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なぜかキングサイズのベッドを買わされた件について

今回はベッド回です

遊、どう転んだら店員さんに囲まれて懇願されるなんて状況になるんだか・・・・

では、どうぞ

 はい、藤堂遊です。僕は現在、非常に困っております。どうして困っているか?そんなの決まっているじゃないか。今のこの状況と俺は家具を見に来たのにキャバクラとかぼったくりバーに来た気分だよ……主に、店員さんと美月のせいで


「「「「「お願い……買って?」」」」」


 どうやったら家具を見に来ただけなのに複数の女性から上目遣いでおねだりされなきゃいけないんだよ……

 って、言うか、俺はただの高校生だ。50万なんて大金を持っているわけないだろう?どうしてそこに気が付かないんですかね?


「買ってと言われても50万なんて大金をポンと出せるわけないだろ?俺、高校生だぞ?」


 店員さん達はともかく、美月は俺と生活しているんだからそれくらい理解できるだろ?全く……


「遊……そこを何とか……」

「できないな。っていうか、どうしても欲しかったら羽月さんとかに頼めよ」


 甲斐性なしとか言いたきゃ言え。だがな、俺は普通の高校生だ。アルバイトをしているわけでも何でもない。俺の財布を当てにするな


「わかったわ。お母さん達がいいと言えば遊はこのベッドを買うことを許可してくれるのね?」

「ああ、親父達全員を説得できるならな」


 親父達全員を説得する?そんなの無理だろ。いや、高校生と中学生の男女だけで同棲を許可する連中だからできない事ではないと思うが……


「まぁせいぜい頑張ってくれ」


 親父達が許可を出さない事を祈りつつ、一応、美月を応援しておこう


「わかったわ。それと、店員さん」

「何でしょうか?」


 美月は店員さんを呼び止め、ヒソヒソと何かを話している。何を話しているんだ?


「わかりました!それくらいなら許可します!」

「ありがとうございます」


 ん?許可?一体美月は何をお願いしたんだ?だが、話し合いの結論が出るまで対して時間は掛からなかったな


「遊、私は電話してくるから大人しくしてなさい」


 俺は子供でも犬でもないんだが?美月の中での俺はどんなポジションにいるんだか……ペットとか?


「はいはい、わかったから早くしてくれ」


 俺はもう何も考えない。とりあえずこの店から早く逃げ出したい。俺の頭の中にあるのはそれだけだった


「はい、遊ちゃんにはそう伝えます!はい!わかりました!」


 美月は一体どこの誰と電話してるんだ?俺の名前が出たって事と敬語を使っているって事は年上か目上の人間だろうし、俺の事を遊ちゃんって呼んでいるって事から俺を知っている人物……


「考えれば考えるほど嫌な予感しかしない」


 考えたくはないが、嫌な予感がビンビンに伝わってくる。


「終わったわよ、遊」

「おう、対して待ってないが、お疲れ」


 俺が待たされたのは精々5分くらいだ。こんなの待ったうちには入らないし、女性が準備等で遅れてきた時は文句を言わないウようにしている。まぁ、これは親父とか誰かの受け売りじゃなくて未来に飛ばされた時に遊華達が声優って事もあったせいか準備には相当時間が掛かった。そんな事があったからか、文句を言うのがアホらしくなった


「あら?文句の1つでも言わないのかしら?」

「別に待たされるのは慣れてるし、必要な電話だったら咎めるのも悪いしな。文句なんて言わないさ」

「そう、さて、じゃあ、次の作業があるから待っててくれる?」

「了解」


 次の作業が何なのか気にはなるが、ヤバい事じゃない限りは美月の事を見守ってやろうと思うが、ベッドの写真なんて撮って何をするんだ?


「あとはこれを送信するだけね」


 写真を撮って送信するのは携帯のカメラ機能とメール機能が発達した現代なら当たり前だが、一体誰に?というか、ひょっとして店員さんとさっきヒソヒソ話していた事ってこの事だったのか?


「遊、後5分もしないうちにあなたの方に連絡が行くと思うから」

「?あ、ああ、わかった」


 実際は何が何やらサッパリわからない。が、ここは納得しておかなきゃいけないと思った俺は一先ず納得してみせた。本当は嫌な予感しかしないとか言えない


「ん?メール?」


 ポケットの中のスマホが震え、確認してみると新着メールが1件。誰だ?


「親父か……」


 メールボックスを開けると親父からメールが来ていた。件名はなかったが、美月から連絡が行くと言われていたし、そうとは言い切れないが、念のためにメールは開封しよう


『遊!お金は僕達が出すから美月ちゃんの為にキングサイズのベッドを買いなさい』


 メールにはベッドを買うようにと書いてあった。だが、考えてほしい。スペースの事もそうだが、これを買うと俺が美月とデートに行ったことがバレてしまうんだが?


「遊、遊斗さんの許可は得たし、遊の方にもメールが来たでしょ?」


 美月が連絡してたのは親父だったのか……で、ベッドの事を親父に電話で話し、その後でベッドの写真を送った。メールを受け取った親父が母さんと一月さん夫婦と話し合ったかは知らないが、多分、即決定ってところか……


「来たには来たが……金はどうするんだ?俺は50万なんて大金を今持ち合わせていないし、高校生の俺がそんな大金を持っているわけがないのは知っているだろ?」


 宝くじにでも当たらない限り50万なんて大金を簡単に得られるはずがないし、そもそも、デートに行くだけだし、買い物をするんだろうなとは思っていたが、たかが知れてる。よって俺の財布には50万なんて大金は入ってない


「知ってるわよ?だから、カードで払うことにしたの。問題あるかしら?」


 問題大アリだ。カードってクレジットカードだろ?それだって高校生の俺達が作れるものじゃない。仕事をしているわけじゃないから収入はないし、未成年だからそもそもがクレジットカードを作れない


「カードで払うって言っても誰のカードで払うんだよ?俺も美月も高校生だからクレジットカードなんて作れないし、美月がクレジットカードを持っているなんて話を俺は聞いた事がない」


 買うのが面倒とかそんなんじゃないよ?ただ、大金が財布に入っているわけじゃないし、カードで支払うと簡単に言うが、美月がカードを持っているなんて話を聞いた事がないって言っているだけで


「そうね。私はクレジットカードを持っていないわ」

「だろ?どうやって支払うんだよ?」

「遊斗さん達にさっき電話して確認したんだけど、遊斗さんの新作とお母さんの今現在出演しているアニメの企画で今度撮影の為に家を使いたいらしいのよ」

「それで?どうしてそれがベッドを買うことになるんだ?」


 新作と現在出演しているアニメがベッドを買うことと何の関係がある?


「どちらとも作中にキングサイズのベッドが出てくるんだけど、作品の方もアニメの方もイメージとしてそのベッドが必要らしいのよ。でも、私達が前住んでいた家にもお母さんの所属している事務所にももちろん、撮影スタジオにも置くスペースがない。ここまで言えば私の言いたい事がわかるわよね?」

「ああ、わかった。わかりたくはないが、わかってしまった」


 早い話が家を置き場所にしたいっていう親父と羽月さん達の利害と美月の俺と一緒に寝たいからベッドが欲しいという願望が一致したって事だろ?


「それで、遊?このベッド買っていいのよね?」

「親父も買えって言ってるんだし、買っていいだろ。支払等をどうするかは知らないが」


 俺は親父から買えと言われたが、支払等の事については何も聞かされていない。美月に任せるしかない


「そこは安心して頂戴。支払等の事は店員さんと話が済んでいるから」

「あ、そう」


 美月とデートに来て10万を超える買い物をするとは思わなかった。


「「「「お買い上げありがとうございます!!」」」」


 支払等の事が済んだ後、俺と美月は寝具コーナー担当の従業員の方々から泣いて感謝された。チラッと小耳に挟んだ話によると、あのベッドは値段が高く、大きいというのもあるが、家の雰囲気に合わないという理由で買う人がいなかった。だが、店側も必ず売って見せると意気込んでしまった手前、問屋に返品する事ができなくて困っていた。そんな時に俺達が来た。ということらしい


「はぁ……当たり前だが配送だよな」

「ええ、家に届いた時もこのお店の方が組み立ててくれるらしいわ」


 サービスいいなとはとてもじゃないが言えない。俺が欲しくて買ったと言うよりは美月と店員さん達の熱意、親父と羽月さんが必要だから買ったという感じがしてならない。美月が喜んでくれるからいいけどな


「次はカップだな」

「ええ」


 寝具コーナーを出た俺と美月は食器コーナーへとやって来た。頼むから次は店が意地になって売れ残ったものとか、どう考えてもおかしいだろってものはありませんように


「頼むから次は呪いのアイテムじゃないが、いわく付きのものはありませんように」


 食器まで店員と美月とその他の協力プレイで買わせるとかそう言ったことは勘弁してほしい


「そんなのあるわけないじゃない。遊って冷静だったり冷めてる部分があるけど、こういった部分ではまだまだ子供ね。呪いなんて信じるとはね」


 俺だって信じたくないが、先ほどのベッドの後じゃ疑いたくもなる


「はいはい、俺は子供だからな。定期的に美月に甘える事にするわ」

「は?にゃ、にゃにをいってるのかしりゃ?」


 珍しく顔を真っ赤にして噛み噛みの美月。家では顔を赤くするところを見ても噛みまくっているところは見た事がない。これはこれで新鮮だな


「美月が俺を子供扱いするからな。俺はそれに従って子供になっただけだ」


 美月が俺を子供扱いするというなら俺はそれに全力で乗っかる。ただそれだけだ


「遊?私が子供扱いしたからそれに乗っかっているだけじゃないのかしら?」

「そうだけど?だがな、俺が美月に甘えたいと思っているのは本当だぞ?」

「そ、そう……」


 美月は再び顔を赤くした。クールな時はあんまり騒がないのな。天然美月だったら照れた後でニコニコするのに


「おう」

「そ、それより、カップを見に行きましょうか」

「そうだな」


 話しをしているだけなのもつまらない。俺と美月はカップが置いてある場所に向かった。今日のデートはまだ始まったばかりだが、美月の知らない一面をたくさん見たような気がする


「ところで美月」

「何かしら?」

「美月ってクレジットカードを持ってたか?」

「そんなの持ってるわけないじゃない」

「どうやって支払したんだ?」

「そんなの後でお母さんと事務所の人、遊斗さんが来て半分ずつ払うのよ。店員さんに聞いたら売れなくて困ってたって言うし、売れるなら支払方法はなんでもいいって言ってたからそうしてもらったわ」

「さいですか」


 俺は今日、販売業っていうのも意外と大変なんだなということを学んだ。できれば知りたくなかったがな

今回はベッド回でした

ベッドってものによっては高いですね~、まぁ、自分の気に入ったデザインのものを選ぶか使いやすさを重視するか、それとも、値段か・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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