第九十一話 王子、ついに帰還
ヒューゴの言っている意味がさっぱり分からない。
神輿?パレード?
どういう事なんだろう?
「ごめんヒューゴ、何を伝えたいのかさっぱりなんだけど・・・。あと周りのにぎやかな音は何?」
イヤリングから流れる音楽は激しさを増す一方だ。
正直言って耳鳴りしそう・・。
『これは俺達を称える音楽だそうで・・とにかく今とんでもない事になってるんです!師匠は今どこにおられるのですか!?』
「あーえっと、話すと非常に長くなるんだけど・・今、色々あって海の底にある竜人族の国、ドラシエル・マリーンに向かってるの」
しーーーーーーーーーーーん。
しばしの静寂。
うん、その反応は予想してた。
でも次のヒューゴの発言は予想してなかった。
『ほ、本当ですか!!?俺達も今、そのドラシエル・マリーンにいるんです!!!』
「・・・・・ええええ!?!?」
イヤリングから音がだだ漏れだったので、聞き耳を立てていたランスロットさん達も驚いた顔をした。
でも何でヒューゴ達もドラシエル・マリーンにいる訳?!
「ど、どうしてヒューゴ達がその国にいるの?」
『俺達も話せば長い事情がありまして・・ああでも師匠がここに来てくださるなんて・・!!何て幸運!何て奇跡!!!』
『え、ママ?ママがくるの?!』
『我が主が来るというのか!?おいそのイヤリングを貸せ!』
『ルルもー!ルルもおはなしするー!!』
『こ、こら!今は俺が師匠と話してるんだ・・!あ、おい!!』
ぶつん!
・・・・何か魔法で作った魔道具なのに、電子的な音が響いた後、イヤリングから何も聞こえなくなった。
・・・・・結局どういう事なのか全く分かんないよ!!
訳が分からないよ!(某べぇさん風)
「あの・・・要約すると、イクミさんの仲間が我が国にいると・・?」
「うん・・・そうみたい」
ランスロットさん、どういう顔をしたらいいか分からないみたい。
そうだよねー。
私もどういう顔したらいいか分からないよ。
こう言う時、どんな顔すればいいのか分からないの・・(心の中で迫真の演技)。
・・ふざけてる場合じゃなかった(ファンにイメージ崩れるってボコボコニされるわ)
「止まれ!!!!」
わっ何?
うわあああ!!!人魚だ!!!
コーラルさんと同じ、下半身がお魚!!
人魚が沢山いる!!!
でも皆、武器を持って武装してるのがすんごい気になる・・。
え、不審者と間違われてる?
ま、まあ巨大なクラゲに乗ってゆらゆらとやって来たらそりゃあ怪しまれるかな?
でもその時、ランスロットさんが高らかに声を上げた。
「武器を下げよお前達!俺の顔を忘れたか!?」
「・・・え、ランスロット王子・・?」
「お、王子様!?」
「王子様・・・・?」
「王子様だ・・・王子様が生きて帰ってこられたぞ!!!」
「王子!!」
「王子様!!!!」
うぉおおおお!と皆、持っていた武器を高く掲げて大声を上げた。
皆、嬉しそうな顔で叫んでる。
「王子様、よくぞご無事でおられました・・!」
「よく見ればクララではないか!お前も無事だったのか!」
「ん?そこにいるのはコーラルか?良かった、生きていたのか!」
「見かけない奴もいるが・・まさか人間!?」
「王子、一体何があったのですか!?」
口々にあれこれ言う武装人魚さん達。
でもランスロットさんがす、と右手を上げると皆急に静かになって、姿勢を正した。
「話せば長い話だ。ここではなく国に戻ってからきちんと話す。ここにいる彼女は我が客人だ。安心してくれ。父上と母上は城か?」
「はい。ずっとランスロット王子の身を案じております」
「そうか・・・・。すぐに帰還する!」
人魚さん達は、私達の周りを守るように陣を組んだ。
顔は今だに嬉しさを隠しきれていない。
「皆・・ランスロットさん達の事を心配してたみたいですね・・」
「・・・・・本当に悪い事をした・・・・」
ランスロットさん、これにコーラルさんもクララさんも申し訳なく俯いてる。
まあこればかりは仕方ないか・・。
それより、ヒューゴ達に何があったんだろう?
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