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俺が自分の子供達と帰路に就く件について

今回は遊と遊華が遊亜達と帰宅する話です

昨日は諸事情により更新を休みましたが、今回からまた更新頑張っていきたいと思います

では、どうぞ

 無事に遊亜と遊理が仲直りする事ができてよかった。息子と娘が喧嘩しているのは俺としても気分がいいものじゃない。だが、この状況はどうしたものだろうか?喫茶店を出て家に帰るだけけなのだが、俺は困惑している。


「ゆ~う~あ~」


 仲直りした遊理が遊亜に密着している。帰宅する道中で何が悲しくて息子と娘のラブラブシーンを見せられなきゃいけないんだ……


「遊理姉さん……少し離れてくれ」


 遊亜は離れろと言ってはいるが、嫌そうではない。俺も遊華に密着されている時の顔はこんなのなんだろうか?デレデレしているというよりも幼い子供の相手をしているような感じだ


「ぶ~」

「ブーたれてももダメだから」


 俺が初めて飛ばされた未来で遊華の相手をした時に言ったような言ってないような事を言う遊亜。遊亜は香月よりも俺の血を濃く受け継いでいるのかと思う。


「…………」


 イチャイチャしている遊理と遊亜を不機嫌オーラ全開で見つめる遊美。声に出して言わないが、怖い。ホラー映画を見ているのと同じくらい怖い。


「遊美も混ざってくればいいだろ?」


 遊美があまりにも怖くてつい混ざってくればいいだろだなんて言ってしまったが、俺の提案は遊亜を困らせるだけだと思う。だが、横で不機嫌オーラを出されたままよりはマシだろう


「いいのかな……」


 遊亜を困らせたくないのか、自分も混ざっていいのか戸惑っている。遊亜だってスキンシップくらいは許すと思うが……


「遊亜の人間関係をぶち壊したりしなければ遊理と遊美はブラコンの姉だ。スキンシップくらいなら許してくれると思うぞ?」


 自分がそうだが、人間関係に口出しをしてこなけなければ多少のスキンシップなら許す。遊亜にそれが当てはまるかどうかはわからないけどな!


「そうかな?」

「ああ、現に遊理が甘えても離れろとは言っても本気で嫌がっている様子はないだろ?」

「うん……」


 遊美は遊亜のところに向かい、遊亜の服の袖をキュッと摘まんだ。これで遊美の機嫌が少しでも直ればいいが……


「お兄ちゃん、遊亜達もイチャイチャしているし……ね?」

「何?俺とイチャイチャしたいのか?」


 遊亜達の親だって言っても俺達はまだ10代だ。人がイチャイチャしていれば自分達もイチャイチャしたいって思っても不思議じゃないが……


「うん。お兄ちゃんとイチャイチャしたい」


 自分のしたい事を隠しもせず言う遊華だが、俺達がイチャついてる様子を見て遊亜達はどう思う?両親のイチャついている場面を見てドン引きしないだろうか?


「俺だってできる事ならそうしたいが、俺達がイチャついてる場面を見て遊亜達が引かないかな?」


 10代とはいえ俺達は親だ。両親がイチャついてたら引くに違いない。そもそも俺が嫌だ。自分の両親が道のど真ん中でイチャついてたらドン引きだ


「…………多分」


 何だ?今の間は?自分の両親がイチャついてた場面でも想像したか?それとも、遊亜達にドン引きされたところでも想像したのか?


「俺も姉さん達も親父達のイチャついているところなんて見飽きてる。40代の両親がイチャついてるところを見るのはキツイものがあるが、10代なら俺は許す」


 遊亜からのある意味でキツイ一言が俺の心に突き刺さる。夫婦仲が円満なのはいい事だが、子供の前でイチャついてる事実を聞かされると未来の俺は自分の子供に何を見せているんだと思う。


「お父さんとお母さん達がラブラブなのはいつもの事だからね。私もいいと思うよ?」


 遊理からしてみても未来の俺達はラブラブなのか……今のまま進むと俺達は将来子供達に呆れられるような親になってしまうってことか?


「お父さんとお母さん達がイチャついてるのは今に始まった事じゃないし、いいんじゃないかな?」


 遊美にも同じように見られていたのか……うん、これからはあんまりイチャイチャしないように気を付けよう


「遊華……」

「お兄ちゃん……」


 俺と遊華の間に何とも言えない空気が流れる。未来に飛ばされなければ絶対にわからなかった事だ。自分の父親を見てここは直そうと思う事はあるが、まさか未来の自分の行いを息子や娘から聞いて直そうと思う日が来るとは思わなかった


「「今度からイチャつくのは控えめにしよう」」


 俺と遊華の意見が一致した。自分じゃ気が付かないが、第三者から言われたら恥ずかしい事って結構あるんだな。特に自分達の行いとか


「どうした?親父?いつものようにイチャつかないのか?親父いつも言ってるだろ?遊華達はヤンデレで時々怖いが、それを凌駕するくらい愛してるって」


 未来の俺は息子に何を話しているんだ?俺だったらすごく嫌なんだが?どうして自分の父親から惚気話を聞かされるほどウザったい事はない。


「……………お兄ちゃん、息子に何を話しているの?」


 真っ赤になりつつもジト目で俺を見つめる遊華。恥ずかしがるか、軽蔑するかのどちらかにしてはくれませんか?


「未来の俺のせいだろ!?別に俺は悪くないだろ!?」


 どうして未来の自分のせいで俺が軽蔑されなきゃいけないんだ?こういうのって理不尽だと思う


「いや、そうだけどさ。でも、お兄ちゃんが将来的に遊亜に話すんじゃん」


 そういう事言いますか?もういいもんね!そんな事言うなら俺だって考えがあるし!


「未来の俺が言った事で今の俺が言ったわけじゃない。まぁ、遊華が信じてくれないら俺は他の女の元へでも行くから。じゃあな」


 別に本当にヘソを曲げたわけじゃないし、人間なんだから信用できる事とできない事ってある事は俺だって理解している。だが、未来の俺が言った事で今の俺が軽蔑されるのは納得いかない。そんなだったら遊華じゃなくて別の女のところにも行きたいと思う


「いや……」

「嫌って言われてもなぁ……俺自身が今言った事には責任持つが、未来の俺が言った事には責任持たない。それに、惚気話をしたのは現在の俺じゃなくて未来の俺だ。未来の俺を軽蔑するならまだしも俺を軽蔑されたら遊華を手放しで信用するのは難しいし、俺としても小さな事で軽蔑されたらたまったもんじゃない。じゃあな」


 遊華から離れ、遊亜達よりも前に出る。俺は過去の俺がした事なら責任を持つが、未来の俺がした事には一切の責任を持たない主義だ。


「待って……お兄ちゃん……」


 遊華が俯いて俺の服の袖を摘まんでいる。泣いてるかどうかはわからないが、傷ついてるのは確かだ。少しやり過ぎたか?


「何だ?」


 やり過ぎたとは思うが、遊華の本心を聞くまでは止める気はない。器が小さいかもしれないが、万が一って事もありうる。今から信頼関係を深めておく意味も込めて遊華の本心が知りたい。俺も本心を言うがな


「ごめんなさい……信じてあげられなくて……未来のお兄ちゃんが言った事と今のお兄ちゃんは関係ないのに軽蔑なんかして……ごめんなさい……」


 涙声になって謝る遊華を見て心が痛む。今回は完全にやり過ぎた。こりゃ非は完全に俺にあるな……遊華に何か求められたら大人しく受け入れるか


「ゴメン、俺もやり過ぎた。遊華を置いて他の女のところに行くだなんてどうかしてた。俺って心が狭いというか、器が小さいというか……本当にゴメン!」

「ううん、未来のお兄ちゃんの言った事で私が勝手に軽蔑しただから……私の方こそごめんね?目の前にいるお兄ちゃんを信じてあげられなくて」

「いいんだ。未来の俺が遊華達バカだって事もわかったからな。それに俺は遊華達をどんな時でも信じようって再確認にもなったしな」


 遊華達と付き合う時にどんな時でも信じようって決めたが、ここで再認識させられるとは思わなかった。未来の俺がとったバカな行動のおかげで遊華への愛を深める事になるとは……


「お兄ちゃん……」

「遊華……」


 俺と遊華は互いを見つめ合い唇を合わせようとした。だが────


「「「うおっほん!!」」」


 遊亜達の咳払いによって止められてしまった。遊亜達の視線はウンザリしたようなものだった。息子達のウンザリしたというか、呆れたというか……まぁ、親の威厳に関わる視線を毎日浴びていてよく心が折れないなと思う


「「ごめん……」」


 目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ。遊亜達が何も言わずとも視線が言っている。“時と場所を考えろ。それじゃこの時代の親父達と変わらないぞ”遊亜達の視線は完全にそう言っていた


「親父」


 遊亜の抑揚のない声。軽蔑したような視線。まだ子供がいない俺でも解る。親としての威厳や尊厳に関わると


「はい」

「自重しろ」

「申し訳ございません」


 正座はしていなくても遊亜の言葉が心に刺さる。息子の遊亜でさえこれなんだ。娘の遊理と遊美はこんなものじゃないだろう。そう思って遊理達の方へ視線を移すとそこには小さくなっている遊華とジト目の遊理。苦笑いの遊美がいた


「お母さん」

「はい」

「外では止めてね?」

「ごめんさんさい」


 俺と同じく娘達に謝る遊華。説教している遊理と苦笑いのまま何も言わない遊美。この時代の俺と遊華は子供達の前ではどんな親なんだろうか?


 結局、俺と遊華は遊亜達から呆れられながら家に帰った。さすがに道路の真ん中でイチャついてた俺達が悪いとから何も言えないが、すごく居たたまれなかったのはどうしてだろうか……


「ところで親父はどこで寝るんだ?」

「え?今更?」


 リビングのソファーで遊亜とくつろいでると唐突に遊亜が俺の寝床について聞いてきた。昨日は遊亜の部屋で寝たからなぁ……


「今更も何も親父達は昨日この時代に飛ばされて来たんだろうが」

「そう言えばそうだったな」


 未来に飛ばされたばかりだというのに遊美と遊亜の仲直りの手助けをしてとてもじゃないが、未来に飛ばされたばかりとは思えない出来事があって疲れてそのまま遊亜の部屋で寝てしまった


「親父が昔使っていた地下の部屋は今開いてるが?」

「じゃあ、そこでいい」


 俺の寝床があっさり決まった。まぁ、俺の寝床を決めるだけだしな。それで揉めるも何もないだろ。それにどうせ遊華達も付いて来るだろう。だったらいつも過ごしている部屋でみんなで寝た方が平和だ。





今回は遊と遊華が遊亜達と帰宅する話でした

遊が使った手はいい手とは言えないよなぁ・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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