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第二十四話 オークと遭遇?



「ル、ルルちゃ、その姿じゃ頭に乗るのは無理・・っ」


よじよじと私にのぼってきたルルは定位置である頭に乗ろうとした。

しかし流石にそれは無理があるよルルちゃん・・。


「頭や肩に乗りたいときは、スライムの姿じゃないと無理だよルル」

「む~」


ぷくっと頬を膨らますルル。

君はフグか。

思わずつんつんしてしまう。


ルルはスライムの姿にも人の姿にも自由になれると分かった。

何度も目の前で変身してくれたから。

でも人間の姿になれたのがよっぽど嬉しいらしく、数日間は走ったり木によじ登ったり土を掴んでみたり、ずっと人の姿で色んな事をやっていた。

料理も私の真似をして包丁を使いたがる始末だ。

流石に怖いからさせてないけどね・・(子供用包丁作ってみようか?)。

今日もルルは森の中ではしゃぎまわっては、ヒューゴにじゃれついてる。


「国についたら、ルルの洋服見てみようか」


ずっと着替えのシャツだけじゃねぇ・・。

あと下着も買わなきゃ。

ずーっとノーパンじゃあかん。

とりあえず間に合わせでズボンを履かせて、裾を折りまくって脱げないよう紐で縛って固定させている。


「師匠~ルルがまた隠れてしまいました」

「またか!」


ルルは【擬態】のスキルでかくれんぼも気に入ってしまった。

着ている服さえ風景と擬態してしまうというご都合主義により、森の中に隠れるルルを見つけてはまた隠れる、見つけてはまた隠れる・・これの繰り返しを何十回繰り返した事だろう。

まあ私もヒューゴもすぐに見つけられるんだけどね。


「ってあれ?」


ルルの気配が周囲に全く感じない。

ヒューゴは突然地面に土下座した。


「師匠っ申し訳ありません!俺が目を離したばっかりにルルが迷子になってしまいました!」

「いやヒューゴの所為じゃないから・・。私もボーとしてたのが悪いんだし、だから顔上げて」


というか、この世界にも土下座というポーズはあるんだね。

いや、そんな事考えてる場合じゃなかった。


「ルルー?どこに行ったー?」

「ママーパパー」


辺りを探しながらルルの名を呼ぶと、すぐに返事が返ってきた。


「ルル、どこに行って」


・・・・・ルルちゃん、君は何を引きずってるのかい?


「ルル、見つけた。やっつけた!ルルえらい?」


毒魔法を使ったんだろう、口から泡を吹いて絶命している、腰みのをつけた豚。

これはアレだろうか・・・?


「何と、オークを仕留めてくるとはっ偉いぞルル」


やっぱりオークかああああ!!!!

豚の魔物!オーク!

数々の異世界物に出てくるオーク!


ヒューゴはルルの頭を撫でて褒めてる。

ルルは嬉しくてぴょんぴょんジャンプしてる。


「オーク肉は美味なんですよ!魔物肉としては人気なんですっ」


肉好きのヒューゴは興奮している。

美味しいんだオーク・・。

これも異世界あるあるだな。

オークは美味しい!

そんなネタが多いもの。

この世界のオークの見た目は完全に二足歩行の豚。

丸々と太った豚。

これも異世界あるあるだね。

普通なら躊躇するだろうけど、魔物肉を食べる事に今更抵抗はない(コカトリスのから揚げとか普通に食べてたし)

これも恐怖耐性とか術のお陰だろう。

だから目の前のオークも食べろと言われたら食べれる自信はある!

流石に生は遠慮するけど・・。



「ルル、どこにいたのこのオーク」

「あっち。いっぱい、いた」


ルルが指を指した方角。

何だろう、地響きがする。


「いっぱい?」

「うん、いっぱい」


地響きはどんどん大きくなる。

同時に魔物の気配も感じた。

それもかなりの。


「ヒューゴ」

「はい師匠」


ヒューゴはニエンテという槍を手に、私は忍び刀を抜く。

オークの大群が低い鳴き声を出しながら森の奥から姿を出したと同時に、私達は攻撃を開始した。



====================



「ヒューゴ、オークが人気のお肉ならギルドで高めに買い取ってもらえるかな?」

「そうですね。肉は3体分ほど残しておきましょう」

「残りは?」

「俺達の分です」

「やっぱり・・」


オークを手早く解体していくヒューゴ。

オークは40ほどいたけど、時間は15分もかからなかった。

ヒューゴが言うにはオークは解体が簡単らしく、すぐに終わるらしい。

その間は私はルルと遊びながら今夜のご飯を考えた。


「(作り置きはまだあるけど、折角だしアレ作ろうかなぁ?)」




ギルドで買い取ってもらう分以外のオークを解体し終えたヒューゴ。

さっそく私は夕食の準備に取り掛かった。


「偶には外で夕飯にしようか。この森からの夜空って凄く綺麗だし」


青い森に白い月(元の世界と比べるとかなり大きい)の光が指すと、別世界に迷い込んだかのように幻想的だ(実際別世界だけどね)。

初めてこの森で夜を過ごした時の感動は忘れられない。


「ヒューゴ、お米炊きとお味噌汁よろしくね」

「了解です!」

「ルルも、お手伝い、するっ」

「じゃあルルはヒューゴを手伝ってね」

「はーいっ」


コンロに土鍋、無洗米とお味噌汁の材料(ナスのお味噌汁)をヒューゴに渡す。

食事は私が用意すると決めたんだけどね。

国を出る前に作り置き用の料理を手伝ってもらったのをきっかけに、食事の用意をするたびにヒューゴは周りをウロウロするんだもん。

それでお手伝いを頼んだら凄く喜ぶし。

試しに朝食用として、お味噌汁の作り方を1、2回教えたら完璧にマスターしちゃったもの。

流石は天才だわ・・。


「さて私もやっちゃうか」


長ネギは千切りにしてボウルに入れて水にさらす。

オーク肉を薄切りにして、ボウルにしょうゆやみりん、お酒に砂糖とにんにく(チューブタイプ)を目分量で入れて、タレ作り混ぜ混ぜ。

フライパンに油を引いて薄切りのオーク肉を焼いて、タレを入れてざっと肉に絡める。


「まぜまぜ~」


ルルはお味噌汁をお玉でぐるぐるかき混ぜてる。

可愛いなぁ。


「師匠、ご飯炊けました!」

「うん、じゃあお皿によそって」


深めのお皿にごはんをよそい、そこへ炒めたお肉を乗せて、水にさらしたネギを乗せる、と。

特製豚丼の完成だっ。



「これはっご飯が無限にすすみますね!」

「おいしー!」


うん、目分量で作ったタレだけど上手くできてるできてる。

ルルはスプーンを握りしめてご飯をかっ込んでる。


「いっぱいあるからおかわり自由だよー」

「ルル、いっぱいたべる!」

「師匠が作ると、オークも更に美味になりますねっ」

「二人の作ったご飯やお味噌汁も美味しいよ」


お米の炊き具合は中々だし、お味噌汁もナスが程よく柔らかくなって実に美味しい。


「ママ、パパ、星、きれー」


空を見上げると、まさに満面の星空だった。

雲一つもない。

プラネタリウムなんて目じゃない。

元の世界での空気の綺麗な場所だって、この星空には叶わないだろう。

満天の星空に浮かぶ大きな白い月と青い森、異世界ならではの光景だよこれはっ。


「ほんと、綺麗だね」

「食欲が進みますね」

「すすむーっ」

「・・・うん、そうだね」


この綺麗で幻想的な場所で、食べているのは豚丼とナスのお味噌汁。

何ともミスマッチだが、気にしない事にしよう。

ヒューゴとルルは何度も豚丼をおかわりした。

お陰で作った豚丼用のお肉はすぐに完売になった。


「今日はデザートに、ピンクローズ堂の星菓子食べようかっ」

「それはいいですねっでは俺が紅茶を入れましょう」

「でざーと!でざーと!」


星空の下で食べる星菓子と紅茶、うん良いじゃない。

それこそ、この風景にぴったりな組み合わせだわ。

明日はどうしようかな?

オーク肉はまだまだあるから、とんかつでも作ろうかな?

・・・・・星空の下で食べるとんかつ・・・まあ、良いか。


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