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俺が未来の娘達と対面する件について

今回は遊が未来の娘達と対面する話です

自己紹介はまだですが、今回はさわりだけ

では、どうぞ

 自分の未来に絶望する時ってどんな時だろう?受験に落ちた時?彼女ができなさすぎる時?それとも、就活で失敗した時?まぁ、いろいろあると思う。俺だって未来に飛ばされて自分が死んだことになってた時や未来で母さんが死んだと言われた時は思うところはあった。だが、俺はその時代の人間じゃないって事で絶望はしなかった。しかし、今、目の前にいる遊華達を見ているとなんだか不憫に感じるのはどうしてだろうか?


「遊亜、さっき言ってた事ってマジで?」


 落ち込む遊華達を見ていて俺は遊華達が化粧をしないとゴミ出しにすら行けないという話が真実であるかを確かめたくなった


「ん?さっき言ってた事?」

「遊華達が化粧をしなきゃゴミ出しにすら行けないって話」

「ああ、もちろん嘘だ。母さん達はスッピンでも十分美人だ」

「だったら何で嘘吐いたんだ?」

「仕返し」


 知ってた。遊亜が仕返しに嘘吐いたってことぐらいわかってた!遊亜を見ているとやっぱり俺の息子なんだと実感させられる。主に仕返しに人がピンチになったり、落ち込むような嘘を吐くところとか


「自分で落ちこませておいてなんだが、早く家に行かないか?俺、バイトで疲れてるから早く帰りたいんだが?」

「本当に自分で落ちこませておいてよく言うな?こうなった時の遊華達を慰めるのは誰だと思ってるんだ?」

「親父」

「わかってるならするなよな……」


 遊亜は当然だろ?といった感じで言ってくる。わかってるならするなよ……


「悪いとは思っていない」


 いや、少しは悪びれろよ。え?ひょっとして悪いと思ってない感じ?俺の息子ってこんな感じなの?


「とりあえず、家に連れて行ってくれ……」

「了解」


 俺は落ち込む遊華達を何とか慰め、遊亜に家まで連れてきてもらった。自分の家なんだから場所はわかっているが、この時代じゃ誰が出てくるかわからなかったし、別の人間が住んでる可能性だってある。住人である遊亜が一緒なら安心して家に帰れる


「なぁ親父」

「何だ遊亜」

「本当にこのドア開けなきゃダメか?」

「もちろん」

「開けたくないんだが?」

「諦めろ」


 遊亜は家の玄関前まで来てドアを開けたくないとか言い出した。さっきのやり取りはドアを開けたくない遊亜と早く家に入れてほしい俺の押し問答だ。


「開けたくないが……仕方ない」

「最初から素直に開けろ」


 遊亜は嫌々玄関のドアを開けた。何だ?人には見せられないものでもあるのか?


「た、ただいま~」


 遊亜の玄関を空ける姿はまるで遅くまで飲んで帰ったサラリーマンのようだった。俺は別に遊華達に困らされたり苦労させられたりという事はない。だが、コイツは違うみたいだ。


「お、お兄ちゃん!私達の娘ってどんな娘なんだろ?」


 さっきまで落ち込んでいた遊華は急に元気になった。自分の娘に会うのがそんなに楽しみなのか?


「多分だけどブラコンだと思うぞ」


 遊亜のあの様子では相当なブラコンだと予想できる。直接聞いたわけじゃないが、ブラコンじゃないかなぁとは思う


「そうかな?」


 遊華は首を傾げているが、遊亜の電話の様子から察するにブラコンと予想はできる


「ああ、多分な」


 俺は遊華に絶対お前の娘はブラコンだ!なんて言えないのであえて多分と言ってお茶を濁す。これから会えば全てハッキリする事だからこれ以上は言わないがな


「遊ちゃん、私の娘もブラコンなのかな?」

「そこまではわからない。ブラコンかもしれないし、そうじゃないかもしれない」


 遊華の娘がブラコンだとして、美月の娘がブラコンか?と聞かれれば絶対にそうだっていう保証はない


「そっかぁ~、でも、いい娘だといいなぁ~」


 さすが美月。天然系キャラの申し子。自分の娘がブラコンだとは思わないみたいだ。美月のこういうところは見習っていこうと思う


「ああ、そうだな」


 美月の頭を撫でながら俺も美月との娘がいい娘だと信じる事にした。遊亜が悪い奴だとは言わない。ただ、遊亜は俺の悪いところを濃く受け継いだみたいだ


「親父と母さん。イチャついてるところ悪いが、そろそろリビングに入ってもいいか?できれば俺は部屋に戻りたいけど」


 遊亜はゲンナリした顔をして俺と美月を見ていた。遊華達が大人しいのは自分達も後でやってもらえるって知っているからっていう事もあるだろうけど、自分の娘との対面が楽しみだからだろうと思う


「ご、ごめん……」

「あ、あはは~、ごめんね?遊亜君」


 遊亜に指摘され、俺と美月はスーッと離れる。付き合う前なら慌てて離れるところだったけど、付き合ってからは別に付き合ってるんだし、いいかなんて開き直って慌てて離れるだなんてしなくなった


「はぁ、俺の親は幼い頃からこうだったのか……」


 遊亜は俺達のやり取りを見て再びゲンナリしていた。なんか遊亜のこんな姿を見ていると申し訳なくなってくる。いや、本当に


「「「「「「…………」」」」」」


 遊亜の言葉に何も言い返せない俺達。きっとこの時代の俺達は遊亜が仕返ししたいと思うほどイチャついてるらしい


「はぁ、ドア開けるぞ……」


 遊亜は本当に嫌そうにしながらリビングのドアを開けた。たかがリビングのドアを開けるだけなのにそこまで嫌そうにするか?


「「「「おかえり~、遊亜」」」」

「ああ、ただいま。姉ちゃん達」


 遊亜を迎えた娘達は思っていたほどブラコンじゃなさそうだけど、遊亜はこの娘達のどこがそんなに嫌なんだろう?


「お兄ちゃん、思ったより普通だね」

「ああ、遊亜が嫌がる意味がわからない」


 本当にどうして嫌がるのかがわからない。遊亜は欲張りだなぁ……こんな姉達を嫌がるなんて


「遊亜君は不思議だねぇ~、遊ちゃん。どうしてお姉ちゃん達を嫌がるのかなぁ~?」

「さぁな。それは遊亜に聞いてくれ」


 美月よ、遊亜が姉達を嫌がる理由なんて俺にわかるわけがない。俺に聞くのはお門違いだぞ


「遊さんは遊亜君の気持ちがわかると思うのですが?」

「由紀は俺がお前らといるのが嫌だと思っているのか?」

「い、いえ、そんな事は思ってませんが……」


 それに遊亜もそうだが、遊華達の娘達と親しくなれば遊亜がどうして姉達を嫌がるかがわかるはずだ


「遊君は男の子なのに遊亜君の気持ちが解らないの?」

「俺が飛ばされた未来では香月と美月が義理の姉だったし、遊華もいた。だが、不思議と嫌ではなかったから遊亜の気持ちは俺には理解できない」

「そ、そっか……」


 遊亜の気持ちは俺にはまだ理解できない。だが、どれくらいこの世界にいるかはわからない。その中で遊亜を理解していけばいいと思う


「さて遊亜」

「バイト先で」

「女と」

「仲良く」

「「「「しなかったでしょうね?」」」」

「はぁ……」


 遊華達と同じ目をした娘達が遊亜に迫っていく。慣れているのか溜息を吐く遊亜。溜息を吐く遊亜の姿は親父や母さんに弄られてる時の俺みたいに思える。そして、未来に飛ばされてきた俺達の事よりも遊亜がバイト先で女と仲良くなった事の方が重要なのか?


「あ、あの、遊亜?その娘達は?」


 このままだと遊亜がこの娘達にもみくちゃにされて説明されるのに時間が掛かりそうな予感がしたので遊亜には先に娘達の説明というか、紹介をしてもらおう


「見ての通り母さん────正確には遊華母さん達の娘だ」


 へぇ、遊華達の娘ねぇ……まぁ、何となく10年後に飛ばされた時に会った遊華達に似ているとは思う。だが、見た目と性格が遊華達の誰かに似ていたとしてもその娘が必ずしも性格と母親が一致するとは限らない


「遊亜……とうとう中学生と高校生の女子をお持ち帰りしてくるようになったの?」


 娘達の1人が遊亜をハイライトの消えた目で見つめていた。うん、コイツは遊華達の娘だ。こんな姿を見て遊華達の娘だと確信するのは凄まじく嫌だけど


「この子達は過去の時代から来た親父達だ!バカ!」


 さすがの俺も親父を除く身内にバカだなんて言った事ないぞ?遊亜君、口悪くない?気のせい?


「へ?過去のお母さん達?」


 遊亜に絡んでいた娘が俺達……特に遊華達を凝視していた。あぁ、遊華達の娘だわ……


「え?ちょ、ちょっと?え?何?」


 ジロジロ見られて戸惑う遊華。まるで客寄せパンダだ。遊亜の姉達はいつもこんな事をしているのか?遊亜と一緒にいる女性全員に?これじゃ遊亜も大変だな……


「ゆ、遊……」


 香月も遊華と同じ状態だが、耐えろとしか言いようがない。だって時々自分達だって同じ事してるだろ?だなんて口が裂けても言えないが、助けない方が俺の身に優しい気がする


「遊ちゃん!見てないで助けてよ~!」


 美月は堂々と助けを求めてきたが、美月の場合は天然キャラじゃなくてクールキャラ出せば追っ払う事なんて簡単にできると思うぞ?


「ゆ、遊さん、何とかしてください……」


 由紀、自分の娘かもしれないんだ。諦めろ。俺はその間は遊亜と男同士で雑談してるから。


「ゆ、遊君……」


 美優の涙目は可愛いと思うし、現に可愛い。だけど、諦めろ。人間諦めが肝心だぞ?俺はいつもそうやってきたし。うん、諦めろ


「はぁ、遊理(ゆうり)姉さん、それくらいにしてやれよ。母さん達が困ってるだろ?」


 見かねた遊亜が遊華達に助け舟を出した。遊亜はこういう時には絶対に遊華達を助けるなんてしないと思っていたんだけどな


「あー、ごめんごめん。遊亜に近づく女は排除しなきゃいけないからさ」


 遊理と呼ばれた女性は遊亜に言われて遊華達の観察を止めた。観察を止めたのはいいが、紹介してほしいんだが……


「遊亜、紹介してくれたら助かるんだが……」

「そうだな……じゃあ、姉さん達来てくれ」

「「「「はーい!」」」」


 俺はどこの飲み屋に迷い込んだんだ?ノリが完璧にスナックやキャバクラだ。まさか、遊亜にそういう趣味があるのか?


「親父、俺にそういう趣味はないからな?」

「どうして考えてる事がわかった?」

「親父の息子だからな」


 考えを読まれるとは……似たり寄ったりの思考回路だと考えが読まれるのか?


「遊亜とお父さん。仲良くなっているところ悪いけど、自己紹介初めていいかな?」


 若干お怒りモードの遊理。一体誰に似たんだか……まぁ、自己紹介で誰が誰の娘かわかれば問題ない。誰に似たかも全てわかるしな。

今回は遊が未来の娘達と対面する話でした

本格的な自己紹介は次回

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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