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遊亜が遊美に冷たい件について

今回は遊美が遊亜に謝ろうとする話です

ブラコンも度が過ぎれば嫌われる原因となるらしいです

では、どうぞ

 夏だ!海だ!思い切り遊ぶぞ!とはならず、俺は旅館の部屋から出た瞬間、家の前に来ていた。遊華達はいきなり家の前に来ていて戸惑っていたみたいだが、未来に飛ばされた経験がある俺はここが自分のいた時代ではない事を一瞬でわかった。まぁ、それはこの際いいとして、未来に来て直面した問題。それは、息子・遊亜と娘達との揉め事だ。はぁ……未来に来てまで問題に遭遇するとは


「で、遊美達は遊亜に嫌われてる理由をわかってるのか?」


 遊亜に嫌われてる理由を知っているのと知らないのじゃ問題解決に掛かる時間が違う。とりあえずは遊美達が遊亜に嫌われてる理由を探る方が先決だ


「うん……理由は知ってるよ」


 理由を知っているんだったら話は早い。それを取り除けばいい。しかし、遊亜が大人しく遊美達を受け入れるかどうか……俺が遊亜と同じ立場なら大人しく受け入れもしないし、そもそもが大人しく話を聞く事なんてしないだろうな


「ほう、その理由は?」


 とりあえず情報が必要だ。遊美から引き出せるだけの情報を引き出しておこう。それに、遊亜の方に問題がある可能性もある。さっきまで見ていた限りじゃ遊亜よりも遊美達に問題がありそうだが……


「私達が遊亜に近づく女を排除し続けて来たのと遊亜に対する過剰なスキンシップ」


 うん、遊亜より遊美達に問題があるようだ。過剰なスキンシップはまぁ、いいとして、問題は遊亜に近づく女を排除してきたってところか……俺だって遊華に過剰なスキンシップをされたらブラコンの妹程度で済ますが、俺の女友達を排除されたらさすがにキレる


「スキンシップはいいとして、遊亜の交友関係に口出しするのはよくないだろ?」


 男友達であれ、女友達であれ交友関係に口出しされたら怒るし嫌われるのも無理はない。にしても、遊亜と遊美達がうまくいってない事についてこの時代の俺は何て言ってるんだ?


「うん、この時代のお父さんにも同じ事を言われた」


 この時代の俺も同じ事を言ってたか……だが、言われても止めなかったんだな。遊美達はどうして止めなかったんだ?この時代の遊華達に止める必要はないって言われたとか?


「でだ、この時代の俺にも同じ事を言われたのにそれを止めなかった理由はこの時代の遊華達に止めなくていいとか言われたからか?」


 この時代の遊華達を信用しているが、念のために聞いておこう。ヤンデレの遊華達なら言いそうで怖い気もするが、遊華達だって息子の嫌がる事を娘達に吹き込んだりはしないだろう


「ううん、お母さん達は関係ないよ。私達が遊亜を盗られたくなくてしている事だもん」


 なるほど、遊華達に吹き込まれたとかじゃなくて自分達でしている事だったか……元を辿れば俺と遊華達のやり取りが原因なんだろうけど


「どうして遊亜が嫌がっていると少しでも感じた時に止めなかったんだ?」


 物事の分別くらい理解できない年齢ならまだしも、物事の分別が理解できる年齢なら嫌がっているなと思ったら止めればいいのにそれをしなかった。なぜだ?


「だって、遊亜には他の女なんて見てほしくなかったし……ずっと遊亜を独占していたかったんだもん……」


 はぁ……もう何も言えない。遊美達には悪いが、遊亜は1人暮らしをするべきじゃないか?


「はぁ、これじゃ遊亜が1人暮らししたいって思う気持ちもわかるな」


 悪いが、俺は遊美達の味方をする事はできない。遊美達は遊亜の交友関係にまで口出しするべきじゃなかった。さすがにやり過ぎたな


「うん……私は───いや、私達はやり過ぎちゃたみたい……」


 遊美は遊亜にしてしまった事を自覚していたようだ。自覚しているなら遊亜にどう謝るか?だが……遊亜は話を聞くかどうか……


「それがわかっていれば話は早い。遊亜に今までの事を謝って許してもらおう。だが、簡単にはいかないと思うぞ?」

「うん、それはわかってる。わかってるけど……」

「わかっていてもどう話を切り出していいかがわからないか?」

「うん……」


 今までして来た事が事だからな。簡単にはいかないか……そりゃ遊亜は友達を失ってるわけだからな、そう簡単に許せそうにないだろう。下手したら初恋も遊美達に潰されているわけだし


「遊亜に謝る前に言っておくが、アイツは初恋も遊美達のせいで潰されているかもしれない。遊亜に拒絶されてもそれを受け入れられるか?」


 遊亜が遊美達を嫌っている理由は初恋を潰されたとかそんな事じゃないとは思う。多分、自分の人間関係に口出しをする姉達を疎ましく思っているからだと思う。っていうか、俺がもし弟で姉に遊華達がいて同じ事をされたら人間関係に口出ししてくる姉達を疎ましく思う


「うん……受け入れる」


 遊美の覚悟は本物だ。先に遊美だけ遊亜と仲直りさせて遊理達との懸け橋を遊美にやってもらうってのが無難だな


「そうか、じゃあ遊亜の部屋に行って仲直りするとしよう」

「え?今から?」

「ああ、今からだ。こういうのは後になってからにするよりも早めに済ませておいた方がいい」


 謝ると決めたらすぐに謝らなければ後でだと言い出しづらくなる。ならば決めた日にさっさと済ませた方がいい


「う、うん……」


 遊美に案内されて遊亜の部屋の前にやって来た。遊美にノックさせるのはさすがに可愛そうに思うので俺がする。俺の息子だ。話せばわかってくれると思う。


「遊亜、いるか?」

『親父か?いるけど何の用だ?』

「今、話がしたいんだが、入っていいか?」

『ああ、いいよ』


 遊亜から入室の許可が出たので遊美と共に入室する。遊亜は怒るだろうが取り返しのつかない事になる前に遊亜と遊美だけでも仲直りさせておく必要がある


「遊亜……」


 気まずそうに遊亜の名前を呼ぶ遊美。それを冷めた目で見つめる遊亜。息子とはいえ年上の男に睨まれる俺。部屋の空気が重いだなんてもんじゃない


「遊美姉さん何の用?俺は今、1人暮らしするマンション探すのに忙しい。出てってくれないか?」


 遊美が謝ろうとする前に出て行けと言う遊亜。気持ちはわかるが、少しは優しくしても罰は当たらないと思うぞ?


「遊亜、そう言うなよ。遊美はお前に謝りたくてここへ来たんだからさ。な?」


 遊美があまりにも不憫なので助け舟を出す。さて、遊亜は取りあってくれるだろうか?遊亜にも言い分があるだろうからそれを聞かないとな


「ふ~ん、今まで人の人間関係に口出しして俺の交友関係を狭めた姉さんが今更何を俺に謝るんだ?悪いけど遊美姉さんと話す事なんて何もない。出てってくれ」


 やはり初恋どうのよりも遊亜の人間関係に口を出してたのが1番のネックのようだ。まぁ、自分の人間関係に口出しされたら嫌だわな。悪い事もしてないのに


「遊亜……ごめんね。謝って済む話じゃないと思うけど謝らせて……」


 辛く当たられて本気で悲しかったのか、涙を流して遊亜に謝る遊美。泣きながら謝る姉を見て遊亜は何を思う?


「姉さん達のせいで俺の交友関係はメチャクチャになったんだ。それに、俺が女性と関わると俺の言い分も聞かずに尋問するような姉とは一緒にいられないし、いたくない。出てってくれ」


 遊亜の心の傷は相当深いものみたいだな。遊美達は遊亜に何したんだよ……


「ごめんなさい……」


 その場から動く事なく泣きながら謝り続ける遊美。そろそろ助け舟を出すかな……さすがに可哀そうになってくる


「遊亜、遊理達全員を許せとは言わないけど、せめて遊美だけでも許してやってくれないか?」

「親父は姉さん達にメチャクチャにされた交友関係を取り戻せるのか?」

「え?」

「いや、え?じゃなくて、親父は姉さん達にメチャクチャにされた俺の交友関係を取り戻すか修復できるのか?」


 遊亜は無理だってわかって聞いてるな……この手の質問をされると俺は答えられないって遊亜はきっと理解している。俺だって親父に同じ事されたら遊亜と同じ事を聞くだろうし


「それは俺には無理だ……」

「だろ?親父には無理だろ?姉さん達がした事はそういう事だ。それを一言の謝罪で済ませるのか?誠意が足りないんじゃないのか?」


 確かに一言の謝罪じゃ誠意に欠けるかもしれない。だが、誠意を見せるにはどうしたらいい?そもそも、遊亜は遊美に何を望んでいるんだ?


「誠意が足りないって言うなら遊亜は遊美に何を望むんだ?」


 誠意を求めるなら具体的に遊美に何をしてほしいかを本人に直接聞かなきゃ始まらない


「そうだな……俺が1人暮らしするアパートの頭金でも出してもらおうか?それで今まで俺の人間関係をメチャクチャにしたのはチャラにしてやるし、謝罪も受け取る。それができないなら出て行け」


 金が絡んでくるとは……わかりやすいが、シビアだな。どうしたものかな……


「そ、それは、嫌……」


 遊亜の要求を嫌がる遊美。そりゃ目玉の飛び出るくらいの金を払わされる可能性があるから嫌だよな……


「じゃあ、出て行け。俺は姉さん達と1分1秒たりとも一緒にはいたくない。俺は1人暮らしするアパートを探すので忙しい」


 どうやら遊亜は簡単には許してくれなさそうだ。予想するに遊美達が遊亜の人間関係に口出ししてるのは今に始まった事じゃなさそうだな……


今回は遊美が遊亜に謝ろうとする話でした

遊亜は遊美の誠意を見る為に金銭的な要求をしました。ですが、やり過ぎはよくない

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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