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俺が未来であった事を話す件について

今回は遊が未来であった事を話します

体験してない人たちはどう思うか?です

では、どうぞ

 俺が未来に飛ばされて帰ってきたのが一昨日で昨日は遊華と1日中イチャイチャしていた。それにしても、未来にいた期間が1か月だが、元の時代に帰ってきたのは俺が未来に飛ばされてから1時間後の時間だった。俺も年かなぁとか思ったが、未来にいた時間と飛ばされて帰ってくるまでの時間に差がありすぎてどうやら身体が追い付いていかなかったらしい。時間の流れだけはどうしても解らないから誰かに聞くと言っても当てがないから聞けないが……で、そんな事があり久々に学校で授業を受けると疲れるに決まっている


「遊、大分疲れているみたいだけど大丈夫?」


 敬が心配そうに俺に声を掛けてきた。コイツは俺の身に何があったのかを知らないんだったな。何も知らない奴からすると今の俺は授業を受けただけで疲れるような奴としか思えないのだろう


「あ、ああ、大丈夫だ。俺がこうなっているわけも含めて話すから昼飯がてら浩太と早川を連れて屋上にでも行くか」

「?浩太はわかるけど、どうして早川さんまで誘う必要があるの?」


 10年後の未来で敬は早川と付き合っているが、この時代ではまだだったな。暇つぶしがてら聞いてみるか


「敬、お前早川の事好きか?」

「早川さん?ちょっと近寄りがたいけど嫌いじゃないよ?」


 敬、近寄りがたいのは認めるが、嫌いじゃないってのは曖昧だ。俺は好きか嫌いかを知りたいんだ


「敬、早川の事を異性として好きか嫌いで答えてくれ」

「ええっ!?そ、そんな事いきなり言われても困るよ……それにいくら遊でも恥ずかしいし……」


 今の反応は答えているのと同じなんだが、敬の口から直接聞かなきゃ意味がない


「敬、俺が屋上でする話はとてもじゃないが、信じられないと思う。だが、その前にお前が早川をどう思っているかを俺は知りたいんだ。正直に答えてくれ」


 未来の敬の話だと俺がいなくなってから早川と付き合いだし、その関係が10年間続いている。つまり、早川も敬も簡単に相手を裏切らないのは実証済みだ


「す、好きだよ……で、できれば付き合いたい」


 付き合いたいか?とは聞いていないんだが、思わぬ収穫があったからよしとしよう。


「そうか。じゃあ、その事を含めて屋上で話すわ」


 多分、早川は俺がいなくなって意気消沈している敬の支えになりたいと思ったはず。敬は俺がいなくなった心の穴を埋めてくれる奴が早川しかいないと思ったはずだ。だが、俺がここにいる以上、付き合うきっかけは無いに等しい。友人の為だ。ここは一肌脱ぎますか


「遊!待たせたな」

「藤堂、お待たせ」


 購買で買ったパンを持った浩太と弁当箱を片手に真っ赤な顔をした早川がやって来た。俺と敬は弁当持参なので待ってるだけだ


「いや、そんなに待ってない」

「うん、そんなには待ってないから大丈夫だよ」


 実際待っても敬と2人で恋バナをしてたしな。時間は潰れた。さて、屋上にて告白タイムといきますか。本人たちにとっては大きなお世話かもしれないし、俺は俺で頭のおかしい奴に見られるかもしれないが、浩太と敬には約束をドタキャンした後ろめたさもある。それに、この時代で再会した香月と美月にも同じ話をしないといけなくなる場面が出てこないとも限らない。その時の練習だと思えば気が楽だ


「じゃあ、さっさと屋上に行こうぜ」


 浩太を先頭に俺達は屋上に向かった。RPGゲームみたいだなとか一瞬思ったが、それは口にしないでおこう


「さて、遊。この前の約束ドタキャンした理由と彼女の事を洗いざらい吐け」


 浩太、俺が悪い事したみたいに言うのは止めてくれないか?まぁ、約束をドタキャンした時点で悪い奴と言われても仕方ないが


「あ、ああ……だが、彼女の件も含めて嘘みたいな話だぞ?それでもいいのか?」


 10年後の未来に行ってきました。そこで最終的には妹とは血が繋がってない事を知って元の時代に戻ってきて告白したら彼女になりました。なんて信じられるわけがない


「うん、遊が嘘吐く奴じゃないって僕は知ってるし、普段は約束をドタキャンするような奴じゃないって知ってるから嘘みたいな話でも僕は信じるよ」

「俺もだ。遊は嘘を吐く奴じゃないって知ってるからな!」

「アタシは2人が信じるなら信じるし」


 3人とも俺の話を信じるって言ってくれてるみたいだし、ここは信用してみるか


「じゃあ、話すぞ────」


 俺は自分の体験した事やそこで知った事を全て話した。遊びに行くつもりが未来に行ってた事、俺と遊華が実の兄妹じゃなく、赤の他人だった事を全て詳細に


「なるほど、俄かには信じられない話だな」


 沈黙の中、浩太が口を開いた。反応は予想できたが、十中八九俺が予想した通りだったな……仕方ない、あんまり未来の事は話したくないし未来が変わる事を考えれば話すべきじゃないと思うが、ここには浩太の奥さん以外の俺が未来で関わった人間が揃っている。言いふらさないよう釘を刺しておけば平気だし話してみるか


「まぁ、当たり前だよな。こんな話を信じろって方が無理があるとはわかっていた」

「うん、僕もちょっと信じられない」

「アタシも」

「遊、せめて俺達が信じられるような事を話してくれないか?」


 浩太よ、それを今から話すんだよ。コイツはいつからせっかちになったんだ?


「ああ、そうだな。じゃあ、敬の恋人の話をしたら信用するか?」

「「─────!?」」

「え?何それ面白そう」


 驚く2人と面白がる浩太。俺の発言により正反対の反応を示す3人は発言した俺にとっても面白い


「未来の事を話したから言うが、俺は10年後の3人に会って来たのは何となく予想できてるな?」


 俺の問いに無言で頷く3人。予想はできてもどういった関係かまでは予想できてないだろうな


「浩太の事は今は置いといて、敬と早川の事から先に処理したいんだが、いいか?」

「俺の事を置いとくのは気に食わないが、敬の事がすぐに解決するなら俺はそれでよい!」


 浩太からはOKを貰った。後は敬と早川のみだ。どうする?


「ぼ、僕はすぐに解決するならそれでいいよ」


 敬の許可が下りたところで話始める。早川の許可?そんなの取る必要はない。敬の未来を話せば早川の事は避けては通れないからな


「んじゃ、はっきり言うが、敬と早川は俺が飛ばされた未来では付き合っていた。もちろん、恋人としてな」

「マジで!?」

「ああ、マジだ」


 こんな事で嘘を吐いても俺に何の得もない。それに、未来に飛ばされただなんて嘘みたいな話をしてるんだ。ここで嘘を吐いたら俺はただのバカだ


「「…………」」


 俺と浩太を余所に真っ赤になり無言の2人。この2人は今何を思っているのかは知らんが、きっと互いに互いを意識しているのだろう


「で、今の話を踏まえて敬は早川をどう思っているんだ?早川は敬をどう思ってるんだ?」


 自分でこの状況を作っておいてなんだが、これをきっかけに素直になってほしい。俺はそう思う


「ぼ、僕は別に……」

「あ、アタシも別に……」


 2人とも素直じゃない。俺は2人の気持ちを知っている。早川からは敬が好きだっていう事は直接聞いてないが……


「はぁ、素直にならないと後悔する事だってあるぞ」


 俺が未来に飛ばされた時に後悔した事……それは母さんの事だ。未来では俺の母さんは亡くなっていた。その代わりに義理の母として羽月さんがいたわけだが、俺はその時に後悔した。日頃の感謝を母さんに伝えておくべきだったと。遊華に寂しい思いをさせたと知った時、遊華ともっとちゃんと会話をしておくべきだったと


「遊、未来で何かあったのか?」


 察しがいいな浩太。お前のそういうところ嫌いじゃないぞ。未来でも助けられたしな


「まぁな。未来に飛ばされたからと言っていい事ばかりじゃないって事だ」

「そ、そうか、それって俺が聞いてもいい事か?」

「まぁ、浩太や敬、早川とは直接関係ないから別にいいが……」


 関係あるのは母さんと羽月さんの旦那だ。浩太や敬、早川には関係がない。話しても問題ないだろう


「で、できれば聞かせてもらえないかな?」


 敬がオズオズと聞かせろと言ってきた。それを聞かせて敬と早川が素直になるならいいが……そうじゃなきゃ話す意味がない


「別にいいが、敬と早川はこれを聞いた後で素直に気持ちを言うか?」

「僕は言うよ。遊に話すだけ話させて気持ちを言わないのはズルいからね」

「そうか、早川は?」

「アタシも言う。アタシだって話させるだけ話させて自分の気持ちを言わないって言うのは違うと思うし」


 2人とも俺が話をした後でちゃんと気持ちを言う事を約束したところで話しますか。あんまいい話じゃないんだがな


「俺が未来に飛ばされて1番最初に出会ったのは遊華って事はさっき話したと思うし、家に帰った時にいたのが俺の本当の母さんじゃないという事も話したと思う。じゃあ、俺の本当の母さんに何があったか?それは話していなかったよな?」

「ああ、俺は遊が家に帰った時に義理の姉2人と義理の母がいた事しか聞いてない」

「「うん」」


 浩太の証言に頷く敬と早川。さっきは詳細に話したと言ったが、母さんの事は伏せてコイツ等が関係ある部分だけを話したから、若干語弊が生じるように感じると思う


「俺が飛ばされた未来じゃ母さんは亡くなっていた。だから義理の母がいたんだが、その人の旦那も病気で亡くなっていた。俺はその人の旦那の事は知らないが、母さんが亡くなっていた事を知った時に後悔したよ。元の時代で少しでも感謝の気持ちを伝えておけばよかったってな。まぁ、遊華が10年間寂しい思いをしたって聞いた時も同じ事を思ったけどな」

「「「…………」」」


 俺が話終わった後、無言の3人。浩太はともかく、敬と早川は思うところがあるのだろう。俺としてはこの時代の母さんは生きてるわけだし、今のところは問題ないと思っている


「俺の母さんや遊華の事は置いといて、俺が言いたいのは素直にならないと後悔する事もある。後悔するだけならまだしも、伝えたくても伝える相手がいない。なんて事になったらその後悔を一生抱えて生きていかなきゃいけないって事だ」


 この時代に帰って来れたからいいものの、帰って来れなかったら俺は後悔し続けて生きていたかもしれない


「遊、僕は自分の気持ちに素直になるよ」

「あ、アタシも……」


 ここに来てようやく敬と早川が素直になると言ったか……さて、じゃあ、お邪魔虫は退散しますかね


「そうか、じゃあ、俺と浩太は先に戻るから」

「そうだな。お邪魔虫は退散するか」


 弁当が少し残っているが、敬と早川の邪魔しちゃ悪いし残りは教室で食うか。


「遊」

「何だ?」

「本当はあんまり未来の事って話しちゃいけないんじゃないのか?」

「さぁな。別に行政やメディアに関する事じゃないし、敬と早川が付き合いだしたのは俺がいなくなってからすぐだって言ってたしな。時期的にもちょうどいいんじゃないか?」


 俺と浩太は教室に戻りながら未来に関する事について話し合う。浩太の言う通り、未来に関してベラベラ喋るべきじゃないとは思うが、世界を変えるような事と人の命に関係する事以外なら平気だろうと思う


「ところで遊」

「何だ?」

「敬と早川がどうなるか気にならね?」

「気にはなるが、本人達次第だろ」


 こういうところはやっぱり高校生なんだな。とは言え俺も気になってはいる。つまり、俺と浩太がやる事は1つだ


「「覗きに行くか」」


 呼吸をするが如く覗きに行くという決断をする俺と浩太。気になるのは気になる。これは人間の性だから仕方ない







今回は遊が未来であった事を話しました

体験してない人たちは信じられなかったようですが、そこは遊の日頃の行いですかね?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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