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俺が遊華と登校する件について

今回は遊華と学校に登校します。

本編では未来に飛ばされていたので学校に行ってなかった遊ですが、さすがに元の世界では登校しなきゃいけませんよね。10年後の未来で会った遊の友達2人とその恋人はどうなっているんでしょう?

では、どうぞ

 未来から帰ってきた俺は遊華と恋人同士になったが、手放しで喜べない。どうしても気になる事がある。それは香月と美月の事だ。未来では香月と美月はキャラを作って周囲の人間と接していたからな。まぁ、香月がそうせざる得ない原因は周囲の人間がお姉さまキャラを期待したからであり、美月がそうせざる得ない原因は容姿故に男子からの注目と女子からの嫉妬を避けるために男子からも女子からも好かれるキャラを作らなきゃいけなくなったからだ。


「未来では遊華もそうだが、心に溜まったものを吐き出してからはキャラを作っていたとはいえ俺の前ではありのままの自分でいようとしてたし、この時代でも何とかなるだろ」


 隣りで幸せそうに寝ている遊華を見て思う。10年後の未来では俺がいなくなった事で遊華には寂しい思いをさせた。母さんは俺を探している途中で事故に遭って死んだ。浩太は知らないが、敬は俺がいなくなったからライターになった。遊華達も同じだ。俺を探すために声優になった


「俺が未来に飛ばされなかったら遊華達は10年後どんな職業に就いていたのかな?」


 親父は未来が変わる事はないって言ってたが、それはあくまでも法律とかテレビ番組とか地域開発とかそういった世間的なものだろう。しかし、俺の周囲の人間は未来を大きく変える事になると思う。


「例えお兄ちゃんがいなくなってなくても私はお兄ちゃんが未来で見てきた職業になっていると思うよ?」


 隣りから遊華の声がした。いつの間に起きてたんだ?っていうか、遊華は声優に興味があるのか?


「遊華は声優の仕事に興味あったのか?」

「まぁ、お兄ちゃんと話をしなくなった原因はお兄ちゃんがアニメに夢中で私に構ってくれなかったっていうのもあるし。そのおかげで声優の仕事に興味を持ったんだけど」

「そうか……」


 意外なところで人の興味って湧くんだな。遊華が声優に興味を持ったのは俺のアニメ好きがきっかけだが


「で、お兄ちゃんが未来に飛ばされた事を知っているのって今のところは私とお父さんだけ?」

「まぁ、そうだな。これから会う羽月さんや香月、美月は未来では義母、義姉としていたが、母さんは死んでいた。簡単に俺の飛ばされた未来を言えるわけがない。だから、今のところは遊華と父さんしか俺が未来に飛ばされた事は知らない」


 説明口調になってしまった気がするが、未来で死んでしまっていた人にあなたは10年後に死んでます。なんて言えるわけがないし、未来であなたは今の目標とは違う職業ですよとは言えない


「そっか……さすがにお兄ちゃんが飛ばされた未来をお母さんに話すわけにはいかないもんね」


 理解が早くて助かる。母さんは俺を探す必要がなくなったので死ぬことはないが、香月と美月の父さんは違う。病気だけはどうしようもない


「まぁな」


 少し早く起きたので遊華と朝、イチャイチャできる。この分だとこの時代で遊華がヤンデレになる心配はないだろう。多分


「お兄ちゃん……」

「遊華……」


 俺達は見つめ合い、そのままキスをする。付き合ってからというもの俺は何て言うか、見境がなくなった。未来に飛ばされた頃はキス1つまともにできなかったが、今は何の躊躇いもなくキスをするようになった


「幸せ……」


 遊華が幸せそうに甘えてくる。甘えてくれるのは嬉しいが、そろそろ起きないと学校に遅刻する心配はないが、準備に時間が掛かる。


「幸せなのはわかったが、そろそろ起きないとゆっくり準備している暇なくなるぞ」

「むぅ~、もう少しくっついていたかった」

「そうは言っても今日は学校があるだろ」

「それはそうだけど……」

「俺も学校に行かなきゃいけないし、何より浩太と敬に彼女ができた事を報告しなきゃいけないからな」


 俺は未来から帰ってきた日、つまり浩太と敬との約束をドタキャンした日なんだが、俺は事後報告すると約束したし、浩太はそれを埋め合わせとすると言った。埋め合わせくらいしなきゃな


「どうして?お友達に報告する必要なんてないんじゃないの?」

「遊華に告白した日は俺が未来に飛ばされた日であり、俺が未来から帰ってきた日でもある。だが、帰ってきた時に俺は遊華に告白する事を優先して家に帰ってきたからな。結果、俺は浩太と敬の約束をドタキャンした。だから一応、彼女ができたって言っとかなきゃいけないんだよ」


 ドタキャンした埋め合わせが惚気でいいのかは知らんが、どうなったかくらいは教えてやろう


「そっか、埋め合わせじゃ仕方ないね」


 遊華にとっても俺が彼女として遊華を紹介する事は少なくとも悪い気はしないはずだ。


「準備できたか?」

「うん!」


 着替えて朝飯を済ませた俺と遊華は学校に行くために準備を済ませる。そして────


「「行ってきます!」」

「はい、行ってらっしゃい」


 母さんにあいさつをして家を出る。未来では学校に行ってなかったし、遊華とこうやって登校する事もなかったからな。いろんな意味で新鮮だ


「遊華とこうやって登校する日が来るとは思いもしなかった」

「うん、付き合う前は別々に登校してたからね。だから、こうする事もなかったよね」


 遊華が腕を絡めてきた。これじゃ登校じゃなくてデートだな。だが、そんな時間も長くは続かない


「じゃあ、私はここで」


 遊華は中学、俺は高校と通う学校が違う。当たり前だが、ウチの学校はエスカレーター式ではないのでここで一旦お別れだ


「おう、じゃあ、放課後にな」

「うん……浮気しちゃ嫌だよ?」

「俺は遊華が思っている程モテないからそんな心配ない」


 遊華の頭を軽く撫で、俺は高校に向かう。男子からの視線が俺に突き刺さる。おそらくは嫉妬だろうな。そして、女子から上る黄色い声。こっちはどうしてかは知らんが。だが、男子諸君、俺は遊華の兄であり、彼氏だ。嫉妬するだけ時間の無駄だぞ


「もう!お兄ちゃん!いきなり撫でないで!」

「はいはい、じゃあ、俺はそろそろ行くから」


 後ろで遊華が何か騒いでいるが、今は構っていると俺が遅刻してしまうからな。


「未来でも金がどうとか過去にいつ帰れるかとか言ってないで通っていればよかった……」


 未来にいた期間は1か月くらいだが、この世界では俺が飛ばされたのは午後1時くらいで帰ってきたのはその1時間後くらいか……どういった仕組みかは知らないけど、帰って来れただけマシか


「よぉ、遊」

「おはよう、遊」


 この声は浩太と敬か……この2人は未来だと学者とライターになっていたが、今はその雰囲気を感じられない


「おはよう、浩太(こうた)(けい)


 正直、自分がこの2人とどんな口調でどんな話をしていたか覚えていない


「で、遊さんよぉ一昨日俺らとの約束すっぽかしてなぁにしてたのかな?」


 ダル絡みの浩太。コイツこんな奴だったか?いかんせん未来とのギャップがありすぎてついて行けん


「言わないとダメか?」

「遊、約束をすっぽかされた方としては何をしていたか教えてほしいんだけど?」


 ヤバい、敬も未来とのギャップが……なんか調子狂うな。コイツには早々に早川と付き合ってもらおう。そして浩太には早く明美さんと出会ってもらおう


「じゃあ、言うけど、一昨日彼女できた」

「「ええぇぇぇぇぇ!?」」


 いや、驚き過ぎだからね?俺を何だと思っているんだ?


「いや、声デカくね?何?俺に彼女ができたのがそんなに意外か?」

「「うん」」


 2人揃って酷いな。言いたい!今すぐに声を大にして言いたい!浩太!お前は10年後には妻帯者だ!と。そして、敬にはこのクラスのスーパーギャルの早川と10年後には付き合っているんだ!と。だが、迂闊に未来の事を話す事は危険だ。まぁ、唆すくらいはしてもいいだろう


「浩太はいつか年上の素敵な嫁さんができるし、敬は意外な奴がお前に好意を持っているはずだから安心しろ」


 未来の事を全部喋ってしまった感は否めないが、この2人にも未来への希望は必要だ。誰と結ばれるかまでは話していないから問題はないだろう


「嘘!?俺に年上の嫁さんができるのか!?」

「まぁ、浩太の頑張り次第ではな」


 確定事項とはいえここで全て答えを教えてやると本人の為にならない。ここは少しあやふやに答えておこう


「お、俺なんか好きになる人なんかいるのか?」


 この頃の敬は自分に自信がなかったな。それが10年後にはチャラ男というか、イケイケ系の男子になっているのか。そうなる為には早川に頑張ってもらおう


「ちょっと、そこの男子うるさいんだけど?」


 俺達の恋バナに乱入者が現れた。少し騒ぎ過ぎたか……


「ん?誰かと思えば早川か」


 乱入者は早川望海(はやかわのぞみ)。俺が飛ばされた未来の世界では敬の彼女だ。10年後では金髪のギャルじゃなかったから同一人物とは思えないが


「朝からバカ騒ぎしないでくんない?ウザいし」


 騒いでいた事については俺達が悪いが、この相手を威圧する態度は気に入らない。ん?そういえば未来の敬が言ってたな。俺がいなくなった後すぐに付き合い始めたって。つまり、この時点で早川は敬に好意を持っている事になる。ふむ、少し突いてみるか


「悪かったな。早川。だが、そんな相手を威圧するような態度だと振り向いてほしい人に振り向いてもらえないぞ?」

「なっ!?あ、アンタ、アタシの好きな人知ってるの!?」


 さっきまでの威圧的な態度とは一変し、真っ赤になって動揺している。どうやら早川が敬を好きなのはこの頃からっていうのは間違いなさそうだ


「まぁな。何なら本人にそれとなく聞いてみようか?お前の事をどう思っているか」

「…………お願いします」


 真っ赤になった早川はそのまま自分の席に戻っていった。さて、思わぬ乱入者に妨害されたが、敬の彼女について続きを話すか


「敬、お前を好きになる人はこのクラスにいるかもな」

「え?本当?どんな娘かな?」


 意外と食いつきいいな。まぁ、答えを言ってもいいような気もするが……まだ出会ってない浩太と既に出会っている敬……優先すべきは敬だな


「その事を詳しく話してもいいが、浩太もだが、昼休みにでも話すわ。大勢の人がいるところでは話づらい」


 さっきは答えを全部教えてやるのは本人たちの為にならないと言ったが、浩太は未来の世界で資料を提供してくれたりと助けてもらったし、敬は俺がいない間、遊華を支えてくれた。礼と言っちゃなんだが、昼休みにでも話してやるか。コイツ等と早川なら未来を教えても問題ないだろう






今回は遊華との登校でした。

10年後じゃないのでまだ変化する前でした。遊の友達2人もその友達の恋人も高校生で何か新鮮

時間的には遊が約束をドタキャンしてから初めての登校だったので追及されるのは当たり前

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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