【正月編】俺が自分なりに1年を振り返る件について
今回は遊が遊華達関係で今までの事を振り返る話です
今年の更新はこれで最後となります。今年1年、藤堂遊を追いかけて来てくれた皆様ありがとうございました!
では、どうぞ
平成最後の正月。世間のバラエティー番組では平成で起きた衝撃的な出来事や事件なんかを振り返る特集が数多くある。かく言う俺、藤堂遊にだって平成で起きた衝撃的な出来事や事件の1つや2つある。その1つは言うまでもない。10年後の未来に飛ばされた事だ。もう1つはその飛ばされた未来で遊華がブラコンだと発覚し、さらに俺が藤堂家の本当の子ではないという事だ。そして、今、俺は遊華達と共に炬燵でまったりと過ごしている
「平成最後の正月か……衝撃的な出来事があり過ぎて思い出すのも面倒だな」
「お兄ちゃん……」
「遊……」
「遊ちゃん……」
「遊くん……」
「遊さん……」
ジト目で俺を見る遊華達。遊華達にとっては大した事なくても俺にとっては衝撃的な出来事だらけなんだよ!そんな目で俺を見るな!
「そんな目で俺を見るんでないよ!本当に衝撃的な事があり過ぎて思い出すのも面倒なんだから!」
「お兄ちゃんが面倒だって言うなら振り返ってみようよ!」
いきなり何を言い出すんだよ!遊華!いいのか?未来で俺が体験した事全てバラすぞ!それでもいいのか!?
「そうだね。遊華ちゃんの言う通りだよ遊。思い出すのも面倒だって言うなら振り返ろうよ」
香月まで何を言い出すんだよ……
「遊華と香月はそう言うが、振り返ってもいい事ないと思うぞ?聞いてるだけで恥ずかしい事もあるだろうし」
自分で面倒だとか言っておいて言うのもなんだが、遊華達にとって知りたくない事だってあるだろうから俺の体験を元に振り返るのはおススメしない
「大丈夫だよ!遊ちゃん!私達は聞いてるだけで恥ずかしくなるような生き方はしてないから!」
美月、自分ではそう思うだろうけど、人って結構黒歴史を持ってるものだぞ?
「美月、そうは言っても結構恥ずかしいエピソードを人は持っているぞ?」
遊華と香月を止められなかった。いや、止められなかった。だが、美月だけは止めてみせる!!
「そうかな?それはあくまでも遊ちゃんがそう思ってるだけでしょ?聞いてみると意外とそうでもないと思うけど?」
ダメだ……止まる気がしない……
「美月はそう言うが、本当に聞いてる方が恥ずかしくなるぞ?それでもいいのか?」
聞いてから後悔しても遅い。が、美月はそんな事は考えてないみたいだ。そんなんじゃ止まるわけないか。美月は諦めよう。さて、美月はダメだったが、美優と由紀はどうだ?
「美月も遊華と香月側だとして、美優と由紀はどうだ?俺はできれば振り返るのはしたくないんだが……」
美優と由紀が聞きたくないのなら俺は話さない。美優と由紀が聞きたくないのなら話す必要はない
「遊くん、私も遊華ちゃん達と同じで聞いても後悔しないよ」
「遊さん、私もです」
美優と由紀も完全に遊華達側だ。俺に勝ち目はないみたいだな……
「俺の彼女達の意見は全員一致で聞いても後悔しないって事か……」
遊華達のこういうところは見習いたいが、好奇心と無謀は違う
「「「「「うん!!」」」」」
わぁ~お、すっげーいい返事。こりゃ止まりそうにないな……
「はぁ~、聞いても後悔するなよ」
止まらないのなら聞いて後悔してもらうしかない
「「「「「うん!!」」」」」
本人達が後悔しないのなら俺の平成を振り返るとしよう
「遊華達が後悔しないなら俺の平成を振り返るが、高1になるまでは特に何もなかったな。高1になってからは現代科学じゃ証明できない事が起きたけど」
俺の人生の中で最大の出来事は何と言っても未来に飛ばされた事だ。それも、俺1人で2回、遊華達と一緒だったのが1回。合計で3回
「そ、それは私達も1回体験したけど……私達はお兄ちゃんが最初に飛ばされた未来の事を詳しく知らないんだけど?」
「あれ?詳しく話してなかったか?」
「聞いてないよ。お兄ちゃんが未来に飛ばされたって話と私達に関する話しかされてないし」
俺は未来の事については関係のある事しか話してない。不用意に話して未来が変わってしまったら嫌だし
「そうだったな。まぁ、遊華達が自分に関係ない未来の出来事を知っても何の得もないと思って話してなかったな」
「「「「「うん!!」」」」」
「聞きたいか?」
「「「「「うん!!」」」」」
目を輝かせて俺を見る遊華達。まぁ、俺の恋人達だ。口止めさえしとけば何も問題ないだろう。
「じゃあ、話すが、そうだな……俺が最初に飛ばされた先の未来で最初に会ったのは遊華だった。これは何度か話していると思う。が、問題はこの後だ。家に帰ると華母さんじゃなく、羽月さんがいた。ここまではいいか?」
俺は話を区切り、遊華達に確認する。未来に飛ばされただなんてSF染みてるとは思う。しかし、タイムマシンで未来に行ったのではなく、俺は浩太達と遊びに行くつもりで乗った電車で未来に飛ばされた。それも、俺の意思とは関係なく
「「「「「うん」」」」」」
「じゃあ、続けるが、未来で会った遊華に連れられて俺は自分の家に帰った。家に帰るとそこには当然、華母さんがいて俺にいつも通りおかえりを言ってくれると思っていたが、そこには華母さんはいなかった。その代わりにいたのが羽月さんだった」
今の話を聞けば親父は母さんと離婚し、羽月さんと再婚したと思う奴が多いだろう。まぁ、それ以外の事を考える奴もいるだろうけど。しかし、次の話は結構衝撃的だと思う。
「それってお父さんがお母さんと離婚して羽月さんと再婚したからお兄ちゃんが帰った時にお母さんがいなかったんじゃないの?」
遊華の意見は正しい。母さんじゃなく、別の女性がいたら離婚して再婚したと考えるか、買い物に出かけている最中だと思うだろう。が、自己紹介された時に義母と名乗られればバカでも自分の両親は離婚したんだと考える
「遊華ちゃんとは少し違う意見をだすけど、遊が帰った時にたまたま華さんが買い物に出ていて母さんが代わりに家事をしてたって事は考えなかったの?」
香月の意見もこれまた正しい。まぁ、未来の遊華が羽月さんを義母と呼んでいなかったら俺も香月と同じ事を考えた
「未来の遊華が羽月さんを義母と呼ばなかったら俺だって香月と同じ事を考えた。もちろん、遊華に俺がいなくなった後の話を聞かなきゃな」
遊華の話を聞かなきゃ俺は母さんと親父が離婚したと考えてた。しかし、遊華の話を聞いて納得したし、未来の遊華達からしてみれば俺は10年振りに家に帰った事になる。10年もいなかった人間が人にどうこう言う資格はない
「遊ちゃん、未来の遊華ちゃんがした話を聞きたいな」
「私も聞きたいな。遊」
「遊くん、私も」
「私もです。遊さん」
「お兄ちゃん、私も」
遊華達に話してなかったから聞きたがるのも無理はない。だが、話していいものだろうか?ハッキリ言っていい話じゃない
「話てもいいが、親父にとっても羽月さんにとってもいい話じゃなかった。美優と由紀はともかく、遊華達にとってはいい話じゃないぞ?」
美優と由紀には直接の関係はない。しかし、遊華にとっては母が、香月と美月にとっては父が亡くなっていただなんて話を聞かせていいものだろうか?
「たとえいい話じゃなくても私達は聞きたい。お兄ちゃんとなら辛い事だって乗り越えられるし」
「私も遊となら大丈夫な気がする」
「私も」
俺と一緒ならどんな辛い事だって乗り越えられるって言われて悪い気はしない。それに、聞きたいと言っているし、俺がいなくなった未来の話だ。今は2人とも生きてるから何の問題もない
「遊華達がそういうなら話す。俺がいなくなった未来の事だ。俺が今、ここにいるから問題はないが、あんまりいい話じゃないぞ」
「「「うん!!」」」
遊華達の目は決意に満ち溢れていた
「美優と由紀には想像つかないだろうし、遊華達は1つの未来の形だと思ってくれて構わない」
話を聞き終えた遊華達が落ち込まないように前置きだけする
「「「「「前置きはいいから早く話す!!」」」」」
落ち込まないように前置きをしたのに逆に怒られてしまった
「せっかく落ち込まないようにしようとしたのに……まぁ、いい。遊華と共に家に戻った俺は義母を名乗る羽月さんがいた事にはビックリした。が、それ以上にビックリしたのは華母さんと一月さんがなくなっていた事だ。2人は互いの配偶者が亡くなった後で再開し、そこから互いに再婚を意識するようになり、再婚した。悪いが俺は詳しくは聞いてないからこの程度しか話せない」
20歳を超えた遊華達ならともかく、中学生、高校生の遊華達に母さんの死因と一月さんの死因や親父と羽月さんがどんな状態だったかを詳しく話す必要はない。
「そっか……で、お父さんは羽月さんとどうして結婚したの?」
「親父は遊華に新しい母さんを用意しようと思って結婚したと未来で遊華から聞いた」
「そう……」
「でも、今話したのは俺がいなくなった後の未来だ。俺はここにこうしているし、母さんも一月さんも変わった様子はない。だから遊華達が落ち込む事なんて何もないんだぞ?」
一月さんの方はともかく、母さんは俺がいなくなったからってわけじゃないが死んだ。死因は交通事故による事故死だから気を付けていればいいし、外出を控えればいいだけの話だ。一月さんの方は病死だからどうしようもない。病気が発覚した時に早い段階で病院に行くくらいだ
「そうだね。華さんもお父さんも生きてるし、遊が行った未来はあくまでも1つの形だから私は気にしないよ」
香月、理解が早くて助かるぞ
「香月は理解が早くて助かる。ところで遊華と美月も香月と同じ意見か?」
香月はたまたま2人とも生きている。俺が行った未来はあくまでも1つの形だと言ってくれた。しかし、遊華と美月が香月と同じ意見だとは限らない
「私も香月さんと同じ意見だよ。お兄ちゃんが行った未来でお母さんが死んじゃったのは悲しいけど、それはあくまでも1つの形でしょ。お兄ちゃんは私の側にいてくれるし、お母さんも香月さん達のお父さんも生きている。だから、私は気にしてないよ」
遊華は気にしてないと言った。遊華の様子を見る限りじゃ本当の事だろう。何だかんだで遊華が1番心配だったが、その遊華が気にしてないって言ってるんだ。俺が必要以上に心配しなくてもいいだろう。壊れそうになったら支えればいいんだし
「遊華が気にしてないなら俺はそれでいい。美月は?美月は俺の行った未来の話を聞いて落ち込んだか?人が死ぬ話なんてするなと思ったか?」
美月は何だかんだで鋭いところがあるが、それ以上に繊細な部分もある
「私は自分で遊ちゃんに話すように言ったのに聞いた後で人の……それもお父さんと華さんの死んだ話を聞きたくはなかったと思っているよ。でも、それ以上にそんな話を聞いて実際にそれがお父さんと華さんが死んじゃったとしても遊ちゃんが一緒ならその悲しみを乗り越えられると思っているよ」
美月は話を聞いた事を後悔している。しかし、それ以上に俺が一緒ならその悲しみを乗り越えられる。俺が遊華達といれば辛い事だって乗り越えられるように美月もまた俺が一緒なら辛い事を乗り越えられる。互いに支え合っていけばいい。そういう事だろう
「それなら大丈夫そうだな。俺だって遊華達が一緒なら辛い事を乗り越えられそうだし」
俺が親父達の本当の息子じゃないってわかった時、不思議と悲しくも何ともなかった。本当なら親父達に文句の1つも言ってもいいはずなのに俺はそれをしなかった。遊華達が側にいてくれたから。
「そんな暗い話より、お兄ちゃんは今年重大な事があった事を忘れてないかな?」
「重大な事?未来に飛ばされた事以外でか?」
「うん」
「うーん、何かあったかな?」
俺に何か重大な事があったかな?
「お兄ちゃんにとって私と恋人になった事なんて重大な事じゃないんだね……」
ヤベ、忘れていた。未来から帰ってきた日、その日に俺は遊華に告白して恋人同士になったんだった……
「あ、いや、遊華と付き合った事は重大な事だが、未来に飛ばされた事が衝撃的過ぎて忘れていたというか、何というか……」
未来に飛ばされた事が衝撃的過ぎて遊華に告白した事を忘れていた
「そっか……お兄ちゃんにとっては私と恋人同士になった事なんてどうでもよかったんだね。私はお兄ちゃんに告白された事が嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて仕方なかったのにお兄ちゃんにとってはどうでもいい事なんだね」
や、ヤバい……平成最後の正月に遊華のヤンデレが発動してしまった
「いや、俺にとっても遊華と恋人同士になったのは重大な事だぞ?っていうか、最初に未来に飛ばされたのも未来からこの時代に帰ってきたのも鍵となったのは遊華だし」
ヤンデレ遊華から元の遊華に戻すとかじゃなく、本気で鍵となったのは遊華だと思う。未来に飛ばされたのは元は俺が遊華の思いに気が付かなかったからだし、この時代に帰ってくる事ができたのも遊華の思いに気付いたからだし。
「本当?お兄ちゃんにとって私と恋人同士になったのは重大な事なの?嘘じゃない?」
目に光を宿さず俺に詰め寄ってくる遊華
「あ、ああ、本当だ」
遊華と恋人同士になったのは重大な事だ。遊華と恋人になってなかったら香月達とも付き合ってなかっただろうし
「そっか……お兄ちゃんにとって私と恋人同士になった事は重大な事なんだ……えへへ」
ヤンデレからデレデレにジョブチェンジした遊華。
「遊……」
「遊ちゃん……」
「遊くん……」
「遊さん」
言葉にしなくても香月達が何を言いたいか解るから怖い
「香月達と恋人同士になった事も重大な事だぞ」
「「「「「えへへ~」」」」」
平成最後の正月はヤンデレで最高に可愛い恋人達と炬燵でまったり過ごす。俺にとって最高の贅沢だ。親父達や浩太と敬がどう過ごしているのかは知らないが、俺と同じで可愛い妻、可愛い彼女とまったり平成最後の正月を過ごしているだろう
今回は遊が遊華達関係で今までの事を振り返る話です
今年最後の更新になります。今年1年藤堂遊を追いかけて来てくれた皆様ありがとうございました!来年も藤堂遊ともどもよろしくお願いします!それでは、よいお年を
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!