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第16話 展開


「なあ、じっちゃん。じっちゃんが特殊メイクを教えた奴って誰なんだよ?」


「翔にも教えたよ」


「翔じゃなくて他には?」


「そりゃお前、たくさんいるさ。昔は教室を開いてたからな」


「教室だって? 俺、知らないよ? いつ頃の事?」


「そうさなぁ、もう二十年も前の事だ。お前はアメリカに留学してたじゃろ」


「じゃ何で翔の名前だけを警察に言ったんだよ?」


「何を言ってる。翔に教えたのは事実じゃからな。翔が最後の生徒だ。それに他の奴等の事など覚えておらん」


「そんな事言ったら警察が翔を疑うじゃないか?」


「馬鹿な事を言うな。翔が殺人何かするはず無かろう」


「だったら翔の名前何か出すなよ」


「あの刑事がしつこく聞くから答えたまでじゃ」


「じっちゃん、しっかりしてくれよ。その教室の名簿とかはないの?」


「そりゃあるさ。ワシは古本屋だからな。何でも大事に取ってある」


「それを見せてくれ。じっちゃん」


「そうさなぁ? 場所は忘れた。正夫、どこかに有るから勝手に探せ」


「じっちゃん・・・」



〜〜〜〜〜〜〜〜



「そんな訳でやっと見つけたよ。拳ちゃん」


「で、どこにあったんだ?」


「それが・・・じっちゃんの尻の下」


「はははっ!じいさんらしいな」


「最近じいちゃん、ボケてきたかも? 翔の名前何か出すなんて・・・」


「翔が犯人の訳がない。二十年前は翔はまだ小学生だ」


「そうだよな」


「あの刑事も信用するなんて焼きが回ったらしいな。それでマサ、名簿から何か分かったか?」


「名簿に載ってる全ての人を調べたら一人怪しい奴がいた。拳ちゃん、こいつに見覚えない?」


「いや、見覚えはないが、何故怪しいと思うんだ?」


「住所を見て。ボクシングジムの真ん前のアパートだ。美和ちゃんを見かけてた可能性は高い。今はもうそのアパートはないけど」


「ああ、そのアパートなら覚えてる。おんぼろの二階建てだった。で、そいつの今の住所はわかったのか?」


「うん、突き止めてある。今、翔のとこのスタッフが張り込んでるよ」


「さすが、マサ。やることが早いな」



〜〜〜〜〜〜〜〜



「武田さん。あのじいさんの言ってた男はシロですね」


「ああ、あのじいさんの言葉を信じた俺が馬鹿だった。探偵さんに言った事を後悔してるよ。他に情報は無いのか?」


「ひとつだけ。まだ未確認ですが。マンションの防犯ビデオを解析した結果、犯人の特定が出来るかも知れないと言う事です」


「それは素晴らしいじゃないか。いつ特定出来る?」


「今日の午後にも報告が上がって来ると思います」


「よし。今度こそ探偵さんより早く犯人を逮捕するぞ。じゃなきゃ俺の面目丸潰れだよ」




==========



「おい、そろそろけりを着ける時だ。もう待ちきれない」


「私にはそんな気は無い」


「俺にはお前の気持ちが良く分かっている。お前ももう我慢できないはずだ」


「そんな事はない。私はお前に消えてもらいたいだけだ」


「ああ、あの女を殺したら直ぐに消えてやるさ」


「馬鹿な事を言うな。頼むからもう消えてくれ。私は平穏な人生を歩みたいだけだ」


「笑わせるな。お前はもう四人の人間を殺してるんだぞ。平穏な人生など送れる訳がないだろう」


「それはお前がやった事じゃないか」


「俺のやった事はお前のやった事だ。そんな事もわからなくなったのか?」


「もう許してくれ・・・」


「だめだ」


「・・・」



===========



閑静な住宅街。


空には大きな満月が浮かんでいた。


一際目を引く豪邸を見張るワゴン車に武田刑事と今井刑事がいた。


「裏はとれたのかね。今井君」


「はい、間違いありません。証拠も揃ってますし。DNAも一致しました。もう全員配置に着いてます」


「よし。手筈道理頼むぞ。失敗は許されない」


「はい、わかってます」

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