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【本当の母襲来編1日目後編】俺が自称妹に拉致られた件について

今回は本当の母襲来編1日目後編です

自称妹が今回初めて自己紹介!

では、どうぞ

 自称妹に手を引かれやってきたのは俺が1年の時から使っている屋上ではなく校舎裏だった


「おい、何のつもりだ?」


 昼休み。本来なら遊華達と一緒に昼飯を食うはずだったのだが、邑田の乱入と目の前にいる自称妹の襲来にによりそれは叶わなくなった。乱入してくるだけ、襲来するだけならまだいい。本当は嫌だけど!でも、拉致られるとは思わなかった


「何のつもりって私はお兄ちゃんと一緒にお昼を食べようと思って連れてきただけだよ?」


 俺の質問にあっけからんと答える自称妹。何考えてるんだよ……


「それを俺が素直に信じると思うか?昨日あんな事を言った君を素直に信じると思うか?」

「あんな事?あ~、週末にお母さんと一緒に迎えに行くって事ね。別に私はただ週末に迎えに行くよ~って教えてあげただけじゃん!それの何が悪いの?」


 迎えに行く事を知らせてくれるのは悪い事じゃない。問題なのはその相手だ。俺を迎えに来ると言っている相手は幼い頃に俺を施設に預けた人間であり、16年間俺を放ったらかしにした人間だ。そんな人間から迎えに来ると言われて警戒しないわけがない。それが例えその子供であっても


「迎えに来ると伝えてくれたのは悪い事じゃない。迎えに来る相手が問題なんだよ。アンタの母親は俺を幼い頃に施設に預け、その後16年間も放置した人間だ。そんな奴から迎えに来ると言われれば警戒しないわけがないだろ」


 借金があったからとはいえ自分が腹を痛めて産んだ子を施設に預け、16年間も放置した挙句、高校2年生に進級したら迎えに来ますって言われてはいそうですかと納得するわけがない。それに、俺には藤堂家に血の繋がりこそないが、遊華っていう妹がいる。今更自称妹が入る余地などない


「そうかな?私なら本当のお母さんと一緒に暮らしたくてワクワクするけど?」

「俺とアンタじゃ価値観が違うんだよ。一緒にするな」


 俺と自称妹じゃ価値観が違う。当たり前だが、遊華達とだって時々価値観が合わない時がある。自称妹は本当の母が迎えに来ると知ればワクワクするらしいが、俺は全くしない。むしろ迎えになんて来ないでほしいくらいだ


「人間だから価値観が違うのは仕方ない事だけどさ、お兄ちゃん」

「止めろ。俺をそう呼んでいいのは遊華だけだ」


 妹カフェとかなら“お兄ちゃん”と呼ばれても嫌ではない。そういうところだと割り切っているからな。でも、自称妹に“お兄ちゃん”と呼ばれるのは気に入らない


「ぶ~!ケチ!」

「ケチで結構!俺はアンタに兄と呼ばれる筋合いはない!」

「いいもん!私が勝手に呼ぶから!そんな事より!」

「何だ?」

「私の事をアンタって呼ぶの止めてよ!」


 自称妹はアンタ呼ばわりを止めろと言うが、そもそも俺はコイツの名前を知らない。入院中に2回程話をした事はあったが、その2回とも名前を言わずに去って行ったのはどこのドイツだ?


「アンタ呼ばわりを止めろと言われても俺はアンタの名前を知らないから無理だ」


 名前さえ教えてくれれば俺だって女性をアンタ呼ばわりなんてしない。時と場合によるがな


「あ、そっか!病院で会った時も昨日も名乗らなかったんだっけ?」

「ああ。名乗られてないな」

「じゃあ改めまして、私の名前は五十嵐美沙里(いがらしみさり)だよ!よろしくね!お兄ちゃん!」


 自称妹……五十嵐美沙里と言うらしい。って事はコイツの母親も同じ五十嵐って事か……それにしても五十嵐ってどこかで聞いた事があるが……さて、どこだったかな?五十嵐だなんて苗字は多くはないが、珍しいものでもない


「ああ、よろしくな。五十嵐さん」


 遊華達以外の女性を下の名前で呼ぶ事はできない!なんて堅苦しい事は言わない。浩太の彼女とか、香月と美月の母親は下の名前で呼んでるしな。だが、明美さんと羽月さんはそうしなきゃいけない理由があって呼んでるだけだ。目の前の自称妹にまでそうしてやる必要なんてない


「ぶ~!美沙里って呼んでよ!お兄ちゃん!」

「嫌だ!俺は自分の彼女以外は余程の理由がない限り下の名前では呼ばない事にしてんだよ!」


 余程の理由とはもちろん、彼女だったり、苗字が一緒だったり、彼女の母親だったり……あれ?大した理由じゃねーな。まっ、いいか


「ふ~ん、彼女が5人もいる人が言う事は違うねぇ~」


 五十嵐さんの一言は俺をフリーズさせるには十分な破壊力があった。どうして俺に5人も彼女がいる事を知っている?それを知っているのは親父達身内を含め浩太、敬、早川、明美さんだけのはずだぞ!?親父達も浩太達もそれを余所にバラすだなんて事はしないはずだ。いや、できないはずだ。だと言うのにどうして目の前の女はそれを知っているんだ?


「彼女が5人?はっ!笑わせる!どこにでもいる普通の高校生である俺がどうしたら5人もの女性と付き合えると言うんだ?そんな事をしたら俺はただのチャラ男だぞ?」


 五十嵐さんが言ってる事は事実だったが、俺はシラを切る事にした


「そうだね。お兄ちゃんはどこにでもいる普通の男子高校生だよ。遊華ちゃん、香月さん、美月さん、由紀ちゃん、美優ちゃんと付き合ってる上に同棲しているところ以外はね」


 五十嵐さんは聞いてもいないのに俺の彼女達の名前どころか俺の現状まで言い当てた。どうなってるんだよ……


「…………………‥誰に聞いた?」

「あれま、5人も彼女がいる事否定しないんだね。お兄ちゃん」

「否定したところで意味はないからな。それよりも俺の現状を誰に聞いたんだ?それと、お兄ちゃんは止めろ」

「誰にって別に誰にも聞いてないよ?」


 誰にも聞いてない?そんなわけないだろ?少なくとも俺達の関係を知っているのは親父達身内と浩太、敬等の親しい人物達だけだのはずだ


「そんなわけないだろ!俺達の関係を知っているのは親父達と浩太、敬の俺と関係のある人物達だけだのはずだ!五十嵐さんが知れるわけがないんだよ!」


 考えたくはないが、俺の関係者の中に五十嵐さんへ情報を漏らした奴がいる。そう考えざる得ない


「そうかな?お兄ちゃんと遊華ちゃん達の関係なんて見てれば誰だって何となく察せると思うけど?」


 見ていれば察せる。五十嵐さんはそう言うが、俺は……いや、俺達はどちらかというと閉鎖的だ。それこそ俺は浩太か敬以外と恋バナをした事はないし、クラスメイトと話す機会はあるが、それだって事務的な事くらいだ。敬は早川と付き合っていて場所なんて関係なくイチャついてるから見てればすぐにあの2人は付き合っているんだと察せるが、俺の彼女達は年下3人に年上2人だ。見てれば察せるだなんて事はあり得ない


「俺の彼女は年下3人に年上2人なんだぞ?見てれば察せるとか暴論にも程があるだろ。仮に見ていたとして五十嵐さんはどこで見ていたんだよ?」


 見るのは絶対に不可能だとは言わない。だが、仮に見ていたとして一体どこで?


「どこでって言われても困るんだけど……とりあえずコレあげるよ」


 五十嵐さんがブレザーの胸ポケットから取り出したのは5枚の写真


「写真が何だって言うんだよ?」

「いいから見てみてよ!はい!」

「ったく、何だって──────」


 五十嵐さんから受け取った写真を見た瞬間、俺は言葉を失った


「どう見たって普通の関係じゃないよねぇ~?」


 五十嵐さんから受け取った写真に写っていたのは遊華とはキスしているところ、香月達とは一緒に家に入るところと一緒に家から出るところだった。そこまではいい。問題は家に入るにしろ、出るにしろ俺とキスしているシーンだった事だ


「…………………‥何が目的だ?」

「べっつにぃ~?目的なんてないけど~?」


 目的なんてないと言ってる割にニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべている五十嵐さん。その顔は目的がない人間の顔じゃない。


「そうか。じゃあ、写真は俺が受け取った分だけでバックアップデータとかネガとかもないんだな?」

「そんなわけないじゃん!ちゃぁ~んとデータのバックアップは取ってるよ?」

「それなら何が目的なんだ?生憎だが俺自身にも家にも金はないぞ?」

「別にお金が目的じゃないよ。お金なんて吐いて捨てる程あるから」

「じゃあ、何が目的なんだ?」


 最初は金が目的だと思った。でも、五十嵐さんは金なんて吐いて捨てる程あると言う。目的が金じゃないとしたら一体何が目的なんだ?


「目的?そんなの決まってるじゃん!お兄ちゃんが私を美沙里って呼ぶ事と私がお兄ちゃんって呼ぶのを許可してくれる事だよ!」


 金が目的じゃなくて助かった。要求も大したものじゃない


「金を要求されるよりかはマシだからそれくらいなら別に構わない」


 金銭や命に比べれば呼び方くらいは大した事じゃない


「やった!じゃあ、早速私の事呼んでみて?」


 構わないとは言ったけど、いきなり呼ぶのはどうなんでしょうかね?


「え?今?後じゃダメ?」

「ダメ!!今呼んで!!」


 今はとりあえず名前を呼ぶと約束し、後になって煙に巻こうと思っていただが……。五十嵐さんは今名前で呼んでほしいらしい。仕方ない、許可を出したのは俺だ


「美沙里」

「うん!お兄ちゃん!」


 俺が付き合ってるのは遊華達であって目の前にいる自称妹じゃない。下の名前で呼ぶ事に後ろめたさなんてない。


「美沙里、俺が遊華達と付き合ってる事をどうやって知ったか教えてくれないか?」


 五十嵐さんって呼び続けたら俺に5人の彼女がいる事をどうやって知ったか教えてくれないだろうが、今なら聞き出せるはずだ


「どうやっても何も普通に調べたからだけど?」

「調べた?」

「うん。お兄ちゃんの周辺を調べた。お兄ちゃんの生い立ちとか交友関係とかね」


 俺の生い立ちとか交友関係を調べたから俺に5人の彼女がいる事を知っている。納得できない部分しかない。まぁ、さすがに俺が未来に飛ばされた事は調べようがないだろうけどな


「調べた……ねぇ……納得できない部分しかないが、ここは一先ず納得するとして、美沙里、お前は一体何者なんだ?普通の女子高生じゃないよな?」


 普通の女子高生でもやってやれない事はないが、人1人を徹底的に調べ上げるだなんて時間が掛かり過ぎる


「私はただの女子高生だよ?お兄ちゃんが大好きなね!私の家の事は週末にお母さんと迎えに行った時にちゃんと話すからそれまで待ってて?」


 本当の母と迎えに行くまで待て……か。コイツが何者であれ本当の母が迎えに来れば全てがはっきりする。ここで無理に聞き出すよりも話してくれる人間が来ると言うのなら待つしかないか


「わかった。美沙里の母親が迎えに来る日まで待つ」

「うん!」

「このまま話していても仕方ない。昼飯にするか」

「うん!私お兄ちゃんの為にお弁当作ってきたんだ!お兄ちゃん、いつもお昼ご飯は購買でしょ?」


 強引に手を引かれ、校舎裏に連れてこられたから昼飯を持っていなかったが、美沙里が俺の弁当を作って来てくれているとは思わなかった。


「俺の為に弁当を作って来てくれたのは素直に嬉しいし、感謝するが、俺が昼飯をいつも購買で買っている事まで調べたのか?」


 妹であっても女の子が自分の為に弁当を作って来てくれたのは素直に嬉しい。しかしだ。美沙里が俺の生い立ちから交友関係まで調べたとはいえ、何も俺の昼飯事情まで調べんでもよくないか?


「うん!お兄ちゃんの事は全部知りたいらね!」


 何だろう?美沙里は将来ストーカーになる未来が一瞬見えたぞ


「そ、そうか……と、ところで美沙里?」

「うん、なぁに?お兄ちゃん」

「飯の前に確認なんだが、俺と美沙里は本当に実の兄妹なのか?」


 今更ながらってのは変だが、俺と美沙里は本当に血の繋がった兄妹なのかと疑っていた。口では何とでも言えるが、確固たる証拠が何1つないのが現状だ。


「そうだよ。って口で言ってもお兄ちゃんは信用しないよね?」

「ああ。前に1度似たような事があったからな。確固たる証拠がないと信じない事にしてるんだ」

「そっか。とりあえず移動しよっか?いくらここに人が来ないからとはいえ誰かに見られたら面倒だし」

「お、おい!美沙里!」


 校舎裏にいた俺は美沙里に手を引かれ、学校裏の林へ。その林の隅にある小さな小屋に来た。


「こんな小屋去年はなかったぞ」


 美沙里に連れてこられた小屋は俺が1年の時にはなかったものだ。学校裏の林は多少手入れされているから制服で入っても汚れはしないが……


「そりゃそうだよ。だってここは昨日の夜に建てた……いや、持って来たんだもん」

「は?どういう事だ?」


 持って来た。俺が驚いてるのはそこじゃない。工事現場にある簡易事務所はその現場で組み立てると聞いた事がある。だから美沙里が言う持って来たって言うのも間違いではないきがする。俺が問題としているのはそこじゃない。どうして学校裏の林に小屋を持ってくる必要があるのかってところだ


「どういう事も何もお兄ちゃんは私が口で妹だって言っても絶対に信じない。必ず証拠を出せと言ってくるなんてのは予想済みだった。私としても嘘吐く意味はないから証拠を出せと言われたら素直に出すんだけどさ……関係ない人に知られるのは面倒なんだよね」


 美沙里の気持ちは解らんでもない。当事者だけなら何の問題もないが、万が一関係ない奴に見られたとなると面倒事は避けられない。この学校じゃ藤堂遊の妹は遊華で通っているんだ。それが今になって実は藤堂遊の妹は五十嵐美沙里でしたってなると絶対に面倒な事になる


「た、たしかに、当事者である俺だけが知るならまだしも、関係ない第三者に知られでもしたら面倒な事になるのは間違ってないな。この学校じゃ藤堂遊の妹は遊華で通ってる。それが今になって実は藤堂遊の妹は五十嵐美沙里でしたってなると面倒事は避けられないだろうな」

「でしょ?だからここに連れてきたんだよ!で、はい、これがお兄ちゃんのDNA情報と私のDNA情報ね」


 ただの高校生であり、DNAに関して専門的な知識もない俺にDNA情報の書類を渡されても困るんだが……


「ただの高校生でDNAに関して専門的な知識がない俺にDNA情報の書類を渡されても困るんだけど?」

「大丈夫だよ!そこには私とお兄ちゃんのDNAが一致してるか否かの結果しか書いてないから!私だって専門的な事を言われてもわからないもん!」


 俺と美沙里が言っている専門的な事とは即ち俺達が本当の兄弟である確率だったり細胞がどうのって話の事だ。中学の理科で細胞について勉強はするが、それだって所詮は植物の細胞と人間の細胞は同じ細胞であっても違うって程度の事だ。どれくらいの割合で一致したら兄妹だと言えるっていう専門的な事じゃない


「そりゃそうだろ。俺達はそれの専門家じゃないしな」

「だから、その紙には私達が兄妹であるかどうかしか書いてないよ!それより!早く見てみてよ!」

「わかった」


 俺は美沙里に渡された書類に目を通した。そこには案の定、よく解らない事が書いてあったが、その鑑定結果を見てみると……


「ほ、本当に兄妹だったんだな……」


 よく解らない部分をすっ飛ばし、結果だけを見るとそこには“鑑定の結果、藤堂遊と五十嵐美沙里は実の兄妹である事が判明いたしました”という一文が。つまり、俺は美沙里の実の兄だって事になる


「そうだよ。だから、私がお兄ちゃんって呼んでも何も問題はないの!わかった?」

「あ、ああ、わかった」

「じゃあ、お昼にしよう!」


 俺と美沙里が実の兄妹である事がわかったところで昼飯にする事にした。気になる事はなかったわけじゃない。だが、それに昼休みを費やし昼飯抜きはキツイ。それを聞くのは昼飯が済んでからでもいいだろう


「実の妹の手料理なんて初めてだ」


 妹と言えば遊華がいる。でも、遊華は本当の妹じゃない。


「そうだね。私も実の兄に手料理を振る舞うなんて初めてだよ」


 今までは別々に暮らしていた事もそうだが、俺に遊華以外の妹がいた事すら知らなかった。遊華は料理をしないわけじゃないが、どちらかと言えば俺が料理している割合の方が高い。それに……前に食った遊華の手料理は妙に赤かったしな


「そりゃそうだ。今までは別々に暮らしていたわけだし、美沙里はどうか知らないが、俺はお前の存在すら知らなかったんだからな」


 病院で初めて会った時も見ず知らずの男を兄と呼ぶヤベー奴程度にしか思ってなかった


「確かに今まで別々に暮らしていたけど、私はお兄ちゃんの事をずっと前から知ってたよ」

「それって俺達が初めて病院で会った日からって事か?」


 俺の記憶じゃ香月に絡んできた先輩に椅子で頭を殴打され入院した日が美沙里との初対面だ


「ううん。確かにお兄ちゃんと初めて直接会ったのは病院で会ったあの日だけど、私はその前から知っていたよ。そして、ずっとお兄ちゃんに会いたかった……」


 そう言った美沙里の目からはダムが決壊したかのように大粒の涙が零れ始めた。その姿は自分の思い通りにするためなら人の人間関係を破壊するような奴だとは思えないくらい弱々しいものだった


「美沙里……」


 俺は泣いている美沙里になんて声を掛けるべきか、どうしてやるべきかがわからなかった。


「お兄ちゃん……抱きしめてくれないの……?妹が泣いてるんだよ?」


 遊華が泣いてる時には自然と抱きしめる事ができた。なのに美沙里が泣いている時にはどうしてそれができない?なぜだ?


「あ、ああ、悪かった、美沙里。おいで」

「うん……」


 俺が広げた両腕の間に美沙里がスッポリと収まった。すると美沙里は声をあげて泣き出した。そして、美沙里が泣き止んでから少しして俺達は昼飯を食う事になったのだが、遊亜から聞いていた美沙里と実際の美沙里が違い過ぎて弁当の味なんて覚えてなかった。その後、教室に戻ったが、邑田から遊華達の事を聞く事はなかった。家に帰ってからも香月以外と話をする事はなかった。





今回は本当の母襲来編1日目後編でした。

本当の母襲来まで残り4日となりました。果たして遊は本当の母が迎えに来た時にどんな決断をするんでしょうか?

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

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