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休み明けの学校で敬と早川の異常なイチャつき振りを見た件について

今回は敬と望海が異常な程にイチャついてるところを見る話です

休み明けの学校って新鮮に見えるのはどうして?


では、どうぞ

 夏休みの終わりとは何とも不思議な感覚だ。部活で学校に来ている奴は別だが、そうじゃない奴、部活に入っていても夏休みに登校する事をしない奴にとっては1か月もしくは2か月振りに同級生との再会になるわけだが、夏休みの間に変わってしまったとか、夏休みが終わってから急に学校に来なくなる奴もいる。俺は夏休みの間に目に見える部分で何かを変えたつもりはないが、夏休みの間に未来に飛ばされたり、夜の学校に忍び込んだ結果、謎が増えたりという事があった。で、今は教室にいるわけだが……


「みんな夏休み前と何ら変化はないようだな」


 俺のクラスメートは夏休みの間で目に見える変化は差ほどなかった。強いて言うなら海に行ったであろう奴が真っ黒で登校してきた事くらいか……あとはそうだな……


「け~い~」

「の、望海ちゃん、恥ずかしいから離れてくれないかな?」

「敬はアタシの事きらい?」

「き、嫌いじゃないよ!」

「じゃあ、いいでしょ?」

「う、うん……」


 早川と敬のイチャイチャが場所を選ばなくなった事くらいか?あれ?最後に会ったのいつだっけ?あ、昨日か。昨日の夜に何があった?クラスの連中も誰だ?コイツみたいな目で早川を見てるし……


「なぁ、遊」

「言うな浩太。俺だって違和感しかないんだ」


 浩太はきっと“あれ本当に早川か?”とでも聞くつもりだったんだろうが、俺だってそう思う。あれは早川なのか?幽霊でも憑りついてるんじゃないのか?そう思う


「俺達が敬と早川と最後に会ったのって昨日だよな?」

「ああ、夢でも見てない限りはそうだな」


 何が早川を変えてしまったんだろう?あれか?敬の男らしい意外な一面を見たからか?職員室で見つけた手紙がどうして俺宛てなのか、どうして家にではなく学校なのかという謎があるのに早川が変わってしまった謎まで出てきた事実なんて俺は見たくない


「昨日の肝試しの後、お前はどうした?」


 浩太の言うどうしたは“まっすぐ家に帰ったか?”という意味だろうが、夜に寄り道なんてして補導されたらシャレにならない。


「俺達はまっすぐ帰ったが……浩太は?」

「俺も明美さんを送ってから家に帰った」


 浩太の言う事が本当なら明美さんを送ってからそのまま帰宅した事になる。浩太はまだいい。が、問題は早川と敬だ。コイツ等はちゃんと家に帰ったんだろうか?


「敬と早川はどうしたんだろうな?」


 ふと俺の頭に浮かんだ疑問。それは早川と敬は家に帰ったのか?という事だ。仮に帰ったとして、その道中で何かがあったと見て間違いないだろう


「さぁ?まっすぐ帰ったんじゃないか?」

「俺もそう願いたいが、あのイチャつき様はなぁ……どう見ても何かあったとしか思えないぞ?」


 敬と早川のイチャつきを横目に俺と浩太はどうしたのかを話し合う。本当にどうしたというのだろうか?いや違うな。何があったんだろうと思うが、それは本人達、主に早川にしかわからない。


「敬に聞いて素直に答えてくれると思うか?」

「わからない……ひょっとしたら敬もどうしてこうなったか知らないだろうしな」


 敬も敬で今の状況に困惑しているのかもしれない。となると敬に聞いても無駄だと思う


「け~い~」

「の、望海ちゃん、少し離れて……」


 今現在、敬にべったりの早川とそれを戸惑いながらも受け止める敬。はぁ、どうしたものか……


「なぁ、浩太よ」

「何だ?遊」

「あれどうするよ?」

「どうしようもない」


 俺と浩太で話し合ったところで何も解決しないだろう。ならばどうする?答えは簡単だ。放置しておけばいい


「そろそろHRが始まるからこの話は一旦切り上げるぞ」

「そうだな」


 俺はHRの時間になったので浩太との話を適当に切り上げ、浩太はそれに同意する。互いの同意が得られたところでチャイムが鳴り、HRが開始された。横目で見てみたが、チャイムと同時に敬と早川も離れたみたいだし、イチャイチャするとは言っても時間や規則を無視してまでイチャつくというわけではないらしい


「どうしたものか……」


 俺は敬と早川に何があったかを聞き出すタイミングを窺っていた。窺っていたのだが───────


「敬はアタシの事嫌いなの?」

「き、嫌いじゃないよ!」


 HRが終わった瞬間これである。これじゃ話を聞くどころか、話し掛ける隙すらない。仕方ない今夜メールしてみるか


「さすがの早川も夜はちゃんと家に帰るだろう」


 さすがに夜だったら早川も自分の家に帰るだろうし、敬だって1人になるはずだ。話を聞くなら夜しかない


「遊、今は敬に話し掛ける隙がない。夜に電話なり呼び出すなりするしかない」


 浩太も俺と同じ事を考えていたらしく、夜に話を聞くと言ってきた。しかし、呼び出す程なのかは疑問だ。


「呼び出す程の事態なのか?」

「一応、敬が部屋で1人きりになるとは限らないし、電話だって早川から掛かってきて通話できないという事もある。念のためだ」


 浩太は俺よりも入念な計画を立てているみたいだ。考えてみればそうだな。敬と早川が連絡先を交換しているのは間違いない。だが、早川みたいなタイプの人間は電話で満足するようなものだろうか?いや、片時も離れたがらないだろうな


「敬に適当な嘘をでっち上げさせて呼び出すか」


 俺は浩太に言われて新たな策を考える。早川が帰宅後、敬の家に泊まりに行かないとも限らない可能性がある以上、心苦しいが、敬に適当な嘘をでっち上げさせて呼び出す。これしかあるまい


「ゆ、遊……呼び出すと言い出したのは俺だが、敬に嘘を吐かせるまでしなくてもいいんじゃないのか?」


 さすがにやり過ぎだという浩太だが、早川みたいなタイプの人間は好きな人に掛かってくる電話はたとえ友達だろうとバイト先の同僚だろうと関係なく気になり、探ろうとする。男女関係なく


「早川の独占欲がどれくらいのものかが不明な以上は嘘でも吐かせて呼び出すしかあるまい」

「それもそうだな」


 未来での遊華の独占欲は凄まじいものだった。それこそ嘘を吐いて家から抜け出す事でもしない限りは絶対に捕まってしまう。それと全く同じではないが、早川の独占欲がどれくらいかわからない


「さて、方針が決まったところで始業式が始まる。移動の準備するか」


 今日は夏休み明け最初の学校だ。怠いが、始業式がある。校長の長ったらしい話なんて聞きたくもないが、こればかりは仕方ない


「だな。なぁ、遊」

「何だ?」

「敬を呼び出したとしてお前はどうやって家を抜け出すんだ?」

「あ、そう言えば」


 俺は忘れていた。浩太や敬は彼女と同棲状態ではないが、俺は彼女とほぼ同棲しているに近い状態だった。つまり、俺が夜出歩こうものなら遊華達に絶対詮索される。


「遊……考えていなかったのか?」

「ああ、敬を呼び出す事しか考えてなかった」


 敬を呼び出す事に夢中で俺自身がどうやって家から抜け出すかを考えていなかった。だが、方法はある


「遊、お前な……」


 浩太に呆れられるのは心外だ。いや、今回は俺が悪いんだけどね?それでも浩太に呆れられるのは心外だ


「一応はそうなった時の対策も考えてある」

「どんな?」

「家に浩太と敬を呼ぶ。それだったら早川がついて来ても遊華達に相手をしてもらっている間に敬から話を聞く事ができるだろ?」

「なるほどな!そういう考えもあるのか!」


 俺も今考え付いたが、その手がある事を忘れていた。別に早川が一緒でも俺の家に呼びだしてしまえば敬から話を聞いている間、早川は遊華達に相手をしてもらえばいい


「ああ、俺も今思いついたんだがな」

「だが、敬にべったりの早川を一時的に引きはがす事ができる策を思い浮かぶ遊はスゲーよ!」


 何だろう?大きな偉業を成したみたいな扱いだが、別に大した事はしてないんだよなぁ……


「別に俺は大した事はしてない。だが、呼び出すとしても敬には1度部屋に1人かどうかを確認してからだ」

「そうだな。じゃあ、今日の夜に遊の家に行っていいか?明美さんと一緒に」


 どうして明美さんも一緒なのかは大体見当がつく。明美さんも明美さんで独占欲が強いだろうことが予想できる。ならば、最初から一緒にいた方がいいだろう。


「別に俺は構わない。明美さんが来たら来たで香月に相手してもらうし」


 ここで俺と浩太が話していても進展はしない。勝負は夜だな。夜に敬を呼び出すわけだが、早川が付いてくれば俺の家へ、付いてこなければ公園で済む。どの道夜になるのを待つしかあるまい


「明美さんに連絡しておく」

「了解」


 俺と浩太は始業式に出る為に体育館に移動した。その後は授業も部活もなく、始業式が終わり、HRも終わり俺達は1度帰宅し、浩太は明美さんと共に家に来る予定になっているので今夜は多めに晩飯の食材を買っておくが、浩太も浩太で食材を買ってくると言っていたのでそれも少しは頼りにさせてもらうとしよう


「さて、敬を呼び出すわけだが、家を出る時に遊華達にどう言い訳をしたものか……」


 帰宅後、俺は遊華達にどうやって言い訳したものかを考える。買い出し?それとも、ジョギング?浩太もいるし、浩太の日課のジョギングに付き合うと言えばうまく誤魔化せるだろ


「う~ん、買い出しが無難だと思うよ?お兄ちゃん」

「あ、遊華もそう思うか?」


 つい返事を返したが、俺は今、遊華に返事しなかったか?


「ゆ、遊華?いつからいたんだ?」


 俺が振り向くとそこにはニッコリと笑みを浮かべる遊華がいた。


「お兄ちゃんが敬さんを呼び出すけど家を出る時に私達にどう言い訳をするかってところからかな?」

「最初からいたのか……」


 遊華の言い方からして最初からいた。つまり、もう遊華には隠しきれないという事だ。そして、これ以上は隠し通せないという事も明らかだった


「お・に・い・ちゃ・ん?正直に話してね?」

「はい」


 今の俺に選択できるのは遊華の問いかけに“はい”という事しかできなかった。


「─────というわけなんだ」

「ふ~ん、そんな事があったんだ」


 俺は事の顛末を遊華に話した。教室に入ると敬と早川が人目を気にせずにイチャついていた事、早川はべったりだったが、敬は戸惑っていた事など全てだ


「で、俺と浩太はなんとか敬からどうなっているかを聞こうと思ったんだが、学校じゃ話し掛けるどころか近寄る事すら困難でな」

「ふ~ん。じゃあ、敬さんと望海さんを家へ招待したら?敬さんに嘘を吐かせるよりも敬さんと望海さんを適当な理由をつけて家へ招待した方が早いよ」


 遊華の言う通りだった。敬に嘘を吐かせるよりもいっその事最初から敬と早川を家に招待した方が手っ取り早い。こうなったら計画変更だな

今回は敬と望海が異常な程にイチャついてるところを見る話でした。

校長の話ってどうして長く感じるのでしょうか?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました


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