表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/165

俺の夢に本当の母と妹がなぜか出てくる件について

今回は遊華達と話しているうちに寝てしまう遊の話です

ここ最近、遊の見る夢がおかしい・・・・

では、どうぞ

 自分の母親じゃなくても恥ずかしいと思う事ってある。それは母親がやらかした事だったり、自分がやらかした事だったり。まぁ、どちらにしろ恥ずかしいものは恥ずかしい。俺はその口では言い表せない恥ずかしさを体感している最中なんだがな!


「死にたい……」

「お兄ちゃん、冗談でも死にたいとか言わないで」


 飯が終わり、羽月さんが部屋を出たところで遊華達が起きた。そして、俺は羽月さんに言った事を思い出し、1人悶絶していた


「だってよぉ……」


 羽月さんに何か言ったわけじゃない。問題は俺が思った事にあるから黒歴史にはならない。が、なんて言うか、遊華達の顔が見れる気がしない


「だっても何もないでしょ!死にたいとか言わないの!わかった?」

「はい……」


 今まで妹だと思っていた遊華が俺に説教をかましてくるだなんて……成長したんだな。いや、俺が退化したのかな?


「それにしても遊を甘やかすつもりが私達まで一緒に寝てしまうだなんて……」


 香月の口ぶりだと俺を甘やかして自分達は寝るつもりは欠片もなかったが、つい寝てしまったと言ってるように聞こえるのはどうしてだろうか?


「そうだねぇ~遊ちゃんが寝た後で寝顔を堪能するつもりだったのに……」


 美月、そんな事を考えていたのか?まぁ、俺が遊華達の寝顔を見る機会はたくさんあるが、遊華達が俺の寝顔を見る機会なんてあんまりないからなぁ……


「そうですよ!遊さん!どうしてもう少し遅く起きなかったんですか!?」


 なんつー理不尽な事を言いやがりますか?由紀さん。そんなに俺の寝顔を堪能したいのなら俺よりも早く起きればいいだろ


「俺は起床時間をコントロールして寝てないからな。俺の寝顔を堪能したいのなら俺より早く起きてくれ」


 睡眠薬で俺を眠らせるという手もあるが、それを言った暁には遊華達が俺に睡眠薬を盛らないかどうか心配だから絶対に言わない


「そうだね。遊くんの寝顔を堪能したいなら遊くんより早く起きるか遊くんより遅く寝るしかないよね」


 由紀と違って美優は物分かりがいい。別に由紀が嫌いだって言ってるんじゃないぞ?ホントだよ?


「ま、そう言う事だ。俺の寝顔が見たいなら俺より早く起きるか遅く寝てくれ」


 今の遊華達は俺より早く寝て俺よりも遅く寝る。つまり、俺を1日独占した時みたいに俺が寝てから入れ替わる時みたいな状況じゃなければ俺の寝顔なんて見れるものじゃない


「「「「「はぁ……」」」」」


 俺の言葉に溜息しか出ない遊華達。生活パターンが俺と遊華達とじゃ違うんだから仕方ない。こればかりは俺にだってどうしようもできない


「生活リズムばかりはどうしようもないからな。ま、頑張ってくれ」


 ヤンデレなら睡眠薬で俺を眠らせるくらいの事を考えると思う。だが、遊華達にはそう言った考えがないのか?


「仕方ないよね……お兄ちゃんと私達とじゃ生活リズムが違うんだし。ここはお兄ちゃんに睡眠薬を盛るしかないか」

「「「「そうだね……それしかないか」」」」


 前言撤回。俺に睡眠薬を盛るって選択肢はバッチリあったようだ


「………………そう言うのは俺がいない所でやってくれると助かるんだが?」


 ただ、睡眠薬を盛るのはいいとして(本当はよくないが)、それを本人のいる前で言ったら何の意味もないと思うんだが?気のせいか?


「い、いやだな、本当に睡眠薬なんて盛るわけないじゃん!お兄ちゃん本気にし過ぎだよ!」

「だ、だよな~遊華達が俺に本気で睡眠薬を盛るなんて事するはずないよなぁ~」

「そうだよ~」

「「アハハ……」」

「で、本音は?」

「お兄ちゃんの飲み物にこっそりと」


 俺は遊華達がどんなデレに分類されるか理解している。遊華達はヤンデレだ。今更な事だが、改めて言わせてほしい。このヤンデレがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


「そうか。じゃあ、今後俺は遊華達から貰った飲み物には一切口を付けない事にしよう」

「「「「「何で!?」」」」」


 いや、何でじゃないよね?当たり前だよね?睡眠薬が入ってる飲み物なんて怖くて飲めるか!その辺考えろよ!


「睡眠薬が入ってるかもしれない飲み物なんて怖くて飲めるか!大体、遊華達の事だから俺の寝顔の写真なんてたくさん持ってるだろ!見るなら携帯の画像で十分だろ?」


 実際にシャッター音が聞こえたわけじゃないが、遊華達ならそれくらいやってのけると思っている


「「「「「あるけど!生で見るのが1番いいの!!」」」」」


 いや、知らんし


「知らんわ!大体、俺の寝顔がそんなに見たいのか?」

「「「「「うん!!」」」」」


 最近、俺の彼女達が解らなくなりました!寝顔なんて見て何になるのでしょうか?イケメンの寝顔なら得するかもしれません。ですが、俺、藤堂遊はイケメンでもなんでもありません。ただの冴えない高校生です。そんな俺の寝顔なんて見て何の得になるのでしょうか?


「俺の寝顔より親父の寝顔を見た方が得だと思うぞ?」


 自慢じゃないが、俺の親父は歳を感じさせない。初めて飛ばされた未来で思ったが、10年後に飛ばされ、親父と再会した時にもそうだったが、あまり歳を感じさせない。どちらかと言うと高校生で通るレベル。親父もそうだが、母さんも若く見える。つまり、冴えない俺の寝顔より親父達の寝顔の方が見ていて面白い


「私達は遊ちゃんの寝顔を見たいんだよ!どうして遊斗さんの寝顔を見なきゃいけないの!!」


 美月に怒られてしまった。これが天然の美月だったからいいが、クールな美月に怒られたら俺はきっと漏らしていただろう


「さ、さいですか……」


 もう俺は何も言わない。言ったところで無駄だからだ


「さて、遊の寝顔をどう見るかの話に戻るけど、誰かいい案ある人いるかな?」


 香月、そう言う話は俺がいない時にやってくれると助かるんだが……


「はい!」

「はい、由紀ちゃん」

「遊さんが口にするもの全てに睡眠薬を仕込んだらいいと思います!」

「いい案ですね。他に意見のある人はいますか?」


 俺本人が聞いてる状態でどうして俺の寝顔をどうやったら見れるかの会議が続くんですかね?


「はい!」

「はい、美優ちゃん」

「遊くんを何らかの方法で気絶させてそのまま寝かせる!」

「それもいい案ですね。他は?」


 待て、気絶させるのは俺が却下だ!どこもいい案じゃないから!とっても悪い案だから!


「待て」

「「「「「何?」」」」」

「俺を気絶させるって事は俺に危害を与えるんだろ?それで万が一死んだりしたらどうするんだよ?」


 気絶させられるのは勘弁だぞ……


「それもそうだね。さっきの美優ちゃんの案は却下で」

「そうだね……遊くんに危害を加えちゃダメだよね……」


 美優の意見は却下され、美優も俺に危害を加える意見を出したせいか若干落ち込んでいる


「それにだ。こんな無駄な会議しているよりも俺より遅く寝て俺より早く起きるとかあるだろ?」


 睡眠薬を盛られたくない一心で俺は案を出す。だって俺の寝顔を見るのなんて俺より遅く寝て俺より早く起きる。それだけだろ


「「「「「それはできる気がしないから無理!!」」」」」


 諦め早くね?俺だって粘り強くはないが少しは粘るぞ?


「遊華達の諦めが早いのはよくわかった」


 っていうか、俺はこの寝顔会議から早く解放されたい。じゃないと眠く……


「あれ?何か眠い……」


 飯前までたくさん寝たのに……どうしてこんなに眠いんだ?


「お兄ちゃん眠いの?」

「ああ……悪い。もう無理」


 俺が最後に見たのは嬉しそうな遊華の顔だった。こうして俺の意識は夢の中に堕ちた。ちなみに飯前にたくさん寝たのにどうして今になって眠たくなったかはわからない。


『この子の名前は優といいます』

『は、はぁ、この子を引き取ればいいんですか?』


 俺は2人の女性が何やら話している場面にいる。片方の女性は雨宮さん。で、もう片方は誰だ?それと、知らない女性が抱いている子は俺なのか?


『はい。この子の名前は優といいます。優しい子に育つように願いを込めて付けました』

『は、はぁ……失礼ですが、あなたとこの子の関係はどのような関係で?』

『私はこの子の母親です』


 顔はよく見えないが、母と名乗った女性。俺の夢だし、赤ん坊の頃の記憶なんてないから雨宮さんの顔は見えても俺を抱いてる女性の顔が見えなくて当たり前だが……どうして今、俺はこんな夢を見ている?遊亜の話じゃ本当の母は俺が高2に進級してからじゃないのか?


『母親ならあなたがこの子を育てればいいんじゃないんですか?』


 雨宮さんの言っている事は間違ってない。母親なら自分の子供くらい自分で育てろ


『そうしたいんですが、私達夫婦には莫大な借金がありまして……とてもじゃありませんが、この子を育てる余裕がないんです』

『そ、そうですか……そう言う事ならお預かりしますが……お迎えには?』

『残念ながら迎えに来る事は難しいです……借金の額が額ですので……』


 俺はどうしてこんな夢を見ている?俺は遊華達や今の両親達じゃなく、本当の母と一緒に暮らしたいと思っているのか?そんなバカな話があるか!本当の母は俺を捨てたんだぞ?そんな奴と一緒に暮らしたとして、また捨てられるのがオチだぞ?じゃあ、どうして……


「お兄ちゃん」


 お兄ちゃんなんて呼ぶのは遊華しかいない。だが、遊華じゃない女の子の声……誰だ?


「誰だ?」


 振り返ると遊華達じゃない俺が知らない女の子が立っていた。


「私はお兄ちゃんの妹だよ。しかも、本当のね」


 本当の妹?そういえば手紙に書いてあったな。俺には妹がいるって


「俺の妹が俺に何の用だ?」

「私はお兄ちゃんを迎えに来たんだよ。さぁ、私と一緒に暮らそう?」


 例え本当の家族の元へ帰れたとしても俺は今の両親や遊華達から離れるつもりはない


「嫌だね。俺はアンタと暮らすつもりはない」


 俺は今の生活が気に入ってるんだ。それを手放すつもりはない


「そう……でも、お兄ちゃんは私と暮らすって選択をすると思うよ?」

「そうかな?俺の事は俺が決める!さっさと消えろ!!」


 消えろと言ったら妹を名乗る人物は無言で消えた。一体何だったんだ?何か変だな……気のせいか?



今回は遊華達と話しているうちに寝てしまう遊の話です

ここ最近、遊の見る夢がおかしいですが、情緒不安定なのか、それとも、何かの前触れなのか・・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ