通りに繋がる通路
ストレートは闇医者の黒田の違法医療施設にいた
そして
首だけのショッポが入った金魚の水槽のような、液体の薬剤で満たされた生命維持装置を眺めていた
「このくらいで死なないよコイツは」
黒田は水槽を眺めるストレートの肩を軽く叩く
ストレートは何も言わずに闇医者の薄暗い施設の出口に向かいドアをあけ、通りに繋がる長い通路に出る
狭い通路にはサニーが腕を組み壁にもたれかかっていた
ストレートは無視し通り過ぎようとしたがサニーが制止する
「逃げたら殺すよ」
若造はサニーに飛びかかりマッドマックスを抜きサニーを罵倒する
「お前らイカれてるのか?」
ストレートは
有るかどうかもわからない黄金のために命を貼るノーチラスが理解できない事
イヤ、これほどの危険を侵してまで地球に行き、ゼロテリトリーの中に入るなど自殺行為だと訴えた
アウトロー気取りだった若者は本物の野蛮な世界に戸惑い、本物のアウトローを目の前にし、完全に臆病風をふかせ、自信をなくしていた
「ショッポにはゼロテリトリーに絶対行かないとならない理由があって、それにはお前が必要なんだ」
サニーは怯える若者を見逃す訳にはいかなかった
「黄金なんて本当にあるのか?」
うなだれるストレートにサニーは答える
「ショッポの目的は黄金じゃない」
サニーはストレートを無理やり拘束することも出来たが、自分の流儀に反するため、仕方なく昔話を始める
「この話を聞いて逃げるのであれば、ショッポには悪いが、お前を殺して別の手段を探すよ」
ストレートはナイフに手をかけるサニーの話を聞く以外に選択肢がなかった




