表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/165

俺が由紀とカレーを作る件について

今回は由紀とカレーを作る話です

カレーって家庭によって違うと思う

では、どうぞ

 カレーの味や入れる具材って家庭によって違うと思う。これは例えを挙げるとキリがないから省略するが、だが、今は具材や味の事はいい。今は作り方の方だ。


「遊さん、どうしてカレーにコーヒーなんて入れるんですか?」

「コクを出すため」


 スーパーから帰ってきた俺と由紀は現在、カレー作りに勤しんでいた。ついでに言うと遊華達はリビングで雑誌を読むなり、小説を読むなりと各々が自分の時間を過ごしている


「そうですか。初めて知りました……」


 そりゃ普段は料理をしない人は知るわけがない。まぁ、今ならネットで検索したら簡単に出てくるから調べようと思ったらいくらでも調べられる


「そうか。その他にもいろいろあるが、それはネットで検索してくれ」

「わかりました」

「あとはゆっくりとかき混ぜながら煮込むだけだ。由紀は休んでいいぞ」


 由紀は十分に手伝ってくれたし、かき混ぜながら煮込むだけだからこれ以上、由紀に頼む事なんてない


「で、ですが……」

「ん?どうした?」

「私は野菜を切ったりしただけですが、最後までちゃんといたいです」

「そうか。由紀がいたいならいいが、かき混ぜながら煮込むだけだから退屈だと思うぞ?」

「それでも、いたいです」


 本人がいいならそれでいいし、俺が無理に追い出す理由もない


「かき混ぜながら煮込むだけだから本当にやる事ないんだけどな……」


 煮込むだけだから本当にやる事はない。それに、煮込むと言っても5分くらいだからすぐに終わる


「いいんです!私は遊さんと一緒にいたいんですから」


 俺と一緒にいたいって言われると今でも照れ臭いものがある。何せ俺は未来に飛ばされる前まで彼女なんていた事ないしな


「ゆ、由紀がそうしたいなら好きにすればいい」

「はい!」


 どうやら照れたのは由紀にはバレてないみたいで何よりだ


「それにしても、遊華達もそうだが、由紀は料理とかした事ないのか?」


 料理が下手だって言ってるんじゃない。ただ、由紀と話していて料理をあまりしないんじゃないかなと思っただけで


「は、恥ずかしながら、自分の家で暮らしていた時は料理に関してはほとんどシェフがやってくれていましたので……」


 シェフなんて俺は生まれてから1回も見た事がない。っていうか、由紀の家ってシェフを雇える程の金持ちだったの!?


「ゆ、由紀ってお嬢様?」

「いえ、父が社長なだけです」


 由紀、そう言うのをお嬢様って言うんだよ


「そ、そうか……」


 お嬢様な由紀がどうして普通の中学に通っているのかが理解できないし、どうやって遊華と仲良くなったのかが気になる


「遊さんは私の家がお金持ちでも他の人と変わらずに接してくれますか?」


 由紀の家が金持ちだろうが由紀自身が金を持っているというわけじゃない。それに、金目当てで付き合ってるわけじゃないからな


「別に由紀が金持ちってわけじゃないだろ?あくまで金を持っているのは由紀の家ってだけで。それで接し方を変えろって言われてもなぁ……ま、俺は由紀との接し方を変えるつもりなんてないから」

「そうですか、それなら安心です」


 安心している由紀には言わないが、金持ちの家の人間と普通の家の子との違いもそうだが、接し方も俺はわからないだけなんだよなぁ……


「ま、俺は金持ちのお嬢様と接した事なんてないだけなんだけどな」

「それでもです」


 今更ながら俺はとんでもない人を彼女の1人にしてしまったらしい。が、俺自身がとんでもない経験をしているから本当に今更だ。


「そうか……」

「はい」

「さて、話している間に時間だ。火を止めるか」


 由紀と話している間に5分が経過していたので火を止める。


「完成ですか?」

「ああ、後は晩飯まで寝かせておくか」

「はい!」


 さて、晩飯まで何をするかな……と言っても今回は由紀も一緒だから2人でできる事がいいな


「さて、カレー作りが終わったし、何する?」

「そうですね……遊さんと家庭的な事をしたいです」


 俺とできる家庭的な事か……まぁ、洗い物は残ってるが、2人でできる家庭的な事か?


「カレー作りで使った包丁とまな板を洗うか?」


 これが家庭的な事なのかは知らないが、まぁ、2人でやるんだしいいか


「はい!」


 由紀にとって買い物をする事も料理をする事も洗い物をする事も何もかもが今までした事ないから新鮮なのかもしれないな


「じゃあ、俺が包丁とまな板を洗うから由紀はそれを拭いてくれ」


 さすがに女の子に洗い物をさせると手が荒れたりしそうだからな。洗い物は俺がやろう


「わかりました」


 ふと俺は由紀がどんな職業に就きたいかが気になった


「由紀は将来どんな職業に就きたいんだ?」

「何ですか?突然」

「いや、気になっただけだ」


 最初に飛ばされた未来じゃ由紀は遊華や美優と声優をやっていた。だが、俺が10年後に飛ばされておらず、遊華に告白した事や俺がいる事で死ぬはずだった母さんや一月さんが生きてる。つまり、未来は確実に変わっているという事だ。


「そうですか。私の将来やりたい職業とかはまだ決めてませんが、いずれ興味が湧いた職業に就きたいと思っています」

「そうかい。ま、由紀はまだ中学生だし、慌てなくても大丈夫だ」


 できれば遊華や美優と声優をしてほしい気もするが、由紀が本当に興味を持った職業に就くのが1番いい


「さて、洗い物も終わったし、本当にやる事がなくなったわけだが……」

「そうですね、やる事がなくなりましたね」


 包丁とまな板を洗うだけだから時間は掛からない。で、やる事がないんだが……ご飯はカレーを作る前に炊いたし


「じゃあ、ゲームでもするか?」

「はい!」

「ホラー、恋愛、アドベンチャーといろいろあるが、何にする?」

「じゃあ、ホラーで」

「ホラーね。了解」


 ホラーはホラーでもサウンドノベルゲーにしよう。アクションホラーだと由紀がビックリするだろうし


「このサウンドノベルゲーでいいか」


 俺はサウンドノベルゲーを1つ選び、小型ゲーム機にセットする


「遊さん……なんかおどろおどろしい画面になりましたね」

「そりゃホラーゲームだからな」

「自分でホラーをチョイスしておいてアレですが、怖いです……」

「そうか、じゃあ、俺の上に来るか?」


 遊華達がリビングにいるので俺達は寝室でゲームをしている。つまり、俺と由紀は2人きりなわけで、キスしようが何しようが邪魔される事はない


「はい……」


 今の状態は俺が後ろから由紀に抱き着いている形なんだが、俺は今まで誰かを抱きしめながらゲームをした事なんてない。つまり、人間、どうやったら女の子を抱きしめながら小型ゲーム機でゲームをするなんて状況になるんだ?


「何て言うか、由紀っていい匂いだな」


 って、これじゃ俺はただの変態だ!!由紀が怖いだろうから何か話でもして気を紛らわそうと思ったのはいいが、もうちょっと別の話をできなかったのかよ!!


「遊さん、匂いフェチなんですか?」


 由紀はドン引きだった。そりゃ、当たり前か。いくら彼氏でも体臭を褒められたら反応に困るか


「彼女限定でな」


 言い訳はしない。俺だって男だ。彼女の髪の匂いとか嗅いでみたい年頃なんだよ!


「そ、そうですか、なら許します」

「そ、そうか……」

「は、はい」


 素直に言ったら由紀と気まずくなってしまった。開き直ったら俺が由紀に引っ叩かれただけだったのかもしれない


「由紀」

「何ですか?」

「ゲーム止めるか?」

「そうですね、ゲームより他の事がしたいです」


 結局俺達はゲームを早々に止め、2人でベッドへ横になった


「遊さん……」

「由紀……」


 俺と由紀は2人見つめ合う。毎度の事ながらこの後はキスする展開なんだよな……


「遊さん、抱きしめてもらっていいですか?」

「それくらいなら喜んで」


 いつもならキスする展開なんだが、由紀とじゃ見つめ合った後は抱きしめる展開になったか


「遊さん、キスは夜、寝る前にしませんか?」


 断わっておくが、俺はキス魔じゃない。ただ、今までの経験上、キスが多かったってだけだ


「そうだな、由紀はお休みのキスが好きみたいだからそうするか」


 俺と由紀は遊華が呼びに来るまで抱きしめあった。呼びに来た遊華が『私の日にもやってね!お兄ちゃん!』なんて言ってた事を補足しておこう


「遊さん」

「何も言うな」


 呼びに来た遊華が香月達に早速言いふらしたらしく、揃いも揃って俺達をニヤニヤしながら見つめている


「「「「……………」」」」


 無言で俺達を見つめる遊華達。


「そんなに見つめなくても由紀と同じ事をしてほしいって言うならするんだけど?」


 本人達に催促されたわけじゃないが、何となくそうしてくれと言われているみたいだから言ってみた


「「「「うん!!」」」」


 やっぱりか……俺が由紀と同じ事をするって言っただけで元気になる遊華達は単純なんだろうと思うが、俺にとってはそこが可愛いと思うところでもある


「つ、疲れた……」

「お疲れ様です。遊さん」


 晩飯が終わり、風呂に入って後は寝るだけ。当然の事だが、俺と由紀は寝室で2人きり。だが、1つ確認しておく事がある


「おう。ところで1つ確認なんだが、由紀は日付が変わったら次の日の担当と交代なんだよな?」

「そうですよ?朝、起きた遊さんをビックリさせようってみんなで決めましたので」

「なるほどな」


 誰が言い出したかは何となく想像できる。が、ただ彼女達の思うがままというのも面白くない。少しからかってやるか


「どうしたんですか?朝の説明だけじゃ不足でしたか?」

「いや、説明不足なんて事はなかったんだが、念のための確認だ」

「そうですか」


 由紀の説明は解りやすかった。ただ、俺は確認がしたかっただけで


「さて、じゃあ、少し早いが、寝るか」

「そうですね」


 俺は寝ると言った。だが、俺は寝たふりをするだけだ。由紀と交代で来た誰かを驚かせてやろう


「じゃあ、由紀」

「はい」


 俺と由紀は唇を合わせるだけのキスをした


「おやすみ、由紀」

「はい、おやすみなさい」


 俺と由紀は2人寄り添って寝た。俺は寝たふりなんだがな


「遊さん、おやすみなさい」


 俺の頬に温かくて湿ったような感触。そして、由紀がベッドから抜け出し、部屋を出て行く気配と入れ替わりに誰かが部屋に来てそのままベッドに入ってくる気配がした


「遊くん……」


 声からして美優だな。って事は今日の担当は美優か


「何だ?美優」

「え?」

「え?俺の事を呼んだよな?」

「うん。じゃなくて、どうして起きてるの!?」


 美優は俺が寝ていると思っていたらしく、起きてるのが意外だと言った表情だ。俺の作戦は成功したらしいのでよしとしよう

今回は由紀とカレーを作る話でした

今回で由紀編終わりです。次回は美優編ですが、どんな1日になるのやら

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ