表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/165

【由紀ヤンデレ編4】昼飯が白米とエビ天とイカ天のみだった件について

今回は遊と由紀の昼ごはんの話です

最近になってこの作品の年齢制限に失敗したなぁ~と思っている私です

では、どうぞ

 平日の昼間に学校に行かないというのは妙な気分にさせる。他の学生が勉強している中、自分は学校を休んで家にいる。学校に行ってたらこの時間に勉強し、この時間は休み時間だから思い思いの時間を過ごすんだろうと考えただけでも気が楽になるというものだ。しかし、俺は風邪を引いて休んでいるわけじゃない。今日は大事を取って休んでいるだけなので身体的には元気だ。その上、家事は全て由紀がやってくれた。つまり、俺は暇なのだ。そんな俺は今、彼女である由紀とスーパーに来ていた


「遊さん、必要なものを買ったらすぐに帰りますからね!」

「わかってるよ」


 店内で姉弟のようなやり取りをする俺と由紀。実際は俺が年上、由紀が年下。だと言うのに、今は逆転し、俺が年下、由紀が年上みたいな感じになっている。俺達はいつから年齢が逆転したんだろうな?


「本当にわかってますか?」


 疑うような視線を向けてくる由紀。前言撤回。姉弟じゃねーや……これじゃ金にだらしない夫とそれを管理する妻だ


「わかってるって、エビとイカ、念のために天ぷら粉を買ったらすぐに出るって」

「ならいいんですけど……」


 俺の当初の目的はエビとイカだけだった。天ぷら粉はあるだろうけど、足りなくなったら困るから念のためだ。しかし、せっかく天ぷらするのにエビとイカだけってのも寂しいような気がする


「でも、せっかくの天ぷらなのにエビとイカだけってのも物足りない気がしなくもないんだが……」


 俺1人ならエビ天オンリーでもイカ天オンリーでも全く問題はない。だが、由紀と2人で天ぷらするのにエビ天とイカ天オンリーってのはどうよ?


「私はむしろエビ天とイカ天オンリーでも全然イケますけど?」


 意外な事に由紀はエビ天とイカ天オンリーでも全く問題ない人だったらしい。まぁ、それならそれでいいんだけどな


「え?イケるの?」

「はい!むしろエビ天とイカ天以外はいりません!!」


 うん、由紀は他の天ぷらを食うべきだと思う。もしかして、山菜の天ぷらとか苦手な人だったりとか?


「由紀のエビ天とイカ天に対する拘りはまた今度聞くとして、由紀ってもしかして山菜の天ぷら苦手だったりとかするのか?」


 未来では問題なく野菜の天ぷらは食べていた由紀だが、それは未来での話だ。20歳超えてた未来とは違って今は15歳だ。味覚も違う。由紀には山菜の天ぷらが苦手か?なんて聞いてはみたが、もしかしたら野菜の天ぷらが苦手だと言う可能性も考慮しておこう


「いえ、別に山菜の天ぷらは苦手じゃありませんよ。ただ、大好物な天ぷらがエビ天とイカ天だっていうだけで」

「なるほど」


 由紀は別に山菜の天ぷらが苦手というわけじゃなく、純粋にエビ天とイカ天が好きすぎて他はいらないと思っているようだ。


「それに、エビ天とイカ天が少なければどちらから食べるか迷うじゃないですか?だったらエビ天とイカ天オンリーの方がいいんです。そうしたら迷う事なんてありませんから」


 確かに、エビ天かイカ天しかないなら迷う事なんてないな。だが、食卓にはエビ天かイカ天しかないけどな


「それはそうだが、せっかく天ぷら揚げるなら他も欲しくないか?」


 俺だってエビ天もイカ天も好きだ。でも、だからと言ってエビ天とイカ天オンリーで行けるか?と聞かれれば返答に戸惑う


「いりません!私はエビ天とイカ天があればそれでいいんです!!」


 スーパーに来て数分、俺は雪の新しい一面を見たような気がした。


「わかったわかった、エビとイカと天ぷら粉と飲み物買って帰るぞ」

「はい!!」


 俺達はエビとイカと天ぷら粉と飲みオレンジジュースを買って帰宅する事にした。天ぷらするにはするが、家には俺と由紀しかいないし、イカとエビさえあれば由紀はそれでいいみたいだし、考える必要なんてなかった。レパートリーが少ないとか、寂しい食卓とかのコメントはナシだ。


「さて、帰ってきたわけだが、由紀、聞いていいか?」

「はい、何でしょうか?」

「どうして料理するのにナース服なんですかねぇ?」


 俺達は帰宅し、一旦着替えた。俺はTシャツ、スエットに、由紀はナース服に。ここからしておかしい。俺のは普通の格好だとして、どうしてナース服?まして、これから料理するのに


「外では普通の格好でしたが、遊さんと2人でいる時ははナース服でいようって決めたからです!」

「あ、そう」


 由紀が決めた事なら別にそれでいい。ただ、ナース服でキッチンに立つってのはどうなんだとは思うが


「遊さん、何から始めましょうか?」


 由紀はキラキラした目で俺を見つめてくる。そんなにしてエビ天とイカ天にありつきたいのか?由紀のエビ天とイカ天好きは相当なものだな


「そうだな、まずはエビの下処理から始めようか?」

「はい!」


 エビの下処理は尻尾を少しって、ワタを取り出し、水洗いして終わりだ。まぁ、天ぷらにするから水気は切っとかなきゃいけないがな。問題は揚げた時に真っすぐな方がいいのか、それとも、曲がっていてもいいのかだ


「あー、由紀はエビ天は真っすぐな方がいい方?それとも、曲がっていて大丈夫な方?」


 俺は別に真っすぐでも曲がっていてもどっちでもいい。しかしだ、拘る人はとことん拘る。恐らくだが、由紀もそのタイプだ


「私はどちらでもいいです。別に真っすぐでも曲がっていてもエビ天には変わりありませんから」


 これまた俺と同じ回答。きっと俺と由紀の好みってすごく似通ったものなんだと思う。そんな由紀だから一緒に料理をしたいと思えるんだろうな


「じゃあ、今回は曲がったエビ天にするか」

「そうですね」


 本当は尾から頭にかけて包丁を入れればエビは加熱した時に曲がらない。しかし、今回は面倒だからそのままにする


「さて、エビの下処理が終わったところで、今度はイカって言いたいが、イカは解凍するだけだ」


 イカは解凍するだけなので骨を取ったり、墨袋を取ったりする必要がない。もちろん、すでに捌いてあるので捌く必要もない。解凍して食べやすい大きさに切り分けるだけ。


「スーパーで買ってきたものですし、特にこれといった調理は必要ないですね。あったとして食べやすい大きさに切る事くらいでしょうか?」

「ああ。やる事はそれくらいしかない」


 イカを解凍している間に水と天ぷら粉をボールに入れ、準備しておく。ついでに別の容器に少しだけ天ぷら粉を取っておく。さて、これで準備は完了だ


「遊さんって何でもできるんですね」


 全ての準備が終わり、エビを揚げてる最中にふと由紀がこんな事を言い出した


「はい?俺は別に何でもできるわけじゃないぞ?」


 俺は何でもできるわけじゃない。いや、むしろ何もできないと言っても過言じゃない


「できるじゃないですか。料理、洗濯、掃除……それに他にもいろいろと」

「それは必要だから覚えたんだよ。最初からできたわけじゃない」


 料理も洗濯も掃除も最初に飛ばされた未来で覚えた。遊華達のヒモにならないために。その未来で母さんがいなかったから洗濯と掃除は母さんがやっていたのを思い出しながらだったし、料理はネットのブログとかで見て調べた


「そうだとしても遊さんはそつなくこなすじゃないですか」

「そつなくこなせるんじゃなくて、失敗できないから気を付けてやっているんだよ。俺が飛ばされた未来で由紀もそうだが、遊華も、香月も、美月も、美優も声優という仕事をしていた。そんな中、俺だけが働いてない。ま、家事してなきゃ俺は遊華達のヒモだったわけだが、それでも、失敗したら仕事で疲れて帰ってくる遊華達の負担が増えるだろう?」


 未来の世界じゃ俺は遊華よりも年下だった。それでも、兄として妹に迷惑なんて掛けられなかったし、恥ずかしい姿なんて見せられなかった。


「まぁ、それは程度にもよるんじゃないですか?」

「そうかもしれないな」


 俺は揚がったエビやイカを油から救いあげ、キッチンペーパー敷いた皿の上に移す


「笑って済むような失敗なら別にいいと思いますけど?」

「笑い話になるのは後になってからだ。その時じゃない」


 俺は次のエビやイカを油に放り込む


「で、結局、遊さんは何でもできるじゃないですか」

「あ、そこに戻るのね」

「はい。私はどうしたら何でもできるようになるのか聞きたいだけですから」


 ふむ、どうしたら何でもできるようになるか?か……俺は何でもできるんじゃなくて初めての事はまずやってみるだからな……根本的な部分が違うんだよなぁ


「答えになってないと思うが、俺は何でもできるんじゃなくて初めての事はやってみるようにしているんだよ」


 質問の答えになっているかは知らないが、できるできないじゃなく、やるかやらないかだ


「つまり、遊さんはチャレンジ精神をもって物事に挑んでいると。そう言う事ですか?」

「ああ、そういう事だ」


 前にもこんな話をしたような気がしなくもない。


「そうですか……」

「どうした?」


 俺はラストとなるエビとイカを油から救い上げ、先程と同様に皿に移した


「いえ、ただできるのを待ってるって退屈じゃないですか。だから少し話がしたかっただけです。さっきの質問にも特に意味はありません」

「あ、ああ、そうなんだ……」


 由紀にしては珍しい。退屈だから意味のない質問をするだなんて


「ええ、遊さんとちゃんと話す機会なんてそうはありませんから」


 言われてみればそうだ。遊華達が一緒の時なんかは一対一で話すなんて事はあまりない。


「それもそうだな。それにしても……」

「何ですか?」

「ナース服でキッチンに立つって相当な違和感しかない」


 別にナース服が悪いとは言わない。しかし、ナース服を着ていてもいいからせめてエプロンは着けてほしかった


「私も途中からそう思いました……エプロンぐらい付けた方がよかったと……」

「まぁ、もう終わった話だからいいけどよ」

「そうですね」


 俺達の昼食は大量のエビ天とイカ天、それと白米だった。今まで生きてきてオカズがエビ天とイカ天オンリーだった事は後にも先にも今日しかないだろうと思う



今回は遊と由紀の昼ごはんの話でした

昼食の偏り方は・・・・豪勢なのか、それとも、野菜嫌いとかの偏りなのか・・・・

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ