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遊華がヤンデレな理由を知った件について

今回は遊華がヤンデレな理由を知った話です

遊華がヤンデレな理由を遊斗が未来に飛ばされた理由と共に知ります

では、どうぞ

 親からしてみれば似てほしい部分は似なくて似なくていいところは似る。なんて事を言う親はきっと五万といるだろう。俺は今、親父の女に弱い部分だけは似なくてよかったと心の底からそう思う。血が繋がってなくても長い間見てきた姿からああはなるまいと思っていると自然と気を付けようって思うからか?


「父さん、俺が知ったのは羽月さん達の名前だけなんだけど?」

「うん?それがどうかしたの?」


 どうかしたの?じゃなねーよ!俺は未来で義母、義姉として接してきたから名前呼びでもいいと思うけど、羽月さん達からしてみれば完全に初対面なんだからいきなり名前呼びはマズイと思うんだけど?


「いや、いきなり名前呼びする度胸なんて俺にはないからできれば名字も教えてほしいんだけど?」

「え?今更必要かな?未来じゃ義母と義姉の関係だったんだから必要ないでしょ?」

「「「え……?」」」


 親父のとんでも発言によって固まる羽月さん達。何ここでとんでもない事言ってんの?父親とはいえ言ってしまおう。コイツバカか?


「お父さん……」


 遊華も呆れている。そりゃ、未来では義母、義姉でしたよ。なんて話を信じろなんて言う方が無理だし、そのリアクションは正しいと思いますよ。


「父さん、ちょっと来て」

「え?何?これから夕飯でしょ?」

「いいから来い!」


 俺は親父をリビングから強引に連れだした。この親父は自分が同じ体験をしてきたのにも関わらず、未来の事をペラペラと話すとは……


「父さん、未来の事って簡単に喋っちゃっていいの?」

「ん?ああ、その事ね。別に遊が未来で親しくなった人、この時代から関係が続いている人、その身内の知り合いになら話しても問題ないけど。それがどうかしたの?」


 いや、どうかしたの?じゃない!母さんと羽月さんの旦那は未来じゃ死んでるんだよ!それ含めて言えってか?


「いや、母さんと羽月さんの旦那の事なんだけど……」

「俺がどうかしたかぁ?」


 親父の一人称は“俺”だったか?それに、なんか酒臭いんだが……


「あ、一月(いつき)。もう起きて大丈夫なの?」


 そうか、この人の名前は一月っていうのか。ずっと羽月さんの旦那としか呼んでなかったからわからなかった。


「俺があの程度で酔いつぶれるわけないだろ?」


 いや、ドヤ顔してますけど、俺が最初に見た時はグッタリしてましたよ?


「父さん、この人は?」

「ん?ああ、遊は知らなかったね。この人は羽月の旦那だよ」

小山一月(こやまいつき)だ。よろしくな!遊君」

「よろしくお願いします。ってあれ?俺自己紹介しましたっけ?」


 俺は一月さんにちゃんと自己紹介したのは今が初めてだ。それなのにこの人は俺の名前を知っていた。どうして?


「俺がグッタリしている間に自己紹介してたろ?」


 この人、グッタリしている間も話を聞いていたな?だから俺が遊だってすぐにわかったか……


「で、遊君、未来に行ってきたんだよな?遊斗と同じで」

「え?今何て?」

「未来に行ってきたんだよな?って」

「いや、その後」

「遊斗と同じで?」


 なんでこの人は親父が未来に飛ばされた事知ってんの?


「父さん、なんでこの人は父さんが未来に飛ばされた事知ってんの?」

「だって、僕が未来に飛ばされた時に1番最初に再会したの一月だし?元の時代に戻った時に最初に話したのも一月だし?」


 親父と一月さんはいつから知り合いだったのかを1度ちゃんと聞いておく必要があるようだ。だけど、それは後にして


「一月さん、父さんはどうして未来に飛ばされたかなんてわかりませんよね?」


 この人が親父が未来に飛ばされた理由なんて知るわけないか。俺が未来で親父から飛ばされたのは2年後の未来だって聞かされてたし


「知ってるぞ?」

「え?」

「いや、知ってるぞ?」


 マジか……この人が知ってるとは思わなかった。


「教えてもらってもいいでしょうか?」


 未来の世界では親父はほとんど何も教えてくれはしなかった。この時代でも教えてはくれないだろう。ならば第三者から聞くのが1番いい


「遊斗、話してもいいか?」

「ああ、問題ないよ?」


 一月さんは親父に確認し、許可を取っているようだけど、第三者が話していいなら自分で話せよな……


「じゃあ、遊君。遊斗が未来に飛ばされた原因はまぁ、日常生活でわかっているとは思うが、(はな)ちゃん……君のお母さんが原因なんだよ」


 俺は親父が未来に飛ばされた原因と日常生活で何となくだが、全てわかってしまったような気がする


「あー、何となく全て解りました」

「察しがよくて助かるよ。まぁ、大体は想像通りだ」


 一月さんはそう言ってトイレに入っていった。親父が未来に飛ばされた理由……親父が当時から数えて2年後の未来では亡くなっているか失踪したかのどちらかで母さんが親父と気軽に会える状況ではないのが原因だと考えるのが妥当だろうな


「父さん、父さんが未来に飛ばされた理由って……」

「遊は大体の事は想像がついてると思うけど、僕は当時飛ばされた未来では死んでる事になっていたんだ。だけど、華……遊の母さんが僕に会いたい、どんな形でもいいから僕に会いたいって思ったから僕が未来に飛ばされた。で、未来から戻った僕は母さんと付き合いだし今に至るんだけど……母さん、今も昔もヤンデレだから……」


 なるほど、遊華のヤンデレは母さん譲りだったか……だが、そんなヤンデレな母さんがいるのによくもまぁ、キャバクラに行けたもんだな……


「母さんヤンデレなのによくキャバクラに行けたもんだな」

「実際は行ってないし、あれは同僚から押し付けられるのが半分、僕が華をからかう為にもらってくるのが半分だから、実際には行ってないんだ」


 初耳だ。親父がキャバクラに行ってないなんて……にしても、押し付けられるのには同情するが、母さんをからかう為だけにそんなもんもらってくるなよ……


「父さん」

「何かな?」

「遊華のヤンデレって母さん譲りだったんだな」

「うん」


 ヤンデレって遺伝するんだと初めて知った。いや、知りたくはなかったが、意外な形で遊華のヤンデレが誰から受け継がれていたものかを知ってしまった


「とりあえず、戻るか……」

「そうだね」


 俺と親父は家にいるヤンデレ共にいろんな意味で頭を抱えながらリビングに戻った。これから羽月さん達にどう説明したものかを悩みながら


「あ、お兄ちゃん!」

「おっと!」


 勢いよく遊華が抱き着いてきてそれを受け止める俺。こんな遊華を見てると将来からかう為だけにキャバ嬢の名刺とか貰って来るのは止めよう。そう思う


「お兄ちゃん!お部屋に戻ろう?」

「お、おう……」

「香月さんと美月さんも一緒にね!」


 遊華は遊華で俺がいない間に香月達と仲良くなったみたいだ。喧嘩されるよりはいいが、仲良くなり過ぎじゃね?気のせい?


「ほえ~」

「…………」


 部屋に戻った俺と遊華はいつも通りだが、この時代では初めて入る香月と美月は呆けていた


「この時代ではまだ知らなかったんだっけ?」


 未来じゃ遊華、香月、美月、俺の4人の生活空間だったが、この時代では初めて入る香月と美月は開いた口が塞がらないと言った感じだろう


「それよりお兄ちゃん!」


 香月と美月が呆けているのをそれ呼ばわりですか?遊華さん


「何だ?」

「あれを2人にも見せてあげて!」

「あれ?」

「お兄ちゃんが未来で使ってた携帯!」


 ああ、あれね。ちゃんと何を見せるかを言わないとわからないぞ。遊華


「ああ、ほら」


 この時代じゃ使えない未来で俺が買った携帯電話。この時代で使ってる携帯はなぜか帰ってきた時に持ってた。だが、未来で買った携帯も一緒に入ってたのだ


「これが私?」

「綺麗だね~」


 香月と美月は携帯に貼ってあるプリクラで未来の自分の姿を確認してた。


「どうですか?これで信じてもらえましたか?」

「うん……」

「そうだね~、さすがにこんなの見せられたら信じるしかないよね~」


 遊華から話しには聞いていたが、信じられず、証拠を見せつけられて今ようやく信じたといったところか……


「それで?遊華は香月さんと美月さんをここへ連れてきて何をするつもりだったんだ?」


 遊華から携帯を受け取りながらここへ連れてきた目的を聞く。遊華だってただ連れてきたわけじゃなさそうだし


「お兄ちゃん、この2人を見た時にキャラがどうのって言ってたでしょ?それを今ここで全部話して」


 なるほど、キャラの事を俺に言わせる為にここへ連れてきたってわけか……


「別にいいけど、初対面の俺にそんな事言われても信じられないと思うけど?」


 初めて会った人間にキャラ作りは止めろとか言われてもなぁ?


「未来の携帯と未来で撮ったプリクラ見せられて今更信じる信じないもないよ。遊君、全部話して」


 香月に遊君なんて呼ばれるのは未来で出会った時以来か……まぁ、信じるって言ってくれてるし、妹の美月は姉の香月と同意見みたいだし話しますか……


「じゃあ、話すけど────」


 俺は未来で香月と美月から語られた事をそのまま話した。そして、俺が香月と美月に言った事も全て包み隠さずに……まぁ、一緒に寝たというところは省いたが


「で、何かご質問等ありますか?」


 話を終えた俺は質問がないかの確認をした。だが、どういう状況でそれを聞いたか?という質問には答えられない


「じゃあ、私から1つだけいいかな?」

「いいですよ、香月さん」

「その“香月さん”っていうのは止めてくれないか?未来で呼んでた呼び方にしてくれると嬉しいんだけど?」


 意外な事に香月が未来の世界で呼んでた呼び方にしろって言ってきた。俺としてはありがたいけど


「いいんですか?」

「いいよ。あと敬語もナシで」

「いや、さすがに敬語ナシはちょっと……」

「遊は香月の事嫌い?」

「嫌いじゃないです……」

「じゃあ、いいよね?」


 未来でも思ったが、香月のこういう急に幼児退行するところはズルいと思う。


「わかったよ、香月」


 この後、俺は美月にも同じ事を要求された。そして、呼び方も部屋に入った時の“遊君”というのは完全に消え去り、香月からは“遊”と呼ばれ、美月からは“遊ちゃん”と呼ばれるようになった。聞いた話だと香月と美月は俺が通う高校の先輩だった。入学してからそんなに経ってないが、浩太と敬以外に関わる人が少ないから知らなかったとだけ言っておこう


今回は遊華がヤンデレな理由を知った話でした

ヤンデレって遺伝するんだ・・・・初めて知ったなぁ・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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