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俺と遊亜がヤンデレ談義に花を咲かせる件について

今回は遊亜とのヤンデレ談義です

父親がヤンデレを引き寄せる体質なら息子はどうなると思いますか?

では、どうぞ

 息子とする話ってどんな話だ?近況報告?それとも、好きな女のタイプ?年頃なら進路の話もするだろう。だが、俺と遊亜の場合は近況報告でも好きな女のタイプでも進路の話でもない


「なぁ、遊亜」

「何だ?親父」

「過去の人間を未来に呼ぶカラクリを知ってるって事はどんな人間でも未来に呼ぶ事ができるんだよな?」

「ああ、そうだな」


 俺と遊亜はここで一旦茶を啜る


「過去の人間を未来に呼べるって事は歴史上の人間を未来に呼ぶ事だってできるんだよな?」

「ああ。歴史上の人物なら親父だって呼べるだろ。その人に会いたいって強く思えばいいんだから」

「だよな」

「ああ」


 再び俺と遊亜は茶を啜る。何か年寄りみたいな一時だが、遊華達といると俺は抱き枕になるか遊華達が肉布団したいって騒ぎ出すという両極端な2択しかない。なので遊亜と茶を啜っている一時が落ち着く


「平和だな」

「ああ、平和だな」


 本当の母についての話が一段落してからずっとこうだ。遊亜はヤンデレの姉達から解放された喜びを、俺はヤンデレの彼女達から解放された喜びを味わいながらまったりしている


「ヤンデレが近くにいないとこうも平和な日常を過ごせるんだな」

「ああ。ヤンデレな連中がいないと俺達は平和だし、静かだ。それはそうと親父」

「何だ?」

「元の時代に帰るの嫌になってないか?」

「………………………………………そんな事はない」

「何だ?今の間は?」

「気のせいだ」


 本音から言うと帰りたくないっていうんじゃなくて、いくら好きな相手でも2日も同じ部屋に閉じ込められると思うと萎えるからもう少しだけこの時代にいたい。それだけだ


「そうか。俺はてっきり母さん達が親父を同じ部屋に2日も閉じ込めるって宣言し、今日1日だけでも長く感じるのにそれが後1日あるから明日になってから元の時代に帰ろうとか思ってるんじゃないかと心配したぞ」


 前者は正解だが、後者はやった事がないし、資料にも書いてなかったからできるかどうかは知らないが、そんな事できるのならやってみたいな


「前者はともかくとして、後者はできるのか?」


 俺は初めて元の時代に帰ってきた時は俺が駅に着いてから5分くらいしか経ってなかったし


「さぁ?俺も気になって調べた事があるが、そんな事ができるだなんて事は書いてなかったからな」

「ですよね~」


 俺も未来に飛ばされた時に帰る方法を調べたから知ってるが、未来に飛ばされた時間と元の時代に帰ってくる時間はどういうわけかその時間から5分後とかに戻される


「まぁ、未来に飛ばされた時間と元の時代に誤差がないようにする為だろう。親父が明日元の時代に帰ろうとも元の時代じゃ対して時間は経っていないはずだから諦めろ」


 息子よ。俺が目を背けていた事実を突きつける出ない


「俺が見たくない現実を言わないでくれないかな?遊亜君」


 遊華達が嫌いになったとかじゃないが、2日も同じ部屋でやる事もなく閉じ込められるだけの生活なんて俺は嫌だ


「仕方ないだろ。変えられない事実なんだから」


 事実は時として人を傷つけるってこの時代の俺は教えてないのか?使う場面は違うと思うけど


「遊亜、事実は時として人を傷つけるんだぞ?」

「知ってるよ。でも、今の場面で親父は傷ついたのか?」


 俺のコンプレックスを言われたわけでも何でもないから傷ついたわけではないが、知りたくない事実に絶望はしたな


「傷ついてはいないが、知りたくない事実を突きつけられて絶望はした」

「よく言うよ。そんな事で絶望なんてしない癖に」


 遊亜君?お父さんに対して辛辣過ぎやしないかい?気のせい?


「まぁ、絶望はしないが……それでも知りたくない事実ではある」


 知りたくない事実を知って絶望するなんて事はよくある


「はっ、親父は爺ちゃん達の本当の息子じゃないって知った時は深くは考えなかったって聞かされたんだが?」


 未来の俺……息子の前で見栄張ったのか……


「それって父親である俺の見栄なんじゃ……」

「んな事は知ってるよ。まったく、誰に似たんだか……」


 今の遊亜は20歳だから俺より年上だ。しかし、それでも父親は俺だ。結論を言うが、どうして息子の遊亜が父親みたいな顔してるの?


「遊亜、お前は俺の息子だよな?」

「10代で呆けたか?」

「いや、確認しただけだ」


 俺が呆けたのなら遊亜に俺の体験談なんて話さないと思う。うん、俺はそういう人間だ


「知ってるよ。親父が呆けたら俺が未来に関する事やこれから親父に何が起こるか知ってるはずないだろ」

「あ、そう」

「ああ」


 最初は平和だと思っていた遊亜と2人の時間だが、いまいち物足りない。なんて言うか、華がない


「「…………」」


 話す事がない為か俺と遊亜の間を沈黙が支配する


「親父」

「何だ?」

「女子が欲しいな」

「だな」


 俺も遊亜も男だ。女性の話し相手が欲しいと思うのは当たり前の事だ。特に俺なんて男子高校生だし


「でもなぁ……女子っても姉さん達はヤンデレ、母さん達もヤンデレで俺達の周りはヤンデレしかいない」

「ああ、悲しい事にヤンデレしかいないな」


 遊亜の周りの女も俺の周りの女もヤンデレしかいない。母さんもヤンデレだって事を考えると親父、俺、遊亜はヤンデレの女を引き寄せる体質かヤンデレが寄ってくる星の元へ生まれたらしい


「俺も遊亜もヤンデレを引き寄せる体質かヤンデレが寄ってくる星の元へ生まれたらしい」

「「はぁ~」」


 俺と遊亜は揃って溜息を吐く。ヤンデレしかいないという事実は変えられない。遊亜は彼女を作ろうものならもれなく姉達にお仕置きされる。仮に彼女ができたとしてもヤンデレだろうな


「遊亜って今、彼女いるのか?」

「何だいきなり」

「いや、彼女いるのかなって思っただけだ」


 ヤンデレの姉達がいるんだ簡単に彼女なんてできるわけがない


「彼女はいる」

「は?」

「だから、彼女はいる。同じ声優だ」


 はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ヤンデレの姉達に囲まれてる遊亜に彼女!?マジで!?


「マジで?」

「ああ」

「ちなみに彼女は……」

「ヤンデレだ」


 遊亜の彼女について聞いた俺は悟ってしまった。俺自身もそうだが、遊亜もヤンデレを引き寄せる体質だという事を。血は繋がってないが親父と俺は親子だ。父親がヤンデレの妻を持ったんだから息子である俺がヤンデレを引き寄せないわけがない。そして、その息子である遊亜も当然ヤンデレ吸引体質だ


「血は争えないんだな」

「ああ、彼女がヤンデレだって事実を知った時、俺は諦めた。俺は親父の息子だとな」


 こんな事で俺を父親だと認められても全く嬉しくない


「素直に喜べないんだが……」

「俺もだ。ヤンデレは姉達だけで十分だ」


 遊亜にいつ彼女ができたかはいいとして、遊美達がよく認めたと感心する


「ところで遊亜が彼女を作るのを遊美達はよく認めたな」


 正直、どうやって認めさせたか気になるところではある


「ああ。家に彼女を初めて連れてきた時はビクビクしてたが、会った瞬間に姉さん達と何かが通じ合ったのか光の速さで仲良くなった」

「きっとヤンデレ同士で通じ合うものがあったんだろ」

「俺もそう思う」


 遊美達と光の速さで仲良くなったって事はもしかして遊華達とも……


「遊美達と光の速さで仲良くなったって事はもしかして遊華達とも……」

「ああ、母さん達とも光の速さで仲良くなった」


 ですよねー、ヤンデレ同士通じ合うものがあって遊美達と仲良くなったってことは遊華達とも仲良くならないはずがない


「俺達ってヤンデレに愛される星の元に生まれてしまったんだな」

「ああ、だが、ヤンデレの方がいいって最近になって気が付いたんだ」


 ダメだ……遊亜が完全に遊美達と遊華達に洗脳されつつある


「遊亜……お前、遊美達や遊華達に洗脳でもされたのか?」

「違うわ!!彼女がヤンデレだと何かと都合がいいんだよ!!」


 遊亜、都合がいい部分を具体的に言わないと遊美達や遊華達に洗脳されたようにしか見えないぞ


「具体的に説明してくれないとマジで遊美達や遊華達に洗脳されたようにしか見えないぞ」


 何でもかんでも説明されなきゃわからないってわけじゃないが、こればっかりはなぁ……


「わかったよ!ヤンデレと付き合うメリットについて説明すりゃいいんだろ!」

「そうだよ」


 俺にはヤンデレと付き合うメリットがどこにあるのかがサッパリ理解できない


「例えば、デートの待ち合わせをしていて逆ナンされたとするだろ?」

「いきなり例え話をされても困るんだが……まぁ、いい。それで?」

「そういう輩って大抵しつこいものだ。だが、女性に暴力を振るうわけにはいかない」

「そうだな」

「そこでだ。ヤンデレの彼女が登場したら逆ナンした女はどうなると思う?」


 そんなの女が逃げ出すに決まっていると思う。遊華達の場合は多分、泣くまで追い詰めると思うけど


「逆ナンした女が逃げ出す」


 普段どんな感じか知らない。だが、光のない目で見つめられたら俺が女なら裸足で逃げ出す自信がある


「正解」


 やった!正解した!商品は何かな?


「やった!正解した!商品くれる?」

「あるわけないだろバカ」


 10代とはいえ父親をバカ呼ばわりするとは……父はそんな子に育てた覚えはないぞ


「え?ないの?」

「あるわけないだろ。バカ」


 2度もバカって言われた……悲しい……クスン


「父に2度もバカって言うなよ……」

「息子に2度もバカって言われるなよ」


 遊亜は香月との間にできた子だけど、俺と香月なら遊亜は俺に似たんだろうなぁ……


「遊亜ってよく父親に似てるって言われないか?」

「言われるな」


 やっぱり……俺にも覚えがあることだが、親父に対して容赦のないところなんて俺と被るものがある


「やっぱり……」

「そりゃ親子だからな。似るのは当たり前だ」


 親子だから似るのは当然の事か……


「それもそうだな」

「ああ。ところで呼んでおいてなんだが、親父は帰らなくていいのか?」


 できれば帰りたくない。が、それは叶わない事で俺がどれだけこの時代にいても元の時代に帰ったら5分かそのくらいしか経ってないだろうことは経験済みだ


「本来なら帰りたくないが、仕方ない……帰るか」


 本当は帰りたくない。だからといって遊亜とずっと一緒にいたいって事でもない


「帰る前にいい事を教えといてやる」

「いい事?」

「ああ、親父にとってはいい事だ」


 変える間際になって俺にとってはいい事って何だ?


「どうして変える間際になってそれを俺に教えてくれるんだ?」

「そりゃ母さん達に関する事で親父が2日も同じ部屋に監禁されない方法だからだ」


 遊華達に関する事で俺が2日も同じ部屋に監禁されない方法?何だそれは?


「聞くだけ聞こうか」

「ああ、親父は美月母さんと買ったベッドの事は覚えているか?」

「ああ。店員が処分に困ってたキングサイズのベッドだろ?」

「それが2日目に届く」

「あー、そう言えば届くのには1週間くらいかかるって言われてたっけ」


 遊華達の事を考えていてベッドの事を忘れていた。そうか、明日届くのか


「そのベッドが届く前に母さん達に愛の言葉を囁けばすぐにでも解放されるって事だけは覚えておいてくれ」

「了解」


 俺は遊亜の言葉を信じ、騙されたと思いつつも自分の時代に帰った。俺の息子だし、嘘は吐かないと思うが……



今回は遊亜とのヤンデレ談義でした

父親がヤンデレを引き寄せる体質なら息子もヤンデレを引き寄せる体質でした。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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