表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/165

尋問と恋人が増えた件について

今回は尋問されて恋人が増えます

告白するなら夜が最適かなぁと思います

では、どうぞ

 俺は現在、取り調べにも似た感じで秋野さんと冬野さんに尋問されている。さっきまで警戒されてなかったか?女子ってよくわからん。警戒していた相手に掌を返すようにして尋問するだなんて秋野さんと冬野さんは意外と逞しいのかもしれないな。遊華の友達ってみんなこうなのかと思うと若干憂鬱になる


「で!お兄さんは本当に遊華ちゃんと実の兄妹じゃないんですか!?」


 さっきまでの警戒心はどこへやった?ドブにでも捨ててきたか?本当に女子ってわからん


「う、うん、そうだけど……?」


 この勢いはどこから来るんだ?っていうか、遊華達は見てないで助けろ。はぁ……


「遊さん!!遊華とは付き合ってるんですか!?」


 答えづらい質問をぶつけて来ないでほしい。えーっと、この場合はどう答えればいいんだ?付き合っていない?それとも付き合っている?どっちが正しいかわからない。どっちが正解なんだ?


「黙秘権を行使します」


 我ながら完璧な回答だ。付き合っているとは言ってないが、付き合っていないとも言っていない。完璧な回答だ!!


「お兄ちゃん!!」


 黙秘権を行使したら遊華に怒られてしまった。やりずらい。本当にやりずらい。どうしろと?俺に一体全体どうしろと?


「いや、10年後だと一夫多妻制になってるだなんて言えないだろ!?」

「「一夫多妻制!?」」


 あ、やべ!口が滑った!いや、秘密にするつもりはなかったんだけどな?秋野さんはともかく、冬野さんはダメだろ?堅いイメージあるし


「お兄ちゃん、この際だから未来の事を全部話したら?」

「それだと秋野さんと冬野さんの職業も全部話す事になるんだけど?」

「「私達の職業!?」」


 あ、ダメだ。これはもう隠し通すの不可能なやつだ。遊華の言う通り全部話すか


「遊、もう隠し通せないと思うよ?」

「そうだよ!遊ちゃん!全部話しちゃおうよ!」


 香月と美月の言う通り全部話すか……もう隠し通せそうにないし


「わかったよ。もう全部話すよ」


 隠し通せなくなった俺は秋野さんと冬野さんに全てを話した。未来で遊華や香月達と同じく声優をしている事、未来では一夫多妻制である事を


「わ、私が声優ですか……」

「意外すぎて言葉が出ないんですが……」


 秋野さんと冬野さんは自分の未来での職業にイマイチピンとこないようだ。まぁ、自分が将来声の仕事をしているだなんて意外すぎるだろうな


「お兄ちゃん!私達の関係をまだ説明してないよ!」


 そうでした。遊華との関係を説明していませんでした。どうしたものか……


「関係!?お兄さんと遊華ちゃんはどういう関係なんですか!?」


 秋野さん、食いつき早いな。っていうか、食いつくな食いつくな、それを今から説明するんだから


「俺と遊華は付き合っている。恋人としてな」

「「…………」」


 関係を話した途端、秋野さん達は無言になった。俺と遊華は実の兄妹じゃないから別にいいよね?実の兄妹だったら問題ありだけど


「どうした?2人とも無言になって」

「お兄ちゃん、2人とも思考停止してる」


 どうやらいろいろと詰め込み過ぎたのか、秋野さん達は思考停止に陥ったらしい。普通の中学生にはきつかったかな?


「はぁ、2人が戻ってくるまでしばらく待つかな」


 遊華達は俺が未来に飛ばされたって話をした時によく思考停止にならなかったと思う。浩太達もそうだけど、本来なら秋野さん達みたいな反応の方が普通なんだろうな


「「はっ!?」」


 秋野さん達が戻ってきたようだ。証拠を見せたとはいえ、いきなり未来の話をされたら思考停止になるのは当たり前か……


「由紀、美優、おかえり」

「た、ただいま、遊華ちゃん」

「ゆ、遊華……ただいま」


 遊華は思考停止していた秋野さん達の前に出た。未来の事をあらかた話したし、俺から話す事はもうないだろう


「さて、後は俺抜きで女子会を楽しんでくれ」


 これ以上女子会を邪魔したくないと思った俺はリビングから出て行こうとした。しかし────



「待ってください!お兄さん!」


 秋野さんに引き止められた。何だ?未来の事についてまだ話があるのか?


「何?俺が知っている未来の事と遊華との関係はほとんど話したと思うけど?」


 俺から話す事なんてほとんどないと思うけど、まだ何かあるのか?


「そうじゃなくて!どうして未来の私の事をお兄さんは身体やそれこそ命を掛けて助けてくれたんですか?」


 あ、そっちか。別に身体は張ったけど、命を懸けた覚えはないんだけど?


「あー、遊華の友達だし?放っておいて悪化したら目覚めが悪し?何より、自分がそうしたかったから」


 嘘は言ってない。それに、あれは俺が勝手にやった事だ。誰かにそうしろって言われてやった事じゃない


「お兄さん……今、私が助けてくださいって言ったら助けてくれますか?」


 涙目で俺を見る秋野さん。はぁ~、俺って女性の涙って苦手なんだよなぁ~……


「お兄ちゃん……」

「遊……」

「遊ちゃん……」

「遊さん……」


 遊華達まで涙目で俺を見てくる。おい、そんな目で見るな。俺が悪い事したみたいになってるだろ


「みんなして涙目で俺を見るな。そんな顔しなくても俺にできる範囲で何とかする」


 俺は神様じゃないからできる事とできない事がある。だから俺は自分のできる範囲で遊華達を守る


「お兄さん……助けてください……」


 秋野さんは泣きながら助けてと言った。だから、俺は女性の涙って苦手なんだよ……


「俺にできる範囲でいいなら」

「はい!!」


 絶対に助けるなんて俺は言わない。世の中絶対なんて事ないんだよ?人間なんだから間違いを犯すからな。絶対なんて言葉を使う奴は自意識過剰な奴だな


「遊さん」


 今度は冬野さんか……何?遊華の友達は人を引き留めるのが趣味なのか?


「ん?何?」

「遊さんは私が困っていても助けてくれますか?」


 何を聞くかと思ったら、そんな事か……俺は誰かを贔屓する趣味ないんだけど?


「俺は誰かを贔屓する趣味はないんだけど?だから俺は冬野さんが困ってたら助けるけど?」

「そうですか……」


 何を知りたいかはよくわからないけど、俺ってそんなに薄情に見える?


「お兄ちゃん、多分今ので惚れたよ?」

「は?何言ってんの?」


 マジで何を言ってるのかわからない。今のやり取りのどこに惚れるかわからない


「だーかーら!由紀は今のでお兄ちゃんに惚れたの!」

「遊華は頭が残念な事になったのか」

「あ?何か言ったか?」


 いつもの遊華じゃない。そして、こんな遊華を俺は知らないぞ。


「お兄さん!私もお兄さんに惚れました!」

「は?え?何言ってんの!?」


 秋野さんまで何言ってんだ?この展開について行けないんだけど?何?この告白ラッシュ?


「お兄ちゃん?」

「遊?」

「遊ちゃん?」

「遊さん?」


 今、返事をしたら殺される……嫌だ。振り向きたくない。このまま部屋に逃げ込みたい


「さて、部屋に戻るか」


 俺は全てをなかった事にして部屋に戻ろうとした。ここは逃げるに限る


「「「「「待て、逃げるな」」」」」

「グエッ!」


 俺は遊華達に首根っこ掴まれてカエルみたいな声を出してしまった。


「お兄ちゃんまだ美優に返事してないよね?」

「遊、女の子の告白を無視するなんて酷いよ?」

「遊ちゃん、告白の返事はちゃんと返さなきゃダメだよ?」

「お兄さん、私の事嫌いですか?」

「遊さん、私の事も嫌いですか?」


 怖いぞ?怖すぎるぞ?ここで秋野さん達の告白を受けたら俺は5股の最低野郎だぞ?


「待て!落ち着けお前ら!遊華達はいいのか!?ここで俺が秋野さん達の告白を受けたら俺はただの最低野郎だぞ!?」


 ここは告白をなぁなぁにして何を逃れよう。これ以上増えたら浩太と敬に何て言われるかわかったもんじゃない。


「お兄ちゃん、10年後に私と結婚してくれるんだよね?」


 唐突だな。いや、するけどさ。するけどいいのか!?俺に付き合う女の子が増えても


「するけど、遊華はいいのか?」


 遊華としては付き合っている相手が増えるのはいい気がしないだろう。


「え?知らない女なら嫌だけど、友達ならいいよ?」


 いいんだ……俺はもう何も言うまい。遊華は心が広いのか?


「そ、そうか……」

「でも……私達以外の女を見たら殺しちゃうぞ☆」


 前言撤回。遊華の心は広くない。遊華は自分の友達と前もって話しておいた香月と美月以外の女は認めないんだな……


「あ、はい、わかりました。遊にはそう伝えておきます」


 いつの間にか電話をしていた香月が戻ってきた。本当にいつ電話したんだ?で、俺に伝える事って何だ?


「あ、遊。遊斗さんからの伝言だけど、“ちゃんと美優ちゃんと由紀ちゃんの告白を受けるんだよ?”だって」


 親父ィ!ふざけんなぁ!!あの野郎ぉぉぉぉ!!楽しんでるだろ!!絶対に楽しんでるだろ!!


「お兄さん……」

「遊さん……」


 気が付いたら俺は秋野さん達の告白を断れない状況にいた。ここで振ったら大変な事になりそうだ。だけど、俺はこの2人に同情して付き合うわけじゃない。俺がそうしたいからだ。本位じゃないが、気持ちは後から付いてくるものだ


「あ、そうですか~、はい遊ちゃんには伝えておきますね~」


 今度は美月が誰かと電話していた。大体予想はつくが、念のために聞いておこうか


「遊ちゃん、遊斗さんからの伝言で“美優ちゃんと由紀ちゃんの父さんは僕の友達だから心配しないで付き合っちゃいなよYOU!ちなみに、さっき電話したら2人とも快く同棲の話を受けてくれたし、一月とも言ってたけど、光熱費諸々は僕達父親全員で負担するから問題ないよ!”だって」

「そ、そうか……」


 俺は完全に逃げ場を失った。そして、同棲する面子が増えた。同時になぜか俺の恋人が2人増えました


「じゃあ、無事に仲間が増えたところで私達の居住スペースに行こうか?お兄ちゃん?」


 強制連行される形でいつもの部屋に連れて行かれた俺は今度は居住スペースの説明をする羽目になった。


「つ、疲れた……」


 あれから、秋野さんと冬野さん────美優と由紀の家から黒服の人達が2人の生活に必要な物を持ってきてくれた。ついでに香月と美月のも……


「お疲れ、お兄ちゃん」


 本当に疲れた。できればもうこんな事は勘弁してほしい……


「おう、本当に疲れ────た?」

「ん?どうしたの?お兄ちゃん?」


 振り返ると遊華達が水着姿で立っていた。俺はもうツッコむ気力も起きない


「いや、よく似合ってるなと思っただけだ」

「「「「「そ、そう……」」」」」


 遊華達は顔を真っ赤にして俯いてしまった。ツッコむ気力がないとはいえ、素直に感想を言ってどうする?まぁ、いいや。今は夜だし……あとは寝るだけだ。あ、寝る場所とかいろいろどうしよう?


今回は尋問されて恋人が増えました

ついでに同棲する人数も増えました

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ