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俺が香月達と打ち解けた件について

今回は遊が香月達と打ち解けたり、父とコントしたり、未来であった事を話したりといろいろです

こんなにも早く10年後の未来と同じ状況になろうとは・・・・

では、どうぞ

 新しい家に引っ越して新しいご近所関係や新しい仕事先での人間関係を築くって大変だろう。主に人間関係がうまくいくか?だがな。だが、それは一般的な事であり、俺の場合とは違う。俺は10年後の未来で1回会ってる人間ともう1度会い、そこで関係をやり直す。それはいい。もう済んでいるだが……


「お兄ちゃん……」

「遊……」

「遊ちゃん……」


 どうしてだろう?会って1日で10年後の状態とほぼ同じになるとは思わなかった。主に香月と美月


「10年後の未来に近づいたのはいいけど、香月と美月って惚れっぽい?」


 10年後の未来では写真で俺を見て知っていたらしいが、この時代では違う。まぁ、ある意味では俺と香月達の条件が入れ替わったとも言える。10年後では香月達が俺を知っていたが、この時代では俺が香月達を知っていた。何とも不思議な感覚だな


「そんなことないよ~」

「そうだよ……私達は未来の自分たちが好きになった人を私達が判断して好きになった。それだけだよ」

「どういう意味だ?」


 意味がわからない。10年後の香月達と今の香月達じゃ俺を最初から知っているという意味では条件が違いすぎる。それを会って間もない俺を好きになるなんてどうかしている


「つまりね、遊ちゃん。10年後の私達に遊ちゃんがありのままでいいって言ったから未来の私達は遊ちゃんを好きになった。私はそう解釈しているよ。同じ話を私達がしても結局遊ちゃんは同じ事を言うよね?」

「そうだな。俺の意見は変わらない。遊華も含めて全員ありのままでいろ。自分を誤魔化す必要はないんだ」

「私も香月ちゃんもこの人ならありのままの自分を好きになってくれると思ったから遊ちゃんを好きになったんだよ」


 なるほど、未来の香月達はありのままを受け入れた俺を好きになった。で、この時代の香月達も10年後と同じでありのままを受け入れた俺を好きになったというわけか


「お兄ちゃん……今晩は私達全員を愛してね?」


 は?何言ってんの?え?香月と美月はこのまま帰るよね?違うの?


「え?香月と美月は今日は帰るんじゃないの?」

「「え?泊まるけど?」」


 聞いてないぞ?どうなっているんだ?いつの間にそんな事になった?


「お兄ちゃん、電話鳴ってるよ?」

「ありがとう、遊華。ったく、誰だよ」


 遊華から電話が鳴っている事を知らされて電話を取る。正直、今はそれどころじゃないが、もしも緊急の用事だったらマズイ。誰がどんな用事で俺に電話を掛けてきているかは知らないけど、とりあえず取っておこう


「もしもし?」

『あ、もしもし?遊?僕だよ、僕』


 電話の相手は親父だったが、この流れは俺にとってよくない展開か寝耳に水の展開になりそうだ。ここはそうだな、適当に流しておくか


「あ、新聞の勧誘と詐欺の電話は間に合ってます」

『あ、そうですか~、それは失礼しました』


 適当に親父をやり過ごし、電話を切る。親父がどんな用事かは知らないが、こんなところで精神力を消費するわけにはいかない


「お兄ちゃん、電話いいの?」

「ああ、父さんからだったから適当に流して終わりだ」

「遊、それでいいんだ……」

「遊ちゃん……」


 遊華は何も言わないが、香月と美月は若干呆れている。どうせ碌な事ではあるまい。適当に流しても問題ない


「2人とも呆れているみたいだが、うちの父さんは突拍子もない事を突然したり、言ったりするからな。あれでいいんだよ」

「「…………」」


 香月と美月は無言になってしまった。おそらくは俺の親父の扱い方が雑過ぎて何も言えなくなったか、それとも親に対する敬意が足りないと思っているのかは知らんが


「お兄ちゃん、また電話だよ」

「はぁ、わかった」


 遊華からまた電話の知らせを受け、再び電話を取る。相手はまた親父だった。


「もしもし?」

『遊!いきなり切るなんて酷いよ!』

「最初に名乗らない奴が悪い」

『登録してあるんだから普通わかるでしょ!?』


 そりゃ着信画面にバッチリ“親父”って表示されてるからわかるが……


「言わせんなよ、恥ずかしい」

『ゴメン……』

「じゃあ、切るぞ?」

『うん……って、それじゃ用件が伝えられないでしょ!?』


 勘のいい親父め……このまま切って携帯の電源落として放置しようと思ってたのに


「じゃあ、用件をさっさと話せよ」

『すごく上から目線のような気がするけど、まぁ、いいや。羽月達は今日家に泊まるからね』

「知ってるよ。香月達から聞いてるし」

『あ、知ってた?遊華も含めてイチャイチャするだろうし、遊が今使ってる部屋に泊めてあげて』


 どこから情報を入手するのか親父は俺が香月達と打ち解けたのを知ってるっぽい


「はいはい。じゃあ、切るぞ」

『うん。じゃあ、妹兼恋人とクールな年上美人と天然系年上美人と仲良くね』

「じゃかしい!!」


 俺は親父の返事を待たずして電話を切った。あの親父、会ったら覚えとけ


「お兄ちゃん、どうかしたの?」

「いや、何でもない。父さんが遊華達とイチャイチャしていいってよ」

「い、イチャイチャ!?」

「「…………」」


 俺が親父からの伝言を伝えたら遊華は真っ赤になって驚き、香月と美月は真っ赤になって固まってしまった。どんだけ初心なんだよ……


「親父め、恨むぞ……」


 俺がイチャイチャとか言わなければよかったんじゃないか?とツッコむのはなしにして、親父がそう言うなら望み通りにしてやろうじゃないか……


「お、お兄ちゃん……」

「ゆ、遊……」

「ゆ、遊ちゃん……」


 何だ?3人とも情熱的な視線を俺に向けてきて?そんなにイチャイチャしたいのか?これは面白くなりそうだ


「3人とも……」


 俺はゆっくりと遊華達に近づいた。そして─────


「可愛いぞ」


 遊華達が1か所に集まっている事をいい事に3人まとめて抱き寄せた。


「…………」

「…………」

「…………」


 反応がない。おかしいな……どうなっているんだ?


「あれ、気絶してるし……」


 香月達と再会でき、打ち解ける事ができて忘れていた。10年後ならこの程度で気絶しなかったが、この時代では遊華も含めて精神的に幼かったんだっけ?親父の母さんをからかってる場面を見て俺もやってみようと思って実践したが……ダメだった


「立ったまま気絶してると危ないな……」


 俺は遊華達を寝室に運ぶことにした。10年後の遊華達はとてもじゃないが、3人一緒に抱き着かれたり、気絶されたりすると運ぶのに一苦労だったが、この時代の遊華達なら運んで運べない事はない


「遊華はいつも俺が似たような事を言ってるのにこんな時に限って気絶するのかよ……」


 3人一緒に運ぶのは俺が超人か何かじゃない限りは無理だった。当たり前だが、1人ずつ運んだが、なんて言うか……遊華達軽くね?ちゃんと飯食ってるのか?それとも、俺が10年分成長しているせいか?


「あ、そう言えば、俺って10年後では激痛を伴って倒れたっけ?」

「嘘!?お兄ちゃん倒れたの!?」

「ん?遊華、起きてたのか」


 遊華はどうやら俺が倒れたというところから聞いていたらしいな……俺に関する事に対しては敏感らしいな


「うん、さっきね。それより、倒れたの!?いつ!?」

「お、おい、落ち着け」

「落ち着いてるよ!それよりいつ倒れたの!?」


 10年後の未来に飛ばされた事は言ったが、その未来で激痛を伴って倒れた事は言ってなかったな……


「落ち着け!ちゃんと説明するから!」

「う、うん……」


 全く、俺に関する事に対しては冷静でいられないのか……まぁ、好きな人が倒れたって話を聞かされたら誰だって取り乱すか……


「遊、その話、私も聞きたいな」

「遊ちゃん、私も」


 香月と美月も起きていたのか……まぁ、いいか。いつかは説明しなきゃいけないだろうし、ここでまとめて説明するか


「わかったよ。ちゃんと説明するよ」


 ところ変わってリビングに移動した俺達は遊華、香月、美月の順でソファーに座り、それと向かい合う形で俺が座る


「お兄ちゃん、ちゃんと説明してくれるよね?」

「ああ、説明するよ」

「じゃあ、説明して。遊」

「ああ」


 俺は説明を開始しようと思うが……さて、何から説明したものか……


「俺が10年後に飛ばされた話はしたと思うし、飛ばされた先で俺は失踪した事になってたのも話したな?」

「うん、ついでに言うなら香月さんと美月さんと義理の姉妹になった事も聞いたよ。お兄ちゃん」


 そこまで話していたか。なら話は早いな


「10年後の俺を取り巻く人間関係の話は置いといて、問題は俺の身体の事だ」

「「「身体の事?」」」


 遊華達は意味がわからないと言った顔をしている。そりゃ、俺だっていきなり身体の事なんて言われてもピンとこない


「10年後に飛ばされた俺の身体は何て言うか、10年分の時間がまとめて圧し掛かってきたとでもいうのかな……筋肉痛とも成長痛とも違う痛みに襲われたんだ。結果、どうなったと思う?」

「どうなったの?お兄ちゃん」

「ごめん、遊。想像がつかない」

「私も……」


 そりゃそうだろう。俺だって驚いた。


「激しい激痛を伴って倒れた」

「「「────!?」」」


 遊華達は大層驚いている。激痛を伴って倒れたなんて言われたら誰だって驚く。


「いや、ビックリしすぎだろ……」

「お兄ちゃん、そんな話を聞いてビックリするなって言う方が無理だよ」

「うん……で、結局遊はどうしたの?」

「ああ、俺は救急車で運ばれて病院に運ばれた」

「ほえ~、すごいね~」


 香月達のリアクションの中で美月だけは呆けているようだ。10年後に飛ばされて身体が成長したようだが、今の段階では身体に異常はないし、深く考えない方がいいか


「まぁな。でも今は身体に異常はないし、気にする事はない」

「「「うん……」」」


 身体は成長するが、退化する事はないだろう。これからどうなるかは知らないが、今のところは問題ないはずだしな


「3人とも不安になり過ぎだ。今は何ともない」

「「「うん……」」」


 不安にさせたお詫びに今日は一緒に寝るか……


「今日は一緒に寝るか?」

「「「うん!」」」


 どうせ親父達は母さん達と一緒に寝てるんだ。俺達が一緒に寝ても何も問題ないだろう。どうせならカメラで見てみるか……俺達を弄り倒すんだ。少しくらい覗いても罰は当たらないだろう。夫婦の営みを除く以外では

今回は遊が香月達と打ち解けたり、父とコントしたり、未来であった事を話したりといろいろでした

10年後も現在も根本的なところは変わらないんだなと思いました

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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