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【美優ヤンデレ編5】俺が美優に落書きされた件について

今回は美優落書き回です

美優は遊のどこに落書きするのでしょうか?

では、どうぞ

 心の広い人ってどんな人だろう?そんな事をふと考える。滅多に怒らない人?滅多に怒らない人を見ると心が広いんだと感じる。が、滅多に怒らない人に限って怒った時が怖かったりする。じゃあ、人の過ちを許せる人?確かに心が広いと思う。心が広いって定義は人それぞれの感性によって違うと思う。それを踏まえてだ。俺の彼女達は心が広いのだろうか?なんて事を俺は美優に寄り添いながら考えていた


「な、なぁ、美優?」

「何?遊くん?」

「何してるんだ?」

「何って、遊くんは私のものだという証を付けているんだよ?それがどうかしたの?」


 どうかしたの?じゃなくてね?さっきキスマーク付けてましたよね?それじゃ満足できないのかな?この子は


「どうかしたのも何もさっきキスマーク付けたじゃん」

「うん。付けたよ」

「キスマーク付けたにも関わらず今度は何?俺の手に自分の名前を書いているのかな?」

「そうしないと遊くんが私のだってわからないからだよ」


 名前を彫られなかっただけマシだと思うべきなのか、それとも、自分の手に落書きしている彼女を叱るべきなのか……。ここは名前を彫られなかっただけマシだと思う事にしよう。じゃないと俺の精神が持たないような気がする


「さいですか。ところで、水性ペンで書いてるんだよな?」


 自分の手に落書きされているのはこの際お咎めなしだ。しかし、できれば水性ペンで書いていてほしいというのは俺の願望だ


「え?油性マジックだけど?」

「…………………よく聞こえなかったんだが、もう1回いいか?これは水性ペンで書いてるんだよな?」

「油性マジックだよ。遊くん、耳悪くないよね?ちゃんと聞こえているよね?」


 聞こえてはいる。ただ、俺の聞き間違いであってほしかった


「ああ、できれば聞き間違いであってほしかったが、どうやらそうじゃないらしいな。どうすんだよ……こんな手じゃ手袋でもしない限り外歩けないぞ?」


 幸いな事に今は秋だ。手袋を履いて出歩いても不審に思われる事はない季節ではある。しかしだ。スーパーの中でも手袋をしていたら不審に思われなくとも細かい作業がしづらい。例えば、財布から小銭を取り出したりとか


「うん。そうだね。でも、私は遊くんの事を外に出すつもりなんてないよ?」

「は?俺が外に出られないと夕飯の買い物とか困るだろ?それとも、美優達が代わりにしてくれるのか?」


 由紀と買い物に出た時、一応、3日くらいなら持つように食材は買い込んだつもりではある。しかし、男1人に女4人とはいえ、年齢的には食べ盛りだ。計算していても食欲がそれを上回るなんて事はよくある事だ


「私じゃないけど、遊華ちゃん達が遊くんの代わりにお買い物してきてくれるって言ってたから遊くんが外に出る必要なんてないんだよ」


 遊華達が俺の代わりに買い物に行ってきてくれるのなら俺が外に出ずとも済む。でも、俺を外に出したくないだけならどうして俺の手に落書きする必要があったんだ?


「俺を閉じ込めておくだけなら手に落書きせんでもよかろうて。何でこんな事を……」

「え?普通じゃ面白くないでしょ?」


 監禁に普通もクソもあるか。


「監禁に普通とそうじゃないのがあるのかよ……」

「普通に閉じ込められるのは遊くん慣れてるでしょ」


 美優の言葉だけ聞いてると俺が監禁されるの大好きな変態になってしまうので、誤解がないように言っておくが、初めて飛ばされた未来で遊華・香月・美月のヤンデレを目の当たりにしてから俺がそれに慣れたってだけで監禁されるのに慣れたわけじゃない。


「あのなぁ……俺は美優達の暴走に慣れてるだけで監禁される事や拘束される事に慣れたわけじゃないからな?その辺誤解しないでほしいんだけど」

「そ、それって……つ、つまり、監禁されるのも拘束されるのも私達だから平気で他の人にされたら嫌だって事だよね……?わ、私達は遊くんにとって特別な存在……って事でいいんだよね?ね?遊くん?」


 何をどうしたら彼女からの監禁や拘束が平気になるのか教えてほしいところではある。それに、特別な存在というのは間違いではない。が、俺に監禁されて喜ぶ趣味や拘束されて喜ぶ趣味はないんだ。ただ、ヤンデレと口論したところで時間の無駄だし、遊華達なら別に口論しなくてもいいかなと思っているだけなんだ


「そうだな、特別な存在というのは間違ってない。だがな、俺は監禁されて喜んだり、拘束されて身悶える趣味はない」

「え?遊くんは私達に監禁されたり拘束されて嬉しくないの?」


 何とも答えにくい質問だ。美優の機嫌を取るか、俺の男としての尊厳を守るか。究極の二択を迫られている


「あー、どうなんだろうなぁ~……最初は嬉しかったような気もするが……何回もされるとさすがに飽きてくるというか……まあ、そんな感じだな」


 美優の機嫌を損なわず、それでいて俺の男としての尊厳を守れる最高の答えを出した。俺はそう思う


「どうしてはぐらかすの?」

「え?」

「嫌なら嫌って言えばいいじゃん!どうしてはぐらかすの!?」


 俺ははぐらかしたつもりはない。ただ、美優の機嫌を損なわず、それでいて俺の男としての尊厳を守る回答をしただけだ


「はぐらかしたつもりはない。今のが俺の本心だ」

「遊くんはいつもそうだよね?本当は嫌なクセに私達を傷つけないような答えを選ぶよね……」

「嫌とは言ってないんだが……」


 美優達のする事に対して嫌だとは言った事がない。それが犯罪に発展しない限りは美優達の意思を尊重させようとしているだけだからな


「どうだか?遊くんは私達のする事に対して何も言わないでしょ。それって私達に対して関心がないって事かな?私達の事なんて本当はどうでもいいって思ってるから何も言わないんでしょ?」

「そんな事はないぞ。美優達が犯罪に発展しそうな事や命に関する事をしようとしたら止める。が、できるだけ美優達の意思も尊重させたい。だから何も言わないんだ。決して美優達がどうでもいいから何も言わないんじゃないぞ」

「遊くんが私達の意思を尊重させようとしてくれるのは嬉しいけど、嫌な事は嫌だってハッキリ言ってよ!!」


 俺はふと考える。今まで美優達が俺にしてきた事の中に俺が嫌だと思う事はあっただろうか?考えれば考えても思い浮かばない。そんな事はさておき、この際だからハッキリ言っておこうとは思う


「この際だからハッキリ言っておくぞ」

「うん……」

「今まで美優達にされたことの中に俺が嫌だと思う事はなかった。手の落書きにしたってそうだが、別に嫌ではない。油性マジックって事には少々驚きはしたが、こんなものは時間が経てば消える。そう考えると別に目くじら立てて怒る事でもないしな。だから、美優達にされた事の中に俺が嫌だと思う事なんて何もないんだ」


 監禁も拘束も美優達が俺を思ってした事だ。それを怒るってのは彼氏として器が小さいと思うし、手の落書きだって時間が経てば消える。キスマークもそうだ。キスマークだなんて言ってるが所詮はただの吸引性皮下出血きゅういんせいひかしゅっけつと呼ばれる人体の肌に強く接吻した際にできる痣だ。そんなものは最短で4日、長くても1週間程度で治るものだ。別に怒る事でも何でもない


「で、でもッ……!」

「でももストもあるか。俺の手の落書きは明日になれば薄くなるし、キスマークは放っておいたら消える。消えるまでどうするかは別として、そんなのにいちいち怒っても仕方のない事だ。そうは思わないか?」

「そうだとしても……嫌な事は嫌だって言ってほしいよ……私は───ううん、私達は遊くんの彼女なんだから……遊くんに一方的な我慢を強いたままじゃ嫌だよ……」


 涙を流し始めた美優だが、別にこれと言って嫌だとは思わない。


「別に俺は我慢を強いられたとは思ってない。が、そう言ったところで美優は納得しないだろ?」

「うん」

「だから、俺は今からワガママを言う」

「ワガママ……?」

「ああ。俺は今スッゲー眠いんだ。だから、美優には抱き枕になってもらいます!」


 嫌な事を嫌と言えと言われても具体的じゃない。じゃあ、どうするか?そんなのは簡単だ。俺は俺の舌いようにするだけだ


「だ、抱き枕?え?」


 当たり前だが、美優は目を丸くしている。嫌な事は嫌と言え。そう言ったら返しとして抱き枕になれだもんなぁ……自分で言ってて意味がわからない


「嫌な事は嫌ってハッキリ言うのは大事な事だ。しかし、俺は美優達にされて事の中で嫌な事はなかった。だが、美優はそれじゃ納得できない。じゃあ、どうするか?俺は今まで美優達にあまりワガママを言った事がない。って事で美優にワガママを言ってみる事にしたんだ」

「そ、そのワガママが抱き枕?」

「ああ。ちなみになんだが、遊華は告白したその日に抱き枕にしたぞ」


 本当はそんな事した覚えは欠片もない。これは美優をたきつける為の嘘だ


「遊華ちゃんにはしたんだ……」

「ああ。告白したその日にな!」

「ふぅ~ん、じゃあ、私も抱き枕になる」

「よろしく」


 俺が美優を抱きしめる形で横になり、そのまま寝る事にした。遊華達もそうだが、寝ている時は当たり前だが大人しい。できれば2人きりになった時はずっと寝ていたいくらいなのだが、そうもいかないのが現実だ。


「好かれているのは嬉しいが、もう少しだけ加減してほしいものだ」


 由紀から聞いた話じゃ来年は遊華、由紀、美優は俺の通う高校に進学してくるらしい。そうなったらどうなる?俺の予想じゃ遊華達は休みの度に俺の教室に来る。遊華は本当の妹じゃないから別に教室でベタベタされようとも文句は言わせないつもりではいるが、それだってどこまでできるか……


「考えただけでも頭が痛い……」


 俺は来年の事に頭を悩ませつつも美優と2人きりの時間を大切に過ごす事にした。考えても仕方のない事ではないが、問題というのはその時になって初めて明らかになるものだ







今回は美優落書き回でした

顔に落書きされてなくても落書きの内容によっては恥ずかしいものです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

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