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俺と美月がファミレスで過ごす件について

今回は美月とファミレスで駄弁る話です

ドリンクバーで自分のオリジナルドリンクを作りたくなりませんか?

では、どうぞ

 人間誰しも子供だった時期があったと思う。まぁ、生まれた時から大人でしたなんて奴がいたら俺は見てみたいが……俺が知る限りじゃ生まれた時から大人でしたなんて奴はマンガや小説の登場人物くらいだ。それはいいとして、現実の人間は子供から大人に成長するが、その中でも決して消えない部分というのはある。例えば、性格とか……例えば、味覚とかな


「ふふっ」

「なんだよ?」

「遊にも子供っぽいところがあるんだなぁと思ってね」


 俺を見て微笑む美月は例えるなら弟の成長を喜ぶ姉といったところだ。俺だって高校生だ。子供っぽいところだってある


「俺にだって子供っぽいところはある」

「遊は大人ぶったりしないのね」


 中学生から高校生の男子って無理に大人ぶったりする奴が多いらしい。まぁ、大人ぶってコーヒーを飲んだりする中学生がいたり、大人の真似して喫煙なんてする高校生がいるらしい。コーヒーを飲むだけならいいが、喫煙はシャレにならない。と、それは置いといて、俺は無理に大人ぶったりしない


「いずれは大人になるんだ。だから今、無理に大人ぶっても仕方ないだろ」

「それもそうね。みんないずれは大人になっていく。無理に大人ぶっても仕方ないわね」

「無理は身体に毒だしな。さて、ドリンクバーに行くが、美月は何がいい?」

「そうね、じゃあ、オレンジジュースをお願いしようかしら」

「了解」


 美月はオレンジジュースをご所望か、何だかんだで美月も人の事を言えないな……


「俺は何にするかな」


 美月を子供っぽいところがあるなって思ってる場合じゃなかった。自分が飲みたいものを決めてなかった


「適当に選ぶか……」


 ドリンクバーだし、適当に目に入ったドリンクを選んで戻るか


「まぁ、ファミレスだし、コーラくらいあるだろ」


 逆にないファミレスを見てみたいが、世の中にはコーラのないファミレスだって探せばある。え?あるよね?


「さて、終わったな」


 ドリンクバーで2人分のドリンクを淹れて戻る。高校生の中にはドリンクバーで飲み物をミックスしてオリジナルのドリンクを作る奴がいるらしいけど、デートでそんな無粋な事をする奴いないだろう


「ただいま美月」

「あら、早かったわね」

「まぁな。ほら、オレンジジュース」


 美月にオレンジジュースを渡し、俺は美月の正面に座る


「ありがとう」


 美月にオレンジジュース渡したが、ストローつけた方がよかったかな?とは思うが、美月は気にする事なくジュース飲んでるからいいか


「それにしても、カップ買いに来たのにベッド買わされるとは思わなかったな」

「そうね、でもいいじゃない。予想外の買い物だったけど、これからは6人で寝られるわよ?」


 俺が問題にしているのはそこじゃない。カップを買いに来たのにどうしてベッドを買ってんだって事を言いたいんだよ!買ってしまったからすでに遅いが、遊華達になんて言い訳するつもりだよ?


「遊華達にはなんて言い訳するんだよ」

「え?」


 美月さん?ポカンとしてらっしゃいますけど、まさか考えてなかったとか言いませんよね?


「え?ちゃんと考えてるんだよな?」

「そ、そうよ?ちゃ、ちゃんと考えてるわよ?」


 美月、ちゃんと考えている奴はどもったり目を反らしたりしないぞ?俺と目を会わせろ


「そうか、じゃあ言い訳は美月に任せるわ」

「え、ええ、任せなさい!」


 美月はきっと今日買ったベッドが家に届くまで言い訳を考える為に頭を悩ませるんだろうな……


「…………」

「…………あ、あの、遊?相談があるのだけど?」

「何だ?」

「も、もしよければ一緒に言い訳を考えさせてあげてもいいのよ?」

「遠慮しとくよ。美月がナイスな言い訳を考えてくれるってのに俺が意見を出しても邪魔になるだけだろ」

「そ、そうでもないわよ?遊の意見って参考になる事が多いし」

「そう言ってくれるのはありがたいが、俺は美月の邪魔したくない」

「そ、そう……」

「…………」

「…………」


 美月と少し話をした後に再び訪れる沈黙。パスタまだかな~


「どうした?美月」


 先程から黙って俺を見つめる美月だが、俺の顔になんか付いてるのか?あ、鼻と目と口と眉毛が付いてましたね


「い、いえ、何でもないわ」

「そうか」


 必死にクールなキャラを保とうとしているが、美月の頭の中はきっとベッドの言い訳をどうしようかって事で頭がいっぱいなんだろうな……仕方ない、言い訳のヒントくらいは出すか


「なぁ、美月」

「な、何よ?」

「今月って遊華と香月の誕生日なんだが、プレゼントって決まってるか?」

「いえ、まだだけど?それがどうかしたの?」

「俺も決まってないんだが、美月は決まったのかなと思ってな」

「私だってまだ決まってないわよ」


 俺は遊華と香月の誕生日プレゼントを何にするかまだ決めてない。それは美月も同じらしい。俺と美月の共通点は遊華と香月のプレゼントが決まってないということ。美月にとってはプレゼントが決まってない者同士という認識だろう。はぁ……俺は彼女に対しては甘い男らしいな


「そうか……ところで美月」

「何よ?私は今、ベッドの言い訳を考えるのに忙しいんだけど?」


 ベッドの言い訳のことを隠す気はもうないらしいな。折角ヒントをやったのに……言い訳ごときで美月と喧嘩しても仕方ない。さっさと答えを言うか


「今日買ったベッドの事なんだけどな」

「な、何よ……考えなしに買うなって言うつもり?」

「そんな事を言うつもりはないんだが、俺も美月も遊華と香月のプレゼントが決まってない事だし、あのベッドを俺と美月からの誕生日プレゼントって事にしないか?」

「え?」


 何?その意外そうな顔は


「なんだよ」

「遊がそんな事を言いだしたのが少し意外で」


 意外って何だよ意外って、本来なら遊華達に内緒でデートしているっていうこの状況だって嫉妬される意味ではいい状況とは言えないんだからな?


「今回のデートだって遊華達にバレたら嫉妬されるんだ。だったら遊華と香月のプレゼントを何にするか悩んでいた俺に美月がたまたま声を掛け、美月も同じことで悩んでいた。ここまではいいか?」

「ええ、実際にそうだったじゃない」

「で、途方に暮れた俺と美月はプレゼントを買う為に2人きりで出かけた。ゲームを買う為、参考書を買う為ってのは誕生日プレゼントをサプライズにしたかったから。で、ベッドが届いたら俺と美月からの誕生日プレゼントって事にしたら今日の事は全て丸く収まるだろ?」


 今日のデートをデートとは言わずに誕生日プレゼントを選ぶために2人で出かけただけということにしておけば遊華達に文句を言われなくて済むし、嫉妬した遊華達に俺が襲撃をされる心配もない


「そ、それはそうだけど……でも、いいのかしら?」

「何がだ?」

「あのベッドは私が勝手に……」


 最初は美月が勝手に話を進めたかもしれない。だが、結果的には親父と羽月さんが絡んでしまった。親が絡んできた時点で勝手にではない


「親父と羽月さんが絡んでいる時点で美月だけの責任じゃないし、支払は親父と羽月さんだ。それに、仕事で必要なのもな。いざとなれば親父と羽月さんのせいにしてしまえばいい」

「そ、それだと申し訳ないわ」


 美月は優しいが、親父と羽月さんが作品の為、企画の為に必要だって言ったのは事実だ。全てを擦り付けるのは無理かもしれないが、多少は何とかなるだろ


「責任を全て擦り付けるわけじゃい。親父と羽月さんが仕事で必要としているのは事実なんだから」

「で、でも、それだと遊斗さんとお母さんが遊華ちゃんと香月に責められるかもしれないし……」

「あ、その辺は問題ないぞ」


 親父と羽月さんが遊華と香月に責められるかもしれないという問題に関しては俺に考えがある


「どうして?」

「普段家にいないから誕生日プレゼントの費用くらいは負担したいって名乗り出たとでも言えば親父も羽月さんも責められる事はないだろ」


 本当は同棲の練習だと言って家から羽月さん達の家へ移り住んでそれぞれ新婚気分を満喫しているんだろがな


「それもそうね。遊の案を採用するわ。でも──────」

「でもなんだ?」

「どうして遊は私を見捨てたのかしら?」


 言えないよなぁ……困っている美月が可愛かったからっていうのと面白そうだからっていうのは


「美月にも言い訳を考える事をしてほしかったんだよ。俺の彼女の中で1番洞察力が高いし、美月とならこれから来る困難を乗り越えられると思うし」

「そ、そう……私を頼りにしてくれるのは嬉しいけど、遊華ちゃん達は頼りにならないかしら?」


 そう来たか……だが、俺は遊華達を頼りにしてないんじゃなくて、俺の恋人達の中で弁が立つ美月も頼りにしているだけだ


「遊華達は感情的になりやすいが、美月が感情的になるなんて早々ないだろ?」

「そ、そりゃ、私は感情を表に出すタイプじゃないけど、私だって女の子よ?ロボットや人形じゃないわ」

「それは見りゃわかる。それに、美月が俺に感情的になったのは1回だけだしな」

「私は遊に感情的になった覚えはないのだけど?」


 この時代の美月は俺に対して感情的になった事はない。だが、俺が初めて飛ばされた未来で一緒に寝た時に1度だけ感情的になった


「俺が初めて飛ばされた未来で美月と一緒に寝た時に美月が俺に感情をむき出しにした事があるから俺が一方的に知っているだけだ」

「そういうこと。じゃあ、私が知らなくても無理はないわね」


 初めて飛ばされた未来の事を美月は俺の話の上では知っている。だが、具体的な事は知らない。プリクラを貼っていたからそれでどんな見た目かくらいは知っていてもな


「ああ。だが、俺は美月をロボットとか人形だとは思っていない」

「そんなこと知ってるわ」


 未来でもこの時代でも俺が美月と一緒にいるようになってから1年も経っていない。それは美月だけじゃないが、俺は自分の恋人達と付き合うのをステータスとか思ったことは1度もない


「ならいい」


 俺と美月達は一緒にいる時間こそ短い。何がわかるんだと言われれば俺も美月達も知らないことが多すぎると思うし、最後まで信じられるかと言われれば絶対にそうだとは言い切れない。だが、それでも俺は美月達とこれからの日々を歩んでいこうと思う



今回は美月とファミレスで駄弁る話です

ドリンクバーで自分のオリジナルドリンクを作りたくはなりますが、やり過ぎて逆に不味いものを作ってしまった経験がある人は多いと思います

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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