表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/165

【美優ヤンデレ編4】『ずっと一緒』と『愛してる』の意味を考える件について

今回は『ずっと一緒』と『愛してる』について考える話です

『ずっと一緒』ってよく言うけど、それっていつまで?『愛してる』ってどのタイミングで言えばいいんだろう?

では、どうぞ

「遊くん……愛しているよ。ずっと一緒だよ?」


 俺は最近、この『ずっと一緒』という言葉の『ずっと』の定義が気になり始めた。俺もよく使っている言葉だが、『ずっと』ってのはいつまでだ?死ぬまでか?それとも、死んだ後もか?人によって回答が違うものに悩んでいても仕方ないから誰かに問いかけるなんて事はしないが、こうだっていう定義があるなら教えてもらいたいものだ


「あ、ああ、俺も愛している」

「本当に?本当に私の事愛してる?」

「ああ。本当に愛してる」


『愛してる』って言葉も最近じゃよく使うが、しょっちゅう使っていると言葉に重みが感じなくなる。が、伝えるときはちゃんと伝えなきゃいけない。『愛している』って言葉はどういう時に使うものなんだろうか?


「ふぅ~ん、愛してるって言ったのに他の事考えるんだ?」


 遊華もそうだが、いつの間に俺の考えてる事を読めるようになったんだ?


「他の事って言っても別に美優以外の女の事じゃないぞ?ただ、『ずっと一緒』って言葉と『愛している』って言葉について少し思うところがあっただけでな」

「ふ~ん……それより、遊くんって過去に付き合った事のある女っているの?」

「は?何言っちゃってんの?いるわけないだろ?美優達と付き合う前まで女子とは無縁の生活してたんだがら」


 これは何回か言ってると思うんだけどなぁ?もしかして美優は初耳だったりとかすんのか?


「そっかそっか、遊くんは私達と付き合う前までは女子とは無縁の生活をしてたんだぁ……」

「ああ。親しい友人と言っても浩太と敬くらいだったしな。それがどうかしたのか?」

「いや、別に?それより、今日は浩太さんと敬さんとは話してなかったよね?」

「ああ、珍しい事に俺から話掛ける事も浩太と敬から話しか掛けられる事もなかったが、それがどうかしたか?」


 今朝、美優達がいなかった事から始まり、登校したら浩太と敬から話し掛けられもしなかった。俺から話し掛ける事もしなかったけどな


「いや、浩太さんも敬さんも今日はそれどころじゃなかっただろうから仕方ないのかな?って思っただけだよ」


 は?それどころじゃなかった?どういう事だ?


「どういう事だ?それどころじゃなかったって」


 遊華達もそうだが、美優が俺の友人の弱みを握って脅迫するだなんて事をするはずがないだろうし、何よりネタがないと思う。が、美優は何かを知っている。浩太と敬についての何かを


「浩太さんと敬さんを脅したってわけじゃないけど、最近じゃ遊くん、浩太さん、敬さんの3人は私達の同級生からの人気が上がってきているんだよ?」


 前にも聞いたが、俺の人気が上がる意味!俺は好かれる事なんてした覚えがないぞ?


「いや、浩太と敬はともかく、俺の人気が上がる意味が理解できないんだけど?あれか?俺が遊華の兄だからか?」


 今言った事は理由の一部としては納得できる部分がある。しかしだ。俺の知っている遊華の友達と言えば美優と由紀。この2人しか知らない。俺が忘れているだけなのかもしれないが……


「それもあるけど、遊華ちゃんや私達のお弁当を食べた女子からの人気が……ね?」


 いや、“ね?”って言われましても……俺はどんな反応をすればいいんだよ


「“ね?”って言われても困るんだけど?それに、何?美優達はお弁当交換とかしてんの?」


 女子同士ならあり得ない話じゃないが、俺はお弁当交換なんてした事はないけど。どっちかっつーとお弁当争奪戦とかだな。


「女子同士でお弁当を食べると必ずあるよ?」


 知らんて。そんな女子のキャッキャウフフなんて


「そ、そうだったのか……」


 今度から栄養に気を遣うのはもちろん、色合いとかにも気を遣おう。男飯なら食えればいいが、女子の弁当は色合いも重要になってくるし


「うん!あ、でも、色合いとかは気にしなくてもいいよ?今のままで十分だから!」

「あ、はい。ところで、俺の人気が上がったのは弁当だろうが、浩太と敬の人気が上昇した理由は?」


 俺の人気は弁当を理由にされれば納得できる。しかし、浩太と敬には妹がいないため、人気が上がる理由が理解できなかった


「遊くんと一緒にいるといい画になるからだよ?当たり前じゃん」


 いや、当たり前じゃんって言われても知らんて


「当たり前じゃんって言われましても……とにかく、浩太と敬の人気が上がった理由はいいとして、それどころじゃなかったってのはどういう意味だ?」


 俺としては浩太と敬の人気上昇よりもあの2人が自分の友人と話す時間すらないような事態に陥った理由の方が気になる


「浩太さんと敬さんは今日1日彼女以外と話をするの禁止だから」

「え?何で?」

「遊華ちゃん達から話を聞いた望海さんと明美さんがそう言ったから」


 今の話で俺はどこからツッコミを入れるべきなんだろうか?遊華達が俺の状態をペラペラ喋った事か?それとも、早川と明美さんの独占欲が意外と強かったところか?あー!もう!どっからツッコんでいいかわっかんねー!


「どこからツッコんでいいかわからんけど、浩太、敬、お疲れ。と言っておくか」


 ツッコミを放棄した俺はとりあえず浩太と敬に労いの言葉を贈った。遊華のせいで早川と明美さんがヤンデレと化し、結果、浩太と敬が被害に遭っている。遊華がヤンデレとなった原因を作った俺にできるのは労う事だけだ


「浩太さんと敬さんの事はいいとして、遊くん」

「何だ?まだ何かあるのか?」

「遊くんは今、誰と一緒にいるのかな?」

「美優」

「だよね?それなのにどうして他の人の事を考えているのかな?」

「いや、他の人って言われても浩太と敬だぞ?男だぞ?」


 他の女の事を考えてたならともかく、同性の友人の事を考えているのもダメなんですかね?


「遊くん、世の中には同性愛って言うものがあるんだよ?」

「知ってるよ。それがどうかしたのか?」

「遊くんだっていつ同性愛に目覚めるかわからないじゃん!だから、今から遊くんは私達しか見えないように教育してあげる!」


 美優、嫉妬してくれるのは彼氏として大変嬉しい限りだ。しかし、浩太も敬も彼女持ちだ。それにだ。こんな事本人達に聞かれたらショックだと思うんだけど?


「いや、浩太と敬は彼女持ちだし!俺もだけど!」

「彼女じゃ満足できない事だってあるでしょ?」


 うん、俺の彼女が何言ってるか理解できない。彼女じゃ満足できない事って何?


「いや、俺も浩太も敬も彼女に対して不満なんてないんだけど?」


 浩太と敬から直接聞いたわけじゃない。だが、少なくとも彼女の愚痴が浩太と敬の口から出た事なんてないし、俺も浩太と敬に彼女の愚痴を言った事なんてない


「本当に?遊くん達は彼女に対して不満とかないの?」

「浩太と敬から直接聞いたわけじゃないが、少なくとも俺といる時は彼女の愚痴なんて出てこなかったし、俺も俺で美優達の愚痴を浩太達に言った事なんてないぞ」


 俺は彼女達に不満なんてほとんどない。今のところな


「そうなんだ……不満がないって言ってくれるのは嬉しい……だけどね、遊くん達、モテるから彼女としては不安なんだよ?」


 不安と言われましても?浩太は表じゃ熱血少年だからしつこい女にはそれ以上のウザいノリで返せばいいし、敬は早川一筋だ。そこに付け入る隙なんてないだろう。で、俺はあんまり人との交流がない。だから、話し掛けられたとしても名前と顔が一致しなかったりする


「不安と言われてもなぁ……」

「だって、遊くんはお料理とか上手だし、浩太さんはなんだかんだでカッコいいし、敬さんは母性本能をくすぐられるってクラスじゃ評判なんだよ?遊くん、それ知ってた?」

「いや、初めて聞いた。っていうか、俺の評価が料理だけなんだけど?」


 浩太も敬も似たようなモンだが、ぶっちゃけ料理だけの評価ってどうよ?そんなの練習すれば誰だってできるだろ?


「だって……遊くんのお弁当、女である私達が自信を無くす程美味しいんだもん……そんな男の子を女子が放っておくと思う?」


 女子の感性はよく解らないが、俺としては放っておいてほしいぞ


「さぁな。俺には女子の感性ってのはよく解らないけど、できれば放っておいてくれたら助かる」

「遊くんがそう思っても女子は放っておかないよ。必ず自分のものにしようとする」


 彼女持ちを自分のものにしようだなんて穏やかな話ではないな


「俺は美優達以外と付き合うつもりないんだけど?」


 美優達以外と付き合うつもりがないのは本当の事だ。まぁ、理由はもう1つあるんだけどな


「そう……でも、不安だから遊くんが私達のものだって証付けるね?」


 そう言って美優は俺の首筋に顔を埋めた。そして、首筋から伝わる吸われたような噛まれようなそんな痛み。あれか?俺の彼女はいつから吸血鬼になったんだ?


「美優はいつから吸血鬼になったのやら……」


 美優は俺にキスマークを付けているんだろうと思う。しかし、吸われる方としては血も吸われているような感覚に陥る事があるので吸血鬼という表現はあながち間違いではない。俺はそう自負している


「遊くんの前じゃいつもだよ?そして、血を吸われた遊くんはずっと私のものになるの。素敵な考えじゃない?」」


 素敵なものか。言い伝えじゃ吸血鬼に血を吸われて人間も吸血鬼になるって話だぞ


「俺が吸血鬼になったら誰が日用品の買い出しに行くんだよ?」


 吸血鬼だから飯は人間の血で事足りるだろう。しかし、日用品は別だ。吸血鬼だろうと日用品は必要だと思う。で、店は日中にしかやってない。最近じゃ24時間やってるスーパーとかあるみたいだが、それだって信用できたものじゃない。特に品数に関して


「そんなのコンビニでいいじゃん!」

「美優がそれでいいなら俺は構わないけどよ」


 男性の日用品って言ったら髭剃りとかだが、女性の日用品は数が多い。俺としては薬局とかでちゃんと買い揃えたいと思っているが、美優がコンビニでいいと言うならそれでいいと思う


「そ・れ・よ・り、遊くん」

「何だよ?」

「2人きりなんだから私を見て私を愛して……そして、私に遊くんを独占させて……」


 いつも通りに戻ったと思われた美優だが、そうじゃなかったらしい。やっぱり今日の美優は何か変だ。何て言うか、狂い過ぎている



今回は『ずっと一緒』と『愛してる』について考える話でした

『ずっと一緒』って死ぬまでなのか、死んだ後もなのかって人それぞれで違うと思うし、『愛してる』って言葉もここぞって時に使うから意味があるのかな?なんて思う今日この頃。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ