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俺が遊亜達と不動産屋に行く件について

今回は遊亜の部屋探しをする話です

遊亜が1人暮らしをするか否かは決定してませんが、遊亜は1人暮らしに向けて部屋探しをします

では、どうぞ

 遊亜と遊美が仲直りしてから次の日である。俺は遊亜と遊美と共に不動産めぐりをすべく駅前に来ていた。わかってはいたが、遊亜と遊美を仲直りさせただけじゃ元の時代に帰れるわけがなかった。こりゃ遊亜と遊理達を仲直りさせなきゃ元の時代には帰れそうにないな……


「それにしても、この辺もずいぶんと変わったな。駅前ってゲーセンなかったか?」


 俺がよく遊んでいたゲーセンがなくなっていた。ゲーセンの代わりに不動産屋になっていた。俺が最初に未来に飛ばされた未来では駅前にゲーセンがあったが、今じゃその場所に不動産屋がある。こんなちょっとした事で俺は未来に来たんだと実感させられる


「そのゲーセンなら何年か前に移転してここは不動産屋になったぞ?」


 遊亜が特に興味ないと言った感じで答えた。遊亜はゲームには興味ないのか?それとも、スマホゲームが進化してゲーセンが必要なくなったとか?


「どうしてここのゲーセンは移転したんだ?」


 移転したって事は人が入らないとか、場所が悪いとかいろいろと原因はあるだろう。だが、駅前にゲーセンがあるとそれなりに儲かってたと思うんだが……


「3年前に駅を新しくしたとかでゲーセンは駅ビルの中に入ったぞ。で、ゲーセンを駅ビルの中に移転させてゲーセンだった場所に不動産屋を作ったってわけ」

「そうだったのか」


 まぁ、ゲーセンだった場所だけあって立地条件は悪くないし、客だってそれなりに来るだろう。


「ところで遊亜はどんなお部屋がいいの?」


 どんな部屋がいいかを遊美が遊亜に尋ねる。俺も気にはなっていたから聞いておきたいところだ。遊亜の部屋は基本的に物が少ない。いや、必要な物以外はないと言った感じだ。あるのは机とベッドと本棚と椅子くらいで他に物はない。それこそポスターの類は1枚もない


「まだ決めてない。そもそも、俺1人で住む予定だったし?遊美が一緒に住むとなるとリビングとトイレ、洗面所を含めて部屋の資料を見てみないとな」


 2人で住むなら部屋が1つでもいいって奴も中にはいるだろうが、遊亜はどうなんだろうな?遊美と同じ空間に常にいられるのか?仲直りする前ならあり得ないだろうけど


「そ、そうだね……」


 心なしか顔が赤い遊美。コイツはどんな想像してるんだ?ひょっとして遊亜と一線超える想像でもしてんのか?


「遊美、間違っても遊亜を襲うなよ?」

「そ、そんな事しないもん!!」


 全力で否定した遊美だが、ブラコンだし、ファーストキスの相手が弟である遊亜だ。絶対ないとは言い切れない。むしろ吹っ切れてやりそうだ。親としては注意しておかなきゃいけない。


「遊美姉さん、襲うなよ?」


 話を聞いていたであろう遊亜にでさえ注意を受ける始末。こりゃ遊美のブラコンは相当ひどかったらしいな。まぁ、遊華も事情を知らない人間からしてみれば立派なブラコンに見えるか


「襲わないもん!ちょっと遊亜を味見するだけだもん!」

「遊美、アウトだ」

「遊美姉さん、アウト」


 言い方を変えただけでやろうとしている事はアウトだ。この時代の法律では兄妹での結婚が許されているかは知らないが


「遊亜、酷い……」

「酷くない。当然の反応だ。バカ」


 この時代の法律でも兄妹での結婚はアウトらしいな。さて、バカなやり取りをしているうちに不動産屋の前か。


「2人とも不動産屋の前に来たぞ」


 バカップルよろしくイチャついている遊亜と遊美に声を掛ける。家族だって知らない奴からしてみれば遊亜と遊美は立派なバカップルだな。で、俺はどう見られるんだ?遊亜の弟?それとも遊美か?どっちにしても俺だけ場違いなのは確かだな


「それじゃ入るか」

「うん!」


 何の躊躇いもなく不動産屋の中に入る遊亜と遊美。外で部屋の間取りとかのチラシを見なくていいのか?まぁ、中にもあるとは思うが……


「はぁ、コイツ等の強引なところは誰に似たんだか……俺か?」


 遊亜と遊美の強引というか、効率重視なのは俺に似たのか?で、何事もやり過ぎるところは遊亜の場合は香月に、遊美の場合は美優に似たんだろうな


「遊亜が家を出ようとどうしてようと遊亜の人生だから好きにしたらいいと思うが、姉さん達にはちゃんと話した方がいいんじゃないのか?」


 不動産屋の中へ入ろうとする遊亜に一言言っておく。1人暮らしをするのは遊亜の自由だ。もう20歳を超えてるんだからな。だが、家族に一言くらいあってもいいと思う。


「別にいいだろ?本来なら俺は遊美姉さんにも言わずに出て行くつもりだったんだし」

「遊亜……」

「はぁ……」


 遊亜の当初の計画を知って悲しそうに遊亜の名前を呼ぶ遊美と溜息を吐く俺。遊亜と仲直りしたんだから遊美が不安がる事なんてない。だが、遊美と仲直りしてなかったらここへ来るのは俺と遊亜の2人きりで来る予定だったんだもんな……


「親父はともかく、遊美姉さんは自分のした事を振り返れば当然だと思うぞ?」


 遊亜の言う事は本人からしてみれば当然っちゃ当然だ。人間関係に口出しする家族と一緒にいたくはないだろう。それが悪い連中とつるんで悪い事をしているのではなく、女友達を排除しようとしてるだけなんだから


「うん……」


 遊美もそれを痛感しているのか、何も言わずに悲しそうに目を伏せる。遊美でこれなら遊理達とも仲直りできるんじゃないのか?と思う。


「話しに夢中になってるところ悪いが、いい部屋はありそうか?」


 話をするのはいいが、肝心の部屋探しを疎かにしては元も子もない。遊理達に知られたら遊亜の計画は全てが水の泡になるだろう。あれ?引っ越しをする時点で遊亜の計画ってダメじゃないか?


「今のところはないな」


 俺も適当に店内を見て回るが、遊亜の希望の部屋がどんなのかがわからない以上は気軽にアドバイスできない。


「遊亜はどんなお部屋が希望なの?」


 遊美が遊亜の希望の部屋を聞く。住むのは遊亜と遊美だ。俺が口を出す事じゃないからあんまり口出ししない


「俺1人ならトイレと風呂は別でワンルームの部屋でいいが、遊美姉さんと一緒ならトイレ、風呂を含めて部屋3つはほしいな」


 まぁ、姉と弟とはいえ男女だからな。共同で使うリビングと自分達のプライベートな部屋が2つがある部屋なんて都合よくあるわけが────


「遊亜、このお部屋なんてどう?」


 あった。遊美が持って来たチラシは遊亜の希望を全て叶えるものだった。こういうの3LDKっていうんだっけ?


「お、ここいいな。家賃は……10万か。俺と遊美の2人なら余裕で払える額だな」


 遊美の職業はともかく、遊亜はこの前コンビニでバイトしてなかったか?バイトで払える金額なのか?いや、払えてもバイト代全て吹っ飛ぶんじゃないのか?


「そうだね。私と遊亜なら余裕で払えるね」


 遊美、遊亜がどんな仕事してるか知ってるのか?遊亜ってフリーターとかそういうのじゃないのか?まぁ、俺は過去から来たばかりだから遊亜の事も遊美の事も知らないんだけどな


「な、なぁ?2人とも?」

「何だ?」

「何?」

「2人の職業って何だ?遊亜はバイトしているみたいだしフリーターか?」


 フリーターを職業って言えるのかは知らない。だが、遊美の職業も気になる。この時代の俺の職業もな


「あー、俺も遊美姉さんも一応は声優をやらせてもらってるけど?」

「え?マジで?遊美はともかくとして、遊亜はこの前コンビニでバイトしてたじゃん」


 俺はこの時代に来た時の事を遊亜に指摘した。コンビニでバイトしてるって事は声優は声優でも頭に売れないがついてるのかもしれないからだ


「あれは今、放送中で俺が主役やっているアニメの企画でバイトはあの日1日だけだ」


 遊亜君?それ初耳なんだけど?それならそうと家に帰った時にでも説明してほしかったよ……


「遊亜の職業が声優だってのはわかったが、バイト中のあの無愛想な接客は一体……」


 アニメの企画でロケをするのは知っているが、接客業のバイトで無愛想なのはどうかと思うぞ?


「あれは役になりきってやるっていう企画だったからそうしただけだ」


 制作側とコンビニはよく許可出したな。俺なら絶対に許可なんて出さないぞ?俺は世の中がよくわからない……未来の世界ってご都合主義で動く事が多いのか?


「そ、そうか、遊美の職業ももしかして……」

「うん、声優だよ」


 うん、遊美の職業を聞いて何となく俺の職業どころか遊華達の職業もわかってしまった。なんて単純な息子と娘なんだ……


「まぁ、売れてるならそれでいいんだがな」


 俺としては遊亜達が声優として売れているならそれでいい。主に1人暮らししても問題ない程度に稼いでるならな


「俺は外で待ってるから、遊亜の部屋が決まったら呼んでくれ」


 店員の“ありがとうございました”の声を聞きながらも不動産屋を出る。未来に飛ばされたと思ったら遊亜と姉達との揉め事に巻き込まれ、その姉達の1人である遊美と仲直りしたはいいものの、全員とは限らない


「はぁ、遊理達とは仲直りできるのか?」


 無理して仲良くする必要はないと思うが、必要最低限の会話すらなく、遊亜が一方的に問い詰められるっていう関係は何か違う気がする


「お兄ちゃん……」


 不動産屋の前で遊華と鉢合わせた。どうして遊華がここにいるんだ?っていうか、遊華は俺達の事をつけてきたのか?遊華1人で?


「遊華……1人か?」

「ううん、遊理も一緒だよ」


 遊華1人だとは思わなかったが、遊理も一緒だったか。で、どうしてここにいるんだ?


「そうか。で、遊理は?」

「そこのコンビニで買い物してる」

「後をつけてきたのか?」


 俺が初めて行った未来で遊華は俺の後をこっそりとつけてきた。今回は娘と2人でつけてきたのか?まぁ、俺は怒らないが遊亜は怒るだろうな……


「うん、遊理が怪しいって言ってたから2人で後をつけてきた」


 こりゃ、また一騒動ありそうな予感。主に遊亜がキレる的な意味で。遊理は遊亜と無事にできるのか?俺としても遊亜には姉達と仲直りしてほしいものだが、遊亜の方がなぁ……。はぁ……先が思いやられやられる


今回は遊亜の部屋探しをする話でした

遊華と遊理がこっそりとつけてきましたが、遊は何を思うのかは次回

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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