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俺が遊華達に拘束された件について

今回は遊華達に拘束される話です

今作初!感想を頂きました!感想ありがとうございます!

今回は久々のヤンデレ化ですが、言葉じゃなくて行動にしてみました!

では、どうぞ


 人間は新しいものや期間限定という言葉に弱いと思う。興味を持つものは違うが、新しくできた店には行列ができるし、新発売の商品にはみんな群がる。新しいものというのはそれだけの魅力があるらしい。だが、期間限定というのも中々に魅力を感じるだろうと思う。例えば、期間限定のアイス、期間限定のコーヒーがあるが、これは年中あるわけじゃなく、一定期間のみだから魅力的なんだろう。俺の個人的な意見はどうでもいいとして、俺は今、遊華に拘束されているんだが……


「なぁ、遊華」

「何かな?お兄ちゃん」

「どうして俺は拘束されているんだ?」


 起きたら妹に拘束されてるとか……ラブコメでもこんな展開はないぞ?


「新しく買ったものって試したくなるじゃん」

「ああ」

「私はこの前、新しく手錠をかったんだけど」

「ああ」

「その実験をしたくてお兄ちゃんを拘束したんだよ。わかった?」


 全くわからなん!どうして俺で実験するんだ?っていうか、香月達はどうした?まぁ、聞きたい事はいろいろある。だが、何から聞いたらいいんだか……はぁ~


「全くわからん!っていうか、香月達はどうした?」

「香月さん達?家にいるよ?」

「香月達に止められなかったか?」


 香月達が家にいるなら誰かに止められたはずだ。だが、俺がこうして拘束されているということは香月達はこれを容認したのか?


「止められるわけないじゃん。みんな私と同類なんだから」


 そうだった……香月達は遊華と同じくヤンデレだ。そんな彼女達が遊華の奇行を止めるはずがない


「ですよねー」

「うん!」


 知ってはいた。未来でも遊華、香月、美月に何度か迫られたことあったし


「それで、俺はいつまで拘束されなきゃいけないんだ?」


 拘束されることというか、遊華のヤンデレにはもう慣れた。飛ばされた未来で遊華のヤンデレは嫌というほど見てきたしな!そもそもがヤンデレハーレム状態の俺が平和な日常を過ごせていること自体が奇跡だ。小説とかなら殺し合いの1つがあってもおかしくない。だが、遊華達は殺し合いなんてすることがない。むしろ互いの関係は良好だ


「そんなの永遠にだよ!」


 口調はいつも通りなんだが、目に光がない遊華。いつもなら息継ぎなしで俺を永遠に愛し続けるくらいは言うんだが、今回は違うみたいだ。


「永遠に拘束されたら俺はトイレにも風呂にも行けないし、飯を作ることも食うこともできないんだが?」

「そんなの私達が全部やってあげるよ!だからお兄ちゃんは安心して拘束されててね♡」


 慣れって恐ろしいもので、普通はこの状態の遊華を恐ろしいとか狂ってるとか思うんだろうが、俺は恐ろしいとかそんなことは全く思わない。っと、今はそんな事を考えている場合じゃないな。


「さすがに拘束されっぱなしなのは退屈なんだが……」

「え?私がいるんだから私と話せばいいじゃん」

「いや、それは……」

「何?嫌なの?私といるのはそんなに退屈なの?私ってお兄ちゃんにとって必要ないの?」


 さっきは慣れたとか言ったが、遊華のオートでネガティブになるところはどうしても慣れない


「嫌とも退屈とも必要ないとも言ってないだろ?ただ、遊華だって平日は学校があるだろ?さすがに拘束された俺と1日中一緒にいるわけにはいかないだろって言ってるんだよ」


 なんとも思ってない奴がヤンデレになっても迷惑なだけだが、遊華達ならまぁいいかで済ませられるのは俺自身が遊華達を想っているからなせる業だろう。が、それとこれとは話は別だ。拘束されるのは……まぁ、いい。遊華達が納得するまでやらせておけばいい。しかし、そのせいで学校を休まれても困る


「それは大丈夫だよ。だって──────────」

「だって?」

「私達が交代で遊の世話をするから」


 俺の問いに答えたのは遊華ではなく、ドアを静かに開けて入ってきた香月だった。入ってきたのは香月だけじゃない。美月、由紀、美優もいる


「香月……それに美月達まで」


 遊華の目に光がない時点でわかってはいたが、案の定、香月達の目にも光はない。何だろう?全く恐怖心はない。


「遊、これからは遊が外に出る必要はないし、家の事も無理に1人でやる必要はないんだよ?これからは私達が分担してやるから」


 家事を手伝ってくれるのは嬉しい。インドアの俺は積極的に出るタイプじゃないが、そんな俺でも外へ出ない生活というのはキツイのだが……


「そうだよ遊ちゃん。これからは私達に全て任せていいんだよ」


 美月の提案はヒモか専業主夫を目指す男にとってはありがたい。だが、俺はヒモになるつもりも専業主夫を目指すつもりもない


「私達なら遊さんが望む事を何でもしてあげられますよ?だから、私達に全てを委ねてください」


 委ねてくださいって言われましても……今の俺は特に由紀達にしてほしい事なんて特にない。望む事がない場合はどうしたらいいでしょうか?


「いや、今は由紀達に望む事なんてないんだが?」


 いつもなら何かしら望む事があるだろう。だが、してほしい事は何かありますか?と聞かれても思いつかない。あれだ、今日の夕飯は何がいいって聞かれて何でもいいって答えてしまうあれと同じだ


「遊くん、本当に何もないの?エッチな事でもいいんだよ?」


 エッチな事でもいいと言われましても……本当にしてほしい事なんてない。


「エッチな事でもいいと言われても本当に今してほしい事が思いつかないんだよ」


 人によっては欲がないなんて言うだろうが、今の俺には本当に彼女達にしてほしい事がない。彼女達に魅力がないわけじゃないが、そればかり考えてると俺が遊華達の身体目当てで付き合ったようにも見られる。


「本当にしてほしい事が思い浮かばないんだよ」


 俺だって人間だ。欲が全くないわけじゃない。ただ、今は思いつかないというだけで


「本当に何もないの?本当に?」


 遊華は明らかに嘘を吐いている子供に問いただすように聞いてきた。が、本当にしてほしい事がない。してほしい事……俺の拘束を解いてほしいとか?


「ないな。俺の拘束を解けって言っても解かないだろ?」

「うん。できればそれ以外で」


 知ってはいたが、遊華は俺の拘束を解く気は全くないらしい。まぁ、両手を上げた状態で手を封じられているわけじゃないし、両足をベッドの柵に繋げられた状態じゃないから別に疲れない。


「それ以外って言われてもなぁ……両手、両足に手錠を掛けられただけで別にベッドの柵に繋がれているわけでもないから疲れる事もないしなぁ……」


 これが両手、両足をベッドの柵に固定されていたらどちらかを外せとか言えるんだろうけど、今使ってるベッドに柵はない


「そう……」


 残念そうに呟く遊華。残念そうに呟くんだったらせめてそれっぽく拘束してくれませんかね?


「あー、でも、なんか寒いから布団が欲しいなぁ……」


 してほしい事が思いつかない俺のない頭で考えた唯一のしてほしい事……肉布団


「そ、そっかぁ……じゃあ、私達全員で温めてあげるね!」

「そ、そうか、ありがとな」


 正直、要求の内容がエロ親父のそれだし、ドン引きされると思っていたが、快く引き受けてくれた遊華達。恋は盲目ってか?それとも、自分で言うのもなんだが、惚れた弱みとかか?


 で、遊華達が肉布団になってくれたが……ぶっちゃけ重い。誰だよ?布団が欲しいなんて言ったバカは?あ、俺か。言う前に考えろよ!右に香月、左に美月なのはいい。が、俺の上に遊華、由紀、美優が乗っている時点で重いし、両隣りに香月と美月がいたとしても俺1人で人間3人分の体重を支え切れるわけねーだろ!


「お、重い……」


 後悔先に立たずとはよく言ったものだ。俺は言ってから後悔した。今の俺には柔らかい感触が5つ感じられる。こんな事なら別の要求をするんだったなぁ……


「遊ちゃん、女の子に重いは失礼だよ?」

「悪い……」


 さすがに配慮に欠けた。女子に重いは失礼だった……肉で思い出したが、腹減ったなぁ……


「遊、温かい?」

「ああ、温かいぞ」


 香月、温かいかどうかじゃなくて他に要求がないかを聞いてほしかったよ……


「遊さん、他にしてほしい事があれば何でも言ってください」


 由紀、ナイス!これで遊華達を離す大義名分ができた!


「そうだな……飯食いたい」


 飯食いたいと言えばさすがに離れるだろ。全員じゃないと思うが……


「じゃあ、私が持ってきてあげるね!遊くん!」


 飯を持ってきてくれるのはいいが、このままだと美優だけ出て行ってしまう。別に遊華達がうっとおしいわけじゃない。が、両隣りにいる香月と美月はいいが、遊華と由紀は重い。さて、どうしたものか……飲み物でも持ってきてもらおうか……


「美優が飯を持ってきてくれるだろうから由紀と遊華は何か飲み物でも持ってきてくれないか?」


 ストレートに重いからどけって言うと2人を傷つけてしまう恐れがある。が、何か用事を言えば遊華と由紀を傷つけずに俺の上から退かす事ができるはず……


「わかったよお兄ちゃん!」

「わかりました!遊さん!」


 遊華と由紀と美優の3人は元気よく部屋から出て行った。なんとか傷つけずに俺の上から退かす事ができたようで何より


「遊ちゃん、上手いこと遊華ちゃん達を退かす事ができてよかったね」


 左隣りにいる美月が俺に耳元で囁いた。美月は天然キャラを装っているが、俺の事をよく見ている。遊華達が俺を見ていないわけじゃないが、美月は人の行動には敏感に反応する。今回も見破られていたみたいだな……


「ま、まぁな……」


 右隣りには香月がいて俺を不思議そうに見つめているから今はあえて詳しい事は言わない。ネガティブになられても困るし


「遊、遊華ちゃん達はさっき何も言わなかったみたいだけど、女の子は好きな人に重いって言われると傷つくんだよ?」

「反省しております……」


 右隣りの香月からまさかの説教……遊華達には戻って来たら謝っておくか……遊華達単体では重くないんだけど、3人集まると重いんだよなぁ……それより、両手、両足の手錠を外してもらうのが先か……

今回は遊華達に拘束される話でした

今回は言葉じゃなく、行動面で遊華をヤンデレにしてみました

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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