第九十四話 海の魔物の正体2
黒い霧の大きさは全長50メートルは超えていた。
その霧は兵士達の攻撃を無効にしたという。
槍で攻撃してもまるで手ごたえがなく、魔法を放っても黒い霧に吸い込まれるように消えた。
しかも黒い霧はこちらからの攻撃は無効にできるが、黒い霧がまるで触手のように形を変えると、鋼鉄のような硬さで兵士達を叩きのめした。
「うわあ、それって向こうのやりたい放題だね・・」
「しかし相手も運が悪かった・・・何せ私達がいましたからね」
パテルさん、すんごいドヤ顔でにやりと笑う。
な、何をしたんだ一体?
まず黒い霧をどうにしかしようとパテルが先に魔法を繰り出した。
己の腕を引っ掻き、赤い血をぼたぼたと垂れ流す。
流れた血は徐々に、三日月のような形へと変化する。
「血操術 鮮血疾風」
三日月の形の刃となったパテルの血は、それまでの攻撃を物ともしなかった黒い霧を文字通り切り裂いていった。
「冥界にも似たような魔法を使う奴がいた。最も我には全く効かなかったがな」
漆黒の一角獣であるパテルの前では、黒い霧はなす術がなかったようだ。
切り裂かれて消えていく黒い霧。
やがて、黒い霧に隠れていたモノの正体が明らかになった。
「黒い霧から現れたのはケートスという、レベルAの海の魔物でした」
「ケートス?」
「頭部は犬、体は丸々太った魚の魔物です」
「・・・・・・・・(可愛くないだろうなぁ・・・)」
「しかしながら、奴は俺の知ってるケートスとは様子が違いました」
「え?」
ヒューゴは真剣な顔をした。
「俺の知っているケートスは先ほども言ったように、頭部は犬で体は魚です。しかしあのケートスは頭部からある筈のない角を生やし、体の鱗は赤黒く変色していました。しかも本来のケートスの大きさは最大でも10メートル前後。しかし奴は50メートルもの巨体でした・・。そして、凶暴性がはるかに増していた。まるで、あの森にいた・・・」
ヒューゴが何を言いたいか、分かった。
「・・・・サヴェッジドラゴンみたいに、変化してた?」
こくりとヒューゴは頷いた。
どういう事?
そのケートスという魔物も、サヴェッジドラゴンと同様に第三者の誰かが関わってるって事・・・?
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