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机上と実際のヤンデレが違ってる件について

今回は久々の遊華ヤンデレです

今回の遊と遊華はやる側とされる側が逆転します

では、どうぞ

 ヤンデレ─────ヤンデレをネットで検索するとキャラクターの形容語の1つで『病んでる』と『デレ』の合成語なんて書かれている。だが、これはあくまでも参考にしかならない。だって、そうだろ?性別によっては意味が違うって言ってる人だっている。だがまぁ、空想上の話をしても仕方ない。俺の恋人は全員ヤンデレだし……


「はい、お兄ちゃん、あ~ん♡」


 俺は遊華によって拘束された。未来で遊華がヤンデレだって知り、それを踏まえて告白したわけだから諦めたし、最近はヤンデレになる事がなかったから忘れていたが、遊華ってヤンデレだったんだなぁ……


「あーん」


 ヤンデレに逆らってもいい事なんて何もない。まぁ、愛されてる事に変わりないし、俺の交友関係にも口を出してこないから別にいいんだけどな


「おいしい?」

「ああ、美味いぞ」


 今までは言葉だけだったが、今回は行動に出た。むしろ今まで行動に出なかったのが奇蹟なのかもしれない


「本当?」

「ああ、本当だ」


 目に光のない遊華。ここで香月達はどうしたかを聞いていいものだろうか?


「お兄ちゃん、今、香月さん達の事を考えてたでしょ?」

「そ、そんな事はないぞ?」


 俺は香月達の事なんて口に出してないのにどうして遊華は見破ったんだ?


「ふ~ん、まぁ、いいか。お兄ちゃんは私の為に嘘を吐いたのは嬉しいけど、こんな事で嘘吐かなくてもいいんだよ?」

「遊華と一緒にいるのに香月達の名前を出すのは遊華に失礼だろ?それが例え遊華と同じ恋人でもな」

「手も足も使えない状況なのに紳士的なんだね」


 遊華の言う通り俺は今、手も足も使えない。だが、遊華は俺を殺すなんて事はしない。どちらかと言えば俺を監禁して独占するタイプだ


「まぁな。遊華は俺を殺したりしないと確信している。それに、俺の周囲に寄り付く異性はほとんどいなし、いて早川か明美さんだ」


 俺はモテる方じゃない。生まれてから遊華に告白するまで彼女なんていた事ない。俺に寄り付く異性は遊華達くらいなものだ


「そうだね、私はお兄ちゃんを殺したりしない。異性関係はどうか知らないけど」

「でだ、香月達はどうしたんだ?」


 俺は飯が食いたいって言って遊華、由紀、美優に取りに行ってもらった。が、飯が来ると同時に遊華を残して香月達が出て行ってしまった。これはどうしてだ?


「出て行ったよ?お兄ちゃんも知ってるよね?」

「俺が聞きたいのはどうして出て行ったか、出て行った後はどうしたかって事を聞きたいんだよ」

「あー、それね、香月さん達はお兄ちゃんの代わりに家事してるよ」

「そうか……」


 香月達に対して不安がないわけじゃないが、どうして俺の代わりに家事なんて……


「うん!」


 目に光はないが、とてもいい返事だ。ヤンデレ化してなきゃ手放しで褒めるところなんだがなぁ……


「元気があるのはいいが、いい加減ツッコませてくれないか?」

「何かな?」


 俺はずっとツッコみたかった。両手両足に手錠を掛けられるという目の前の事実にばかり目がいってたし、遊華がヤンデレ化し、矢継ぎ早に発言をしないから忘れてたが、今日は平日だ


「今日は平日で俺達は学校だろ?」

「うん」

「だが、俺は両手両足に手錠を掛けられ外に出られない状態だ」

「そうだね」

「加えて遊華も俺達も家にいる」

「うん」

「学校はどうした?」


 本来なら学校があり、俺達は登校しなきゃいけない。遊華、由紀、美優は中学校で俺と香月と美月は高校へとな


「今日は私達が通う中学校もお兄ちゃん達が通う高校も創立記念日でお休みだよ?」

「なんだと……?」

「お兄ちゃん知らなかったの?」

「ああ、興味なかったから知らなかった」


 中学校と高校の創立記念日が重なるなんて偶然があってたまるか……俺はこの世界を恨むぞ……


「創立記念日を忘れるくらい鈍感なお兄ちゃんだもんね……私が10年以上思ってたなんて気づくわけないよね……」


 俺が学校の創立記念日を忘れていただけなのに話の雲行きが怪しくなってきた


「は……?創立記念日と遊華の長年の思いとどう関係があるんだ?」

「創立記念日は時間割や年間行事表にも書いてあるのに気付かない、私がお兄ちゃんを異性として好きだって散々アピールしているのに気付かない。お父さんとお母さんには言われたのに……」

「創立記念日を忘れてたのは俺に非がある。が、遊華が親父と母さんになんて言われたか気になるんだが?」


 創立記念日なんて別に覚えてなくても大した影響はない。だが、遊華が親父と母さんになんて言われたかは気になる


「お母さんからは『遊華はお兄ちゃんが大好きね。このまま行くと将来は遊のお嫁さんね』って言われたし、お父さんからは『遊の彼女が遊華なら僕は嬉しいな。あ、別に結婚してくれてもいいからね?』って言われたよ」

「それ言われたのっていつだ?」


 幼い頃なら母と父が幼かった遊華を悲しませないようにする為の方便で説明がつく。が、言われた時期が時期なら……シャレにならない!!


「去年の夏休みだけど?」

「…………………マジで?」

「マジで」


 あんのバカ夫婦!!中学生の娘に何言っちゃってんの!?幼い頃なら笑い話になるよ?でも、中学生ってシャレにならないぞ!?


「だからね……お兄ちゃん……子供はまだ早いけど、たっぷり愛してあげる」


 光のない目をした遊華は俺に覆いかぶさってくる。


「遊華……」


 今日が創立記念日で学校が休みなのはわかった。だが、それだけの理由でヤンデレ化するだろうか?


「お兄ちゃん……私ね?ずっと不安だったんだよ?肝試しが終わってからずっとずっと不安だったんだよ?」

「何がだ?」

「お兄ちゃんが本当のお母さんのところへ行っちゃうんじゃないか?って。口では私達の側にいるって言ってたけど本当にそうかな?ってお兄ちゃんだって人間でしかも、誰よりも愛情を欲している年頃でしょ本当は私達よりも本当のお母さんのところに行きたいんでしょ?でもね、そんなの許さない絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対許さないから」


 俺は本当の母親の元へに行きたいって一言も言った覚えはないんだが……俺は未来で全部ではないが、遊華の日記を読んだ。全部は読んでないから遊華がどんな思いだったか、それは俺にはわからない。が、まだどこかに不安があるみたいだな……


「遊華」

「何?」

「遊華が俺の立場だったらどう思う?」

「何?いきなり?」

「遊華の不安を取り除くための質問だ。俺の立場ならどう思う?」


 中3ってのは不安定になる子が多い。主な原因は進路関係だと思うが。だが、人間関係でもトラブルがあるとすぐに不安定になる。どちらもネットや本でチラッと読んだ程度だから断言はできないが


「お兄ちゃんの立場……」

「そうだ。肝試しでいきなり本当の母を名乗る人物から手紙を貰って進級したときに迎えに来る。が、遊華には本当の母の記憶はない。生まれてすぐに子供を自分で育てる事を放棄するような人間だ。そんな奴の元へ行きたいと思うか?」


 終わった話────いや、始まってもいない話をしても仕方ない。だが、遊華の不安を取り除くには必要な事だ


「私なら嫌!!子育てを投げ捨てる親の元へ行くのも好きな人と離れるのも絶対に嫌!!」

「そういう事だ。自分を育てる事を放棄した親の元へは行きたくないし、好きな人と離ればなれになるのも嫌だ。だから、遊華が不安に思うことなんて何1つない。が、俺だって人間で愛情を必要としている年頃だ。が、その愛情は本当の母親からじゃない。親父や母さん、遊華達からだ」

「お兄ちゃん……」


 遊華を抱きしめてやりたいが、手錠によって両手が使えない。加えて覆いかぶされたせいで中学生にしては自己主張が激しい遊華の夢の塊が……


「手錠を掛けられてるのと遊華が上にいるので抱きしめてやれないが、そこは勘弁な」


 手錠を掛けたのは遊華だ。抱きしめるのが不可能だというのは遊華自身がよく理解してるだろ


「いいよ。いつもお兄ちゃんが私を抱きしめてるし、今回は私からお兄ちゃんを抱きしめるから」


 覆いかぶさっていた遊華は俺を抱き起し、そのまま俺を抱きしめた。抱き起すなら俺の手錠を両手だけでもいいから外してほしいものだ


「抱きしめるなら両手の手錠を外してくれると嬉しいんだがなぁ……」

「別にいいでしょ?お兄ちゃんは甘えてればいいの!」


 遊華に抱きしめられる機会というのはあまりないし、別にこれでもいいかと思う。


「今回だけは大人しく甘えときますか」

「別にいつでも甘えてくれていいんだよ?」

「機会があればな」

「ぶー!ぶー!」

「ぶー垂れないの!彼女の前でくらいカッコつけさせてくれ」


 いつもスカした奴じゃないが、俺にだって男の意地がある。ま、彼女達の前でカッコいい彼氏でいたいって程度だがな


「そういうものなの?」

「男ってのは好きな女の前ではカッコつけたいんだよ」

「ふ~ん」


 前回は美月と2人きり、今回は遊華と2人きり。いつも彼女達と一緒にいるが、たまには遊華達1人1人と個々で向き合うのも悪くはないか




今回は久々の遊華ヤンデレでした

やる側とされる側を逆転させてみましたが……いつもと変わらないですね。

最近自分の作品を見てみると主人公が冷静な時が多いなぁと思います

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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