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俺が息子達の揉め事を知る件について

今回は自己紹介と遊亜と姉達の揉め事を知る話です

遊も遊華と付き合う前は1人暮らしをしようと考えてましたが、遊亜も同じ事を考えてたりします

では、どうぞ

 合コンってこんな感じかな?俺は合コンに行った事はない。何せ彼女が5人もいるからな!だが、合コンに行ったらこんな感じかな?という気分をまさか自分の家で味わう事になるとは思いもしなかった。それというのも現在の状況のせいだ。テーブルを挟んで俺と遊亜、遊華達と女性陣といった形で対面している。第三者からしてみれば合コンかお見合いとも取れるこの状況だが、自己紹介する為にどうしてテーブルを挟んで対面しなきゃいけないんだか……


「では、改めて、長男で藤堂遊と藤堂香月の息子の藤堂遊亜だ」


 遊亜の事は公園でも聞いたが、形的にはもう1度自己紹介しておこう。そんな感じだろ。あとは誰から自己紹介するのか揉めない為だろ


「じゃあ、次は私だね!私は藤堂遊と藤堂遊華の娘で長女の藤堂遊理です!よろしくね!」


 遊理はさっき遊華達を穴が開く程観察していたから印象的だ。いろいろな意味で。それにしても遊理よ、過去の存在とはいえ穴が開くほど自分の母親を観察するとは……


「じゃあ、次は私か……私は藤堂遊美(ゆうみ)。藤堂遊と藤堂美優の娘で次女だよ」


 美優の娘にしてはクールだという印象を受けるのはどうしてだ?美優じゃなくて由紀ならわかるが……どこをどう育ったらクールになるんだ?


「じゃあ、次は私だね。名前は藤堂遊紀(ゆうき)で三女です。父は藤堂遊で母は藤堂由紀です」


 うん、この娘は由紀の娘だ。敬語といいこの雰囲気といい……完全に由紀の娘だな。


「最後は私か~、私は藤堂遊月(ゆずき)だよ~。お父さんは藤堂遊、お母さんは藤堂美月で四女だよ~」


 ぽわぽわした雰囲気は完全に天然キャラの美月だな。だが、パッと見は普通の雰囲気だ。遊亜が嫌がる意味がわからない。どうして遊亜は姉達を嫌がるんだ?


「さて、これで俺達の自己紹介が一通り終わったから俺は部屋に戻るわ」


 自己紹介が終わり部屋へ戻ろうとする遊亜。何か都合の悪い事でもあるのか?聞かれてマズイ事とか……


「遊亜、待とうか?」


 遊月が遊亜の肩を掴む。俺は遊華達にされた事はない。そんな俺でも嫌な予感がする事くらいは簡単に解る。これは遊亜が尋問されるパターンだ


「な、何だよ?遊月姉さん。俺は部屋に戻りたいんだけど?」


 遊亜も俺と同じ嫌な予感がしたのか冷や汗を流している。遊亜、強く生きろよ。言葉には出さないが、父親として俺は遊亜にエールを送る。送るだけならタダだし、言葉に出さないなら俺に被害が来る事はない


「遊亜~、さっきの話はまだ終わってないよ?」

「遊理姉さん、俺が女にモテるわけないだろ?」

「遊亜が気づいてないだけ。みんな遊亜を狙っている」

「遊美姉さんは何を言っているかわからないけど、俺を狙う奴なんていないって」

「遊亜は鈍感ですから。そう思っていても仕方ないと思います。ですが、遊亜が狙われているのは事実なんですよ?」

「遊紀姉さんまで何言ってんだか……」


 見事なまでにブラコンを拗らせてるなぁ~と思う俺。遊亜がリビングに入りたがらなかった理由の一端を垣間見た気がする。過去の時代から来た俺達が完全に空気になってるし


「お兄ちゃん、私達の娘が見事にブラコンなんだけど……」

「そうだな。多分、遊華達の血を濃く受け継いだからだな」

「お兄ちゃん?それどういう意味かな?」

「恋人同士じゃなかったら遊華は立派なブラコンだって事だ」


 俺と遊華は血が繋がってないから恋人になれたが、血が繋がっていたら遊華はただのブラコンだし、俺はただのシスコンだ


「遊ちゃん、私や美優ちゃんと由紀ちゃんは血が繋がってないのにブラコン扱いは心外なんだけど?」


 美優と由紀には失礼かもしれなかったが、美月、それに香月もだが俺が行った未来じゃ結構なブラコンだったぞ?


「美優と由紀には悪いと思っているが、俺が飛ばされた未来じゃ美月も香月もブラコンだったんだ。間違っちゃいないだろ」


 目の前で遊亜が自分の姉達に尋問されてる中、俺達は遊華達がブラコンであるかどうかを議論していた。


「遊さん、少なくとも私と美優はブラコンじゃないですよ?兄妹いませんし」

「そうだよ。遊君。私と由紀はブラコンじゃないよ?」

「あー、うん、そうだねー」


 遊亜は姉達に尋問されて修羅場ってるが、俺は彼女達と平和的にブラコン談義に花を咲かせている。


「遊亜、随分とお疲れみたいだな」

「そう思ってるなら助けてくれてもよくないか?」


 数分後、ようやく解放された遊亜はソファーでグッタリしていた。俺は尋問されてないので優雅にコーヒーを啜っている。遊華達は遊華達で娘達ど談笑している


「バカ言え、誰が自分からライオンのいる檻に飛び込むなんて無謀な真似するか」

「アンタは今も昔も変わらないな!」

「褒め言葉として受け取っておく」


 遊亜の皮肉を褒め言葉として受け取る俺。息子とのバカ話もいいが、俺は遊亜に聞かなければならない事がある


「なぁ、遊亜」

「何だよ」

「この時代の俺達って生きてるのか?」


 俺が飛ばされた未来では俺は死んだことになっていた。だからこの時代の俺達が生きているとは限らないし、死んでいるとも限らないが


「生きてるよ。毎日イチャイチャしてるな」

「そうか……」


 この時代の俺達は生きてる。じゃあ、どうして俺達は未来に飛ばされたんだ?この時代の俺達が生きているなら何も問題ないはずだ。それに、遊亜が20歳って事は遊理達は遊亜よりも上って事になる。当たり前だが


「親父が聞きたいのは誰が自分達をこの時代に呼んだんだろう?って事だろ?」

「ああ、この時代の俺達が生きてるって事は遊亜達はいつでも会えるって事だろ?寂しい思いもしてないだろうし」

「確かに俺も姉さん達も寂しい思いはしてないな。だが、子供の前で毎回イチャつかれているせいで俺はウンザリしている。姉さん達は憧れてるみたいだけどな」


 息子の辛辣なコメントで俺は元の時代に帰ったら少し遊華達とイチャつくのは控えようと思った。それにしても、この時代の俺達の話をする遊亜は本当に嫌そうな顔をするが、そんなんでよくグレなかったな


「遊亜は姉さん達といて幸せか?」

「は?いきなり何言ってんだ?」

「いや、何となく聞いてみたくなっただけ」


 自分でもどうしてこんな事を聞こうと思ったかはわからない。だが、あんな姉達だ。遊亜は彼女を作るのにも一苦労する事だろう


「俺の1人暮らしを許可してくれて彼女を作るのも認めてくれたら幸せだな」

「彼女の件は置いといて、遊亜も1人暮らししたいクチか……」

「まぁな。あんな姉さん達と一緒にいると嫌でも家を出たくなる」


 遊亜は遊華と恋人になる前の俺によく似ている。俺も遊華が嫌で高校卒業したら1人暮らしをしようと思っていた。だが、恋人になって遊華の本当の思いってのを聞いて俺は1人暮らしを思いとどまった。しかし、遊亜は違う。本当にブラコンの姉達に嫌気が差しているという感じだ


「意外と遊亜の姉さん達は遊亜の事を思ってやってるのかもしれないぞ?」

「だといいんだがね……あ、そうだ。親父」

「何だよ?」

「明日付き合え」


 遊亜、いきなり何言ってんだ?俺達は過去の時代にいつ飛ばされてもおかしくないんだぞ?明日付き合えって言われても付き合える保証はない。


「いや、いつ戻されるかわからないから約束はできないぞ?それでもいいのか?」

「別に構わない。不動産屋に行くだけだしな」

「わかった、付き合う」


 不動産屋に行こうとしている時点で察してしまった。遊亜は本気で家を出ようとしている。こりゃ、遊亜絡みで一悶着ありそうだな。


「遊亜、お父さんと何話してたの?」


 女子会の輪から抜けた遊美が俺達の元へやって来た。女子会の方はいいのか?それとも、遊亜が恋しくなったのか?


「別に姉さんには関係ないだろ?」

「遊亜……」

「俺は部屋に戻る」


 遊亜は不機嫌オーラ全開でリビングから出た。本当に遊亜絡みで一悶着ありそうだな……ひょっとして、遊亜達が俺達を呼んだのか?年齢の離れたこの時代の俺達には相談できないような事を年齢の近い俺達に相談する為に


「遊美、遊亜と何かあったのか?」

「あ、うん……ちょっとね」


 遊亜の事となると歯切れが悪くなった遊美。なんだ?俺には言いづらい事か?それとも、言えない事か?


「遊華達に言えなくても俺には言えると思うぞ?」

「…………お母さん達に内緒にしてくれる?」

「それはいいが、遊華達には言えない事なのか?」

「うん……お母さん達にはちょっとね」


 遊亜の1人暮らしと何か関係があるんだろうか?それとも、別の何かなんだろうか?


「部屋移動するか?」

「うん、私の部屋に行こう」


 俺と遊美はリビングを出て遊美の部屋へと移動した。母親の遊華達に内緒にして俺には辛うじて話せるレベルか……


「で、遊亜と何があったんだ?」

「私達、遊亜と今、揉めてるんだけど……」

「ああ、だが姉弟で揉めるのはどこの家でもあるだろ」


 家族が揉める事はどこの家でもある。だが、リビングで見た遊亜の態度は遊美の事を───いや、姉達を本当に嫌がっている感じがした


「うん、でも遊亜と揉めてるのは私達の遊亜への接し方が原因なんだ……」

「接し方?」


 ただの姉弟喧嘩じゃなさそうだ。そして、この件は簡単には収集できそうになさそうだなと思う。


「私達は遊亜の事が大好きなんだけど、その思いが強すぎていつもやり過ぎちゃうんだ。で、遊亜も最初は許してくれたけど、だんだんと無視したりするようになった」

「接し方はともかくとして、無視したりするのは昔の遊華と俺の関係だな」


 少なくとも遊亜と遊美達みたいに片方は嫌いで片方は大好きって感じじゃなく、俺と遊華は片方は意識してなくて片方は素直になれなかっただけだが……


「お父さん達は意識してないのと素直になれなかっただけでしょ?」

「おっしゃる通りで」

「だけど、遊亜は本当に私達の事が大嫌いみたいなんだ……」


 はぁ、未来に飛ばされてまでゴタゴタに巻き込まれるとは……この時代の俺達は何をしてるんだか?いや、この時代の俺はあえて放っておいてるか、俺が過去から来るって知ってて俺に解決させようとしてるのか?



今回は自己紹介と遊亜と姉達の揉め事を知る話でした

遊亜と姉達の問題に本格的に触れるのは次回やろうと思います

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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