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遊華のヤンデレ化で俺がある程度の事情を察してしまえる件について

今回は遊華のヤンデレ化から始まり美月とデートの話し合いです

ヤンデレ久々登場!

では、どうぞ

 夜とはある意味で開放的になると思う。例えば、ハイテンションになってはしゃいだりするのは大抵の場合は夜だ。反対にネガティブになるのも夜だ。人によると思うが、夜の闇というのは心の闇を引きずり出した状態とも言える。そして、浩太によれば夜は告白する絶好のタイミングらしい。まぁ、俺には5人も恋人がいるから関係ない。ないと思っていたが、実はそうではない。美月の突然の早起きに遊華と香月が突然甘えてきたという俺にとっての一騒動があった。その理由を俺は知りたい。浩太曰くその理由を聞くのは夜が絶好のタイミングらしい


「で、時間になったが……どうなってるんだ?」


 学校から帰って晩飯を食って、風呂に入って、後は寝るだけ。の、はずなんだが……


「お兄ちゃんは私を嫌いにならないよね?大丈夫だよね?信じてるよ?お兄ちゃん?もし浮気したり私から離れたりしたら許さないし一生外には出さない監禁してお兄ちゃんを私達だけしか見れないようにする大丈夫だよお兄ちゃんお兄ちゃんの世話は全て私達がやるからお兄ちゃんは何もしなくていいんだよ私たちの側にいてくれるだけでいいんだよねぇお兄ちゃん」


 最初は結構疑問形だったと思う。が、途中から息継ぎなしで俺への監禁宣言と側にいてというお願いをしてきた遊華にある意味感心してしまう。じゃなくて!!遊華に限って言えば朝は甘えん坊で夜はヤンデレって……どうなっているんだ?


「遊華、俺は遊華達の側を離れるつもりはないし嫌いにならないから安心しろ」


 本当に慣れたものだと自分で自分に感心してしまう。最初の頃は遊華のヤンデレとか恐怖しか感じなかったが、今となっては怖くはないが、無視すると大変な予感しかしない


「本当?」

「ああ、本当だ」


 俺は遊華達の側から離れるつもりは毛頭ないが、ヤンデレになった理由が全くわからない。あれか?夜だからか?


「よかった……」


 心底安心した様子の遊華だが、俺にとっては全くよくない。どうしてヤンデレになってるかの説明をしろ


「遊華はどうしてヤンデレになっているか説明してくれないか?」

「今朝、お兄ちゃんに拒絶された夢を見た」


 俺はこの説明だけで理解してしまった。遊華がヤンデレになっている理由を


「俺が遊華を拒絶するわけないだろ。もちろん、香月達もな。別に家事ができなくたっていい、料理ができなくたっていい。ただ俺の側にいてくれるだけでいいんだ」


 ヤンデレと化した遊華と今にも飛び掛かって来そうな香月達に言い聞かせるようにして言ってみたが、果たして伝わっているんだろうか?


「「「「「遊……!!」」」」」

「うわっ!お、落ちる!俺ベッドから落ちちゃうから!」


 遊華達が一斉に抱き着いてきたせいで危うくベッドから落ちそうになるところだった


「「「「「遊~」」」」」


 満面の笑みで抱き着いてくる彼女達を見て今朝の美月の早起きと遊華と香月が甘えてきた理由が何となく理解できた。美優と由紀が甘えたりしてこなかったのは不思議だが


「はいはい」


 俺の手は2つしかないから全員の頭を撫でるのはできないが、抱き着かせるくらいならいくらでもそうさせてやろう


「お兄ちゃん」

「何だ?」

「あ、朝の事なんだけど……」

「ああ、夢で俺に拒絶されたから現実で俺に甘えてきたっていうアレか?」

「う、うん、迷惑だったかな?」


 不安そうな顔で俺を見る遊華。まったく、妹が何を気にしてるんだか……


「全然迷惑じゃない。妹が兄に甘えるのは悪い事じゃない。彼女が彼氏に甘えるのだって彼女の特権みたいなもんだろ?逆に彼氏が彼女に甘えるのだって彼氏の特権みたいなもんだ。気にするな」

「うん!!」


 真実とは意外な形で明らかになるなんて言うが、本当の事だったんだな……遊華を見て思う。今朝の美月の行動と遊華と香月の行動からアクションを起こしていない由紀と美優の気持ちもわかってしまう


「せっかく浩太に話を聞くタイミング聞いてきたのに無駄になってしまったな……」


 浩太から知恵を貸してもらったのに結局は遊華のヤンデレがキッカケである程度の事がわかってしまった


「遊、タイミングって何?」

「浩太曰く告白するなら22時がいいタイミングらしいぞ」

「遊、告白するの?誰に?」


 香月はどうして俺が誰かに告白する前提で話を進めるんだ?


「俺は誰にも告白するつもりはない!ただ、今朝、美月の早起きと遊華と香月が甘えてきたから話がしたくて浩太に相談しただけだ」

「そ、そう……よかった」


 ホッとした様子の香月。彼女に甘えられたり彼女と一緒に料理ができた事を考えるとよかったが、いきなりはビックリする


「遊ちゃんは嫌だったかな?私と一緒にお料理するの」

「別に嫌じゃない。ただ、いつもは1人で料理してたからビックリしただけだ。遊華と香月が甘えてきたのもそうだが、日頃はあんまり甘えてこない遊華と香月が急に甘えてきたら何かあったのかって思うだろ」


 ツンデレの奴が2人きりになった時に突然甘えてきたりするとビックリする。こういうのをギャップ萌えとか言うんだろうし、見ている分には面白いんだが、当事者になってみたらわかる。心臓に悪い


「遊は私達が甘えるの嫌?」

「嫌じゃない。嫌じゃないが、ビックリはするな。香月も遊華も普段はそんな素振り全く見せないし」

「じゃあ、これからはお兄ちゃんに甘える回数増やすね!」

「お手柔らかに頼む」


 ここで止めろとは言わない。が、あんまり甘えられすぎて互いに離れたくないという状態になったら勉学に支障が出るからやるなとは言わない!やり過ぎるなとは言うけど!


「遊さん、早速ですが、甘えていいですか?」

「いいけど、今何時?」


 彼女達とこれから甘い一時を過ごせると思ったら大間違い。俺には今日のうちに明日の分の米を炊くという作業が残っている


「22時半ですよ。遊さん」


 甘えたいと言った由紀が時間を教えてくれる。由紀は自分の願望を出しつつもちゃんと質問には答えてくれる律儀な彼女だと思う。


「22時半か……後は夕飯や風呂、ある程度の洗い物も終わってあとは寝るだけだが、俺には明日の分の米を炊くって作業が残っているんだ。それが終わってからでもいいか?」

「遊さん、私は明日の朝食にパンを所望します!」

「「「「私も!!」」」」


 明日の飯よりも今、俺に甘えたいという願望の方が強いのね……


「じゃあ、可愛い彼女達の為に明日の朝飯はパンということで」

「「「「「やった~」」」」」


 惚れた弱みとはよく言ったものだ。自分の彼女がとてつもなく可愛く見える。いや、実際に可愛いんだけど


「ん……トイレに行くか」


 俺は寝る前、遊華達の願望をできるだけ叶えた。さすがに5人もいて明日も学校があると言うことで甘えさせると言ってもまぁ、みんなで一緒に寝るという形で満場一致。それはいいのだが……


「人口密度が高いせいか暑くてトイレに行きたくなるとは……」


 人口密度が高くなると汗をかきやすくなるし、トイレも近くなる。年寄りみたいだが、トイレに行きたいのは人間の生理現象だ。こればかりはどうしようもない


「遊ちゃん」

「美月か」


 俺がベッドから抜け出し、トイレに行こうとしたら美月に声を掛けられた。俺がベッドから出たせいで目が覚めたか?


「どこ行くの?」

「トイレ」

「私も行く」


 俺と美月は2人でトイレに向かう。さすがに一緒にトイレに入るわけにもトイレの前で待つわけにもいかないから俺はリビングで待っているが……


「遊ちゃん」

「終わったか?」

「うん」


 俺は美月が戻って来たのを確認し、トイレに向かう。


「遊華達に無理させてんのかなぁ……」


 誰に言われるでもなく、本人達に言われたわけでもない。ただ、俺が遊華達に無理をさせているんじゃないかと勝手に思っているだけだ。夜だし、トイレに入っているから当たり前だが、1人だ。


「1人だと後ろ向きな考えしかできない。無理をさせてると思うなら美月にでも聞いてみるか」


 トイレから出て美月が待っているであろうリビングへと向かう。


「起きていたのか?美月」

「ええ、遊をおいて先に寝るのは悪いと思ったから起きていたの。いけなかったかしら?」


 天然美月じゃなく、今回はいきなりクールな美月なんだな……


「いや、俺も美月に聞きたい事があったからちょうどいい」

「聞きたい事?」

「ああ、俺って美月達に無理させてるのか?」

「いきなり何を言い出すのかと思えば……」

「お、俺は真剣にだな……」


 美月は溜息を吐いているが、聞いている俺は真剣なんだよ


「私は遊に無理を強いられた覚えはないわ。もちろん、私だけじゃない、遊華ちゃん達もきっと同じことを言うわ。私達の方こそ遊に無理をさせてないかって常に不安なのよ」

「俺に?どうして?」

「遊だってやりたい事の1つや2つあるでしょ?それこそ部活にも入りたかったと思う。だけど、それを投げ出して私達の為に家の事を一身に引き受けて無理はしてないかしら?」


 確かに俺はこの家の家事全般を1人でしているが、だからと言って遊華達を恨んだことや無理をしていると思ったことはない


「さっきも言ったと思うが、俺が家事全般を1人でやっているのは俺が好きでやっていることだ。それに、俺が遊華に告白し、美月や香月、由紀や美優に出会った時にはすでにどこの部活にも入ってなかったからなぁ……部活に入りたかったんじゃないかとか言われてもなぁ」

「でも、やりたい事くらいあるでしょ?」


 やりたい事ね……部活は俺がやりたい事がなかったからしてないだけ。今更やりたい事って言われてもなぁ……特にないな


「いや、特にないぞ?あったら部活に入るなりなんなりしている」

「そう……」

「それより、今度のデートはどこへ行きたい?」


 暗い話を一旦止め、デートコースを決めておくとしよう


「そうね……カップとかを見に行きたいわ」

「カップ?カップって紅茶とかを飲む時に使う?」

「そうよ」

「美月は最近紅茶にハマったのか?」

「いいえ、別にカップじゃなくてもいいんだけど、私も遊と一緒に料理とかしてみたいなと思ってね」


 なるほど、棚とかの家具類や洗濯機とかの家電はすでにあるし、食器類に感心を抱き俺に家事の手伝いをしたいって事を遠回しにアピールしたかったのか


「最初からそう言ってくれればよかったのに」

「は、恥ずかしかったのよ!それくらい察しなさい!」


 クールな美月は天然美月に比べて素直じゃないらしいな。俺に好きだっていう事はダイレクトに伝えてくるクセに……変なところで素直じゃない



今回は遊華のヤンデレ化から始まり美月とデートの話し合いでした

今回の話を終えて一言、次が本命!!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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