表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/165

【閑話】俺がこれまでを振り返りこれからに思いを馳せる件について

今回は本編を休み、これまでの事を振り返り、これからの事に思いを馳せる話です

これまでいろいろあったなぁ・・・・

では、どうぞ

 俺達────主に俺だが、俺は未来から帰って来てからいろいろとあった。遊華に告白したり、義理の母や姉達との再会、遊華の友達と対面し、ストーカーを退治したり。俺の彼女に関係する事を振り返るとこんな感じだ。友人の関係を含めて話すと遊華に告白し恋人同士になった次の日には未来の事を話したし、香月達と再会した3日後くらいには浩太に明美さんを紹介した。


「あれ?俺の日常って具体的な時間軸わからなくね?」


 俺は遊華達と恋人同士になり、浩太と敬にも無事(?)に彼女ができた。それはいい。俺がした事だからだが、具体的な時間軸がわからない。いや、わからないって言うより見てなかったの方が正しいか。って事で、今までの事を振り返ってみるか……


「俺が未来から帰ってきたのが5月、遊華に告白し、恋人になったのも敬と浩太に彼女ができたのも5月だったな。あ、香月と美月に再会したのもか」


 5月って言えばゴールデンウィークという大型連休があるが、俺にとっては遊華に告白し、浩太と敬に彼女ができたのもそうだ。忘れそうになったが、香月と美月に再会した────つまり、羽月さんもそうだが、俺はこの日、初めて香月と美月の本当の父親との対面を果たした


「で、次が6月か……6月には美優と由紀に再会して美優のストーカーを退治したりしたっけなぁ……」


 俺にとっては美優と由紀に再会した事と美優のストーカー退治が6月の一大イベントだった。浩太と敬が泊まりに来た事?そんなんは5月の終わり頃にあった事だ。それを6月のイベントにはカウントしない!


「そう言えば、美優と由紀が恋人に加わったのも6月だっけなぁ」


 6月はいろいろとあった。ストーカー退治の事ばかりに気を取られているが、美優と由紀に再会し恋人になったのも6月だし


「思い起こせば俺って結構早くに5人も恋人ができて同棲するところまできているんだな……」


 これも未来に飛ばされたおかげか?遊華は別として、香月達の事は未来である程度の事を知っていたから恋人になる時期も早かったってか?


「で、7月には海に行って未来に飛ばされたんだっけな……あの時はまさか俺に子供がいるだなんて思わなかったけど」


 旅先で未来に飛ばされるとは思わなかったが、それはそれでいい思い出だ。


「8月のビックイベントは浩太が企画した肝試しだったな……まさか、肝試しをするって言われて行ったら夜の学校を徘徊しただけになるとはな……」


 俺としては肝試しをした事よりも本当の母からの手紙の方がビックリだ。それについては追々考えるとして、俺にはもう1つ思う事がある。俺達が────いや、遊華達は関係ないか。高校生組が気にする事はグラビアアイドルのプロマイドが出勤してきて置いてあった。それがどうして騒ぎにならないかだ。


「俺はともかくとして、香月達は男性教師の机にプロマイドを置いて事なきを得たのか?」


 何か違う気がしないでもないが、どうして騒ぎにならなかった理由は不明だ


「考えてみれば波乱万丈だな」


 肝試しの間に未来にいた期間と帰ってきた時間の矛盾を調べすぎて風邪を引いた。だが、遊華達に総じて言える事は彼女達はヤンデレだって事だ。むしろそれしか言えない


「お兄ちゃん?どうしたの夜更かしなんかして」

「今までの事を振り返っていたんだ」

「今までの事?」

「ああ、俺が未来から帰って来て遊華に告白し、恋人になった。その後の事とかな」


 俺は1度立ち上がりコーヒーを淹れる為、リビングへと向かおうとした


「俺はコーヒーを淹れにリビングに行くが、遊華も来るか?」

「うん!」


 俺と遊華は2人でリビングに向かった。今は香月達と一緒に住んでるが、遊華と2人きりになるのも久しぶりに感じる


「考えてみれば俺の誕生日っていつなんだろうな」

「え?お兄ちゃん、その歳で自分の誕生日がわからなくなったの?大丈夫?」


 遊華よ、俺はまだボケるには早いぞ?俺が言いたいのはそうじゃない


「俺が藤堂遊として生まれたのは親父が俺を施設から引き取った日だろ?そうじゃなくて、俺が本当に生まれた日はいつなんだろうなって話をしているんだよ」

「あ~、いつなんだろうね?」

「「う~ん」」


 俺と遊華で考えてみるが、俺達で考えたところで答えが出るものでもない。結局は俺がいた施設か俺の本当の母親なる人物に会わなきゃわからないって事だな


「2人で考えていても仕方ないな」

「だね」


 2人で考えてわかるくらいなら苦労はしない。後は親父に聞くって選択肢が残されているが、親父に聞いてわかるかどうか……


「遊華はコーヒーに砂糖入れるんだっけ?」


 未来の遊華はコーヒーをブラックで飲んでいたと思うが、今の遊華は中学生だ。ブラックではキツイだろ


「うん、2個お願い」

「了解。ミルクは?」

「いらない」

「はいよ」


 俺は自分の分と遊華の分のコーヒーを淹れ、リビングに戻る


「ほら」

「ありがと」


 遊華の前にコーヒーを淹れたマグカップを置き、俺は遊華の隣りに座る


「…………」

「…………」


 喧嘩したわけでもないのに俺と遊華は無言になってしまう


「ピーポー、ピーポー、救急車が通ります」

「何それ?」

「ついこの間読んだ二次創作の描写」

「つまらない」

「知ってる」


 沈黙に耐えきれずについ真似してしまったが、つまらないの一言で切り捨てられてしまった。俺も実際につまらないと思う。


「大体さ、サイレンの音を表現するなら地の文に盛り込まない?」

「意外だな。遊華が描写の事について言及するなんて」


 遊華は小説とか読むイメージがなかった。それ故に遊華から小説の描写について言われるとは思わなかった


「お兄ちゃんが読んでる本───ラノベ?だっけ?それを読んでみたら思った以上に面白かったから興味本位で読んだらハマった。それに、私だって本くらい読むよ」

「そうか。だが、遊華が読む本って───」


 ファッション雑誌だろ?とは言えなかった。未来について調べる時に遊華にも手伝ってもらったので、遊華の読書=雑誌という固定概念は崩れていた


「ファッション雑誌だけじゃないし、マンガを読んでいるから読書って言うつもりもないよ」

「俺の言おうとしていることがよくわかったな」

「伊達にお兄ちゃんと14年も一緒にいないよ」


 付き合う前は無愛想だったクセによく言うよ。まぁ、年頃の女子って言うのは難しいから口には出さんが


「だな。それにしてもこの家って香月達と同棲してから賑やかになったよな。いい意味で」

「それじゃ前が賑やかじゃないみたいな言い方だよ?」

「賑やかではあったが、ほとんどが親父の悲鳴だったろ?」


 今は遊華達の笑い声で賑やかだが、前は親父の悲鳴で賑やかだった。果たして親父の断末魔を賑やかの部類に入れていいものだろうかと疑問に思うけどな


「うん。それにしても、香月さん達はよく寝るね」

「俺が夜行性で遊華の夜中に起きてくる割合が多いだけだろ」


 未来でもそうだったが、俺が夜遅くまで起きていたり、夜中に水飲んでたりすると決まって遊華が起きてくる


「お兄ちゃんが布団にいないのが悪いんでしょ」


 ふて腐れたようにそっぽを向く遊華。素直に一緒にいてくれなきゃ寂しいとは言わないのな


「それは悪かった」

「ホントだよ!もうっ!」


 こんな時間がこれから先も続くといいなとは思うが、親父達が家にいたらここで茶化される


「剥れない剥れない」


 遊華の剥れている遊華。未来じゃ大人の女性だったが、この時代じゃまだまだ子供だな。そんな遊華の頭に手を置く


「髪型が崩れる!」


 遊華さん?後は寝るだけなのに髪型を気にするのか?女ってよくわからない


「後は寝るだけなのに髪型を気にするのか?」

「セットとか大変なんだよ?」

「朝シャンしてるのにか?」

「…………セットとか大変なんだよ?」


 何だ今の間は?目を反らすな。セットが大変なら俺の目を見て言え


「はいはい。女の子は髪をセットするの大変なんだな」

「本気にしてないでしょ?返事が適当だよ?お兄ちゃん」


 そりゃそうだ。朝シャンしてる奴に髪をセットするのに時間が掛かるとか言われても説得力がない


「気のせいだ」

「本当に?」

「ああ、本当だ」

「お兄ちゃん目を合わせて」

「い、いやぁ~、い、今の遊華が可愛すぎてそれは無理かな~」


 遊華とまともに顔を合わせられないのは恋心からくるドキドキではない。後ろめたさからだ


「こっち向け」

「はい」


 ドスの利いた遊華の声により俺は遊華の方を向く事を余儀なくされた


「お兄ちゃんは私の言う事を信じてないよね?」

「………黙秘します」

「お・に・い・ちゃ・ん?」

「ごめんなさい!朝シャンしている奴が何を言うと思ってました!」

「全く、素直にそう言えば私も許したのに……」


 素直に言っても遊華が許してくれたなんて言いきれない。今になって遊華の口から言われて初めて信じられる


「そうか、じゃあ、言わせてもらうが、朝シャンするんだから寝る前に髪型が崩れても関係ないと思うが?」

「そりゃ、そうだけど……好きな人の前では可愛くいたいじゃん」


 好きな人の前では可愛くいたいっていう女心は理解できないでもないが、俺は見た目で判断したんじゃなくて、内面で判断しなんだけどな


「別に俺は自分の彼女に見た目を求めてなんていない。どんな見た目でも遊華は遊華だろ?」


 女性の中には男を見た目で選び、あまつさえアクセサリーか移動手段としてしか見てない奴がいるらしい。反対に男性の中には浮気は男の甲斐性とか古臭い考えをする奴や可愛い女の子と付き合う事がステータスみたいに思っている奴がいるらしいが、俺はそんな事を思ってないし、彼女にはいてもらうだけで幸せだ。浮気とかしてるなら話は別だが


「お兄ちゃん……」


 感動しているところ悪いが、そろそろ寝ないと明日に響く。寝るか


「遊華」

「うん」

「寝るか」

「うん!」


 俺と遊華はマグカップを食洗機に放り込み、寝室に向かう。食器は起きた時にでも洗おう。


「遊華」

「ん?何?お兄ちゃん?」

「そろそろ俺達の誕生日近づいてるな」

「だね。1人1人お祝いするの面倒だから全員一緒にお祝いしよっか?」

「そうだな」


 俺はともかく、遊華達の誕生日は偶然に偶然が重なり、同じ月に立て続けに重なっている。どんな偶然だよ。本当に。俺も人の事言えないが

今回は本編を休み、これまでの事を振り返り、これからの事に思いを馳せる話でした

最初と最後ができあがってノートの片隅に書いて済むレベルのものをプロットと呼ぶのだろうか?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ