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俺が未来の息子に会う件について

今回は未来の息子に会う話です

遊は未来の息子に何を聞くんでしょうか?

では、どうぞ

 未来に飛ばされる事なんてもうないと思っていた。だが、遊華達と付き合いだして平凡な日常とは程遠いものの何気ない日常に戻れると思っていたが、現実ってのは厳しいものだ。今度は海に遊びに行くつもりが未来に来ていた。しかも、俺が最初に飛ばされた未来よりよりも20年先に……ここまではよくないが、この際いい。しかし、俺よりも年上の男に親父呼ばわりされるのは納得いかない


「それで?どうして俺は自分より年上の男に親父呼ばわりされてるんだ?っていうか、アンタ誰だよ?」


 俺は今、ここに来る前に寄った無愛想なコンビニ店員に親父呼ばわりされてる。知らない男に親父呼ばわりされる謂れはない。そもそも、コイツは誰なんだ?


「あ、そうか、親父達は2018年から来たから俺の事は知らないんだっけ?ったく、めんどくさいな……はぁ、自分の親に自己紹介せにゃならんとは……迷惑なのは日頃のイチャイチャだけにしてくれよ」


 目の前の男は何て言うか、日頃の愚痴を言い出したが自己紹介をしてくれ。じゃないと状況がわからないから。


「日頃の愚痴はいいから自己紹介してくれ。状況もわからないし、どうして俺達が未来に飛ばされたかわからん」

「「「「「ついでにあなたの母親が誰かも言ってね!!」」」」」


 自己紹介だけでいいだろ……母親が誰かなんて後でいいだろうに


「はぁ、母さん達が親父バカなのはこの頃からか……」


 この男が未来の俺にとってどんな存在か大体わかった。この口ぶりからすると俺の息子っぽいな


「それよりも自己紹介してくれ。アンタが俺にとってどんな存在か予想はつくが、アンタの口から直接聞きたい」

「そうだな。俺の名前は藤堂遊亜(ゆうあ)だ。藤堂遊、アンタの息子だ」


 やっぱり、俺の息子だったか……コンビニでバイトしてたって事はそれなりに物事の善悪はわかるっぽいが何歳だ?


「「「「「母親は誰?」」」」」


 母親が誰か?ってのは重要ですかね……まぁ、母親が誰かは俺も気になるところではあるが


「母さん達はいいとして、親父は質問あるか?」


 コイツ、あのヤンデレ達をこうもアッサリスルーするとは……スル―スキル高くね?気のせい?


「じゃあ、聞くが、今いくつだ?」

「今年20歳になったばっかだけど?」


 20歳って事は遊亜は俺が結婚した年に生まれた子供って事になる。で、誰が母親なんだろうか?あの無愛想な態度からすると遊華が母親っぽいが……


「そうか……」

「ああ、ところで親父達はこれからどうするんだ?」

「どうするって?」

「親父達これから行くところあるのか?って事を聞いてるんだけど?」

「ない……」


 俺達は今日この世界に飛ばされたんだ。当然、行くところなんてない。まぁ、敬か浩太に泊めてもらうからいいけど


「じゃあ、家に来るか?どうせ自分達がどうしてこの世界に飛ばされたかわからないんだろ?」

「ど、どうしてそれを……」


 どうやら我が息子は察しがいいように育ったみたいだ。家に招待してくれるなら俺としては大満足なんだけど


「親父の息子だからな。大体はわかる。それに、さっき俺のバイト先で新聞買ってただろ。それでだよ」


 息子は全てお見通しみたいだ。さすがは俺の子だ。まぁ、遊亜より年下の俺が褒めても親としての威厳はあまりないと思うが


「それでってそれだけでよくわかったな。俺達が過去から来た人間だって」

「そりゃガキの頃に嫌って程聞かされたらからな。わかるっての!親父が未来に飛ばされたらとりあえずコンビニに行って新聞を買った事、母さん達と一緒に飛ばされた時は一緒に飛ばされても名前を呼んで点呼確認みたいな事をしたって事も聞かされた」


 俺はガキの頃の遊亜にどんな話をしていたんだ?それより、遊華達じゃないが遊亜の母親って誰だ?


「そうか、ところで遊華達じゃないが、お前の母親って誰だ?」

「あー、やっぱり気になる?」

「いや、俺はあんまり気にしないが……あれ」


 俺が指差した先にいたのは遊亜を穴が開くほど凝視していた遊華達だった。そんなに遊亜の母親が誰か気になるのか?


「はぁ……母さん達は親父が絡むと余裕がなくなるのは知ってたが、若い頃の母さん達はここまで酷いものだとは思わなかった」


 息子にここまで言われる母親って一体……遊華達のヤンデレは子供が生まれても続くのか……


「子供が生まれても遊華達のヤンデレ続くのか?」

「ああ、息子や娘の前でもお構いなしだ」

「「はぁ……」」


 俺と遊亜は揃って溜息を吐く。遊亜の様子からして子供が生まれても遊華達は自重しないようだ


「お兄ちゃん」

「遊」

「遊ちゃん」

「遊さん」

「遊君」

「「「「「早く母親が誰か聞きなさい!!」」」」」

「は、はい!」


 俺は遊華達に圧倒される。ヤンデレには慣れたが、こういう獲物を捕らえたライオンのような感じは初めてだ。


「はぁ……親父も大変だな」


 遊亜君?呑気に鑑賞しているみたいだけど、君の事だからね?今は君の母親の話をしているんだからね?


「いや、今は遊亜の母親が誰かを聞いてるんだからね?」

「別に母親が誰かを言ってもいいけど、母さん達がなぁ……ヤンデレになって暴走しないって約束できるなら言ってもいいが……」


 さすが息子と言ったところか、遊華達の性格をよくわかってらっしゃる。


「「「「「暴走しないから教えて!!」」」」」


 息ピッタリだな。そんなに遊亜の母親が気になるのか?


「遊華達もこう言ってるし教えてくれないか?」

「はぁ、別に家に着いてからでもいいと思うが……このままじゃ納得しないか」

「ああ、納得しないな」

「仕方ないか……俺の母親は香月。アンタだよ」


 遊亜は嫌々と言った感じで自分の母親の名前を言った。あの無愛想な態度から母親は遊華だと思っていたが、香月だとは思わなかった


「よしっ!」


 遊亜の母親が自分だとわかってガッツポーズをする香月。それに対して遊華達は────


「「「「チッ……」」」」


 露骨に舌打ちをしていた。遊亜の母親が自分じゃなくてそんなに悔しかったのか?


「露骨に舌打ちしなくても家に帰ればアンタ等の娘もちゃんといるから」


 遊亜よ、どうして子供がいるとは言わずに娘がいるって言った?そこは子供でいいじゃん!娘がいるって言った意味!だが、そんな事よりも遊亜が長男って事はわかったが、娘達は妹?それとも姉?


「遊亜って妹いるか?」


 唐突だが、俺は遊亜に妹がいるかどうかを聞いてみた。遊亜が香月の息子ならコイツが1番年上なはずだ。まぁ、これは俺の先入観でしかないが……


「いや、俺にいるのは姉だけだけど?」

「え?遊亜が1番上じゃないのか?」

「俺、1番下なんだけど」

「マジで?」

「マジで」


 香月の子供って事で1番上だと思い込んでいた。だが、実際は遊亜が1番下らしい。じゃあ、誰の子供が1番上なんだろう?


「とにかく、家に帰れば姉さん達いるけど……会いたいか?」


 遊亜のこの口ぶりからすると姉達は遊華達にそっくりなんだろうな……


「「「「会いたい!!」」」」


 遊華達は自分の娘に会いたいようだ。俺としても自分の娘達に会いたい気持ちはある。だが、同時に嫌な予感もする


「わかったよ……ちょっと待ってろ」


 遊亜はどこかへ電話を掛けた。俺が遊亜なら過去から若い姿の親が来ているとなると電話する先は親父か自分の妹か姉だ。


「ああ、だから今から帰る。え?女?いや、俺が女と親しくできるわけないから」


 どうやら遊亜は電話の相手に女の存在を心配されてるようだ。電話の相手は女か?


「遊亜もいろいろ大変なんだな」


 電話をしている遊亜を見て俺は遊亜の日頃の苦労が少しわかってしまった。まぁ、遊華達の娘ならヤンデレに育ったに違いないし、幼い頃からそういう場面を見ていたとしたらそうなるのも何となく頷ける


「へいへい、じゃあそういう事だから。じゃあな」


 遊亜は電話を切った。若干疲れているようだが、日頃からこんな感じなんだろうか?


「遊亜……」

「親父、何も言うな。慣れてる」


 俺は毎回大変なんだな。って言おうと思ったが、遊亜にとってはこれが日常らしい。ある意味同情するよ。我が息子よ


「遊亜君、1つ聞きたい事があるんだけどいいかな?」


 遊華が遊亜に質問があるらしい。何を聞きたいかは知らないが、おそらくは自分の娘の事だろう。気持ちはわかるけど、それは家に帰ってからのお楽しみでいいんじゃないか?


「何だ?自分の娘の事か?それなら見た方が早いと思うけど?」


 遊亜は説明がめんどくさいのか娘の事は自分の目で確かめろと遠回しに言った。俺もそう思う


「娘の事じゃなくて、この時代の私達の事なんだけど……」


 遊華の質問は娘の事じゃなくてこの時代の自分達の事だった。この時代の自分達の何を聞くつもりだ?


「母さん達の事?母さん達の何を聞きたいんだ?」

「遊亜君はこの時代の私達をどう思ってるのかな?」


 息子が自分達をどう思っているかを聞いて何とする?遊華?あれか?元の時代に戻ったら気を付けようとかそんな感じか?


「ヤンデレの口うるさいおばさん」


 遊亜の答えは思っていた以上に辛辣だ。ヤンデレは否定しないけど、この時代の遊華達はそんなに老けて見えるのか?


「「「「「うぐっ!」」」」」


 質問した遊華もそうだが、香月達もダメージを受けている。ヤンデレは自覚している事っぽい。きっと口うるさいおばさんの部分が刺さったのだろうな


「遊亜、この時代の遊華達ってそんなに老けて見えるのか?」


 ブツブツと何かをうわ言のように呟きだした遊華達を後目に俺は遊亜に聞く。遊亜がおばさんって言う事は遊華達は老けて見えるに違いないはずだ


「そうだな……」


 遊亜はブツブツと何かを呟いてる遊華達を見てから俺の方を見る。そして、ニタァと厭らしい笑みを浮かべた


「遊亜?」

「ああ、悪い。この時代の母さん達はそれはそれはもう見れたもんじゃない。化粧で誤魔化してはいるが、スッピンなんて見た時は失神するほど酷い顔をしている。母さん達はコンビニに行くにしろ、ゴミだしをするにしろ化粧なしじゃ表を歩けないほど酷いな」

「「「「「そ、そんな……」」」」」


 遊亜の一言に落ち込む遊華達。それとは対照的にすごく満足したような表情の遊亜。両者の表情を見てわかってしまった。これは遊亜の仕返しだ。この時代の遊華達に苦労させられているから幼い頃の遊華達に仕返しをして満足って顔だ。














今回は未来の息子に会う話でした。

母親が母親なら息子は苦労するって言う愚痴でした

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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