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部屋を出たら未来に来ていた件について

今回はいよいよ海で遊ぼうかと意気込んでいた遊達が未来に飛ばされる話です

今回は遊だけじゃなく遊華達も未来に飛ばされてどうなる事やら

では、どうぞ

 遊華達のヤンデレが落ち着いて俺もようやく肩の荷が下りたと言ったところだ。未来でも海に来て遊華達のヤンデレが出たっけ?海とヤンデレって関係があるのか?今度調べてみるか。さて、ヤンデレは置いておいて海に遊びに行くか。未来じゃ時間に縛られて楽しめなかったしから今日は思いっきり楽しむぞ!


「さて、部屋にいてもつまらないから海に行くか?」


 プリクラも撮ったし、後は日曜日まで海で遊び尽くすだけだ。何事もないといいんだが……まぁ、せっかくの海だ楽しむか


「そうだね!せっかく海に来たんだし楽しもうよ!お兄ちゃん!」

「今日の為にとっておきの水着を用意してきたんだよ?遊」


 海に行く気満々の遊華と香月。この2人は海に行きたいのはわかったが、他のメンバーはどうだろうか?


「遊ちゃんに私の水着姿を見てもらえる……」

「遊さんを私の水着で誘惑して……その後で……ふふっ」

「遊君を誘惑したらもしかしてその先も……」


 うん、海に行きたいとは言ってないが、海に行った後の妄想は捗っているようだ。そして、その妄想は美月の以外は俺が野獣になって襲い掛かるものだって事が余裕でわかる


「と、とりあえず海に行かないか?」


 美優と由紀の妄想を詳しく聞くと俺は後には戻れなさそうだから詳しくは聞かない。聞いたらいけない気がするっていうのが本音だが……


「そうだね!せっかく来たんだし、楽しもう!ね?お兄ちゃん!」

「ああ、そうだな!」

「「「「うん!」」」」


 俺達は海に繰り出す事にした。夏の海は遊んでなんぼだ。むしろ遊ばないほうが損をする。まぁ、今言ったのは俺の持論だが、夏の海って遊んでこそだろ?


「じゃあ行きますか」

「「「「「うん!」」」」」


 俺達は水着と貴重品を持って部屋を出た。当然、部屋のドアを開ければそこには廊下がある。俺はそう思っていた。しかし────


「ここどこだ?遊華?香月?美月?美優?由紀?」


 見た事ある景色ではある。だが、そこに行くには部屋のドアを開けただけでは行く事ができる場所じゃない事を俺は知っている。


「お兄ちゃん、いつの間に私達は家に帰ってきたのかな?」

「遊、私達は旅館の客室から出たはずだよね?」

「遊ちゃん、私達は車にも電車にも乗ってないはずだよ?」

「遊さん……」

「遊君……」


 客室のドアを開けたらいきなり家の前に来てました。なんて俺が未来に飛ばされた状況によく似ている。俺の場合は電車に乗ったはずが元の駅前に戻って来ていたが


「全員無事みたいでよかった。だが、目の前に家があるって事はここは過去か未来……いや、パラレルワールドって可能性もある。とりあえず調べてみない事には動きようがない。いろいろとな」


 客室から出て家の前にいるって事が普通の状況じゃない事はわかった。だが、目の前に家がある事しかわからないから未来に来たとも過去に来たとも断言できない。


「お兄ちゃんが未来に飛ばされた時ってどうしたの?」


 遊華は先人から知恵を得ようとしているのか、俺が未来に飛ばされた時に何をしたかを聞いてきた


「俺が未来に飛ばされた時は最初にコンビニに新聞を買いに行こうとしたぞ。まぁ、その前に大人になった遊華に再会したがな」

「じゃあ、遊の言う通りにコンビニで新聞を買おうか」


 香月はコンビニに行こうと言い出した。だが、遊華達の意見も聞いときたい。俺1人で動くなら動き回ってもいいだろうけど、今は遊華達もいる。下手に動いたら遊華達が飢え死にしかねない


「香月はこう言ってるけど遊華達はどうする?」

「私は香月さんの意見に賛成」


 遊華は賛成みたいだ。コンビニに行くと新聞だけじゃない食料や日用品もそこそこある。念のためにコンビニで情報収集しておこうってところだろう


「私も香月ちゃんの意見に賛成~、喉も渇いたしね~」

「私も香月さんの意見に賛成です。遊さん」

「私もだよ!遊君!」


 美月も美優も由紀も賛成か。じゃあ、コンビニへ行くか。今回は遊華達も飛ばされたし、ここが未来か過去かもわからない以上、俺達の頼りはコンビニか図書館だけだ


「じゃあ、みんなでコンビニに行くか」

「「「「「うん!」」」」」


 俺達はコンビニへ向かって歩き出した。それにしても、ここが未来だと仮定したとして、俺達はどうして飛ばされたんだ?俺が飛ばされた時は遊華が俺に会いたいと思ったから未来に飛ばされた。しかし、今回は1人だけじゃない。6人もの人間が同時に飛ばされた


「一体、何が原因なんだ?」


 俺の前を歩く遊華達の背中を見ながら考えた。ここがどこなのか、どうして俺達は飛ばされたのか、誰が俺達を呼んだのかを


「お兄ちゃん?どうしたの?もう着いたよ?」

「あ、ああ、ちょっとな……」


 考え込んでいるうちにコンビニに着いたらしい。新聞は俺が買うか。さすがに営業妨害にはならないけど、同時に入店した6人全員が新聞を買って変に思われてもアレだし


「いらっしゃいませ」


 店員は学生のアルバイトだろう。ずいぶんと無愛想だな。あれ?この無愛想どっかで……まぁ、店員の愛想なんて気にしてられない


「新聞は俺が買うから遊華達は水分とか食糧とかを頼む」

「「「「「わかった!」」」」」


 新聞は俺が買い、遊華達には水分と食糧を任せよう。でも、あの店員の反応は何て言うか、昔の遊華を男にした感じだな……


「ありがとうごさいました」


 会計を済ませてコンビニを出る。それにしても、さっきの店員の態度どっかで……


「さて、新聞も買ったし、公園にでも行くか」

「それより、さっきの店員がお兄ちゃんの事ジロジロ見てたけど何かしたの?」

「いや、何もしてないが?」

「でも、遊ちゃんの事ずっと見てたよ?」


 公園に行く道中で遊華と美月に見られてたと言われるが、俺ってそんなに見られてたかな?自分じゃよくわからない


「そうかな?俺を誰かと勘違いしてただけなんじゃないのか?」


 世の中には似ている人間が3人いるって言うし、俺が誰かと似ていて見てただけって事もある。きっと気のせいだろ?


「いや、あれは完全に遊さんを見てましたよ?」

「そうだね、あの店員は完全に遊君を見てたね」


 美優と由紀も俺を見ていたと言っている。つまり、俺以外の5人が俺を見ていたって言ってるわけだ。見られてたとして、どうして俺を?その店員の知り合いに俺がそっくりだったとか?


「俺の話は置いておいて、さっさと公園に行かないか?」


 今はコンビニの店員が俺を見ていたかどうかよりもここが未来なのか過去なのかパラレルワールドなのかを知る事が重要だ


「そ、そうだね。お兄ちゃんを見ていた理由は後で考えるとして、今はここがどういう場所なのかを知る方が先だね!」


 遊華よ、わかってくれて俺は嬉しいぞ?やっぱり最初に告白したのが遊華でよかった。まぁ、告白したのは遊華が最初だが5人を平等に愛している。だから問題ないだろう


「遊華……」

「お兄ちゃん……」


 俺と遊華は手を握って見つめ合っている。そのまま俺と遊華の距離はゼロに────


「「「「おっほん!!」」」」

「「あ」」


 ならなかった。香月達の咳払いによって。しかも、みんな目に光がないぞ?って、今は非常事態だ!遊華と見つめ合ってる場合でも嫉妬した香月達を宥めている場合でもない


「今は見つめ合ってる場合でも嫉妬している場合でもないぞ?」

「「「「そうだね!!」」」」

「あ、あはは……」


 剥れる香月達と苦笑いの遊華達。無事に戻ったら好きなだけ構ってやるから剥れないでほしい


「さて、ここが未来か過去かを確かめるか」

「「「「「うん!!」」」」」


 公園に着き、ベンチに付いているテーブルを6人で囲み真ん中に新聞を広げる。新聞の見出しの競馬に興味はない。興味があるのはその上の端っこに記載されている年月日だ


「さて、今は何年何だ?」


 ここが未来だろうが過去だろうがパラレルワールドだろうが今が何年かを知らなきゃ意味がないし、関係あるかどうかはわからないが、誰が俺達を呼んだかわからない。


「嘘だろ?」

「お兄ちゃん、ここって……」

「未来だ。しかも、俺が飛ばされた未来よりも更に20年後の」


 俺達はどうやら2048年の未来に飛ばされたらしい。俺達がいたのが2018年だから俺達がいた時代から30年後の未来であり、俺が最初に飛ばされた未来は2028年の未来だった。俺が10年後に飛ばされた時は1人だったが、今回は遊華達もいる。誰かが俺達に会いたいって思ったから俺達が飛ばされた。しかし、誰が?


「遊、これってどういう事なの?」

「遊ちゃんどうして私達が未来に?」


 年上の香月と美月が戸惑っている。まぁ、未来に飛ばされるなんて事がホイホイ起きていたら大変な事になっている。


「飛ばされた理由はわからないが、1つわかるとすれば誰かが俺達に会いたいと強く思ったからだろうな……」


 俺がわかる事は俺達は誰かが会いたいと強く思ったからここへ飛ばされた。現状わかる事はこれだけだ。逆に言えばそれ以外がわかってない


「遊さん、私達に会いたいって思った人はどんな人なんでしょうか……」

「遊君は心当たりないの?」


 由紀も美優も無茶を言うな。俺達に会いたい奴がどんな奴か想像つくはずないし、心当たりがあるわけないだろ?ここは2048年の未来だ。この時代で俺達が生きているとしたら40代だ。浩太や敬が病気や事故で死んでなきゃ何かわかるかもしれないが、人間いつ死ぬかわからんからな。こればかりは何とも言えん


「俺達に会いたがっている奴の想像はできないし、心当たりもない。そもそも、俺が飛ばされた未来では俺は失踪し、死んでる事になっていた。この世界の俺達がどんな扱いになっているかも想像できない」


 俺が飛ばされた未来では死んだ事になっていた。未来に飛ばされるって事はそう言った部分も受け入れなきゃいけない。遊華達にそれが受け入れられるか……


「親父!!」


 遊華達が現実を受け入れられるかどうか確かめようとした時、俺の背後から男の声が聞こえた。


「え?親父?誰が?」


 きっとこの公園に来ている誰かを親父と呼んでいるんだろう。少なくとも俺が親父って事はないだろう


「アンタだよ!!親父!!」


 男っていうか、さっきのコンビニの店員だが、とにかく、ソイツが俺を親父と呼んだ。親父って俺の事かだったか……


今回はいよいよ海で遊ぼうかと意気込んでいた遊達が未来に飛ばされる話でした

どうして遊だけじゃなく、遊華達まで未来に飛ばされたのでしょう?それはまた次回

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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