調べものが進まない件について
今回は遊達の調べものが進まない話です
テスト勉強や夏休みの課題ってやろうと思うと他の事をしたくなりませんか?
では、どうぞ
両親の営みを見てしまって翌日気まずくなる。そんな経験はみんな1度は経験があると思う。ない奴はないけど。じゃない!今は両親の営みを見てしまって翌日気まずくなった経験なんかどうでもいい!遊華達の事の方が重要だ!親父と母さんに寿司を奢らせたのは昨日の事で、その原因となった出来事は一昨日の事だ。それで現在遊華達は俺に抗議中だったりする
「お兄ちゃん、お父さんの書斎にはエッチなものしかないから図書館行こうよ~」
「そうだよ!遊ちゃん!私達だって遊ちゃんとそういう事したいのに遊斗さん達のエッチな映像見せられたら遊ちゃんを拘束しちゃうよ?」
「そうです!遊さん!」
「遊華ちゃんと美月さんの言う通りだよ!遊くん!図書館行こうよ!」
一昨日、親父の書斎に突撃したメンバーが図書館に行く事を提案してきた。正直、親父が香月達の家に行くって言った時点である程度の私物は持って行ったのかと思ったが、全部は持って行ってなかった。よりにもよって厄介なものを残して行った
「落ち着け!お前ら!今日は図書館には行かないぞ?1日中この部屋の書籍を調べるからな!」
遊華達が嫌なら俺が書斎に行って未来関係の本を探してもいいんだが、ほとぼりが冷めるまで書斎には近寄らないようにした方が遊華達と俺の為だ。そう確信している。という事で今日は俺達が普段使っているこの部屋の本から未来関係の本を探す事にした
「遊、この部屋の本にはエッチなのないよね?」
一昨日は冷静だった香月も今回は俺をジト目で見つめてくる。さすがに今回は遊華達の味方になっていた。どうして俺が責められてるのかが理解できないが、未来ではこの部屋でエロ関係の物を見つけた事はない
「この部屋は親父の隠れ家だ。エロ関係の物はないよ」
断言はできないが、エロ関係の物はないと思う。さすがにここにまでエロ本の類を持ち込んでたら俺は親父を猿と改名する自信がある。未来でこの部屋には小説と小難しい本しかないのは確認済みだ
「本当ですか?遊さん?」
疑いの目を向ける由紀。俺はこの部屋に親父がエロ本の類を隠してないと思ったから遊華をここへ誘った。あったら俺は親父をぶん殴ってでもこの部屋からエロ関係のものを撤去させる
「本当だよ。そもそも、ここは親父がいざという時の隠れ家にしていた場所だ。そんなところにエロ本の類を隠すわけがないだろ?」
ここにエロ本の類を隠してたら俺は親父を心の底から軽蔑する。血が繋がってないとはいえ、あんなでも俺の親父だ。未来に飛ばされる前までは本気で親だと思っていたし、家族の為に働いてくれている親父を尊敬すらした。親父が作家で年齢制限に引っかかる作品を書いてると知る前までは
「そうですよね、隠れ家にエッチなものを持ち込むわけないですよね?」
由紀の言う通り、隠れ家にエロ本の類を持ち込むわけがない。これでこの部屋にエロ本を持ち込んでたら母さんにある事ない事を吹き込んでヤンデレを発動させてやる
「遊ちゃんだから信じるけど、万が一エッチなものが出てきたらどうするの?」
美月の愛情を受けつつ俺はこの部屋でエロ本の類が見つかったらどうするかを考え────考えるまでもなかった。母さんにある事ない事を吹き込んでヤンデレを発動させ、そうだな……1週間は家から出れないようにしてやろう
「母さんにある事ない事を吹き込む」
俺が直接手を下すよりもヤンデレと化した母さんに監禁してもらった方が親父のお仕置きになるし、母さんは欲求を解消できる。夫婦円満な秘訣は昼夜含めて仲良くする事だと俺は思う
「お兄ちゃん……それはどうなの?」
遊華の言いたい事はわかっている。母さんを使って親父にお仕置きするのはおかしいって言いたいんだろ?だが、ここで遊華にも考えるチャンスを与える。
「おかしいとは思うが、遊華が遊亜に同じ事を言われたら俺をどうする?」
「お兄ちゃんがエッチな本を隠しているって事を言われたら?」
「ああ」
「そんなの決まってるよぉ~。お兄ちゃんを監禁してエッチな本は全部燃やしてから私達以外の女を見れないようにするよ~」
口調が美月みたいになっているのは気になるが、ヤンデレな遊華なら俺を監禁するって答えを出すのにそう時間は掛からなかっただろう。遊華は母さんの娘だ。逆を言うなら母さんは遊華の母親なわけだから親父を監禁するだなんて簡単に思いつくだろう
「遊華が監禁って答えに行きつくって事は母さんも同じ答えに行きつく。監禁された親父は1週間は家から出れないし、開放されたとしても親父は母さんしか見えないように洗脳され、廃人みたいになっている事は簡単に思いつく。つまり、俺が直接手を下すよりも効率的って事だ」
悪役みたいな事を言っているが、今回は効率を重視したけど俺の身を危険に晒しているわけじゃない。遊華達に怒られる事もない
「遊がエッチな本を隠していたら私達が遊を監禁して私達以外見えないようにするから」
「大丈夫だ。俺は香月達以外に興味はない」
香月達以外に興味はないと答えたが、内心は思わぬところで流れ弾を食らった気分だ。俺まで親父と同列に語られるとは心外だ。そもそもが親父だって好き好んで他所の女と仲良くしているわけじゃ────好き好んで他の女と仲良くしてたな母さんのヤンデレを発動させるために。俺は違うぞ?遊華達のヤンデレをわざと発動させる為じゃなくて俺の意図してないところで遊華達がヤンデレになってしまうだけで俺は何も悪い事はしていない!断言する!
「そ、そう。な、ならいいけど……」
赤くなるくらいなら最初から聞かない方がいいぞ香月。冷やかしたつもりが逆に冷やかされましたとか割とマジでシャレにならないから!主に未来の敬と早川がいい例だ。親父?親父は冷やかしてきたらこの時代では母さんに、俺が飛ばされた未来では羽月さんにチクれば万事解決!あれ?親父の周りにいる女性ってチョロくね?
「俺は親父とは違うからな。例えからかったとしても自分の彼女達を心配させるようなやり方はしないさ」
血が繋がってないとは口が裂けても言えなかった。遊華は俺と本当の兄妹じゃないってわかった時は大層喜んでいたけど、遊亜の言う事が本当ならいずれ俺が遊華達の前から黙っていなくなる選択をした時に血が繋がってないって事がキーワードになってくると思う。遊亜から言われたわけじゃないが、多分そうだ。
「じゃあ、お兄ちゃんはどういうやり方をするのかな?」
遊華よ、答えに困る質問をするのは止めて頂きたい。主に俺の心臓と寿命の為に。俺を動かすのなんて簡単だぞ?遊華達が一言“おねが~い♡”って言えば俺なんて簡単に動くからな!
「俺は遊華達一筋だからな。精神性頼み込むだけだ。逆に俺は遊華達に一言“おねが~い♡”って言われたら簡単に動く。親父みたいに他の女の影をチラつかせなくても遊華達の頼みなら俺ができる範囲で叶える」
他の女をチラつかせる事で母さんがヤンデレになるのは目に見えてわかるが、遊華達は俺に浮気してほしくないと思っているだろうし、俺だって遊華達が他の男と楽しそうにしているところを見るのは気に入らない。あれ?今、自分で言ってて思ったが、親父にお仕置きする時に母さんを動かすのは確定だ。だが、他の女の影をチラつかせるよりも簡単な方法がある事に気が付いた
「「「「「…………」」」」」
顔が一気に真っ赤になる遊華達。遊華達とイチャつき過ぎて忘れるところだったが、俺達は今、未来の事についての文献を探している最中だった。恋人同士の時間は大切にしたいが、未来に飛ばされた時に生じる矛盾を見つけるのを忘れていた
「真っ赤になってるところ悪いが、俺達は調べものの最中だったな」
遊華達が真っ赤になったら元に戻るのにそれなりの時間が掛かる。別に急ぐわけじゃないし、遊華達が戻ってくるのを待ちましょうかね。
「いい夢は見れたかな?」
開口1番目に俺が遊華達に言う言葉はこれしかない。皮肉じゃないが、遊華達が妄想の世界に旅立った時に毎回待たされるのはお約束になりつつある。別に妄想中の遊華達は可愛いからいいんだけど、戻ってくるまでの時間がなぁ……かかるんだよなぁ……
「うん……お兄ちゃんと子作りまでいったよ」
遊華は俺と子作りするところまでいったらしい。知らない人が聞けば意味がわからないと思うから簡単に言うと、遊華は妄想の中で俺と付き合っておそらくは結婚して子作りする場面までに発展したらしい。あ、俺の説明の方がわかりづらいか
「遊、私も同じところまで想像した」
香月、俺からしてみればそれは想像じゃなくて妄想って言うんだよ。だがまぁ、彼女に子作りしたいほど思われて悪い気はしないな。少なくとも俺は嬉しいぞ?俺との間に子供がほしいと思ってくれて。って、未来じゃ香月との間に息子が1人いるか。遊亜って子供が
「遊ちゃん遊ちゃん、私も~」
「遊さん、私もです」
「遊くん!私もだよ!」
美月達は自分もってアピールしてくるけど、3人とも未来では俺との間に娘がいるだろ?遊華と香月もそうだけど、既に決定している事を妄想するとは……可愛いところがあり過ぎる
「揃いも揃って同じ妄想したのね……」
妙なところで息ピッタリな俺の彼女達だが、コイツ等は打ち合わせでもしたのだろうか?それとも、単純に仲が良すぎるのか?
「とりあえず遊華達も戻って来たし、調べものを再開しようか」
俺達は書斎の二の舞にならない事を祈りながら未来の事について調べる。事情を知らない人間からしてみると将来の夢か何かについて調べていると思われるだろうが、俺達の調べている事は飛ばされた未来に滞在した期間と戻された時の時間に差があり過ぎる。その差についてだ。ひょっとしたら解明できずに終わってしまうかもしれないが、それでも何もしないよりはマシだ。本来なら俺1人でやるつもりだったんだが、遊華達も未来に飛ばされた。今更俺1人で調べるだなんて事はしないさ
今回は遊達の調べものが進まない話でした
テスト勉強や夏休みの課題ってやろうと思うと他の事が意外とはかどったりしますよね?
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました