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第5惑星   作者: らっきー
16/32

ドックチェリーの思い出の海

仕事を終えたノーチラスのUボートは地球の生き残った海を 原住民たちが商売している闇市マーケットを目指し走らせていた


闇市のある港に近づくと港には停泊せず 少し離れた場所で潜水艦を浮上させ 小型の高速ボートを降ろす


ショッポ サニー トカゲ各々は目当ての物がある為 地球の毒素のある大気から肺を守るために小型の酸素マスクを装着し 小型のボートに乗り込み 闇市の港を目指し 小型高速ボートを進めた


今度は特別 趣味趣向のないドックチェリーが残りUボートの安全管理を任された


「暇だな」


安全管理と言っても 危険地帯ではない 何もない海の上では ガンポッドの脅威もなく ハッキリいってただの留守番だった


ドックチェリーは暇を持て余し 隙潰しにもう1台残る 小型の高速艇を降ろし 普段はサニーがいるので眠らせている人工知能を目覚めさせ 留守番をさせて出掛ける事にした


小型の酸素マスクをつけ 高速艇に乗り込んだ彼女は闇市に向かうのではなく 隙潰しにあてのないドライブをする


ドライブも飽きて戻ろうと高速艇の進路を潜水艦に設定し発進させようとした時 高速艇は突然現れた大波に飲み込まれ どこから現れたのか 海に現れた眩しく光る渦潮に高速艇は飲み込まれる





いくら程時間が経ったのか 何かに高速艇がぶつかる衝撃でドックチェリーは目を覚ます

「気絶していたのか?」


高速艇がぶつかったのは巨大な船の底だった


ドックチェリーは高速艇のAIにUボートの位置を確かめるが反応がない


腕時計型のエネルギーパネルも反応しない


困惑していると ドスンと上から何かが落下してくる


手と足をロープで拘束された男だった


男が高速艇の上に着地すると 大きな船の船上から無数の銃による一斉射撃が

男は芋虫のように体をクネらせ 高速艇のコックピットに滑り込んでくる


「助かったぜ! 片目のジャックだ」


拘束されながら男はドックチェリーに話しかけたがドックチェリーは男の言葉がわからなかった


浅黒い顔にチリチリの天然パーマの長髪を汚れた布で覆い 荒い作りの革のシャツを着て 黒いブーツ


片目には眼帯 左手は木製の義手をしていた


そして片目の男は酸素マスクをしていない


ドックチェリーが片目の男を警戒していると


大きな船の船上から3.4本の長いロープがドックチェリーの高速艇に投げられる


ロープを辿って片目を狙った男たちが降りてくるのが見える



片目の男は左手の義手から腕を抜き 左手腕の仕込みナイフを出すと


手足の拘束ロープを斬る ズボンの中に隠した茶色の三角帽子を出すと被り


左手腕の仕込みナイフを武器に降りてきた 三人の敵に挑む


着地した敵は向かってくる片目男にフリントロック式の短筒を撃つが不発で弾が出なかった

残り二人も刀剣を抜き構える


片目男は素早い体捌きで三人の敵をあっと言う間に倒す


そこにまたもや 船上からの一斉射撃が

しかし船上の射撃したはずの敵は違う銃声が鳴ると全員射殺される


ドックチェリーのハンドガンから煙が上がっていた


片目のジャックはドックチェリーを抱きしめるとドックチェリーの酸素マスクを投げ捨て 軽く口づけし 軽い身のこなしで垂らされたロープを登り船上に向かっていった


片目に倒された男たちも海賊のような服装をしている


大きな船はよく見ると帆船で側面になん門もの大砲が並んでいた


夢のようだか 紛れもなく 16.7世紀の大航海時代の海賊船だ


船上から片目の男が激戦しているのか 怒号が聞こえている


ドックチェリーは血がたぎり 片目の男を追い船上目指して登り始める


船上には多数の海賊が蠢いていた


片目のジャックは仕込みのある左手で羽交い締めにした敵を銃弾の盾にしつつ 奪い取った刀剣で別の敵を切り倒していた


ドックチェリーはハンドガンを抜き


単発式のライフルを構えた海賊を一瞬で五人倒す 

 

新たな敵に照準を合わせ引金を引く瞬間 側面からハンドガンを狙撃された


ハンドガンは破壊され 屈強な狙撃手の海賊は刀剣を抜いて向かってくる


ドックチェリーはベルトに仕込んであった護身用の形状記憶合金の剣を抜き 見事なフェンシング技で敵を仕留める


ドックチェリーのオリンピック選手時代の恋人はフェンシングのオリンピック選手であり フェンシングを手ほどきされていた

夏季と冬季のオリンピックを同時に行う火星オリンピックで 彼女はバイアスロン競技で金メダルを取るが 選手村で恋人の浮気現場を目撃して逆上してしまい 恋人の腕をバキバキに折ってしまった この傷害事件により金メダルは剥奪 軍隊も不名誉除隊し 傭兵に そしてトレジャーになる 話を戻し


激戦の末 気がつくと血まみれの船上には 片目のジャックとドックチェリーだけが立っていた


二人は船の淵に座ると疲労し うなだれた


ドックチェリーは床に落ちていたフリントロック式の短筒を拾うと これは現実なのか頭をかかえた


片目のジャックは彼女の顔を覗き込むと顎をくいっと上げ


「綺麗な左目だな」

とつぶやく


その時 ドックチェリーの背後の物陰に隠れた敵に片目のジャックが気づき 彼女にかぶさり盾になり彼女を助ける ドックチェリーはその拍子に船から投げ出された 


海に落ちながら彼女は放たれた弾丸が片目の男の頭を撃ち抜くのを目撃した


ドックチェリーが海水に飲み込まれた瞬間 眩しく光る渦潮が現れ 彼女はまた意識を失った




ショッポとサニーとトカゲは買い物が終わり帰るとUボートが無人でドックチェリーの姿がないのを不審に思い 辺りの海を探索する


ドックチェリーは酸素マスクもしないまま海に浮いていた


すぐさま生命維持装置により治療を行い 一命を取りとめた


このときドックチェリーはフリントロック式の旧型の銃を握りしめていて

意識がないのに いくら外そうとしても 固く握り外す事は出来なかった




ドックチェリーはこの事を誰にも信用してもらえなかったが 

何にも趣味趣向のない彼女にとって 唯一の宝ものが一つだけが出来たのだった















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