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第十九話 初めての依頼は、配達?



今日は冒険者になって初めての依頼挑戦だ!

依頼に失敗すると、賠償金がかかるとの事だから慎重に選ばないとな。

旅の資金調達目的で冒険者になったのに、それで一文なしになったら元も子もないもんね。


ギルドに入ると、既に何人かの冒険者達がいた。

またもや注目を浴びるがもう気にしない事にする。


「師匠、依頼はこちらで選べます」


掲示板に色んな依頼書が張られていた。

薬草採取や護衛任務、店の掃除なんていう雑用もあった(一番下のFランクは雑用系中心だった)。

魔物退治もあるな。

えっと、Bランクの依頼は、と・・。


「いよう、待ってたぜぇ?」


振り返るとライリーさんが絶対何か企んでる笑顔で立っていた。

まあライリーさん、今日もセクシーで・・。



私達はライリーさんに昨日も入った奥の部屋、ギルドマスターの部屋に押し込まれるように連れてかれた。


「実はイクミ、お前直々に頼みたい依頼があるんだ!」


な、何だろう・・。

ギルドマスター直々の依頼って、とんでもない魔物の討伐かな・・?

異世界物ではそういうのが多いもん!

いきなりドラゴンと戦えと言われたらどうしよう。

あれ?そもそもドラゴンいるのかな?

でも竜人族がいるっていうし、普通のドラゴンもいそうな気がする。


そんな事を考えていたら、キーランさんが何やら細長いものを机の上に置いた。

茶色い布で包まれている。


「まあこれを見てくれ」


キーランさんがその布をずらして中を見せてくれた。

剣だ。

長い、細い長剣。

刀身の色は赤い。

でも途中で大きなヒビが入ってしまっている。


「これは?」

「アタシ達の息子の愛用の武器さ」


息子!?


「息子がいたんですか!」

「まあね。息子は現役のAランクの冒険者でね、先日組んでいるパーティーメンバーと依頼を終えた帰りにSランクの魔物に運悪く遭遇して何とか全員生き延びれたんだが、酷く怪我を負っちまってね・・」

「大丈夫なんですか・・?」

「全員、命に別状はない。今は病院で安静中だ。この剣はその時に折れかけたんだ」



Sランクの魔物、どんな奴なんだろう。

これから旅をしていく中で遭遇するかもしれない。


「これは・・ヒヒイロカネ製か?」

「さすがはヒューゴ殿だ。見ただけで分かるんだな」


ヒヒイロカネ?

もしかして結構貴重な金属なアレ?


『この世界では4番目に硬く、貴重な鉱石でござる。ちなみに3番目がミスリル、2番目がアダマンタイト、1番最も貴重なのがオリハルコンでござる』


わーお、異世界物では定番中の定番な伝説の金属が勢ぞろい。

王道だなぁ。

にしてもヒヒイロカネ製の剣って凄いものじゃない?

世界で4番目に硬い剣にヒビなんて・・Sランクの魔物、とんでもないな。


「息子、オーウェンが偶然ヒヒイロカネの鉱石を手に入れてね、それである奴に鍛えてもらった剣がこれさ。オーウェンはこの剣をとても大事にしていたよ」

「怪我よりも、この剣にヒビが入った事の方がショックが大きいらしい」

「剣を打ってくれたあいつにも申し訳がないって、伏せちまってるんだよ」


そうか・・。

この剣は息子さんにとっては相棒同然だったんだろうな。

それがこんな状態になって、ショックなのも無理ないね・・。


「そこでイクミ、お前に依頼を頼みたい。この剣を鍛冶師、アーニーの所に届けてもらいたいんだ」

「・・・・・・・・・・・・・・えぇ!?」


まさかの依頼の内容に思わず声を上げてしまった。

いやてっきり魔物退治と思っていたからつい。


「アーニーとは、リンベルト山に住むあの鍛冶師のアーニーか?」

「そうだ、この剣はあいつに打ってもらったんだ」

「なるほど・・師匠に荷物持ち等もっての外だと思ったが、あそこなら理解できる・・」


ヒューゴはアーニーという人を知ってるらしい。

誰だ?


「誰なんですかアーニーさんって?」

「アーニーとは妖精族、ドワーフの鍛冶師です」


おお!!?

ドワーフ!!

ここでドワーフきたああああ!

鍛冶師のドワーフ!定番だあああああ!



「ドワーフっ!本当にっ?」

「ええ。奴ならヒヒイロカネの剣も打てるでしょう。奴の腕はドワーフの中でも随一ですから」


しかもかなり有名な鍛冶師さんみたいだっ。

王道な展開キタコレ!

初めて会うドワーフが凄い鍛冶職人ってテンプレじゃああん!


『貴重な金属を扱える鍛冶師はドワーフでも少ないでござるよ』


やっぱり凄いドワーフのようだ!

ドワーフに会えるだけでもテンション高くなるのに凄い鍛冶師だなんてまさに王道っ。


「ただかなり変人です」


え、変人?

どういった意味で変人なんだろう?


「奴はリンベルト山という魔物一匹見たら百匹以上いるという山に自ら好んで住んでいる変人です」


ゴキブリか!

でも確かに変わってるな・・自分からそんな山に住むなんて。


「どうしてそんな所に住んでるの?」

「奴は魔物の肉が大好物で、そこに住めば毎日食べ放題だとか」


食のためかい!

そりゃあ確かに変人だわ。

でもそんな事言うんだから、かなり強いドワーフなのかも・・。


「本当はアタシらが行けたらいいんだが職業上、長期間ここを離れる事はできねーんだよ」

「何かあの山は歩いて一ヶ月はかかるからな」

「一ヶ月!?」


そりゃ遠いわ。


「しかもその山は高ランクの魔物が出やすい。だから君にお願いしたいんだ」

「昨日のイクミの戦い方や人柄を見て思った。お前になら任せられるってな。何せこんな身内事情、他の冒険者には頼みにくくてよぉ」


言ってる事も確かに分かる。

でも会って間もない私にそんな大役良いのだろうか?


「あのでも私、冒険者としては新参者だしそんな凄く大事な事、任せても良いんですか?ヒューゴに頼むのなら分かりますけど・・」

「昨日、お前金貨の数数えなかったろ?それはアタシを信用してくれたって事なんだろ?会って間もないアタシを」

「それは、ライリーさんは不正な事をしない人だと思ったから」

「アタシもだ」


ライリーさんはまっすぐ私を見た。


「アタシも旦那もアンタを信用できる。アンタに会って話をして、一緒に飯も食った!それでこいつは信用できるって思った。それで十分だろ?時間なんて関係ないさ」


キーランさんは隣で頷いていた。

ライリーさんの言葉に、私はいたく感動してしまった。

そっか。

私がそうだったように、ライリーさん達も私を信用してこの依頼を任せてくれようとしてるんだ。

ライリーさん達と私は、一緒だ。



「・・・分かりました!その依頼、絶対やり遂げます!」


ライリーさんもキーランさんも笑顔でありがとうと言った。

私を信用してくれたんだ。

それにちゃんと答えないとね!


「師匠、俺もできるかぎりお手伝いします。リンベルト山への道は知ってますから」

「んじゃ道案内はヒューゴに任せたぞ。途中の魔物の討伐もイクミの腕なら問題ないだろうが、手伝ってやれよ?」

「無論だ。師匠には指一本触れさせん」


ヒューゴくん頼もしいーっ。

キーランさんが赤茶色の袋を持ってきた。

アーニーさんに渡すお金らしい。


「これであいつへの代金は足りる筈だ。金貨300枚、しっかり預けたぞ?」

「この手紙も一緒に渡してくれ」


300枚・・大金だぁ!

私は預かった剣とお金、手紙を大事に無限空間へ仕舞った。


「あの、一ヶ月と言うと長旅になりますから2日ほど時間貰っても大丈夫ですか?準備してから出発したいんですけど・・」

「それは勿論だ。出発する時は言ってくれ」

「依頼の報酬はちゃんと払うからな。一応地図も渡しておくよ」


地図!

そういえば地図は初めてかも。

貰った地図をさっそく広げてみた。

地図にはリンベルト山へのルートが事細やかに書かれているけど、途中で広い森があった。

一応森を避けた道もあるけど、明らかに森を通った方が早そうだ。



「この国へ行く時も森を通ってきましたけど、リンベルト山に行く途中にも森があるんですね」

「まあ大抵、どっかに行くとなると森は必ずあるぞ」


そうなのか。

壁に貼ってあるもっと大きい地図を見ると、確かに色んな森があった。

小さい森から広い広い大森林まで。

・・あ、海もある!

海、行ってみたいなぁ。

この世界なら人魚もいそうだ。


『いるでござるよ?』


いるんだあああああ!!!!

よしっいつか海に行ってリアル人魚に会うぞ・・!

きっと美人さんが多いだろうなぁ。

この世界の顔面偏差値高いもの。

おっとと、今はそんな事考えてる場合じゃなかった。


「近道を考えると森を通った方が早いが、魔物との遭遇率が高いから遠回りでも整備された道を通った方が賢明だな。熟練の冒険者ならともかく」

「師匠、森を通れば半月でリンベルト山につきますよ」


半月か~。

まあ私とヒューゴなら森の中も平気かな?

最初の森でも全然大丈夫だったし。

ルルも魔法の練習ができるかも。


「んじゃ森の中を通って行こうか?」

「はいっ!」

「お、頼もしいねぇ~!流石だわっ」

「しかし気を付けて行けよ?」

「勿論です!」


初めての依頼だもの!

何よりライリーさんとキーランさんが私を信用しての依頼。

頑張るぞっ!

まずは街で色々買い出ししておこう。

あと旅の途中ですぐにご飯食べれるように少し作り置きもした方がいいかな?

料理する時間がとれるか分かんないし。

それにしても強い魔物がいっぱいいる山に住んでるドワーフってどんな感じなんだろうなぁ?


『主殿、わざわざ山に行かずとも主殿の術で剣は直せるでござるよ?』


うぉっそうなの補佐丸?


『復活の術で可能でござる』


そっか、バイクも直せたもんね。

ん~、でもドワーフの鍛冶師に会ってみたいしなぁ。

それに、私が直してもあの剣は喜ばないと思うんだよね。

物にも魂が宿るっていうし、あの剣は作ってくれた鍛冶師に直してもらった方が絶対良いと思うんだ。

見ず知らずの私が直すより、その方が息子のオーウェンさんも安心できるだろうしね。


『そうでござるか。承知したでござる』


それじゃ買い出しに行くとするか。


====================


「ん~、中々関係が発展しないわね~♡

そーだ!良い事考えたっ早速運命の神ちゃんにお願いしよ~と」


ちょっと展開が無理矢理すぎたかも(今更)

創造神が何やら企んでいるようです

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