表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/165

意外にも美月の裏の顔がバレていた件について

今回は美月の裏の顔がバレていた話です

隠している事って意外にもバレてるものです

では、どうぞ

 女子に看病してもらう事って健全な男子なら誰でも1度は夢見た事があると思う。俺だっていつか彼女ができて風邪を引いたら看病してもらいたいと思った事はあった。あったが、未来に飛ばされる前はそんなのは夢のまた夢だと思っていたし、ギャルゲーの中でしか起こらないイベントだと思っていた。が、実際に彼女ができて看病してもらう事に対し俺は現在幸せを感じている。感じているのだが……


「どうして香月と由紀は俺の布団に入り続けているんだ?」


 遊華・美月・美優の3人は俺達と昼食を作りにキッチンに行っている。俺自身もキッチンに5人は多すぎるという事は十分に理解しているから遊華達5人のうち2人はキッチンに入れない事は想像するまでもない。でだ、どうして香月と由紀は俺の布団に入ったままなんだ?


「遊を温めるために」

「香月さんに同意です」

「さいですか」


 遊華達もそうだが、どうして下着姿のままなんだ?せめて服を着てくれ。じゃないと目のやり場に困る


「遊は彼女達が下着姿なのに何も感じないの?」

「そうですよ!私達には魅力がありませんか?」


 この2人は病人に何を求めているんだ?病気の状態でそんな事を考えられるわけないだろ?ただでさえ頭が回ってないんだから!


「いや、魅力があるとかの問題じゃなくて、熱で頭が回らないんだから仕方ないだろ?」


 熱で頭が回らないのは事実だからどれだけ問いただされようとも魅力があるかないかは今答える事はできない


「で、でも……遊は普段からそういう事あんまり言わないし、エッチな本も持ってないし……」

「そうですよ!遊さん!こんな時にしか聞けないんですから答えてください!」

「そう言われましても……」


 俺が普段そういう事を言わないのは言い過ぎると言葉に重みがなくなるからでエロ本の類は持ってたら遊華達が嫌がるだろうから持ってないだけ


「熱があって頭が回ってないだろうけど遊はどんな女の人が好みなの?」


 熱があって頭が回ってなくてもそれくらいなら答えられる。どんな女が好きかだなんて最初から決まっているからな


「香月達みたいなタイプ」


 答えになっているかどうかは知らんが、俺は好みのタイプ=彼女だからな。具体的にって言われても困る


「遊さん、答えになってませんよ……」

「そうだよ、ちゃんと答えてよ。遊」

「ちゃんと答えたよ。俺は好みのタイプ=彼女なんだよ」


 これ以上俺に何を求めているんだか……今は普通に熱で寝込んでいるが、今度は知恵熱で寝込むぞ?


「遊さん……」

「遊……」

「「大好き!」」

「俺もだよ」


 さすがに風邪の時は抱き着いてこないようだが、風邪を引いてなきゃ抱き着かれてたかもしれない


「お兄ちゃんできたよ」


 遊華が声を掛けてきた。どうやら昼飯ができたみたいだな。さて、起きるとするかな?


「そうか、じゃあ、リビングに行くか」


 俺は身体を起こしてリビングに行こうとした。だが─────────


「病人であるお兄ちゃんを動かすわけにいかないからここへ持ってくるよ。今日はみんなでここで食べよう?」


 別に遊華達が俺と同じ部屋で食べる必要はないと思う。だが、遊華達的には俺と食べたいんだろう。もう遊華達が俺の布団に潜り込んできた時から諦めたさ。言っても無駄だってな


「遊華達がそうしたいなら好きにしろ」

「うん!」


 遊華は嬉しそうにキッチンに戻って行った。俺が彼女に甘いのか、それとも、遊華達が頑固なだけなのか……


「はぁ、遊華は1度言い出したらどんな事があっても聞かないところあったからこうなる事はわかってはいたが、本当に言い出したら聞かないところは変わってないな」


 俺はまだ遊華が幼い頃の事を思い出していた。正確には俺と遊華が会話しなくなるまでの間だけどな


「遊華って昔から頑固だったんですか?」


 由紀は意外そうな顔をしているが、由紀は遊華の頑固な部分を見た事がないのか?


「あれ?由紀は知らなかったのか?」

「はい、私も美優も遊華とは小学校からの付き合いなので……」


 あれ?遊華と由紀達って小学校からの付き合いだっけ?う~ん、俺は男で遊華は女ってのもあるが、遊華は家じゃあんまり学校の事を話さなかったからよくわからん


「私も遊華ちゃんが頑固だっていう事は意外だと思うよ」


 香月も遊華が頑固だっていう事は意外だったみたいだ。話してもいいが、本人のいない所で話すのは気が引ける


「本人がいない所で話すのは気が引けるが、遊華は洋服を選ぶときとかは俺がこっちがいいんじゃないか?って言っても絶対にこっち!って聞かなかったぞ」


 本人のいない所で詳しく過去の事を話すわけにはいかないので洋服の話で済ませておく。詳しい事は本人に許可をもらってからにしよう。


「そうなんだ……あの遊華が」


 由紀は遊華にどんなイメージを抱いてるかは知らないが、遊華の意外な一面を知ったという感じか……


「意外か?だが、これから一緒に暮らしていくんだ。普段は見えない一面も見えてくるだろうさ」


 普段は見えない一面が見えてくる。それはそれでいい事だと思うが、見えてくるのはそれだけじゃない。当然ながら嫌な部分も見えてくる。そうなった時に俺もそうだが、遊華達はどうするんだろ?


「そうだね……意外な一面が見えてくるだろうね」


 香月のこの言い方は俺が未来に飛ばされた時に親父や敬がしてた言い方と似た感じだ。おそらくは美月の事だろうとは思う


「意外な一面ですか……美月さんとかですか?」

「「なっ────!?」」

「どうしました?遊さんも香月さんも意外そうな顔をして」


 香月が美月の裏の顔を知っているのは姉妹だからで説明がつく。だが、由紀が知っているのは本当に意外だった。


「由紀は知っていたのか?」

「何がです?」

「いや、美月の事」

「ああ、それですか。そんなの見ていればわかります」


 俺は初めて飛ばされた未来では全く気が付かなかったし、この時代では既に知っていた事だったからいい。だが、美月との会話が少ない由紀が美月の裏の顔を知っていたとは意外だ


「見てればわかるんだ……」


 香月は唖然とした顔で由紀を見ていた。香月もまさか会話が少ない由紀に見破られていたとは思いもしなかっただろうに


「ええ、美月さんからは私と同じ匂いがします。私が見破っているくらいですから遊華も美優も知っていると思いますよ?」

「ゆ、遊華ちゃん達まで……」

「意外だな。遊華達も知ってるとはな」


 俺と香月は開いた口が塞がらない状態だった。そりゃそうだろう。知らないと思っていたのは俺と香月と当事者である美月だけだった。こんな事なら早く言っておくんだった。


「美月さんは天然すぎるんですよ。あそこまで天然だと本当の顔はきっと冷めてるんだろうなって思いますよ」


 そこまでお見通しだと何も言い返せない。っていうか、由紀もそうだが、遊華も美優も洞察力高くね?あ、ヤンデレだからか


「バレてないと思ってたのは俺達だけだったって事か」

「そうだね……美月には私から言っておくよ」


 美月の本当の顔についての話は一旦打ち切った。これも遊華と同じで本人の許可を得て話した方がいいだろう。無駄なトラブルを避ける為に


「みんな何の話をしてたの~?」


 俺達が話を打ち切ったところに先程の話題の中心人物である美月がやって来た。本当にタイミングいいな


「美月の裏の顔の話を少しな」

「遊!?」

「遊さん!?」


 迷わず美月に本当の事を話す俺を驚いた表情を見せる香月と由紀。俺も同じ事をされたら驚くだろうが、ここで誤魔化したりするより正直に話した方が気まずくなる事を避けられていい


「そっか、私の裏の顔の話か……由紀ちゃんはビックリしたかな?私は実際には天然キャラじゃない事にさ」


 自虐的な笑みを浮かべる美月だが、由紀は美月が天然キャラを作っていた事を知っていたからそれを聞くだけ無駄だ


「いや、由紀は知っていたみたいだからな。そんなに驚いていなかったぞ?まぁ、俺も由紀がどれくらい前から美月のキャラ作りを知っていたかは知らないけどな。そこは由紀に聞いてくれ」


 由紀がどれくらい前から美月のキャラ作りを知っていたなんて俺は知らない。だが、1つだけ確かな事は美月が家にいる時まで無理をする必要はないという事だ


「そう。じゃあ、由紀ちゃんに聞くけど、私がキャラ作っていた事をどれくらい前から知っていたのかな?」

「そうですね……初めて会った時から。でしょうか?美月さんの天然キャラには多少なりとも違和感はありました」


 由紀の洞察力には目を見張るものがある。所見で気が付くとは……


「そっか……じゃあ、もう天然を演じる必要はなくなったわね」


 普段の天然キャラから時々俺の前で出すクールキャラになる美月。バトル系マンガやなんかだとここから恐ろしい計画を話したりするが、それはあくまでバトル系マンガだけだ。


「それが美月さんの本当の顔という事ですか」

「そうよ。驚いた?」


 由紀と美月のやり取りが本当にバトル系マンガのようなノリになりつつあるのは突っ込んだ方がいいんだろうか?


「遊、由紀ちゃんも美月もバトル系マンガのノリになってきているし本人達も楽しそうだけど、アレって止めた方がいいのかな?」


 香月が耳打ちで止めるべきか否かを聞いてきたが、俺としては非常に迷うところだ。止めたい気もするし、面白そうだから止めたくない気もする


「あれはあれで楽しそうだから止めないで香月は俺とイチャイチャしようぜ?」

「えっ?いいの?」

「いいもなにも由紀と美月はバトル系マンガのノリを楽しんでるんだから俺達は俺達でイチャイチャしていても文句は言われないだろ」


 由紀と美月は2人で楽しんでもらうとして、俺は香月とイチャイチャするとしようかね


「遊、私達を差し置いて香月とイチャイチャするだなんていい度胸ね。そんなに私達が嫌いかしら?」

「遊さん、仲間外れは感心しませんよ?」


 バトル系マンガのノリを楽しんでいた美月と由紀は俺達がイチャイチャすると聞いて矛先を俺に向けてきた


「2人ともさっきまで楽しそうに会話していたじゃん」

「それとこれとは話が別よ?遊。確かに私と由紀は遊達をそっちのけで会話していたかもしれないけど、私達を差し置いて香月とイチャイチャする事はまた別の話よ」

「美月さんの言う通りです!私達を差し置いて香月さんとイチャつくなんて許せません!」


 美月はキャラが変わっても俺に好意を抱いてくれていると思ってるし、俺もキャラが変わったから美月が好きじゃないってわけでもないんだが、まさか、嫉妬心まで同じとは思わなかった。美月にとっては意外な事だっただろうが、これはこれでよかった気がする


今回は美月の裏の顔がバレていた話でした

隠している事って意外に周囲は知っているという話でした

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ