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俺が久々に遊華のヤンデレを見た件について

今回は久々に遊華がヤンデレになる話です

恋人になっても遊華は遊華だったという事です

では、どうぞ

 俺と遊華の平和なイチャイチャタイムが突然、終わりを告げた。と言っても別に死別したとか、親父と母さんが離婚したとかじゃないぞ?原因は親父の電話だけどな。確かに俺は羽月さんと会わせてくれと言ったが、それが今日の事になるとは思っていなかった。結論、ふざけんな親父


「ただいま、今帰ったよ」


 遊華とのイチャイチャを早めに切り上げ、リビングでそれを壊した元凶の帰宅を待っていた俺はこの親父をどんな酷い目に遭わせてやろうか?といつもなら考えるだろろうが、今回だけは特別に許してやろう


「あら、おかえり遊斗」


 リビングから出て出迎える母さん。会わせてくれと頼んでおいてなんだが、母さんと羽月さんって会わせて平気なのか?修羅場にならない?大丈夫?


「うん、ただいま。今日はお客さんも一緒だよ。しかも、4人もね」

「あら、そうなの?っていう事は今日は外食かしら?」


 何やら外食する話が玄関から聞こえる。どうやら母さんと羽月さんの関係はそんなに悪いものでもないみたいだな


「お兄ちゃん、今日はみんなで外食するみたいな話をしているけど、どうなんだろうね?」


 俺にすり寄ってる遊華が玄関での母さんと親父の話から外食すると推測している。俺も外食するのかどうかは実際に気にはなるところだが、その辺は何とも言えない


「うーん、どうなんだろうな?父さんの同級生が来るから外食するかもしれないし、ひょっとしたら家でホームパーティーみたいな感じになるかもしれないが……」


 家に客が来る時の相場って外食かみんなで食えるものを作ってワイワイ騒ぐって決まっているからな。俺には何とも言えない


「私はお兄ちゃんと一緒ならどっちでもいいや」


 Oh、未来に飛ばされる前の遊華からは決して出てこない言葉だ。恋人同士になってからなんか大胆になってないか?


「そ、そうか……」


 俺が照れてしまった……だって、可愛いんだもん!今のは照れても仕方ない。この調子でヤンデレも収まるといいんだが……


「お兄ちゃん、お部屋に戻ろ?」


 部屋に戻る事を提案してくる遊華だが、一体何をする気だ?


「あ、ああ」


 何をする気だ?とは聞けず、遊華に手を引っ張られ部屋に戻る俺。幸い親父と母さんは話に夢中で俺と遊華が部屋に戻るのに気が付いていない様子。いや、親父も母さんも気が付いてはいるが、あえてスルーしているともとれる


「遊華、戻ってきて何をするつもりだ?」


 部屋に戻ってきた俺はいの1番に何をするつもりかを尋ねてみた。戻る途中に何も聞かされていないわけだし、これくらいは聞いてもいいだろ


「お兄ちゃん、香月って人と美月って人の事ばかりで私の事は全然考えてくれてないよね?」

「そ、そんな事はないぞ?遊華の事もちゃんと考えてる」


 遊華の事も考えてるが、香月と美月に会わなきゃ浩太の嫁さんにも出会えない。遊華の言う事も間違ってはいないが、合ってもいないといった感じだ


「本当に?ちゃんと私の事も考えてくれてる?」

「も、もちろんだ」


 遊華を蔑ろにすると後が怖い事は10年後の未来に行った俺が1番よく知っている。蔑ろにするなんてありえない


「ふ~ん、でも足りないなぁ……」


 目から光を消した遊華は徐々に俺に迫ってくる。足りない?何が?元気か?それとも、血か?


「な、何が足りないんだ?」

「お兄ちゃん成分」


 何だ?お兄ちゃん成分って?俺は栄養素になった覚えはないぞ?っていうか、俺ここで食われるの?


「何だよ、お兄ちゃん成分って」

「私の栄養素の1つだよ」


 どうやったら摂取できるのか?なんて聞かない方がいいんだろうな……


「遊華」

「何?お兄ちゃん」

「一旦離れろ」


 目に光がない状態の遊華に離れろなんて言えるようになったのは未来で遊華のヤンデレを見てきたおかげだろうな。最初は怖くて言えなかったが


「どうして離れろなんて言うの?お兄ちゃんにとって私はもう必要ないの?私、いらない子?お兄ちゃんに嫌われたら私は生きていけないお兄ちゃんが必要としてくれないなら生きていても仕方ない嫌になっちゃうなお兄ちゃんと恋人同士になって浮かれていたのは私だけなんだ」


 遊華は“離れろ”の部分だけ聞いていて“一旦”の部分を聞いていなかったのか?自分に都合のいい方に解釈する女は厄介だが、自分に都合の悪い方に解釈する女もこれはこれで厄介だ。でも、そんな女の子を彼女にした俺はもっと厄介だな


「誰もそんな事言ってないだろ?ドアの鍵閉めるから一旦離れろ。このままじゃ身動きが取れん」


 抱き着かれた状態じゃ歩くのにも一苦労だ。加えて鍵を開けっ放しだと親父か母さんがいつ入ってくるかもわからんし、万が一見られてそれをネタにされても困る


「え?お兄ちゃんは私が必要ないから離れろって言ったんじゃないの?」

「いや、そんな事一言も言ってないだろ。とりあえす、ドアの鍵を閉めてくるから先に寝室に行ってろ」


 会話的にはこれから一線を越える準備をする会話だが、俺達はまだ高校生と中学生だし、子供ができても育てられん。それに、そういう事をするチャンスはこれからいくらでもある。


「う、うん……」


 俺の指示通りに先に寝室に向かう遊華。遊華が離れた事だし、ドアの鍵を閉めに行きますか


「これでよしっと」


 ドアの鍵を閉め、遊華のいる寝室へと向かう。アイツ血迷ってなければいいが……


「待ったか?」

「ううん、待ってないよ」


 意外な事に遊華はちゃんと服を着ていた。そこまで血迷っていなかったか……


「ほら、おいで」


 ベッドに寝そべり、遊華を迎え入れる体勢に入る。別にここじゃなくてもいいが、ここが怪我をする確率が低そうだからここにした。ただそれだけだ


「うん!」


 さすがに勢いよくは飛び込んで来なかったが、思いっきり抱き着かれた事には変わりない


「遊華のヤンデレ久々に見たなぁ」


 俺は謝るのが先だと理解していても遊華のヤンデレを久々に見たという感想が真っ先に出てしまった


「お兄ちゃんが悪いんじゃん!お兄ちゃんが私を放っておくから私はお兄ちゃんの彼女なのに私にはお兄ちゃんしかいないのにお兄ちゃんは他の女の事ばかりで私に構ってくれないし私はお兄ちゃんに嫌われたかと思ったんだよ?私はお兄ちゃんをこんなに愛しているのにお兄ちゃんは私を不安にさせてばかり……そっか、これがお兄ちゃんの愛なんだねお兄ちゃんは私を愛しているから私を不安にさせるんだねそれがお兄ちゃんの私への愛なんだね」


 前半の言い分は俺に非があると思うが、後半の言い分は愛じゃなくてただの意地悪のような気がしてならないんだが?


「ごめんな、不安にさせて」


 俺は遊華を抱きしめながら謝る。彼氏が他の女の事ばかり考えていれば不安にもなるよな……俺だって遊華が他の男の事ばかり考えていたら嫌だし


「本当だよ……本当に不安だったんだよ?」


 やっべ!上目遣いの遊華が可愛い!おっといかんいかん!平常心!平常心!


「お詫びに1つ言う事聞くよ」

「え?本当?」

「ああ、俺にできる範囲でな」


 未来の世界でも使ったような言葉だな。あの時はテンパって言ってた部分もあるが、今は自分の意思で言う事を聞くと言っている事を考えると俺は幾分か成長していると思う


「じゃあ、今日は水着で寝ようね!」

「あ、ああ、それくらいなら構わんが……」


 どうして水着で寝るんだ?という疑問を持ったが、あえてツッコまない。不安にさせた遊華のしたい事を叶えるのが今の俺の役目だ。


「ん?電話か」

「え~」

「剥れない剥れない。どうせ大した用じゃないさ」


 着信を見ると“親父”と表示されており、出たくない衝動に駆られたが、出ないと後で何を言われるかわかったもんじゃない。


「もしもし?どうしたんだ?父さん」

『遊、羽月がもう家に来ているんだけど、遊はいつまで遊華とイチャイチャしてるのかな?』

「あ、忘れてた。遊華とすぐそっち行く」

『待ってるよ』


 大した用じゃないと思っていたら羽月さんが家に着いているというお知らせの電話だった


「お父さん何だって?」


 遊華と寄り添った状態で通話してたのに聞いてなかったのか?まぁいい。遊華にも関係のある話だ。誰が来ているかくらいは教えておこう


「ああ、もう家に羽月さん……未来での俺達の義理の母に当たる人なんだが、その人がもう来ているっていう電話だった」

「そっか、じゃあ、早く行かないとね。私は羽月さんって人と初めて会うわけだし」


 よかった。遊華が服を着ている状態で本当によかった。下着姿とかだったら着替えに時間を取られるところだった


「そうだな。じゃあ、あんまり待たせてもあれだし行くか」

「うん!」


 俺と遊華は部屋から出て親父達がいるリビングへと向かった。この部屋にもリビング、風呂、トイレがあるから紛らわしい。そのおかげでこうして遊華と半同棲みたいな生活ができてるから文句は言えないが……


「お兄ちゃん」

「ん?どうした?」

「羽月さんってどんな人なの?」


 どんな人か……どんな人かと聞かれたら答えに困る。俺が飛ばされた未来ではすでに結婚した後だったし、ほとんど家にいる事なんてなかったし


「そうだな……強いて言うなら父さんと一緒に俺を弄る迷惑な人かな?」

「何それ?」

「悪いな。飛ばされた未来で遊華に会わなかったら俺は野宿する気満々だったし、話したと思うが、父さんは母さんを、羽月さんは旦那を互いに亡くして傷の舐め合いみたいな形で結婚したと聞いただけで詳しい事は何も知らないんだ。人柄を含めてな。知ってて羽月さんは父さんの高校の頃からの同級生だったくらいだ」


 俺が未来で知らされたのは羽月さんが父さんの同級生って事と互いに配偶者を亡くしていることくらいだ。それ以外は何も知らない


「じゃあ、ほとんど知らないんじゃん」

「そういう事だ」


 遊華に痛いところを突かれた俺だが、遊華と手を繋いでリビングに行く事は変わらない。羽月さんもそうだが、この時代の香月と美月はどうしている事やら……まぁ、なるようにしかならんけど


今回は久々に遊華がヤンデレになる話でした

恋人になっても遊華は遊華でした。

アナザーストーリーをやる上で大変な事を忘れていた・・・・遊達の誕生日の事忘れてた・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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