鑑定スキルって誰でも持ってるの?」

『異世界人以外ではいないでござる。冒険者ギルドでは状態情報確認、主殿の言うステータスを見る事のできる魔道具はあるでござるよ。

ただし拙者のようにサポートに適したスキルは現時点で主殿しかいないでござる』

「え、聖女として召喚された藍原舞花は持ってないの?」

『あの者はただの鑑定スキルしか持っていないでござる』


私は気になって藍原舞花のステータスを見てみた。


「藍原舞花の状態情報確認」


再び太鼓の音が響き、目の前に巻物が現れる。



【名前】藍原舞花

【年齢】14歳

【種族】異世界の人間

【職業】繁栄と幸せをもたらす聖女

【レベル】1

【魔力】200

【攻撃力】80

【守備力】90

【俊敏性】95

【運】100

【スキル】鑑定、幸福拡散


「あ、ほんとにただの鑑定スキルだ・・。幸福拡散って何?」

『お答えするでござる。幸福拡散とは周囲にいる者達を幸福にする事ができるスキルでござる』


・・・・何か、争いの種を生みそうなスキルだな・・。


「気になってたけど、聖女ってどういう扱いされてるの?」


小説によって聖女の扱いは様々だ。

世界を闇から救うとか何とかさ。


『この世界では異世界より召喚された聖女はその名の通り、繁栄と幸せをもたらすと言われているでござる。

過去にも何度か聖女が召喚されたでござるが、その度に聖女を召喚した国は幸福拡散のスキルによって大きく栄えたでござる。

この王国は王も含めた王族皆、欲が深いでござるから聖女の力を使って領土拡散とか狙っているのでござる』


うわぁ・・これまたお約束的な・・・。

やっぱり城から出て正解だったわ。

ありがとうファンタジー小説、この手の小説読んでて良かったー。


『ついでに言うなら、聖女を巡って何度も戦争が起きてるでござる。

よって、国によっては聖女は災いをもたらす悪女と呼ばれているでござる』


・・・・・・・うん。早くこの国を出た方が良いみたいだ。

戦争なんかまっぴらだ。


「ところでこのステータス値って平均的なの?お城では魔力が高いとか言ってたけど」

『まあ平均より、特に魔力は高めでござるが、この程度の魔力では到底繁栄と幸せなんて無理でござるな。

精々近くにいる者だけに幸福を与えるだけでござる。

城の奴らはおだててるだけでござろう』


言うねぇ補佐丸。

私は路地裏から出て、街を歩く人達のステータス値を見てみる。

大体は50から60前後。

レベル1~3だ。

なるほど、確かに藍原舞花は平均より高い。

しかしこうして見ると、いかに自分がお約束的なチートなステータス値だという事がよく分かる。


「まあとにかく、この国にはあまり長居はしない方が良さそうだね。

でもお金もないし、セーラー服のままっていうのもなぁ・・・」

『お金ならあるでござる。主殿、財布の中を見るでござる』


え?財布?

私はスカートのポケットを探る。

死んだおばーちゃん手作りのがま口財布だ。

赤い花柄で、何よりも大好きなおばーちゃんが作ってくれたものだからとても気に入っている。

だけどこんなに重かっただろうか・・。


「え?何これ?金貨?銀貨?」


財布を開けると、中は金貨や銀貨、銅貨が詰まっていた。

確か中は千円札が2枚と100円が4枚しかなかった筈。


「補佐丸、この世界ではお金の価値は私の世界と比べてどんな感じ?」


補佐丸はこう答えてくれた。

私の世界のお金の価値と比べると・・。


銅貨1枚 100円

銀貨1枚 1000円

金貨1枚 10000円


どうやらこの3種類しかないらしい。

10円とか1円とかないのか・・。

でもこっちのほうが分かりやすいと言えば分かりやすいかな?


財布の中を数えてみると、どうやら私が小学生時代から貯金していた額が入っているようだ。

今はネットで小説はいっぱい読めるし、おばーちゃんの言いつけで私は物を大事にしてきたからな。

だからおこづかいもあんまり使わなかったから、中学生にしては結構貯金した方だと思ってる。

おばーちゃんも、おこづかいやお年玉、いっぱいくれたもんなぁ・・・。

けれど貯金したお金が入ってるなんて・・どれだけご都合主義なんだろう。

まあ助かったけれど。

これだけあれば何とかなるかも?


「よし!服を買うぞ!あと食料と水もね」


それからこの国を出よう。

忍術がどういうものかはまだ分からないけど、あんだけのチートなステータス値だ。きっとどうにかなる!


『あ、食料や水なら忍術で何とかなるでござるよ』

「まじで!?」


・・・・本当にどうにかなりそうです。


これからもっと、ご都合主義で話が進んでいきます

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