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俺と美月がファミレスに行った件について

今回はファミレスに行きます

デートでファミレスってありなのかな?

では、どうぞ

 年上ってなぜか魅力的に感じる事ってないか?まぁ、そう思うのは年上好きな奴だけかもしれないが……自慢じゃないが俺には年上の彼女がいる。同時に年下の彼女もいる。いないのは同じ年の彼女だけだ。それはいいとしてだな、ベッドを買い、現在は寝具コーナーから食器コーナーへと移動してきた。移動してきたのだが……


「遊、これなんてどうかしら?」

「いいんじゃないのか?」


 カップを見に来たのにどうして目の前にいる美月はワイングラスを俺に見せてきているんだ?アレか?高校生だし、背伸びして飲酒に興味を持ち始めたのか?ダメだぞ?未成年が飲酒なんて


「遊、ちゃんと答えなさい」

「ちゃんと答えるも何もどうして俺はワイングラスを見せられているのかがサッパリなんだけど?」


 俺達は紅茶を飲む時に使うカップを見に来たのであってワイングラスを見に来たわけじゃない


「遊とデートしているのもあるけれど、たまにはロマンチックな雰囲気で食事したいと思わない?」

「そりゃ、そう思う時もあるけどよ……それとワイングラスとどう関係するんだ?」


 ロマンチックとワイングラスに何の関係があるんだ?俺には関係性がサッパリわからない


「そりゃ、シャンデリアがある部屋で2人でワイングラスを持って乾杯するのよ。いいと思わないかしら?」


 家にはシャンデリアなんて豪華なものはない。それに、今の年齢だとワインは飲めないぞ?その辺は自覚してるのか?


「いいと思うもなにも家にはシャンデリアなんて豪華なものはないし、ワインだって飲める年齢じゃないだろ?」

「それはそうだけど……」


 夢を壊すようで嫌だが、時には現実を教えてやるのも優しさだ。しかし、現実ばかり教えるのも夢がない。未来で俺は美月が繊細な女の子だっていうことを知っている。じゃあ、どうするか?そんなの簡単だ。妥協すればいい


「別にシャンデリアがなくてもロマンチックな演出ができるし、ワイングラスだが、中身がワインじゃなくても見た目さえ大人の雰囲気を出せればいいだろ?」

「え?」

「要するにロマンチックな演出ってのは物がなくても工夫次第でどうとでもなるって事だ」

「じゃ、じゃあ……」


 美月の顔に光が射す。俺には何が言いたいか予想できる。が、新しいグラスが2つばかりあってもなぁ……


「ワイングラスを買いたいって気持ちは理解できるが、新しいグラスが2つばかりあってもなぁ……遊華達が黙ってないだろ?今日だって内緒で来てるわけだし」

「仕方ないわね……遊華ちゃん達に内緒で来ているって言われたらあまり大きな買い物はできないわね」


 美月さん?俺達はすでに大きな買い物をしてますよ?手遅れですよ?


「はぁ……ところで美月は何て言って家を出てきたんだ?」

「え?」


 いや、え?じゃなくて。俺は新作ゲームを買うって言って出てきたが、美月はなんて言って出てきたんだろうと今更になって気になってきた


「俺は新作ゲームを買いに行くと言って出てきたが、美月はなんて言って出てきたんだ?」

「あ、そういうことね。私は参考書を買いに本屋さんに行くと言って出てきたわ」

「そうか、じゃあ、帰りにゲームと本を買って帰らないとな」

「そうね」


 カップを買わないとは一言も言ってない。だが、俺はゲームを、美月は参考書を持って帰宅しないと遊華達に怪しまれる


「さて、カップはどうする?」

「え?どうするって?」

「買って帰るのか?」

「いいと思ったものがあったらね」

「わかった」


 俺と美月は結局カップはいいと思ったものがあれば買うという結論を出した。遊華達に聞かれたら美月が買った事にして偶然会った俺がカップを持つ役目を引き受けたとか適当に言えば大丈夫だろ


「さて、ワイングラスを見るのはこの辺にして本命であるカップを見に行きましょうか?」

「だな」


 ワイングラスはまたの機会にして俺達は本命であるカップを見に行く事にした。


 カップの置いてある場所まで来た俺と美月だが、美月は目をキラキラさせて物色している。だが、俺は驚きのあまりその場に立ち尽くす。カップってセットになっているのも含めていろいろあるのな


「遊、驚いているのはわかるけどボーっとしないでちょうだい」

「あ、ごめん」


 先程まで目をキラキラさせて物色していた美月がいつの間にか俺の近くまで来ていたらしい


「まったく、遊は……まぁ、普段はゲームか私達の事しか興味ないからボーっとするのもわかるけど」


 ゲームに興味があるのも美月達の事を常に考えているのも否定しないが、それを口にだして言うのはちょっと……特に後者はマズイだろ


「否定はしない。だがな、美月」

「何よ?」

「自分で言ってて恥ずかしくないのか?」

「…………」


 具体的に指摘したわけじゃないのに顔を赤くする美月。これはアレだ……ゲームの方の興味か美月達の方の興味かのどちらを俺が言わんとしているか理解してしまった表情だな


「恥ずかしくなって無言になるくらいなら言わなきゃいいのに……」

「う、うるさい!」

「真っ赤になってる美月も可愛いから別にいいんだけどね」


 美月の違う一面が見れたということは遊華達の違う一面も見れるかもしれない。美月とだけデートするのはバレた時にいろいろ言われるかもしれないな


「遊?どうしたの?」

「あ、いや、なんでもない」

「そう」


 今度、遊華達とも2人きりでデートしよう。美月には絶対に言えないがな


「お気に入りのカップは見つかったか?」

「いいえ、今回は気に入ったのはなかったわ」


 ベッドは買うのにお気にいりのカップはねーのかよ!いや、無理強いはしないよ?無理強いはしないけど、ここへ来た目的がカップを探すんじゃなくて、ベッドを買いに来ただけなんじゃないのか?


「ま、まぁ、カップは別の日に探せばいいだろ?」

「そうね。あら?もうこんな時間ね。そろそろお昼にしない?」

「え?今何時だ?」

「もう12時よ」

「マジで?」


 携帯を取り出し、時間を確認してみると時刻は12時をまわっていた。カップを見るのに時間が掛かったのか、それとも、ベッドを買う買わないの押し問答で時間を取られたのか……時が経つのって早いな


「それで、お昼は何がいいかしら?」


 デートの時に飯の選択がハッキリ選べない男は女性から軽蔑されるであろう事は彼女がいなかった俺でもわかる。ラーメンとかだとデートの雰囲気がでないしなぁ……あ、パスタがあるじゃないか


「パスタ」

「遊」

「ん?何だ?」

「無理しないで好きな物を選んでいいのよ?」

「無理はしてないぞ?ただ、普段は食べられないようなパスタが食べたいなと思ったからパスタって言っただけだ」

「そう、ならいいわ」


 何を心配していたのかは知らないが、俺は無理はしていない。美月達の前で無理をしても隠しきれる自信がない


「さて、じゃあ、メニューは決まったが問題はどこで食うかだが……美月、リクエストはあるか?」


 昼飯のメニューは俺が決めた。場所は女である美月に任せる。俺が選ぶよりは女子である美月の方がいろんな店知ってるだろうし


「そうね。私はファミレスで構わないわよ」


 え?ファミレスでいいの?パスタ専門店がいいとか言われると思ったのに


「ファミレスでいいのか?パスタ専門店がいいとか言われると思っていたんだが……」

「パスタ専門店とかに行くとポイントカードを作らされるかもしれないでしょ?今回のデートは遊華ちゃん達に内緒で来ているんだからファミレスで簡単に済ませるのが得策なのよ」


 何が得策なのははサッパリわからないが、美月がファミレスでいいって言うならそれでいいか


「そ、そうか。じゃあ、ファミレスに行くか」

「ええ」


 俺達は家具屋を出てファミレスに向かった


「結局いつものファミレスに来てしまったな」

「遊、いつものファミレスって言うけどあなたは言うほどここに来てないでしょ?」

「ああ」


 ファミレスの前で言うほど来てないとか言うなよ……事実だけど


「店の前にいても仕方ないわ。入りましょ」

「そうだな」


 ファミレスの前で話していても仕方ないのでとりあえず中へ入った


「いらっしゃいませー、お客様は2名様ですか?」

「「はい」」

「喫煙席と禁煙席どちらになさいますか?」

「禁煙席でお願いします」


 俺はウエイトレスに禁煙席と伝えたが、俺達は高校生だ。高校生で喫煙席って言う奴がいたらソイツは高校生でありながら20歳を超えている奴なんだろうなと思う


「かしこまりましたー、こちらへどうぞ」


 俺と美月が案内されたのはドリンクバーに近い席に案内された。ドリンクバーを使うかどうかは別として


「ご注文がお決まりになりましたらボタンでお知らせください」

「「わかりました」」


 ウエイトレスは笑顔で去って行った。ウエイトレスも大変だな。できる限り笑顔でいなきゃいけないとは


「さて、何にする?」

「私はもう決まっているわ」


 早くない?俺だってまだ決まってないのに


「美月ってよくここに来るのか?」

「いいえ、ここに来るのは遊の付き添いで来る時以外は来ないわ」

「でも、注文決めるの早いよな?」

「店の入り口にあるサンプルを見てある程度は決めてきたから」

「いつの間に……」

「入る時にチラッとね」


 その一瞬のチラ見だけである程度料理を決めるなんてな。美月って本当に洞察力が高いな


「そ、そうか……じゃあ、俺もさっさと決めるか」

「焦らなくてもいいのよ?」

「美月を待たせるわけにいかないだろ?」


 俺が決めあぐねているせいで美月を待たせるわけにはいかない


「別に急ぐわけでもないから焦らなくていいわ」

「いや、もう決めた」


 俺はすでに何を注文するかを決めている。和食専門のファミレスにはないが、和洋中が揃っているファミレスには必ずと言っていいほどあるメニューだ


「遊の方こそ早くないかしら?でも、いいわ。店員さんを呼びましょう」


 美月がボタンを押すと奥の方で呼び鈴がなった。


「お待たせしました。ご注文を窺います」

「和風きのこパスタとドリンクバー」

「ナポリタンとドリンクバー」

「ご注文を繰り返します。和風きのこパスタが1つ、ナポリタンが1つ、ドリンクバーが2つでよろしいでしょうか?」

「「はい」」

「では、失礼します」


 注文を終え、ウエイトレスが奥へと戻って行った。美月の注文はともかく、俺の注文は子供っぽかったか?

今回はファミレスに行きました

デートでファミレス……相手の同意があればアリ?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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