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俺が囲まれて過去へ帰る件について

今回は遊が遊華達に囲まれたり、過去へ帰る話です

遊達が未来に飛ばされた理由も雑ですが、遊達が元の時代に帰る時の子供達のリアクションも雑です

ひと夏の思い出として未来に飛ばされたので、そこまで未来に飛ばされる事に拘っていない今回の話

お知らせですが、本作のPVが1万PVを超えました。毎日アクセスして頂いている方々、ありがとうございます!

では、どうぞ

 遊亜と話し合いをしたのが昨日の事だ。俺と遊亜が家で話し合いをしている間、女性陣は買い物を楽しんでいたらしい。まぁ、俺も遊亜も外へ出て買い物を楽しむタイプじゃないから買い物へ連れて行かれなくて本当によかったと思う。だが、この状況はなんだろう?服の着せ替え人形?そんな生易しいもんじゃない。


「お兄ちゃん……」

「遊……」

「遊ちゃん……」

「遊君……」

「遊さん……」


 俺は今、囲まれて遊華達に熱い視線を向けられている。今回は回想とかそんなのはない!いきなり囲まれてこれだ。何で自分がこういう状況になったかは俺にもわからない


「「「「遊亜……」」」」


 遊亜も俺と同じ状態、状況だ。もちろん、遊亜もどうしてこの状況になったかはわかっていないようだ。さて、どうしたものか……


「「はぁ……」」


 打ち合わせをしたわけじゃないが、俺と遊亜の溜息が揃う。遊亜はどう思ってるかは知らないが、俺からしてみれば遊華達は可愛い。可愛いんだけどな?どうして俺は囲まれて熱い視線を受けているんだ?


「どうしてこうなったんだか……」


 本当にどうしてこうなった?という疑問だけが俺の頭の中に残る。本当にどうしてこうなった?という事しか頭にないのが怖い


「どうしたんだ?」


 先ず状況判断をする為に遊華達に何があったかを聞くところからする俺。何事も確認からする事が大事だと未来に初めて飛ばされた時から俺は知っている


「お兄ちゃんと結婚する夢見た……」


 俺の問いに遊華が代表して答えた。遊華の回答にコクコクと頷く香月達。それにしても5人で同じ夢を見るとは……こんな偶然ってあるんだな


「いや、それ夢じゃなくていずれやってくる未来だからな?」


 遊華達が見た夢というのも何とも不思議なものだ。俺達の横に息子と娘達がいるのに結婚する夢を見るとは……あまり未来の事を聞くのはルール違反というか、これから先の楽しみがなくなりそうで嫌なんだが、せめて結婚式の写真くらい見てもいいと思う


「遊亜は────ダメだ……アイツは役に立たない」


 遊亜は遊理達に囲まれていて俺の話を聞ける状況じゃない!俺限定で考えると遊華達が見た夢は正夢になる事が遊亜達の存在によって確定している。


「お兄ちゃん、ダメだよ?息子を役に立たないとか言っちゃ」


 遊華に注意されてしまった。確かに息子を役立たず呼ばわりするのはよくないな……


「遊華の言う通りだな。息子の事を役立たず呼ばわりはよくないな」

「うん、私と遊の子を役立たず呼ばわりは私も悲しいな」


 心底悲しそうな目で俺を見つめる香月。現在困っているのは俺と香月の息子である遊亜だ。そして、俺もだ。ここは仕方ない。遊亜と話し合いをしてどうするかを決めよう


「ごめん、香月」


 遊亜と話し合う前に香月に謝る。いくらなんでも役に立たないは言い過ぎた。だが、この状況をどうしたものか……


「わかればいいよ。遊も遊亜もいきなり囲まれたら困るもんね」


 香月は自分のした事を客観的に見ておかしいと自覚しているみたいだ。それなら囲むのを止めてほしいんだが……


「そう思うなら俺を囲むのを止めるようとは思わないのな」

「うん、遊ともっと一緒にいたいし……」


 香月、俺と一緒にいたいのはわかった。だが、宇宙人やスターじゃないんだから俺を包囲するのは止めてほしいんだが……


「親父、香月母さんと話しててもいいが、他の母さん達を見てみろ」

「え?」


 いつの間にか遊理達に解放されたであろう遊亜に指摘されて俺は周りを見てみる。将来結婚して遊亜達を授かる事は間違いないんだ。確定された将来が目の前にある時点で嫉妬するだなんて事─────


「お兄ちゃん?」

「遊ちゃん?」

「遊君?」

「遊さん?」

「「「「随分と楽しそうだね?」」」」


 あった。この時代に来て遊亜達の存在によって俺が遊華達と永遠の愛を誓いあったのは決定したようなもんじゃないか。嫉妬する意味がわからない


「べ、別に、俺と香月は自分達の子供について話し合ってただけで楽しくはないぞ?」

「遊……私と話すの楽しくないの?」


 香月は少し黙っててほしい。香月と話しているのが楽しくないんじゃなくて、遊華達には世間話程度の話しかしていないという事を証明しなきゃいけないんだから


「い、いや香月と話すのは楽しいぞ?」


 どうして俺は遊華達に弁解をしようとして香月にも弁解してどうする?1つだった問題が2つに増えただけじゃないか……


「本当?」

「ああ、本当だ」

「えへへ……嬉しいな」


 香月の上目遣いからの微笑み!俺の心はときめいた!なんてバカな事考えてる場合じゃない!周りを見てみろ!


「「「「むぅ~」」」」


 遊華達が剥れているじゃないか!どうする?はぁ……初めて未来に飛ばされた時はお世辞やその場しのぎの言葉だった。だが、今は違う!心からそう思う。俺はそれを遊華達に伝える!


「俺は香月と話すことだけじゃなく遊華達と話していても楽しいぞ」


 俺の本心が伝わればそれでいいが……伝わるだろうか?伝わらなかったら伝わらなかったで次の案を考えるが……


「「「「本当?」」」」

「ああ、本当だ」

「「「「嬉しい!」」」」


 俺の本心が伝わったのか、遊華達が一斉に抱き着いてきた。こういうところを見ると遊華達は単純だと思う。だが、女性が全員単純だとは思わない。遊華達と付き合う以上は全員と全力で向き合う。それが付き合う上での最低限のルールだと俺は思う


「親父、イチャついてるところ悪いが、お知らせがある」


 お知らせ?何だ?飯の時間とかか?考えてみれば昼飯をまだ食べていなかったけ?まぁ、ここは地下だから日差しが入ってこないから今が昼なのか夜なのかわからないのは仕方のない事だが……


「お知らせ?何だ?」


 聞かない事には始まらない。とりあえずは遊亜の話を聞くとしよう。考えるのはそれからでも遅くはない


「これは姉さん達にも言ってなかったんだがな、親父達は今日、この部屋から出ようとした瞬間、元の時代に帰る」


 は?遊亜は何て言った?俺達が元の時代に帰れる?俺は遊理と遊美以外の娘とは絡んでないよね?それなのにどうして?え?過去に返されるの早くない?


「え?何で?俺は遊理と遊美以外の自分の娘と絡んでないぞ?」

「そうだな。だがな親父、話したと思うが、親父達が未来であるこの時代に飛ばされた原因は姉さん達が若い頃の親父達がどんな風にイチャイチャしていたのか、母さん達が親父にどんな接し方をしていたのかが知りたかった。で、姉さん達は母さん達とショッピングに行ってたが、それはこの時代の母さん達でもいい。そこは理解できるよな?」


 確かに、ショッピングに行くだけならこの時代の遊華達とでも行ける。そこは俺も理解できる。だが、いくら何でもこの時代の俺達でもできない事がある


「ああ。要するに若い頃の俺達がどんな感じだったかを生で見たくて俺達がこの時代に飛ばされたって事だろ?」

「正解。まぁ、この話は昨日、親父と2人きりの時に話したが、母さん達と姉さん達には話してなかったし、姉さん達は親父が未来に飛ばされた話を断片的にしか聞かされてなかったからな」


 遊亜と2人きりで話した時にもチラッとだけ聞いたが、遊理達は俺が未来に飛ばされて元の時代に帰ってきたくらい程度しか聞いてないと言われた。って事は、未来に飛ばされて元の時代に帰る仕組みを聞くのはこれが実質初めてか……


「どうして今、このタイミングで話すんだ?」


 どうしてこのタイミングなんだ?話す機会はいくらでもあったはずだ。それが何で今なんだ?


「親父が言ってたが、未来に飛ばされるのは誰かがその人に会いたいって強く思うから過去の時代から思われた人が過去から未来に飛ばされる。だが、過去の時代から来た人間にはそれ相応の影響が出る。親父が初めて飛ばされた時は激痛を伴って倒れたらしいじゃないか」

「あ、ああ、確かに、俺は初めて未来に飛ばされた時に激痛を伴って倒れたな」


 俺と遊亜の話を聞いて遊理達は口を手で覆って驚いていた。遊華達は俺が話していた事もありそんなに驚いてはいなかったが、涙目になっていた


「初めて親父が未来に飛ばされた時は10年分の時間が身体に流れてきたから激痛を伴って倒れて救急車で病院に運ばれたんだよな?」

「そうだが、遊亜は何が言いたいんだ?」


 遊亜が言いたい事がわからない。コイツは何が言いたい?俺が激痛を伴って倒れた事と遊理達に今まで話さなかった事と何の関係がある?


「過去の人間をホイホイ飛ばされたら困るんだよ。どんな代償があるかわからないし、今のところは問題ないとは思うが、最悪の場合は世界の歴史が変わるかもしれない。姉さん達を全く信用してないわけじゃないし、俺は過去の親父達に会いたいとも思わないが、姉さん達の中には過去の親父達に会いたいと思う奴もいる。純粋に会いたいと思うのは悪い事じゃないが、乱用されたら過去から来た方が大変だろ?だから、親父達がいる今のタイミングで話したんだよ。姉さん達が満足した今のタイミングでな」


 遊亜は遊理達が満足した今のタイミングで話す事により、遊理達が過去の時代から俺達を呼ぶ可能性を潰そうって考えらしい


「それはわかったが、いいのか?俺は遊理と遊美以外とは関わってないぞ?」


 このままでいいのか?とは思うが、そこのところはどうなんだろう?過去の自分より年下の父親にいろいろしたいとかないのだろうか?


「あー、いいのいいの。過去の時代の親父に会いたいって思ってたのは遊理姉さんだけで他の姉さん達はどっちかって言うとイチャイチャしている親父達を見たかっただけだし、常日頃から遊理姉さんは過去の親父に会いたいと言ってたが、他の姉さん達は10代の親父達がイチャついてるところを見たいって言ったし」


 我が息子ながら適当すぎる。さっきから遊華達と遊理達が無言なんだが、遊華達は娘達と別れるのが辛いのか?逆に遊理達は母親達と別れるのが辛いのか?


「あー、もうお母さん達とお父さんのイチャイチャ見れたしいいかな」


 遊月さん……マジですか?雑すぎませんか?美月も裏の顔があるが、美月はクール系だぞ?それに引き換え遊月は表の顔は天然系で裏の顔は脱力系という事か……


「私も10代のお父さん達の見れたし、いいかな」


 遊紀は雑とは言わないが、なんだろう?自分のほしいものが買い終わったらその店は用済みと言わんばかりのこの扱いは……


「遊亜……俺は元の時代に帰るわ」


 遊月と遊紀のあまりにも雑な反応に別れを惜しむ気すら起きない。だが、遊華達はどうだろうか?せっかく娘と会えたんだ。もう少し娘と一緒にいたいんじゃないか?


「お、おう、そうか……」


 さすがの遊亜も遊月と遊紀の態度に顔が引きつっている。そりゃそうだろう。過去から飛ばされる原因を作っておいて用済みになったらポイだなんてあんまりだと思う


「だが、遊華達は娘達と別れるのが辛いかもしれないから別れの言葉はもう少しだけ────」


 待っても問題ないだろ?と俺が遊亜に聞こうとした時だった。俺がいろいろな意味で衝撃的な事を聞いたのは


「遊理、10代の私達のラブシーン見れて満足した?」

「うん、大満足だよ!」


 遊華と遊理は別れを惜しんではいなかった。本当に清々しいくらい俺とのラブシーンの感想を聞くだけだった。


「遊美、遊亜とイチャつく時は程々にしないと遊亜が大変だから気を付けるんだよ?」

「わかったよ、お母さん」


 遊美と美優も別れを惜しんではいなく、遊亜とのイチャつき方をアドバイスしているだけだった。なんだろう?遊華達と美優達を見ていると女性って逞しいと思う。まぁ、これもひと夏の思い出って事で


「遊亜、大変だと思うが、元気でやれよ」

「ああ、親父も母さん達と仲良くな」


 俺は遊亜に激励の言葉を送り部屋のドアを開けた。そう、俺の時代に帰る為にな。さっきも言ったが、これもひと夏の思い出だ。あんまり娘達と関われなかったが、その楽しみは未来に飛ばされるだなんて形じゃなく、実際に遊華達との娘や息子を授かった時にとっておこう

今回は遊が遊華達に囲まれたり、過去へ帰る話でした。

遊達が未来に飛ばされた理由も雑ですが、遊達が元の時代に帰る時の子供達のリアクションも雑でした

ひと夏の思い出でそれほどシリアスな話でもない為、こうなりました

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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