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浩太と敬が彼女連れで家に泊まりに来た件について(後篇)

今回は前回の話の後篇です

遊達は遊華達を許したのか?

では、どうぞ

 自分がどうして椅子に縛られているか?人間どう転んだらこうなるのか教えてほしい。例えば、ネットで小説を投稿していたらプロの作家になりました。これはその小説が編集者の目に留まり、それが書籍化しました。これは理解できる。だが、友人とその彼女達を家に泊めた。結果、彼女達に縛られました。これは理解できない


「なぁ、遊華?」

「うん、何?お兄ちゃん?」

「どうして俺達は椅子に縛られてるんだ?」


 浩太もそうだが、俺も椅子に縛られているこの状況に納得できない。どうして俺達は椅子に縛られてるんだ?


「そんなの決まってるよ」

「決まってる?」

「お兄ちゃんが私達以外を見ないように、浩太さんが明美さん以外を見ないように、敬さんが望海さん以外を見ないようにするためだよ」


 そういう事か。俺達にそれぞれの彼女以外を見ないようにするために俺達を椅子に縛り、自分達の虜にしようってそういう魂胆か……


「お兄ちゃん……」


 ヤバい!遊華の目に光がない!誰か助けを……浩太は?


「ちょ、ちょっと!明美さん!?」

「フフッ、浩太。何も怖がる事なんてないのよ?」


 ダメだ!明美さんに誘惑されていて俺を気にしている余裕はなさそうだ。ならば、敬はどうだ?


「敬……もっと私をみて?」

「の、望海ちゃん!?」


 ダメだ!敬も使い物にならない!どうしたものかな……考えろ!考えるんだ!俺!遊華達は何を望む?どうしたら遊華達は満足する?


「遊……」

「遊ちゃん……」


 香月と美月も同じで目に光がない。ん?目に光がない?ヤンデレ?明美さんや早川もそうだが、今はヤンデレだ。これは俺の持論だが、ヤンデレは自分を見てくれればそれでいいはず。その願望を叶えてやれば解放されるんじゃないか?


「遊華、香月、美月」

「「「何?」」」


 両手が使えない今、キス以外にできない。それに、キスで遊華達の願望が叶えられるかもわからない。だから─────


「愛してる。どうしようもなく3人を愛してるぞ」


 俺が伝えられる最大限の言葉で愛を伝えよう。惚れた弱みかな……こんな状態の遊華達ですらも愛おしい。遊華達がいればこの先追加で誰と付き合おうが俺は愛する事ができるだろう。


「お兄ちゃん」

「遊」

「遊ちゃん」

「何だ?」

「「「それ本当?」」」


 どうして疑うかな?愛してなきゃ縛られた時点で怒ってるだろうが。全く……


「本当だ。愛してなきゃ縛られた時点で怒ってる」


 愛してなきゃ椅子に縛られた時点で怒ってるし、それ以前に縛られる前に抵抗してる。


「お兄ちゃん……ごめんなさい……」

「遊ちゃん……ごめんね……」

「遊……ごめん……」


 縛られたかと思えば今度は謝ってきた。そもそも、愛を確かめるなら椅子に縛る必要はなかろうに……


「謝るなら早く縄を解け」


 俺は縄を解くように言った。そして、解放された俺は────


「3人ともそこへ並べ」


 遊華達を俺の前に並ぶように指示した。別に怒るわけじゃないし、仕返しをするわけでもない


「お兄ちゃん?」

「遊?」

「遊ちゃん?」


 不安そうに俺を見つめる遊華達。不安になるなら最初から縛るな。はぁ……


「ったく、こんな事しなくても普通に愛してるかどうか聞けばいいだろうに」


 俺は遊華達を抱きしめた。不そになっている彼女達の不安をどうしたら解消できるか?簡単だ。入院患者は手を握って大丈夫って言えばいい。遊華達なら抱きしめて不安を解消してやればいい


「「「ごめんなさい」」」


 抱きしめられても謝る遊華達だが、俺は最初から怒っていない。まぁ、傍から見れば遊華達が悪いから仕方ないか


「俺は怒ってないから気にするな。な?」

「「「うん……」」」


 とりあえず元の調子に戻ったみたいだ。俺は解放されたが、浩太と敬はどうだ?


「浩太……」

「明美さん……」


 浩太と明美さんも俺と同じように見つめ合ってキスする寸前だった。俺もキスしようと思ったが、キスする前に抱きしめたら元の調子に戻ったからしなかったが……


「浩太は無事解放されたか……」


 遊華達を抱きしめながらも浩太が解放された事が確認できた。さて、次は敬だが……


「望海ちゃん、愛してるよ」

「敬……アタシも愛してる」


 敬も無事に解放されて何よりだ。浩太と敬はとんだ災難だったな。彼女との初外泊だったのに


「敬も解放されたか……」


 敬も解放され、この後どうしようか?浩太は明美さんを、敬は早川を、俺は遊華達を説教するか?


「…………」

「…………」

「…………」


 俺は浩太と敬と目があった。2人とも彼女達に説教をするつもりはないらしい。俺も遊華達に説教するつもりはない。だが、罰は必要だ


「遊華、香月、美月に罰を与える」

「「「罰?」」」

「晩飯の用意を女性陣でやる事」

「「「え?」」」

「怒ってないとは言ったが、罰を与えないとは言ってない。俺は両手を縛られてたから手が痛い。だから、晩飯の用意は任せた」

「「「うん!!」」」


 俺は浩太達の元へと向かった。どうやら浩太達の方も俺と同じ罰を与えたらしい


「浩太、敬」

「遊か……」

「遊……」


 女性陣が夕食の下ごしらえを開始する。その間、俺達男性陣は雑談といこう。


「今回はとんだ災難だったな。遊」

「そうだな、浩太」

「でも、自分達が彼女にどれだけ愛されてるかわかったからよかったんじゃない?」

「敬はお人よしだな」


 浩太はゲンナリした様子で敬を見る。俺も浩太と同じ意見だ。敬は優しすぎる。10年後はチャラ男なのに


「悪い気はしなかったが、縛られるのは勘弁してほしいぞ……」


 本当に勘弁してほしい。せめて他に方法はなかったのか?と聞きたい。俺なら押し倒されても文句は言わないから


「俺なんて付き合って1日と経ってないんだぞ?」


 そう言えばそうだ。浩太は明美さんと付き合ってからまだ1日と経っていない。敬が許せたのは多分、早川と付き合ってから時間が経っているからだろうな……


「浩太」

「遊……」

「浩太」

「敬……」

「「ドンマイ」」


 俺と敬は浩太にドンマイしか言えなかった。いや、他に何を言えと?


「チクショー!」


 浩太が可哀そうに見えるが、愛されてる証拠として受け取っておけ。俺はそう思う。


 それからしばらくして晩飯の時間になった。遊華達もこの人数であれこれ作るのが面倒だったのか、晩飯は焼肉となった。まぁ、焼肉だったら洗い物はホットプレートとタレを入れてた皿くらいだしな。そんな手間にはならないだろう


「ふぃ~、食った食った」


 浩太は満足そうに腹を叩いた。お前はオッサンか?まぁ、満足したのは俺も同じだがな


「うん、美味しかったね!」


 敬も満足そうな笑顔を浮かべている。早川……敬はお前以外は興味ないと思うぞ?何かを言われたわけでもないが、俺は何となく思ってしまった


「さて、後は風呂に入って寝るだけだが……浩太と敬はどうする?彼女と一緒に入る?」

「「なっ!?」」


 浩太と敬は顔を真っ赤にして驚いてる。俺だって彼女と入るか?なんて言われたら驚く


「2人とも真っ赤だぞ?」

「「うるさい!!」」


 今度は真っ赤になって怒る浩太と敬。コイツ等は冗談が通じないのか?ここには俺達以外の人間はいないのに……


 俺達男子の不毛な争いは彼女達とキスをするという意味不明な形で終わり、俺達は各々の彼女と一緒に寝る事になった。ちなみに寝る場所は俺と遊華達はいつもの部屋。浩太と敬は親父達の寝室。敬と早川は親父のパソコン部屋で寝る事になった。まぁ、親父達のイチャイチャもそうだが、浩太達のイチャイチャにも興味はないし、何より俺は疲れた。俺はベッドに入った瞬間泥のように眠った

今回は前回の話の後篇でした

遊華達は無事許されたようで何よりですが、罰を与えないとは一言も言っていません

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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