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第5惑星   作者: らっきー
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闘技場

血しぶきが舞い唸り声を上げ 肉と肉がぶつかり合う


古代から蘇った巨大生物 体長18メートル体重8トンの化物が長さ18センチにもなる牙をむき出しに敵の急所を狙う死闘


火星の地下で この半円の頑丈な金網で行われる ティラノサウルスのデスマッチ 地下カジノのメインイベント


「野蛮だねー亅 


ショッポは鼻から煙幕を吐きながら感じる


歓喜 号泣するギャンブラーたちが蠢く中で冷静に闘獣の闘いを見守る 白髪の老紳士にショッポは声をかける

 

「野蛮なのは人間の方だよ亅 


彼は呟くとゆっくりと歩きだし自分の研究室の方にショッポを誘導する


分厚いドアを抜けると別世界のような静寂が二人を待っていた


白髪の老紳士は革張りの上等な椅子に腰掛け パイプをくわえ火をつける


この痩せ型で白髪の老紳士 城影が目的の男だった


893ビルで教授と呼ばれている この老紳士は薄暗く静かなこの研究室でティラノサウルスのクローンを産み出し調教師たちに高値で売付る


金次第でその高度な生物学の知識を使い 違法な人体改造なども行う闇医者である


城影はパイプのタバコを飲み干すと立ち上がり薄暗い研究室のその奥にある生体ロックのかかるドアを開け


薄笑いしながらショッポに小さく目線でサインを送る


黒光りする外骨格 鋭い鋏を持ち 毒針の仕込まれた尾を持つ姿


「毒はぬいてあるから亅


薄笑いを浮かべながら自慢げに腕を組む城影とショッポの前には


強固な壁と強化ガラスに囲まれた大部屋に 象いやマンモスほどの漆黒の蠍が眠りについていた


ショッポは興奮を隠すためタバコをくわえた 


「注文通りだ」


お気に入りのキャプテンハットをケースから出し被ると

「コイツ 脳みそはあるんだよな?」


少しの沈黙のあとの城影の答えにショッポの顔色が変わる


注文は二つ

(砂漠に強いデカい生物を作る事)


(その生物をネオクリスタルを使う機器を使わないでコントロール出来る事)


コントロール出来ない化物に金は出さない


城影は鼻息の荒い男を交わして 革の椅子に座りまたタバコふかし始めた


薄暗い研究室の静寂を破り轟音と金網の熱が入りこんできた


研究室の一つしかない入り口から若い男が現れ中の二人の争いをストップする


「取り込み中だったかな?」


この若者はモヒカンにグリーンのミリタリージャケットを着てパイロットサングラスをかけ 胸に手のひらサイズの蜂のブローチをつけている


城影は煙を吐ききり


「彼が打開策だよ」


ショッポはその若い姿に不安しか感じなかった







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