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俺が矛盾の理由を知る件について

今回は遊が未来に飛ばされ滞在した期間と元の時代に帰ってきた時の矛盾の理由を知る話です

今回のテーマ!後悔先に立たず

では、どうぞ

 風邪を治した俺は今、非常に困惑している。別に遊華達が風邪を引いたというわけでも遊華達がトチ狂ったとかそんなんじゃない。ただ、未来の事を調べていて未来の事についての記述を見つけた。見つけたはいいが、俺はどうしたものかと考える。


「どうしたものか……」


 ネットで未来の事を調べていたらとんでもないものを見つけた。遊華達は家にいるが、それぞれこの俺達が使っている部屋の本の中から未来に関する事を調べている。意外にも俺達よりも先に飛ばされた人達の資料が家にあった事は予想外だ。で、俺はネットで未来に飛ばされた人の記述がないかを調べていた。だが……


「これは何とも言えないものを見つけてしまった」


 ネットで俺が見つけたものそれは────未来に飛ばされた人間の周囲にいてその人に恋愛感情を抱いている異性はヤンデレとなる。という記述だった。ヤンデレになるとは書かれていない。だが、“未来に飛ばされた人間の周囲にいて恋愛感情を抱いている異性はその人に対し、独占欲が強くなり、その人に依存しがちになる。未来に飛ばされた人間を死に至らしめる事はないが、飛ばされた人間の周囲では刀傷沙汰になる事もある”というものだった。現代風に言えば飛ばされた人に恋愛感情を持った人がヤンデレになるから気をつけろよって事だ


「香月達はともかく、遊華は元からヤンデレだったからあんまり関係ない気もする。うん、この資料は役に立たない」


 遊華は元からヤンデレだったような気もするし、未来じゃ香月と美月もヤンデレに近いものがあった。由紀と美優は未来じゃそんなに関わる事はなかったが、この時代じゃヤンデレだからこの資料は本当に役に立たないと思う


「別に今更遊華達がヤンデレになったところで俺には遊華達を嫌いになるって選択肢はない」


 未来から帰って来て遊華に告白した時点である程度の覚悟はしていた。それこそ遊華がヤンデレだって事も最初からわかっていた。


「こんなのはいいから飛ばされた期間と帰ってきた時の時間の誤差がどうして発生するか知りたいんだよ!!」


 あまりのくだらなさについ、大声で叫んでしまった。別にイライラして叫んだとかじゃなく、純粋に今更過ぎる事に対するツッコミだった


「遊くん!?どうしたの!?」


 俺の大声に驚いて美優がやってきた。まぁ、大声で叫んだらビックリもするか。今回は完全に俺が悪いな


「美優……これ」


 俺はただパソコンの画面を指差す事しかしない。画面はそのままにしてある。美優も俺が見たのと同じものを見せる


「………………これって遊華ちゃんの事を言ってるのかな?でも、遊華ちゃんは元からここに書かれている感じだったし、今更だよね」


 遊華と同じ学校である美優でさえ今更だと言っている。俺が叫んだ理由も納得してもらえただろうか?


「美優、俺が叫んだ理由理解できたか?」

「うん、これは仕方ないと思う」


 美優と見つめ合い俺が叫んだ理由も納得してもらえたところで今度は美優と2人で調べる事にする。


「意外とネットにも情報はあるけど、多すぎるのは問題だよなぁ……」


 情報が多いに越した事はない。だが、多すぎて関係ない情報を掴まされるのは問題だ。


「遊くん、それは本でも同じだからね?」

「そうなんだよなぁ……」


 美優の言う通り本にも同じ事が言える。結局は気長に調べていくしかない。だが、少しくらいは俺達がほしい情報があってもいいと思う


「気長に調べていこうよ」

「そうだな」


 俺はさっきまで見ていたサイトを閉じた。インターネットにおいて未来に飛ばされた事のある人の記述が残っているのが奇跡だ


「遊くん!これ!」


 検索サイトから何かを見つけ出した美優。一体何を見つけたんだ?


「これは……」


 美優に指差され俺も画面を注視する。そこには──────


「未来に飛ばされて滞在した期間と元の時代に帰ってきた時間との誤差についての論文だね」


 未来に飛ばされて滞在した期間と元の時代に帰ってきた時間との誤差についての論文を示すサイトがあった。よく見たら大学での研究で発表されたものではなく、ブログのような形式だったが、今の俺には喉から手が出るほどほしいものだ


「アクセスしてみるか」

「うん」


 美優と2人で論文があるサイトにアクセスする。頼むから何か出てきてくれよ……


「なるほどな……そういう事だったか」


 本当かどうかは不明だが、俺は未来に滞在した期間と帰ってきた時間の誤差にどうして開いているかの理由を知る事ができた。しかし、こんな理由だったとは……


「遊くん!私は遊華ちゃん達を呼んでくる!」


 美優は大急ぎで部屋を出て遊華達を呼びに行った。その間、俺はこのサイトにある論文を読み込んでおくか


「お兄ちゃん!未来に飛ばされた時間と帰ってきた時間の誤差がわかったって本当!?」


 部屋に入ってきた遊華の第一声が誤差の事だとは……未来にいた期間が長かった俺より遊華の方が喜んでいるように見えるのは気のせいだと信じたい


「ああ、本当かどうかはわからないがな」


 インターネットのサイトは本当半分、嘘半分だ。この情報を全て信用するわけじゃないが、今はこれを信じるしかない


「それで、遊。どうして未来と元の時代に誤差が生まれるの?」

「それを今から説明する」


 香月の質問は今この場にいる全員が知りたいと思っている事だ。正直、論文なんて読んでも全てを理解できるわけじゃないから簡潔にそれでいてわかりやすく説明する


「遊ちゃん……」

「遊さん……」


 美月と由紀は口には出さないが、早く説明しろ。そう言っている気がしたので俺は早々に説明をしてしまおう


「前置きは一切しないで説明するし、ここにいる全員は俺が未来に飛ばされた理由を知っているから飛ばされる理由は省略する。でだ、どうして未来に飛ばされ滞在した期間と元の時代に帰ってきた時間に誤差が生まれるか?だが、飛ばされる理由は人の想いによってだ。そして、元の時代に帰ってきた時の時間に誤差が生まれるのも人の想いからだ。違うのは飛ばされた時は第三者の想いによってだが、元の時代に帰ってきた時は飛ばされた人の想いによってだ」


 遊華達が理解していなくても俺は咎めたりしない。俺だって理解が追い付いていないからな。だが、未来に飛ばされるのは第三者がその人に会いたいって強く思ったから、元の時代に帰ってきた時に誤差が生まれるのはその人がここからやり直したいって思ったから。俺はそう解釈している


「それってどういう事なのかな?お兄ちゃん」


 遊華は案の定理解していなかった。いや違うか、俺と同じで理解が追い付いていなかったと言った方が正しいのか?


「ザックリ説明すると未来に飛ばされた人間が未来に飛ばした原因である人に自分の想いを打ち明けるだろ?そして、飛ばされた人間も飛ばされる原因を作った人間も“あの時にこうしておけばよかった、あの時に戻りたい”って思い元の時代に戻るわけだ。未来にいた時間と元の時代に戻って来た時の時間経過の誤差が発生する原因は簡単に言えば後悔の念だ」


 論文にはいろいろと俺達には理解できない事が書いてあったが、それらをまとめた結果、未来に飛ばされる原因を作った人間の想いを聞いて飛ばされた人間が後悔しやり直したい時間に帰ってくると言ったところだろう。それが元の時代に帰ってきた時間と未来に滞在した時間の誤差だろう


「遊はこの時代に帰ってくる前に後悔したの?」


 それは俺が初めて未来に飛ばされた時の事を言っているんだろうか?


「俺が初めて未来に飛ばされた時はすごく後悔した。冷たいと思っていた遊華に寂しい思いをさせたんだからな。だが、本当の事を知った時はどうして俺は遊びに行く前に遊華に告白しなかったんだ?とも思ったな」


 今の俺の言葉が論文に書いてあった事を十分に証明している。俺が初めて未来に飛ばされた時はこれで説明ができるし、2回目の時は遊華達が自分達の母親からもっといろいろと聞いておけばよかったとでも思ったから元の時代に帰ってくることができた。そんなところか


「お兄ちゃんが告白してきてくれたのは本当に嬉しかったけど、同時にどうして今のタイミングで?って思ったし、いつも冷たく接していた私なんかが好かれるわけないって思ってた」


 告白を受け入れられて恋人になって初めて聞く遊華の本音。俺だって未来に飛ばされてなきゃ遊華に告白なんてしなかったし、遊華と血が繋がってない事を知る事もなかった


「俺だって未来に飛ばされなきゃ遊華は俺に冷たいだけの妹だと思ってた。仮に遊華を異性として意識していたとしても俺達は血の繋がった兄妹なんだって思い続けて告白しなかったと思う。何だかんだで未来に飛ばされた事が悪い事ばかりじゃないって事だ」


 飛ばされる前に思うところはあった。例えば、どうして遊華は俺にだけ冷たいのかとかな


「うん……でも、どうして未来について調べるなんて事をしようと思ったの?」


 未来について調べる理由を遊華に問われた。そんなの決まっている。遊亜が生まれた時に俺の身に起きた事や俺達が未来に飛ばされた事を話しておくためだ


「俺達が飛ばされた未来で遊亜は俺に起きた事全てを知っていた。未来で俺が遊亜に全て話したからだと思う。じゃあ、未来の俺はいつ全てを知ったと思う?」


 遊亜からしてみれば過去の事だろうが、今の俺からしてみればこれから起こる事を全て知っていた。多分だが、未来に飛ばされ滞在していた期間と戻って来た時の時間の誤差についても知っていると見て間違いない。そして、話したのは多分未来の俺だ。つまり、俺は未来の事について遅かれ早かれ調べる事になる


「未来の遊が全てをいつ知ったか?そんなのわからないよ」


 香月の言う通り未来の俺がいつ全てを知ったかはわからない。それが高校1年である今なのか、それとも、遊亜が生まれる少し前なのかは不明だ。


「そう、俺がいつ全てを知ったかはわからない。だが、俺は調べて全てを知る事になる。でだ、それを調べるなら進路で身動きの取れなくなる前、専門学校や大学で勉学に必死になる前に調べておこうと思ってこの夏休みを利用したんだ」


 高校1年の夏休みなら受験を考えなくてもいい。いや、全く意識しないのは問題だが、それでもある程度の自由はある。未来について調べるなら今しかなかった。受験がある香月や遊華・美優・由紀や進路を真剣に考えなきゃいけない美月を付き合わせた事は悪いと思っているし、本来ならこれは俺1人で調べるつもりだった


「遊ちゃんは私達を付き合わせて悪いと思っているだろうけど、私達は遊ちゃんに付き合わされただなんて思ってないから。それだけは覚えておいて」

「ああ、わかったよ」


 美月は天然キャラだろうが、クールキャラだろうが俺の考えてる事がある程度わかるらしい。ある意味じゃ恐ろしい彼女を持ったな……俺

今回は遊が未来に飛ばされ滞在した期間と元の時代に帰ってきた時の矛盾の理由を知る話でした

平成最後の夏が終わろうとしてます。この作品もそろそろ夏の終わりに近づいています

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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