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俺が由紀と買い出しに行く件について

今回は由紀との買い出しです

ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ。これらの野菜から作れる定番メニューに由紀はどんなものを予想するでしょうか?

では、どうぞ

 牛乳ジャムのあら熱を取り、冷蔵庫に放り込んだ後、買い物に行く以外はやる事がなくなってしまった俺と由紀。だったら買い物に行けよって話なんだけどな!


「暇だ……」

「暇って、買い物には行かないんですか?」

「そりゃ行くけど、まだ時間じゃない」


 現在、時刻は午後4時半。今日は5時間授業だった為、部活動に所属していない俺は早く帰ってくる事ができた。で、由紀達中学生組は現地解散だったらしく、俺が通う高校からそれぞれ帰路についたらしい。まぁ、俺も手を洗っている最中に由紀から聞いた事だから本当の事かどうかは知らんけど


「時間って、買い物に行くのに時間って関係あるんですか?」


 出たよ。専業主婦(主夫)の皆さんが日々安くて良いものを手に入れるための努力を知らない奴の発言


「そりゃあるぞ。今の時間帯は肉、魚、野菜は高いが、5時くらいから安くなり始める。場所によっては8時くらいには半額になってるぞ」


 俺も全てのスーパーでどの時間帯に何がどれだけ安くなるかを確かめたわけじゃないが、閉店間際に行くと肉や魚、野菜等の鮮度が命のものは半額になる。まぁ、お菓子類とかは別に鮮度が命ってわけじゃない。だからお菓子類はものによるが


「へぇ、そうなんですか……知らなかったです」


 感心したように俺を見つめる由紀。まぁ、中学生でスーパーの品物がどの時間帯から安くなり始めるなんて知ってるのは夫婦共働きの親を持つ奴か、父子家庭、もしくは母子家庭で家事をしなきゃいけない環境にある奴だけだ


「ま、由紀が知らないのも無理はない。家事はほとんど俺がやってるからな。でも、家計の事を考えると安いに越した事はない」

「こ、これからは遊さんのお手伝いを積極的にします……」


 スーパーの品物事情を話しただけなのに気まずい空気が流れてしまった。と、いうか、由紀が恐縮してしまった


「べ、別に俺は家事を手伝ってほしいから話したんじゃないぞ?ただ、買い物に行くなら時間帯が大切だって言いたかっただけで」


 遊華達に対してもそうだが、これじゃ『少しは家事をしろ』っていう嫌味か遠回しの催促にしか聞こえないか。失敗失敗


「で、ですが、今まで遊さんは1人で家の事をしてきたじゃないですか、私達に不平不満を言わずに。ですから、これからは遊さんのお手伝いを積極的にします!!」

「お、おう」


 美月も前に似たような事を言ってたが、家事をやる事に対して不平不満があるわけじゃない。俺が好きでやっている事だからな


「遊さん、もう5時ですが、行きますか?」

「え?ああ、もうそんな時間か」


 時計を見ると時刻は午後5時。今からスーパーに行けばちょうどいいか


「ええ」

「じゃあ、行くか」

「はい」


 俺と由紀はスーパーに行くための準備をした。由紀の方は軽く1枚羽織るくらいだが、俺はエコバッグを持って行かないとな


「準備できたか?」

「はい!って、遊さん、それなんですか?」


 由紀の指差しているのは俺が持っているエコバッグだった


「エコバッグだけど、え?もしかして知らない?」

「え、ええ、恥ずかしながら……そ、その、食材等はあまり買いに行かないので」


 そうか……実家で暮らしていれば買い物に行くのは大体母親だ。ちなみに家では俺。つまりだ、由紀がエコバッグを知らないのも当然の事っちゃ当然の事か


「まぁ、普段は俺が買い出ししてるから知らないのも無理はないか。だが、ニュースでレジ袋削減とかは見た事あるんだろ?」

「ええ、レジ袋削減とレジ袋の有料化はニュースで見た事あります。ですが、そこに映っていた人達は皆さん段ボールで食材を運んでいる場面ばかりでしたので……」


 何とピンポイントな……まぁ、エコバッグの事は歩きながら話すか


「そうか。じゃあ、エコバッグの事は歩きながらにでも話す」

「はい、よろしくお願いします」


 俺と由紀は一先ず家を出た。玄関で立ち話をしている時間がもったいないし


「よし、戸締りはOK!行くか」

「はい」


 俺と由紀はスーパーへと向かう為に歩き出した


「で、さっき話の続きだが」

「はい」


 スーパーへ向かう道中でさっきの話の続きをしますか


「で、どこまで話したっけ?」

「私がテレビで見たのは食材を段ボールで運んでいる人ばかりでエコバッグを持っている人の姿は見た事がないって話までです」

「そうか。由紀がニュースで見た場面はまぁ、ピンポイントな場面ばかりだが、段ボールで運んでいる人だけじゃない。ちゃんとエコバッグを持っている人もいる」

「はい」


 上手く伝わったかは不明だが、それは実際にスーパーに行ってみ見てもらうとしよう


「それでだ、食材が多い場合は段ボールに入れる場合もあるが、段ボールにだって限りがあったり大きいものがあれば小さいものがある。いつもいつも自分が思う大きさや形のものがあるわけじゃない」

「はい。それで、どうしてエコバッグを持って行くんですか?」

「そりゃ、安く買い物ができたのにレジ袋に金が掛かったら意味がないからだ」

「そうなんですか?」

「ああ、あくまで俺個人の意見だから何とも言えないが、俺はそう思っている。レジ袋ごときに金を払うくらいなら家からエコバッグを持って行く」


 俺は環境と家計に優しい高校生だからな!捨てるものは極力減らし、少しでも節約する!それがこの俺、藤堂遊!


「遊さんっていつも大変なんですね」

「大変と言われたら否定できないが、それでも俺が好きでやっている事だからな」


 キッカケは最初に飛ばされた未来で遊華達のヒモになるのは避けたいと思って始めた。だが、例え短い間でも1度付いた習慣は簡単に抜けるわけじゃない


「キッカケ……」

「ん?」

「キッカケは何だったんですか?」


 話していいものだろうか?いや、キッカケは遊華達のヒモになりたくない一心だったんだけどな


「俺が最初に飛ばされた未来の事は話しただろ?」

「はい。香月さん達のお母さんと遊斗さんはほとんど家にいなくて遊華達が声優をしているって話は聞きました。ですが、遊さんが家事をやるようになったキッカケは聞いた事はありません」

「あれ?そうだったっけ?」

「はい」


 思い起こせば本人に関わる事しか話してなかったような気がするな


「別に聞かれて困る事じゃないからいいが、俺が家事をするようになったのは未来で遊華達が家にいない間、俺はやる事がなくてな」

「はい。ですが、それだったらゲームしたり、ネットでアニメ見たりすればよかったじゃないですか」


 由紀の言う通りだ。実際に俺はゲームしたり、ネットを使ってアニメを見ていた。が、それにもいずれ飽きというものは来る


「最初はそれでもよかったが、年上になったとはいえ妹に養ってもらうってのもどうかと思ってな」

「確かに、私も遊さんの立場だったら同じように思ってたかもしれませんね」

「だろ?で、遊華達に黙って遊びに行ったらどうなると思う?」


 俺はスーパーの道中でなんて事を聞いてるんだ……が、相手に考えさせるというのは大切だ


「私の予想ですが、遊びに行った先で遊華に連れ戻されると思います」


 遊華の親友だからか、それとも、ヤンデレ仲間なのかは知らないが、遊華の行動パターンをよく御存じで


「正解だ、由紀。実際に黙ってゲーセンに行った時は遊華に連れ戻されたし」

「当たっても嬉しくないんですが……」


 でしょうね。だが、実際に俺は遊華に黙ってゲーセンに行った時は有無を言わさずに連れ戻された


「嬉しかろうが嬉しくなかろうが俺は実際、遊華に黙ってゲーセンに行った時は有無を言わさずに連れ戻されたからな」


 俺にとっていい経験なのか、苦い経験なのか……まぁ、それはどっちでもいいが、黙って出てきたのに居場所を特定された上に連れ戻されるなんて身内じゃなければストーカーだ


「ゆ、遊華ならやりそう……」


 俺と由紀は遊華の行動力の凄さにある意味で感心しながら歩き、そして、スーパーに着いた


「さて、家にないのは……」


 俺は家にないものを思い出す。って言っても飲み物がないのは事実なんだが、先に食材か


「遊さん、何から取りますか?」


 由紀、それじゃ回転寿司に来ている時の言い方に近いのだが……まぁ、いい


「そうだな。とりあえず、ニンジンと玉ねぎとジャガイモからだな」


 肉類や魚類は奥の方に行かないといけないからな。先に野菜から揃えるか


「遊さん」

「何だ?」

「今晩はカレーですか?」

「どうしてカレーだと?」


 何となく由紀がカレーと言った理由は想像できるが、なんて言うか、由紀はまだまだ子供だな


「だって、ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモって言ったらカレーじゃないですか」


 やっぱり……カレーと言えばニンジン、玉ねぎ、ジャガイモが定番だが、そこへ白滝を入れたら肉じゃがだし、シチューのルーを買えばシチューになる。カレー、肉じゃが、シチューって作る過程が同じだが、ルーを入れるかだし汁と醤油を入れるのかで完成する料理が違う


「他にも肉じゃが、シチューとあるが?」

「うっ、それは……」

「まぁ、カレーなんだがな」

「じゃあ、いいじゃないですかー!」


 ポカポカと俺を叩く由紀。そして、そんな俺達を生暖かい目で見る周囲の買い物客と店員。別に由紀をからかったわけじゃない。ただ、人間にもそうであるように料理にもいろんな可能性やパターンがあるって知ってほしかっただけだ


「悪かった悪かった。だが、俺は由紀にいろんな料理があるんだって知ってほしかったんだよ」

「むぅ~」


 いつも比較的大人っぽい由紀が初めて剥れたような顔をした。これはこれで新鮮だ


「剥れるなって、好きな物買ってやるから。な?」

「子供扱いしないでくださいッ!」


 今の由紀は年相応の女の子か幼い子供だ。本人には絶対に言えないが


「はいはい。じゃあ、次は肉コーナーに行くが、カレーの肉は何がいい?豚?牛?鳥?」


 俺1人だと牛肉を選ぶんだが、今回はちょうど付き添いで由紀もいるし、由紀に選んでもらおう


「豚肉がいいです」

「了解」


 俺と由紀は肉コーナーへ行き、豚肉を取った。さて、飲み物以外で他に買うものあったかな?


「さて、由紀はほしいものあるか?」

「え?」

「え?じゃなくて、食べたいものとか、欲しいものとかないか?」

「そうですね……じゃあ、プリンが食べたいです!」

「わかった」


 俺はプリンを人数分取り、カゴへ入れた。今日は由紀の日とはいえ、1つだけってのは不平等だしな


「さて、由紀のほしいものも買ったし、後は飲み物を買って終わりだな」

「そうですね」


 家にいる人数が多いと飲み物の消費が早くて困る。だが、1人で暮らしているよりかはマシだ。人によっては賑やかなのが嫌いだって言う人もいるが、俺には賑やかなくらいがちょうどいい


今回は由紀との買い出しでした

ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎで由紀はカレーと答えました!が、思いつく者は人それぞれ!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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