表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/138

小話 お姫様は聖女に選ばれた

番外編で藍原舞花の小話を



私が生まれたのは桜が満開の春の日。

ひらひら舞う花びらを見て両親が花のように愛らしい子になるようにと舞花とつけてくれた。

小さい時から私はお姫様だった。

両親も祖父母も私はお姫様だと言ってくれた。

幼稚園の頃から、男の子は皆、私に夢中だった。

女の子達は皆、私に羨望の目を向けた。

そりゃ当然よね。

だって私は可愛いんだもん。

私は生まれながらのお姫様。

お姫様は愛されて当然なんだから。


でも私は毎日退屈だった。

つまらない日常に飽き飽きだった。

一時期、()()()()もしてみたけど、それも飽きてしまった。

そんな時、あるゲームを見つけた。

逆ハーレムという、たくさんのイケメンに愛される女の子が主人公の、乙女ゲーム。

そうよ、私が求めているのはこれだったのよっ。

だって私はお姫様、沢山のかっこいい王子様に愛されるのが普通なのよ。

なのに現実の男は今一な奴ばっかり。

逆ハーレムの乙女ゲームやラノベ、夢小説等、私はイケメン達に愛される逆ハーレムに夢中になった。

中には異世界に召喚されるヒロインのお話もあって、異世界なら私を愛してくれるたくさんの王子様がいる筈だと思った。


ああ、神様。

どうか逆ハーレムの世界のヒロインになれますように。

毎晩そう願ったわ。


そして神様は願いを叶えてくれたっ。

本当に私は異世界に召喚された。

登校途中で、地面が光り出して気づけば全く知らない場所。


「どうかこのアムルート王国をお美しい貴女様の力でお救い下さい!」

「聖女様!」

「聖女様!」


聖女と言うのは私の事らしい。

すぐに私はこれは異世界に召喚されたヒロインのポジションだと気づいた。

ローブ姿の人達が聖女様、聖女様と私を取り囲む。

ステータスの確認をと言われて、ローブを着た内の一人が石の板みたいなのを私に向けた。



【名前】藍原舞花

【年齢】14歳

【種族】異世界の人間

【職業】繁栄と幸せをもたらす聖女

【レベル】1

【魔力】200

【攻撃力】80

【守備力】90

【俊敏性】95

【運】100

【スキル】鑑定、幸福拡散


やっぱり私が聖女!

周りは強い魔力だとか騒いでいる。

そりゃそうよね。

こういう場合のヒロインは強い力を秘めているものですもの!


そのまま私は王様のいる場所へ連れてこられた。

豪華な部屋、豪華な椅子に座っている王様と王妃様。

王様は中々にダンディーなおじ様だった。

王妃様は興味ないけど、私の方が綺麗ね。

それよりもあの二人は王子様かしら?

何てイケメンなの!

学校の男子達とは比べ物になんない!

一番人気のサッカー部の部長だった先輩も彼らには足元にも及ばないわっ。


王様はこの国はかつてない貧困に見舞われて、藁にも縋る思いで伝説の聖女を召喚したと話した。

まさにこの流れは愛されヒロインの第一歩だわ!

そしてあの二人の王子様はきっと攻略対象ね。


「どうかこの国を救ってもらえないだろうか?」

「勿論ですわ。私などの力がお役に立てるのでしたら」


あんなイケメン王子二人を見て、断る理由なんてない。

私は制服のスカートをつまんでお辞儀をして承諾した。

逆ハーレムにはまだまだ数は少ないけど、きっとこれから増える筈だろうし。

王様達は私の返事に喜んでいた。


「私は第一王子のヘンリーだ。聖女様、この国の為に力を貸してくれる事、心より感謝する」

「僕は第二王子のレイナード。聖女様、僕からもお礼を申し上げます」


ヘンリーは金髪の青い目の典型の王子様タイプね。

レイナードも同じ金髪の青い目だけど、まだちょっと幼さが残ってる感じ。

でも二人とも長身でスラッとしてて攻略対象としては文句なしの合格だわ。


「そうだ、聖女様にも紹介しておこう。ローガン、こっちへ」


鎧を纏った、王子様達よりも大きな人が来た。

あら、顔に傷があるけどこの人もイケメンね。

鋭い目つきだけどそれがまた素敵。


「私の幼馴染で、騎士団の副団長を務めているローガンだ」

「初めまして聖女様、ローガンと申します」

「頼りになる男です。聖女様、もし何かあれば僕達に遠慮なくご相談くださいね」

「私達はいつでも力を貸そう」

「聖女様の為なら、いつでもこの身を盾にします」


ヘンリーもレイナードもローガンも優しく微笑む。

ローガンも攻略対象ね絶対。

中々好調なスタートだわ。

でも油断できないわ。

きっと色んな苦難があるはず、だってそれがお決まりだもの。

でもそんなのに絶対負けないわ。

だって私には私の願いを叶えてくれた神様がついてるんだもの。

神様にも愛されてるんだわきっと。

そんな私がバッドエンドになる訳がない。


でもいつか私を巡って王子様達が争いとか始めちゃうんじゃないかしら?

それは阻止しないと。

私が狙うのは逆ハーレム。

たくさんのイケメン王子様達に愛されるストーリーが目的なのよ。

一人でも王子様が省かれるなんてそんなの駄目。

だってもったいないもの。

皆に愛されるエンディングの方が、誰も不幸にならないでしょう?

皆が私を愛して、私は皆を愛する。

それが一番幸せじゃない。

ああ、神様、本当にありがとう。

私はきっと、この物語を逆ハーレムエンドにしてみせるわ。

だって私は皆に愛されるお姫様なんだから。


藍原舞花は叱られる事もなく、何でも買ってもらったり我儘も全部叶えてもらったり、甘やかされて育てられました

でも猫を被るのが非常に上手いんです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ