【由紀ヤンデレ編5】由紀にギャルゲーが見つかった件について
今回は由紀にギャルゲーが見つかる話です
昨日、新元号が「令和」になると発表されました。それに合わせて今回はこの作品を更新しました!
では、どうぞ
夢に出てきそう。そんな状況に俺は何回か陥った事がある。最初の未来で家を抜け出した事があったが、その時の遊華の顔は夢に出てきたな。何しろ遊華のヤンデレを初めて見た瞬間だったからな。あの時は自分でも知らないうちに恐ろしいと感じていたから夢に出てきたんだ。しかし、今回は違う。自分でした事とはいえ、エビ天とイカ天オンリーの昼飯だった。脳みそがエビとイカに汚染されるという意味で夢に出てきそうだ。
「ゆ、由紀さん?」
「ナンデスカ?ユウサン?」
現在、俺の目の前には仁王立ちの由紀がいる。その由紀の手にはギャルゲーのパッケージがあった
「ど、どうして俺は正座させられているのでしょうか?」
「ワカリマセンカ?」
「はい……できれば教えてくれると助かります」
教えられなくても大体の理由は解る。原因は由紀の手にあるギャルゲーだ。
「ユウサン、ワタシタチトイウモノガアリナガラウワキシマシタヨネ?シカモ、ニジゲンノオンナニ」
「…………」
ここで彼女がいる男性諸君、彼氏がいる女性諸君に聞きたい。二次元キャラって浮気に入るのか?と
「ユウサン、ダマッテチャワカリマセンヨ?チャントセツメイシテクダサイ」
説明しろと言われましても、貴女が持っているのはまだ遊華にすら告白してない時に買ったものですよ?以外にの説明が思い浮かばない
「あー、それはまだ由紀達と付き合う前に買ったゲームだ。付き合う前にヒロインは全員攻略して今はやってない」
「ユウサン、ワタシハヒロインヲゼンインコウリャクシタカドウカヲキイテイルンジャアリマセン。ドウシテマダモッテイルノカヲキイテイルンデス」
「そ、それは……」
俺は言葉に詰まりながらもどうしてこうなったかを思い出していた。あれは30分前─────────
「ふぃ~、食った食った~」
昼食が終わり、俺は優雅に食休みをしていた。その間に由紀が食器を洗ったりと後片付けをしてくれている。普通は逆なんじゃないかと思うが、由紀曰く『遊さんに作ってもらったので片付けくらい私がやります!』との事だ。
「普通は女が料理をし、男が後片付けをする。なんて考えはもう古いのか?」
俺は亭主関白じゃないからなんとも言えないし、実際に家事全般は俺がやっているのを考えると女性ばかり家事をするという考え方はもう古いのかもしれない
「この家の家事をほとんど担っている遊さんが今更それをい言いますか?」
片付けを終えた由紀が2人分のカップを持って戻ってきた。中身が何かは知らないが、湯気が出てないところを見ると温かい飲み物じゃなさそうだ
「だよな……ま、俺は亭主関白主義者じゃないから別に女が家事してようが男が家事してようが気にしないんだけど」
世の中には主夫がいる。今更になって女は家で大人しく家事してろだなんて言うつもりは毛頭ない。男が家で家事しててもいいじゃないか
「そうですよ。はい、食後のコーラです」
「ありがとな」
由紀からコーラの入ったカップを受け取り、口を付ける。そして、由紀も俺と向かい合わせの席に座る。不思議なものでカップで飲むと少しだけ大人の気分を味わえる。そう思うあたり俺もまだまだ子供だな
「遊さんは5人も彼女がいて大変だと思う時ってないんですか?」
「いきなりだな」
「そうですね。ですが、世間じゃ妹の遊華と付き合っている事だって驚きなのに彼女が5人もいるだなんて普通じゃないって思うじゃないですか」
確かに遊華が実の妹なら彼女にするのは大問題だ。だが、遊華は実の妹じゃない。血の繋がりなんてないから別にバレたとしても何の問題もない。それに、俺は最初の未来で親父から10年後には一夫多妻が認められているって聞いてる。10年待てば由紀達と付き合っている事も結婚する事も合法となる
「遊華が実の妹なら大問題になっているが、俺は遊華の実の兄じゃない。それに、前にも話したが、10年後には一夫多妻制が導入されている。今はまだ付き合っているって話す事も結婚する事もできないが、それだって10年待てばいいだけの話だ。バレなきゃ何の問題もない」
「それはそうですが……」
10年後の未来に行ったなんて話を簡単に信じていいのか?なんてのは今更だが、証拠を見せられた以上は信じるしかない。真面目な由紀が今自分がしている事に後ろめたさを感じているのも理解できる。
「それに、俺だっていい加減な気持ちで由紀達と付き合ってるわけじゃない。5人も彼女がいる事も別に大変だと思った事はないしな」
これが隠れて付き合っているとなると大変だっただろう。怪しまれないようにしたりとか、携帯をどうしようかと考えたりか。だけど、付き合っている彼女全員と同棲している状態の今では大変とは思わない。
「それならいいんですが……」
「だろ?それより、少し眠いから戻るか」
「そうですね」
俺達はコーラを飲み干し、寝室に戻った。が、寝室に戻ってからが拙かったんだと思う。
「この部屋にも大分慣れたな」
「そうですね。最初は慣れませんでしたからね……」
俺と遊華はともかく、最初の頃、由紀達はこの部屋に馴染めなかった。目に見える態度ではなかったにしろどこか馴染めていないように見えたと言った方が正しいのかもしれない。しかし、今ではそんな気配を微塵も感じさせない
「にしても、キングサイズのベッドはねーよな」
「わ、私は遊さんと一緒に寝られるのなら……」
「…………お、おう」
「…………」
俺達は互いに顔を真っ赤にして俯く。キスとかで慣れたと思っていたが、こういう部分では初心だったみたいだ
「す、少し横になるか!」
「そ、そうですね!あ、私は着替えてきますね!」
「あ、ああ!」
さすがにナース服で横になるのは抵抗があったみたいで由紀は着替えにクローゼットの方に行ってしまった。俺は見ないように頭から布団を被って待つ。ここまではよくない部分もあっただろうが、まぁ、良しとしよう。
「ユウサン」
着替え終わったであろう由紀が声を掛けてきたが、どこかおかしい
「着替え終わったのか、由──────」
俺は由紀の目を見た瞬間言葉を失った
「ユウサン、セイザ」
「はい……」
俺は由紀に言われた通り正座した。しかし────────────
「ユウサン、ダレガベッドノウエニセイザシロッテイイマシタカ?ユカニデスヨ?」
「はい……」
そして、冒頭に戻る。俺は現在、ヤンデレ由紀に尋問を受けていた
「ソレハ?ソレハナンデスカ?」
「あー、いや、リアルとゲームは別だし、もうやる事もないだろうと思ってクローゼットにしまってあったのを忘れてたと言うか……何と言うか……」
クローゼットにゲームソフトをしまっていたのは単純に他にスペースがなかったからであって別に隠したかったわけじゃない
「ユウサン、ソンナイイワケがツウヨウスルトオモッテイマスカ?」
知ってた!本当の事だとしてもこの状況でそんな言い訳通用するとは思ってなかった!
「いいえ……」
本当の事だとしてもヤンデレと化した由紀には通用しないわけで、俺はこう答えるしかなかった
「デスヨネ。ユウサンニキキマスガ、ホントウニスキナノハワタシタチデスカ?ソレトモ、ニジゲンノビッチデスカ?」
二次元キャラに対する偏見が酷いのは置いといて、本当に好きなのは由紀達だ。っていうか、画面から出てこない奴や絶対に自分のものにならない奴を恋愛対象として見る意味はない
「由紀さん達です」
「ソウデスヨネ、ユウサンガスキナノハワタシタチデスヨネ」
「はい」
「ジャア、コノゲームハステテモカマイマセンヨネ?」
処分するのはいいんだけど、さすがにゴミ箱にホールインワンは困る。せめて売って金に変えたいと言うのが本音だ
「さすがにゴミ箱にホールインワンは困るが、売って金にする分には何の問題もない」
俺の主張が通るかどうかは由紀の心意気次第になってくる。が、しかし、ゴミ箱にダイレクトよりも売って金にして家計の足しにするなり、由紀達とのデート代の足しにするなり派できるから俺としては売るに賛成してほしいところだ
「ユウサン、マダコノビッチタチニミレンガアルンデスカ?」
由紀の疑いの視線が俺に突き刺さる。まぁ、ゴミ箱にダイレクトは止めてくれと言われたら未練を疑いたくもなるだろう。俺は1度クリアしたゲームには興味なんて微塵もないんだがなぁ……
「いや、未練はないが、ゴミ箱にダイレクトよりも売って金にして家計の足しにするなり由紀達とのデート代の足しにした方がいいと思っただけだ。他意はない!」
「ホントウデスカ?」
「ああ!本当だとも!俺が由紀達に嘘を吐いた事があるか?」
隠し事をした事はあっても嘘を吐いた事はない。隠し事した事がある時点で信用できないと言われても仕方ない気がするが、人間生きていれば隠し事の1つや2つするだろう。だから、できれば信じてほしいところではある
「ウソヲツイタコトハアリマセンネ。カクシゴトヲサレタコトハアッテモ」
「だろ?少しは俺を信用しろって」
隠し事していた時点で信用もクソもないだろう。だが、ギャルゲーが無残にゴミ箱に放り込まれ、1円にもならないなんて状況よりも売って1円にもなれば儲けもんだ
「ふぅ、一先ずは信用します。ですが、次にこの手のゲームを見つけたら……ユウサンヲタベチャイマスヨ?」
「はい……」
今まで遊華、香月、美月と2人で過ごし、いずれもヤンデレを発動させる事はあった。遊華の時は身体に名前を彫られる事も覚悟したし、香月の時はストーカーと化した先輩に椅子で殴られもした。美月の時には見ず知らずの女性に兄呼ばわりもされた。しかしだ。今回の由紀はそれらを凌駕するくらいには怖いと感じた
「解ればいいんです。遊さんは私達だけを愛し、私達だけを見ていればいいんですから」
そう言った由紀の笑みは目から光が消えていたとはいえ、美しかった。それと同時にするつもりもないのに浮気できないとも思ったね。俺も俺でヤンデレな由紀達に毒されているって証拠なのか?
今回は由紀にギャルゲーが見つかる話でした
新元号とは何の関係もない話でごめんさい・・・・ただ、元の作品が10年後の未来を扱っていたので登校しました
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました